杉井光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「そうだよ。ほんの一ミリグラムの望みは、絶望の千倍つらい」
医者がすれちがうときに残した最後の言葉が、あたしの胸に深々と突き刺さった。あたしは振り向いて、瞬きだけでくしゃりと潰れてしまいそうな白衣の背中を見送る。坂の下に見えなくなってしまうと、もう一度、真っ白な教会に目をやった。
存在証明の失敗は不在証明にならない。
だから、つらい。
(P.109)
「たとえば神がどれほどの屑でも、他に神がいない以上、私たちはその神を愛するのです。神もそうおっしゃっている。我の他に神なしと。愛していいかどうかを決めるのは愛する側です。愛される側ではない。だから信仰が力を持つんです」
(P.167) -
Posted by ブクログ
原作2巻の中盤までと、1巻の内容の半分くらいまで。
絵はあっさりしていて、雰囲気にあっていて良いと思うのだけど(何よりアリスが可愛いし)、構成が微妙。
原作シリーズの中でも、確実に最高傑作で一番感動できる1巻の内容を、淡々とした回想シーンで終わらせていいのだろうか。
読んでいると、原作の中で出てきた数々の素敵な言葉が思い出されてきて感動するのですが、原作を読んでいない人からしたら、このコミック版は展開が速い上に、原作の魅力である心情の細かい描写や切なさが伝わらないのではないでしょうか。
決して悪い出来ではないのですが、原作が本当に好きだったので、どうしても不満点の方が多く出てきてしまいます。し -
Posted by ブクログ
ニート探偵・アリスのもとに突如飛び込んできたタイの少女・マオ。彼女の依頼は、行方をくらました父親の捜索。しかし持参したボストンバッグには出処不明の現金2億円、ヤクザの影も見え隠れと、どんどん事態はきな臭い方向へ進んで行きーー。
資料用に読みはじめたけど、なんだかんだでキャラクター小説としては好きかも。少佐が。ああいう情報参謀みたいなキャラに弱いなぁほんと。
デジタル特化が主要キャラに2人いるのは配置として珍しいように思うけど、探偵とミリオタって差別化ができてるからいいのかな。まぁそもそも、ヒロインとレギュラーその2くらいだから問題ないのか。 -
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