成田名璃子のレビュー一覧
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『東京すみっこごはん』に続いての成田作品。
たべものそのものの描写がうまいのか、食べる人の描写がうまいのか、ここに出てくる食事は美味しそうだ。
そこがこの作品の素敵なところかなあ。
もう一つ素敵なのは、タイプが違う不器用な女性二人が、一歩、前へ踏み出していくところ。
一方では、アラン会長の設定は、ちょっとついていけない気がする。
ダンさんという存在まであると、水戸黄門かいな、と突っ込みたくなった。
焼き魚を炭火焼にまで変えることを読むと、懸案の白飯は、まさか竃に薪で炊けという話になるのかと思ったが…。
うん、まあ、確かにガス釜は美味しいけどね。 -
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シリーズ4作目。
今作で登場するのは、読モの瑠衣、母子家庭で高校進学に悩む瑛太。
いつもの流れならば、そのまま「すみっこごはん」の仲間入りをするのだけれど、今回の二人はわだかりを残したまま、「すみっこごはん」に来なくなっていた。
そんなある日、「すみっこごはん」のメンバーが解散した後、楓の父・遠藤が「すみっこごはん」にやってくる。
動揺しながらも、祖父と柿本と同席してもらって、父と話をすることにした楓。
すでに家庭を持ち、もうすぐ子供が生まれるということで、楓を訪ねて来たらしい。
水漏れから2階の改修工事も始め、楓の中で「すみっこごはん」に対する新たな感情が芽生える。
それがどんな未来になるの -
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
何事においてもコスパを重視するOL、すみっこごはん常連の純也に恋する同級生の男の子、40代半ばで結婚したものの義理の娘との関係に悩む女性のエピソードと、柿本と楓の母であり、すみっこごはんのレシピの作成者・由佳との出会いも描かれる。
3作目なので、メインの登場人物のエピソードは抑えめで、ほとんど短編集と言った感じがする。
それでも章ごとに描かれる料理への愛情が、文章からも伝わってくるから不思議。
決して難しい料理を題材にしている訳ではないが、ただ作るのではなく、どんな料理でも食べてくれる人への愛情が大切だと言うことを全編を通して、教えてくれる。
1作目の主人公となるコスパ重視の