成田名璃子のレビュー一覧
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ネタバレ家政婦と小説家の話ということから、レーベル的に未婚の家政婦さんと青年の小説家の不器用な恋愛的な話かななんて勝手に想像していたら、全く違っていて驚きました。
10歳の女の子がいる離婚したてほやほやのシングルマザーさんと、50代だと思われる男鰥の小説家さんの物語でした。
しかも、この2人が中心かと思いきや、10歳の娘さんも、小説家さんの大ファンでもある編集者さんもメインキャラクター。
この4人で、自分に自身がなかった家政婦さんと、家族を失って小説を書けなくなっていた小説家さんの新たな一歩を皆で踏み出していく。
そんな家族と絆の物語だったように思います。
想像以上に大人な物語でした。
これは少なくとも家政婦さんと同年代以上じゃないと、感覚的にぴんとこない部分もあるかもしれません。
でも、だからこそ若い世代に読んで欲しい気がします。
今は珍しくなった専業主婦だった家政婦さん。
家事くらいしか取り柄がなく、実際そのせいで離婚する羽目になったものだから、自分自身に価値を見いだせずにいた。
彼女と同じように「働いていない主婦なんて」とか「家事しかしていない癖に」と言われて自信が持てずにいる方が他にもいるのではないかなと。
専業主婦に限らず、自分の取り柄が分からず、苦しんでいる人はきっといる。
そう言う人にこそ、この本を読んで、少しでも自信に繋げてくれたらなと、そう願わずにはいられません。
そのヒントがきっとこの物語の中にあるから。
少なくとも「家事」に対する考え方は変わると思います。
丁寧に、本当に丁寧に描かれた物語でした。
だから、最後の最後でちょっと一足飛びで話が進んだ気はしました。
まあ彼女にしてみればご褒美ということで。
自信がなかった彼女が見つけたものとは。
是非読んで、読んだ本人がご自身で答えを見つけて欲しいです。 -
Posted by ブクログ
心にすきま風が吹いたとき、商店街の脇道に佇む“共同台所”は、いつでも、誰でも、やさしく迎えてくれる。恋愛に無関心なOL、誰にも言えぬ片思いに悩む高校生、シングルファーザーと結婚したキャリアウーマン。そして、無愛想な常連・柿本が回想する、忘れられぬ人との出会い―。それぞれのあたたかな恋心と愛が溢れ出す、大人気シリーズ第三弾。
『マイ・ファースト鱚』と『親子丼に愛を込めて』が良かったなぁ。弱い部分、悪い部分も全部含めて、「自分」であることを認めてあげることの難しさが、しっかり描かれている。
受け入れがたい辛いこともあるけれど、それでも必死に生きている人たちの物語に、胸を打たれる。 -
Posted by ブクログ
高岡皆道(たかおかかいどう)は300年続く中規模の寺の後継ぎ坊主。
仏教は嫌いだが、家のために、大学で潰しのきかない仏教科を出て継いでやった、寺だって一種の自営業である、そんな思考だった。
お布施を抜いて、お経も端折っていたのが父親にバレて、まるで更生施設に入れられるように、禅寺・三光寺に修行に出されてしまう。
同期で同室の、滝川源光(たきかわげんこう)は大きな寺の跡取り、定芯(ていしん)も寺の息子で、仏教好きの修行好き、体格のいい陽元(ようげん)だけは僧侶ではなく、脱サラしたという。
飄々とした、貫首(かんしゅ)円諦(えんてい)和尚。
先輩の禅一(ぜんいち)と高仙(こうせん)は、黒く塗った白と白く塗った黒…みたいに正反対。
堕落を誘う言葉は耳に心地よく。
どれだけ厳しい修業をしても、仏陀のような悟りを開いたものはいない。
人の煩悩の種は尽きず、業は深い。
しかし、それはビジネスの種であり、悪魔のつけ入る隙でもある。
お料理で体を救う、そのことで心も救う…と言うお話はいろいろ読んだ。
ついに、真っ向から綾雲に乗って仏教小説が来た!!!
少し専門用語がなじみ薄かったが、ある意味仏教ブーム、御朱印ブームの今なら、十分受け入れられると思う。
基本的に宗教は個人の心の中の問題で、自分を救えるのは自分だけだと思う。
この作品の修行僧たちも、様々な形で、自分の中の問題と向き合って行った。
個性的な彼らの心の旅路も興味深く、しかし、テンポ良く進む若者の共同生活を見守るのも楽しいのであった。
表紙を見て、なんとなく「BL要素あるかな~」なんて思った私の煩悩も相変わらず(笑) -
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最悪の始まりから、すがすがしい朝を迎えられるようになるまで。
「ハレのヒ食堂」は、とても縁起の良い名前。
やることなすこと上手く行かなくて、人生どん詰まり。
どんくさい、自信がない、陰気でコミュ障な、大家深幸27歳。ついにホームレスか?
一方、最高に美味しいごはんを作る、朝食専門の「ハレのヒ食堂」の店主、晴子は美人でスタイルも抜群だが…なんだか切羽詰まった雰囲気と影がある。
加えて、彼女もコミュ障だった!
人生が生きにくく、重い石を背負った様な二人。
しかし、ただ者ではないホームレス・アラン会長や、貴重な常連さんたち…
高校生・茜、読書リーマン、職人・川崎さんなどとかかわるうちに、物事は次第に良い方に転がって行く。
下ばかり見ていないで、きれいな空を見なくちゃ損だよね!
と思えて読み終わる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価:☆4.5
選ばれた者は受験に失敗するというクラス対抗駅伝、通称落伝。選ばれたのは部活でベンチを温めているだけのそれぞれ問題を抱えた5人だった――。
本筋も進めつつ、各章毎に各キャラに焦点を当てて掘り下げていくという構成。
・朔
本作の主人公で、膝を痛めてリハビリを続ける元バレー部エース。
特別に苦労することなく才能で全てを掴んできた朔の苛立ちや焦り、そしてそこから周りの人達からも影響を受けて少しずつ向き合っていくのは描写も丁寧で感情移入できた。
・伊織
学校では良い子ちゃんを演じているが実は・・・系の女の子。
あんな環境で育って演じ続けてってめちゃくちゃ根性あるよなー・・・崩れていくところは読んでて辛かった。
二次に限るがこういう子は割と好き。こういう子が、というか仮面が剥がれて素を見せるようになる瞬間が好きw
親のしがらみに囚われていた伊織が3でも2でもなく1になっていくところはグッときた。
・康太
結果よりも努力の過程が好きだという男の子。
だが親には結果が全てだと求めらてて・・・といった感じ。
作中での成長具合は一番かもしれない。
伊織のツンデレにやられてる辺りドМで将来が心配だ(笑)気持ちは分かるがな!w
・勇樹
ヘイトが集まりがちなキャラだけど根は悪くないから最終的にそこまで印象悪くなかった。
家族を大切に出来るやつに悪いやつはいない。
・恭子
可愛すぎかー!!!
恋する乙女の破壊力は半端ないですねwドキドキがこっちまで伝わってきた。
「伊織ちゃんのこと、応援なんかできないくらい、好きだよ」
このシーンめっちゃ好き。
・総評
どこか欠けた少年少女達がお互いに影響しあって少しずつ前を向いて走っていく姿は正に青春といった感じで読んでて気持ち良かった。
内面描写も丁寧にしてくれてたので感情移入もしやすかったのがグッド。こういうの凄く好み。
☆5にするか迷ったけど最後の駅伝シーンでカタルシスが来るとばかり思っていて、若干肩透かし食らっちゃったので☆4.5でw
「疼きの原因はな、焦りだよ。神様に振られた焦りだ」
「――うん、いいんだ。俺、今ここでやりきんなかったら、膝も治らない気がするから」 -
Posted by ブクログ
元恋人に後ろ髪を思いっきり引かれまくった日々。
そんな現実に終止符を打ったのは、占い師の言葉。
1週間のうちが勝負! という、非常に濃い中身。
その間に合コンしてみたり、お見合いしてみたり…。
合コンの男は駄目です。
甘えたいという事は、すべてしてくれ、という事。
母親を探しています、と言われても納得です。
それに比べて、お見合いの人はいい物件です。
が…そこに気持ちが添うか否か。
自分の気持ちに正直に、後悔しないように。
と言われても、日々後悔はしっぱなしです。
ただ自分を偽ってまで、それが欲しいかと言われたら
きっと違うと思います。
何が正解で、何が違うのかはさっぱりですが
後悔だけはしない選択を、と考えてしまった話。
本当に、不思議だけれど幸せになれるような話でした。