成田名璃子のレビュー一覧
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自分にとって『東京すみっこごはん』以来の作者の本。
今回は、過去に戻ることができる神社と、神主と巫女きょうだいのお話。ここへ辿り着けるのは、神社が選んだ人だけ。誰でも戻れるというわけではないらしい。
戻ったからといって必ずしも良い結果になるとは言えない、とイケメン兄の神主は諭すのだが・・・。
戻れる期間も決まっているし、過去を大幅に変えることは許されない。それでもほんの小さなきっかけを掴みたくて、人生を見つめ直したり、ちょっとした行き違いを修正したり、もう会えない人に会いに行ったり。
そもそもなぜこの神社にそういう力があるのか、神社の縁起が知りたいので、続編希望。 -
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働く母親にとっては切実な待機児童問題をテーマに描かれたお仕事小説?保育園新設小説?…かな?
「ないなら作っちゃえ」…なかなか日常では考えられない発想で「理想の保育園を作ろう!」と母達が、がむしゃらに発奮する姿が楽しみで手にした。
この手の小説って些か都合良すぎだろう〜と思ってもそれを振り払うテンポ、展開、勢いに圧倒されページを捲る手は止まず…というのが魅力だと勝手に思っている。(個人的な思いです)
そういう意味ではちょっと違ったかなぁという気もする。
彩芽、梨乃、敦子、各々の情熱や勢いになんとなく終始乗り切れなかった!
まとまった読書時間が取れず隙間時間を利用しての読書だったからかなぁ…こち -
Posted by ブクログ
美男美女の兄妹が神主と巫女を勤める鎌倉の一条神社。
聖神に選ばれた人が訪れると、神社の聖神の力でタイムスリップできるという。
過去をやり直したい人たちの連作短編集。
やり直しと言っても、大きな変化は起こせない。本書に出てくるのは、高校生の時に告白したことを後悔している女性や、夫婦喧嘩をしてしまった女性、昇進したことを後悔する男性など。
「あんなこと、言わなければよかった」「あんなこと、しなければよかった」というレベルの後悔は、「あるある」と軽い気持ちで楽しみながら読めた。
でも、最後の章の「事故で亡くなった娘との、最後の1日をやり直したい」という夫婦の話は、涙なしには読めなかった。
辛い。 -
Posted by ブクログ
不器用な優しさをもつ作家先生と、涼子のやり取りが面白かった。
小学生のふとした思いつきや、無邪気な距離感や素直さが大きな力になってくれるってすごい。
就眠運動って言葉も初めて知ったけど、これは今後少し疲れて落ち込んだ時に、自分自身を支えてくれる捉え方になりそうだ。
終盤に出てきた川谷さんのアイデアから広がる話がどういった感じだったのかがイマイチ想像できなかったので、その辺がもっとイメージ出来れば物語のクライマックスでの追体験がより鮮やかなワクワク感になったであろう。
元夫、今まで当たり前に享受していたものを受けられ無くなった後の変化、どんな風に感じ・気づいたのかを読んでみたかった!そしたらスカ