成田名璃子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
夫の不貞で離婚して実家に出戻ったバツイチ子持ち元専業主婦が、近所の小説家の家で家政婦をしつつ自分の家事能力の自信をもつお話
小説家の家はまるでゴミ屋敷で、荒んだ生活をしているように思える
実は小説家にもそうなった理由があり……
家事の重要性がよくわかる
僕は一度結婚生活を経験してから、また一人暮らしに戻ったわけだけれども
昔の一人暮らしのときは部屋の掃除もそんなにせずに埃の塊が所々目につくし、トイレは放ったらかし、バスルームは湯船は使わずにシャワーだけで済ませるような暮らしだったけど
今や週に1度は必ず掃除機かけて、トイレ掃除をして、休みの日にはノンビリと昼間から本を読みながら長湯するような生活
どっちが精神衛生上よろしいかは明白
前は「掃除しなくても生活に支障がないし」と思ってやってなかったんだよね
そもそも、床に直置きしたり、とりあえずの置き場がそのまま永続したりと掃除しにくい部屋だったのもあると思う
部屋の掃除は、まずは物の置き場所を決めてそれを維持すること
そうしたら掃除をする気にもなる
どこまで汚れを許容できるかというのは人それぞれだし、その基準の違う人と暮らす事で妥協点を見つける必要がありますねぇ
ま、だからこそ家事に投資するコストとそのメリットも人それぞれなところがネックですなぁ
料理に関しても、昔もやってはいたものの、キッチンが狭かったしコンロも電熱式という致命的な状況だったので、今思えばよくやれてたなぁと思う
朝は雑炊的なもの、お昼ごはんは外食で、夜は買ったお惣菜+自分でちゃちゃっと作ったものという状況に比べれば
作り置きでお弁当を毎日作って、外食はおろかお惣菜を買わない充実した生活のなんと素晴らしいことか
やはり、抑圧された結婚生活を経験した後だと家事がまったく苦にならない
ただ、そんなに手の込んだ料理ではなく、ただ炒めただけとか、食材や味付けを変えるだけで、本質的には簡単な料理しかしてないけどね
そもそも、家事って極めようと思うと様々な分野の知識が必要になる
化学、生物学、建築学、物理学、安全工学、経済学、心理学、等々
作中でも、自分が稼いでいるならアウトソーシングでいいじゃないかという意見がある
確かに、それができるならそれでもいいけど、その価値と必要性を知った上でするか、ただ面倒事を避けるためにするかで違ってくるよな
いや、ホントに実家の母親の凄さを改めて実感しますねぇ -
Posted by ブクログ
読みやすい文章でサラサラと読めて、読後感もスカッとしていて、成田さんの作品はいつも安心して読めます。
気難しい作家先生とのやりとりはどこか博士の愛した数式を思い出させるような。あの作品でも少し触れてましたが、家事って理数系の実践力の要るスキルだなぁと。そして家政婦という人様のおうちに入り込む文系(と言い切ると語弊があるけれど)の心情理解力?が大事。
最後の着地点が自己肯定と家事という仕事の肯定でとても良かったです。落書きの件がいちばんハッとさせられました。考えたこともなかったので、こういうとこから人を思いやる想像力を学べるのが小説のいいところだと改めて感じました。