成田名璃子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
あなたは『家事』が好きでしょうか?
掃除、洗濯、そして炊事という『家事』の三点セット。人によって好き嫌いというものはあるかと思います。私なら…そうですね、炊事、洗濯、掃除の順かなあ…。はい、私、さてさては『家事』は好きというより当たり前にやります。一人暮らしの○年間に散々やったので、結婚した今でも妻任せでは全くありません。読書にじっくりと浸るためにも『家事』の時間もとても大切です(笑)。
ただ、『家事』はプロ任せという方もいらっしゃると思います。昨今『家事代行サービス』で検索すると数多の検索結果が表示されもします。単に面倒というより、プロの力で日常の『家事』の結果以上の成果をそこに見たい、 -
Posted by ブクログ
あなたが大切にする『一点物』。そんな『一点物』を作った人の想いをあなたは知っているでしょうか?
この世はモノに溢れています。現代社会で当たり前に行われる大量生産は、均質に効率よくモノを生産できるメリットと引き換えに、生産された一点一点の相対的価値を下げているようなところがあります。この世に存在する同じモノの一つが手元にあるだけ。そんな中では友だちと何かしらのモノが重なったという経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。これでは、モノに対する愛着の度合いも深くなりづらいものがあります。
一方でそんなモノを作る側の気持ちはどうでしょうか?機械化された生産現場、ベルトコンベアーに乗せられてその一 -
Posted by ブクログ
あなたは『ただの定食屋さんだと思って入った』場所でいきなりこんなことを言われたとしたらどうするでしょうか?
『ここは、みんなが共同で使う台所なんです。…当日集まったメンバーがくじ引きをして、料理当番を決めることになっています』。
私たちが日々を生きる中では”食”は欠かせないものです。”外食派とお家派”というようにそんな食事をする場の好みは人それぞれであり、それをどう捉えるかはその人その人の価値観次第とも言えます。”食”を明日を生きるための活力と考えると、余計にそんな場を楽しみに生きるのは素晴らしいことだとも言えます。
しかし、よくよく考えると、私たちの生活の中で食するものは、プロ -
Posted by ブクログ
すみっこごはん最終話。
この巻が最後だというのは、前回、読み終わった感想を書く時に、他の人の感想で知ってはいた。
でも、こんな風に終わるとは。。。
全てのモノ、コトはずっと同じではいられない。
必ず変わるモノだということは、頭で分かってはいる。
でも、それが来た時、それを認められないという気持ちは痛いほどわかる。
立て続けに起こった出来事の渦中、相当、辛く寂しく苦しい思いをしただろうな。。
そう思うと、後半は涙なくしては読めなかった。
(感情移入が激しいのです。。。)
でも、前を向いた人たちは強い。
少しずつカタチを変えながら、前へと進む姿がありありと思い描けて、ホッとした最後。
この -
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだシリーズ。
前半の2章は、「あれ?ハッピーエンドで終わらないの⁉︎」と、かなりもやった結末。
瑠衣さんは、読んでいても辛くなるくらい、自分で自分を騙してる。
ああ、そこでやめて。。って、何度も思ってしまった。
承認欲求が欲しいという気持ちも痛いほどわかるが、やればやるほど自分が辛くなるんだよね。。。
最後に再登場してくれて、ホッとした。
すみっこごはんで自分を取り戻して欲しい。。。って、切に願う。
瑛太くんも、つらい。
家庭環境的に似たような境遇になったことがあったので、共感というよりも同感してた。
彼の姿は再登場しなかったが、どうか、どうか。。再登場して、幸せになって欲し -
Posted by ブクログ
昭和12年。
養蚕農家の娘である芳乃は、季節の草木から染料をつくり、生糸に染め上げて織る作業までを自らするのが至福であると思っていた。
だが、桐生の新田商店の次男に見初められ嫁いで以降も織物には携わっていたが、戦争もあり人生は揺れ動いていた。
現代。
母子家庭で育った詩織は、母親の支配や干渉無しでは生きられないのか…というもやもやとした感情の中で、仕事の後こっそりと機織り工房へ通っていた。
そこで桐生の手しごと市に参加してみないかと誘われ…。
桐生でわかった詩織の出生の秘密。
一子相伝の織物をめぐり昭和と現代、ふたつの運命が、紡ぎ、結ばれる。
こういう繋がりがあったのか、とそれは当然の如 -
Posted by ブクログ
織物に取り憑かれた人々が人生を達観した仙人のようにも時を忘れて無邪気に遊ぶ子どものようにも見えてその極端さが危うくも目が離せないほどの強烈な魅力を放っている。
残念ながら私には創作の才は無く共感できる部分はあまり無かったけれど才があるからこその喜びや苦悩がありのままに描かれていて息をするのも忘れてしまいそうなほどのめり込んで読んだ。
人生は思い通りにいかないからこそ思いがけず出会った奇跡のような瞬間が尊く一つ一つ積み重ねて出来た層が振り返ってみると織物のように美しいものになっている。
綿々と続いてきた桐生の織物の歴史や美しい自然、芳乃と詩織の目を通して見た景色がそういうことを教えてくれた。
-
Posted by ブクログ
すみっこごはんシリーズ3作目。
今回はすみっこごはんを訪れる人たちの恋心と愛情がテーマになっていて、誰かのために、その人を想って作るごはんっていいよなぁと改めて思える1冊でした。
特に最初の酢豚のお話がお気に入り。
恋煩いで胸が苦しいのを、「胸の圧迫感が…」とか言って本気で病院に行こうとする友菜ちゃんがピュアすぎる笑
牧原さんとのその後も気になります。
次のお話の鱚の天ぷらも美味しそう。
鱚の白身を「おぼろ豆腐みたい」っていう表現が印象的でした。
タイトルの「マイ・ファースト鱚」も何気に好き笑
次はどんなお料理が出てくるかな〜。
4作目も読むのが楽しみです(^^) -
Posted by ブクログ
すみっこごはんシリーズ2作目。
いろんな悩みや問題を抱えた人たちが、共同台所「すみっこごはん」でおいしい家庭料理と人の温かさに触れて、前向きな気持ちになれてほっこり。
…だけじゃないのがこの作品のいい所。
今回は地域の再開発に伴うすみっこごはん解散の危機が物語の1つの軸になっていて、特に終盤ではハラハラさせる展開もあり、最後まで楽しく読むことができました。
どうなることかと思ったけれど、なんとかすみっこごはんが危機を乗り越えられそうで良かったー。
最後に出てきたミートローフがとっても美味しそうで、自分でも作ってみたくなりました。
前作の感想にも書いたけれど、読むと自炊のやる気が出てくるの -
Posted by ブクログ
ネタバレ高校三年の春、楓は悩み続けていた。あの時、一人の少年の希望を守れなかったことを…。失意に暮れ、卒業後の進路も定まらぬ中、ずっと二人で暮らしてきたおじいちゃんの身に異変が!?そして、すみっこごはんの常連たちにも決意の時が近付く。年齢も職業も異なる人々が集う“共同台所”が舞台の大人気シリーズ。それぞれの旅立ちがやさしく胸を打つ最終巻!
ページを開いた途端に、物憂げなモノローグ。嫌な予感がしながら読んでいくと、楓ちゃんにとって大きな試練が待ち受けていた最終巻。こんなにいい子なのに、辛い試練を課すなんて…と思って読んでいたけど、周りの人たちが支えてくれるから、楓ちゃんはきっと乗り越えていけると確信し