あらすじ
ローカルラジオ放送局「鎌倉なみおとFM」の最終番組は22時で終了する。しかし、なぜか時々、23時から番組が流れる夜があり、それは1985年を生きるDJによるもので……。
親友の婚約を素直に祝うことができない女性・三回転半ジャンプさん、母親の再婚相手と距離を置いてしまう小学生・ラジコンカー君……悩めるリスナーが、時を駆ける真夜中のラジオと繋がる時、優しい波音がきこえてくる――。
聴き終えた後、心の声に耳を傾けたくなる不思議なラジオ。
『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』の著者・成田名璃子、新境地!
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夢中になってあっという間に読んでしまった。
ラジオでテーマを募集して過去から現代に何故か知らんけど電話来てディスプレイに090って番号が表示されて何処の市外局番?ってなるんだけど1985年にそんな機能の付いた電話機ってあるっけ?と思ってしまった。
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1985年と未来を繋ぐラジオ番組「ラジオがはねたら」のDJトッシーと4人の未来のリスナーを結ぶじんわりと心温めてくれるストーリー。
各章の主人公皆の、そしてトッシーの心の叫びが聴こえてくるよう。
何より第4章の「今、この時。」はかなり気持ち持っていかれた。
俊夫とビギが互いを心の拠り所とし、見守り支え合う関係性がとても美しい。
人の強さと儚さを感じる。
このお話には鎌倉がとても良く似合う!
元々鎌倉を舞台にした物語を書いてみせんか?と担当さんからの一言で生まれたお話(「あとがき」より)だから当たり前なんだけど、舞台が鎌倉だっからこんな素敵な世界観を味わう事が出来た気がする。
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不思議なラジオ番組、「ラジオがはねたら」。過去からの放送は、未来の孤独な心の人々に寄り添ってくれる…。 とても素敵なストーリーでした。 「ラジオがはねたら」DJトッシーのあたたかい言葉は時代を超えて尚、未来の人達を前向きにさせてくれて…。言葉に嘘がないんですよね。真っ直ぐだから胸を打つ。 受け取る側も真っ直ぐな心だから、素直に受け止められる力がある。 懐かしいあたたかさに包まれる一冊です。
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1985年から、人生に煮詰まり苦悩している現代を生きる4人にラジオが繋がります。DJである主人公もくすぶった人生に未来の人との交流から自分を見つけていきます。本当にこんなラジオがあれば良いなと思いました。
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こんなにも楽しく読めた作品はありませんでした。過去未来をつなぐFM放送1985年から2020年代なんてファンタジーなんでしょう。洋画で似たような設定で感動作の「オーロラの彼方」と言う作品を思い浮かべました。私の好きな「男はつらいよ」を引用したところは興味津々でした。DJトッシーの過去と未来のやりとりも面白くとても清々しい気持ちになれ、あなたも読んでこの大傑作を読んで感動して下さい。
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電源の入れてない操作盤、何故か繋がる未来にいるリスナー
主人公のDJトッシーが、リスナーの悩みを聞き、DJトッシーもリスナー達との会話で成長していく、不思議なのに心が温まる物語でした!
時は、未来から過去に向かっている。
そんな事、考えた事もなかったけど、なんだか本当にそうかも!って思えて来た!
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ラジオを通して過去未来を繋ぐ話は少なくないと思う
けど、使いつくされたわけでなくて、その時代時代で作られるとよいのだなと思った。
同じ題材でも未来に作られる話は、未来のガジェットを使った話になる。
こういうのなんてジャンルなんだろう。
SFじゃなくてファンタジーだし。
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湘南のみんな、波に乗ってるう?時刻は二十三時ジャスト。ラジオがはねたらの時間がやってきたぜっ。
いきなりだけどちょっと聞いてよ、実はずっと後悔していることがあって。もう5年くらい経つかな?とても大事にしてた人に酷いことをしてしまったんだけど、私はそれに気がつけないまま、その人が簡単には会えない場所へ行ってしまった。今までずっと後悔してるんだよね。お互いに言葉が足りなかったんだと思う。全部打ち明けられる仲だったから、自分の全部をぶつけるのが怖かった。今日までずっと、あの時に戻れたらって考えてばっかりだよ。今、この瞬間もあの日に戻れたら、次こそはって、もう無意識に考えちゃってる。後悔こそが人生だ、なんて言うけど、まああながち間違ってないのかも?
そんなわけで、今日のテーマは、"もし過去に戻れるなら"。
きっと誰しもやり直したい時がある、取り返したい何かが、もう一度と願う一瞬がある。後悔でも、歓喜でも、感動でも。心が大きく動く、そんな瞬間を逃さないことは自分という人間が立派に生きてる証だと思うんだ。みんなが立派に毎日積み重ねた時間を私にすこし披露してみない?
じゃんじゃんファックスちょうだい。もちろん、電話でも大歓迎!未来の人、誰か聴いてませんかー?こちらは二○二四年、未来でも過去でも、皆さんからのお便りを待ってまあす
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成田名璃子さんの本は7冊目。
フォローさせていただいている方々の評価が高くて
読んでみたいと思っていた一冊。
1985年のDJトッシーが
令和を生きる”ひとり”のためにおくる深夜ラジオ放送。
まるで優しい波音を聴きながら読んでいるような本だった。
とっても懐かしくて、そしてあたたかな気持ちになれた。
昭和の深夜ラジオってよかったなぁ…
あの頃はみんなラジオを聞いていた。
翌日、学校で話題になるのはテレビよりもラジオだった。
私もセッセとハガキを書いていた。
読んでもらえるように色々工夫してね。
そのハガキが読まれたた時には
深夜にもかかわらず叫んだり、踊ったり、走り回ったり(笑)
そうそう、高校生の時。
友人が「通学沿線 気になるあの子」に「あの子」の方で出演した。
通学途中に見かけた、名前も知らないあの子を探し出して
番組中に電話して「友だちになって下さい」という
「ヤンタン(ヤングタウン)」のあのコーナー。
あぁ~、懐かしい!
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時をかけるラジオ笑
小説もラジオ(FM)も好きなので楽しく読めた。
ただ何気なく話すだけでどんどん救われるってことあるのかも。
ラジオDJ尊敬します。
いつかラジオにお便り出さなきゃ。
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1985年のラジオが、2020年ごろの少しトラブルを抱えた人に繋がる話。決してハートフルな話ではないですが、言葉を通じて、みんな少しずつ救われていく感じがラジオっぽい感じがします。
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ローカルラジオ局「鎌倉なみおとFM」でDJをつとめるトッシー。時は1985年、ラジオブースからは由比ヶ浜が一望でき、ロケーションは申し分ない。自分の喋りで流行をつくってやる!と勢い込んでいるのに、全然思うように話せない。
夜中にブースに潜り込み、架空のラジオ番組を流すふりをして1人でトークを繰り広げると、リラックスして上手く喋れる。そこへ見たこともない電話番号「090-」がかかってきた…。
ラジオDJは話すことが得意そうだけど、こんな思いを抱えている人もいるのかな。確かに『自分が自分が』という感じでリスナーを置いていっている人もにいる。『しゃべること以上に聴くことも大事だ』という箇所を読んでからラジオを聴くと、いつもと違って聞こえてきた。
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1985年はまだ生まれてもないので時代的な共感できる部分はあまりなかったのですが、楽しく読めました!
中でもファミリーゲームが好きでした。
謎の火事さえ無ければ☆4でした。結果的に死なない世界線になるなら火事とビギの死はいらなかったと思いました、
第三章のp211の「じじいじゃなく、じいじだったか。いや両方かな」のセリフの意味が考えても分からなかった。誰かわかる人いたら教えてください。
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1985年と令和がラジオで繋がる。悩みを抱えるリスナーにだけ通じるラジオ番組。ドラマとか映画にでもなりそうなネタだなと思った。DJトッシーもリスナー4人も収まるところに収まった感じでよかった。
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『 勝手に「ラジオ」特集 #1 』
ー成田名璃子さん『時かけラジオ』ー
浅葉なつさんの『どうかこの声が、あなたに届きますように』が、この勝手な特集開始の発端です。ラジオが鍵になる他作品はあるのかな? と素朴に思いました。鮮やかに過去を思い出し、ラジオのよさを再認識するような作品‥。
勝手ながら、この発端作品を<特集#0>にしちゃいます。ただ、Podcastを扱った青山美智子さんの『月の立つ林で』もとてもよかったのですが、リアルタイム性を鑑み、ラジオと棲み分けしようと考えました。
さて本作は、「しゃべり」に悩む「鎌倉なみおとFM」 のDJトッシーが、缶チューハイ片手に、時間外のでっち上げ番組で、(届くはずのない)リスナーのエピソードを募集すると、時を超えて2020年代の4人の悩めるリスナーに届く‥、という連作短編集になっています。
ただ伝える一方向だけの形ではなく、リスナーと電話で話す双方向のやりとりがあるからこそ、人は変わるヒント・きっかけが得られるのでしょう。
時の隔たりは、文化や流行のギャップを生みますが、人の心の中の根っ子(喜怒哀楽)については、普遍的なんだなと思わされます。
昭和の時代を、楽しくも懐かしく思い出させてくれ、かつ、「聴くこと」「伝えること」の大切さを教えてくれる一冊でした。
Posted by ブクログ
過去に生きるDJが現代に生きる人々とラジオを通じて心を通わせるお話です。
この著者の作品は読み終わった後にすっきりするというより胸にぼんやりと残るようなものがあると個人的には感じるのですが、本作も一章と二章は似たような印象を受けました。
しかし三章以降は読んでいてすっきりする展開になっており、過去作と比べて読みやすい作品になっているのではないかと思います。
章が進むごとに時間が一年遡るのが疑問でしたが、ラストでその意味が分かる部分があって腑に落ちました。