鷺沢萠のレビュー一覧

  • ありがとう。

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    3年くらい前に読んだ本だけれど、まだ登録してなかった。
    あちこちから集めてきた文章のようで、内容はさまざま。でも旅の話がいちばん多いかな。巻末には負け犬対談も(笑)。文章は軽快で読みやすく、それでいて「ああ、そうなんだ。」と静かに納得したり同感できたりする。
    いちばん気持ちに響いたのは「ケロヨン人形」のくだり。ちょうどいろいろなことを「あきらめ」なくてはならず、つらい時期だったので、「あきらめないことが持てはやされるけれど、実はあきらめるほうがよっぽどつらいし難しい」旨を語っているこの章には、新しい気づきをもらった。

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    2009年10月04日
  • 月刊サギサワ

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    【月刊サギサワ】は、鷺沢萠が23歳〜25歳の時に書いた連載エッセイである。

    エッセイというよりは日記に近いものがあって、鷺沢萠をとても身近に感じることができる。

    基本的に酔っ払ってるか、麻雀してるか、締め切りに追われてる生活は、昔ながらの「飲む、打つ、買

    う」的な文筆家みたいで凄まじいものがあるが、あの美貌と当時20代前半という若さでのこの生活だか

    ら尚更、鷺沢萠という人間のスケールに驚くばかりである。

    この頃の鷺沢萠は、ちょうど韓国留学をしている時期でもあり、その様子がうかがい知れて嬉しかった。

    この韓国留学を経て、ぼくの大好きな【君はこの国を好きか】や【さいはての二人】が書かれ

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    2009年10月04日
  • ありがとう。

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    ただ、この人がすきだ。
    今、ここにいないことが、もうこの人の文章を読めないことが
    ただただ残念だ。


    私もあなたに贈りたい、ありがとうと。

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    2009年10月04日
  • 愛してる

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    鷺沢 萠の【愛してる】を読んだ。

    1話読みきりの連作短編集。

    「ファッサード」という名のクラブに集う若者たちと主人公である「私」が織り成す人間模様の物語。

    若者が持つ、「それぞれの事情」や「やりきれない思い」が到る所に散りばめられた、かけがえのない青

    春の1ページのような物語だ。

    私はもちろん、ジュニアやヒロアキ、アキオ、ハンニバルと言った愛すべきキャラクターが若者特有の苦

    悩と情熱を抱えながら「生きて」いく。

    青春物語と言っても、元気ハツラツなわけでもなく、清々しく、若々しいわけでもない。

    どちらかといえばアンダーグラウンドな世界。僕も似たような経験をしてきているので、読んで

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    2009年10月04日
  • さいはての二人

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    最近山本文緒ばっかり読んでたので。
    やはり鷺沢萌(字が違いますが)好きだなぁ。なんでいっちゃったのかなぁ。
    新しい作品が読めなくて本当に惜しいです。
    さいはての二人は、文体が本当に鷺沢さんらしくて好きでした。
    そして"遮断機"。連れて行って欲しくなる事あるけど。まだだめなんだろうな。(2009.4.21.)

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    2009年10月04日
  • さいはての二人

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    表題作他、「約束」と「遮断機」の二編。
    表題作は、私の好きな感じの淡々とした恋愛小説。
    他二編は死者との交流を書いた作品。
    「約束」の方は私はちょっと「誰も知らない」を彷彿とさせられてやりきれない気持ちになりました…。

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    2009年10月04日
  • 大統領のクリスマス・ツリー

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    12月のこの時期的に、
    読むなら今かなと思って。

    何故別れなきゃならないのだろう。
    一緒に歩いてきた軌跡より、
    新しい未来を作る相手を選択するというのか。
    不条理な切なさが残った。
    この別れは美しいと言えるのだろうが、
    最後に醜いいさかいをしないことが美徳とも思えない。

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    2009年10月04日
  • 葉桜の日(新潮文庫)

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    いいですねー。この人前、何読んだんだっけ。
    割と昔の人なのに、時代も若さも性別も感じさせない、いい作家。

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    2011年05月20日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    なんかずっと恩田陸ばっかり読んでたせいか、変に探った読み方をしてしまった…
    かるーく、さらっと読み流して後味すっきり!の2作。秀作。

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    2011年05月20日
  • 夢を見ずにおやすみ

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    なんてかわいい装丁なんだ。
    そんなかわいい☆話じゃないって。2編目がいい。

    「夜食に食べたカレーのお皿はせめて水につけといてよ!」
    確かに腹が立ちすぎると、関係ないことを口走ってしまう。
    はぁ?っていわれるだけなのに。

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    2009年10月04日
  • 大統領のクリスマス・ツリー

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    一度開くと最後まで読みきってしまう。
    一行ごとに一本ずつ色の違う糸が通っていき、一枚の布を織り上げていくように、話を描く。

    治貴はほんとうにそれを望んでいたのか?
    読み返して、そう思った。

    (本文より)
    綺麗だな。自分で言うのもなんだが、ほんとうにそう思った。


    がむしゃらに働いて、緊張と一過性と信んじてる若いとき特有のむこうみずな程の自信が顔と体にあふれていると
    そういうものが自分を綺麗に見せている、と鏡の中を見て、香子が呟く。
    ずーっと忘れられないシーン。そう思えるほど、「暮らす」ことに一生懸命だったのに。

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    2009年10月04日
  • F 落第生

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    人生の落第生の話を集めた短編集。この主人公たちは身近にはいないような類の人たちだけど、どんな優等生でも社会の中で落第している部分はあると思った。全て完璧で自信過剰みたいな人間とは仲良くはなれないかな。面白みがないかと。何かしらを悩んでいてこそ魅力がある。
    思春期のトラウマを描いた話では、共感できる表現があって気に入った。
    話の並べ方も良い。

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    2009年10月07日
  • かわいい子には旅をさせるな

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    4/25 解説を読みたくて買ったようなものだ。今回は鷺沢さんの親友でエッセイにも頻出だった政子さんの解説。ほんとうに、亡くなって以来近しい人が愛情をこめた解説を書かれていてそれだけで泣けてくる。うれしいことがあったとき報告できなくて淋しく思うって、ああ、リアルだなあって思った。「おーいおーい」って呼びかけたい気持ちも。いなかったらもっと偏狭な人間になっていただろうというのも。

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    2009年10月04日
  • 過ぐる川、烟る橋(新潮文庫)

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    4/8 久しぶりに再読。「その人にしてあげられることは何もない」とか「頑張ることだけではどうしようもない」みたいなのは繰り返し出てくるテーマ。せつないなあ。個人的には博多の町がもっと読んでみたかったなあとも思う。解説に「中年男性の欠落感」てあったがそれは違う気がした。

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    2009年10月04日
  • サギサワ@オフィスめめ 建国編 でんでん虫国創立!

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    3/1 んで、1巻読んだら2巻も読むでしょ。と再々…読。トークライブやら読者のメール抜粋やら、やっぱセンスなんだよなーこの人。近年はエッセイやこういう軽めの文章のうまさが秀逸だったなーと噛み締める。時事的な出来事への気持ちがだんだん悲痛になっていくかんじもするけども。

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    2009年10月04日
  • 大統領のクリスマス・ツリー

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    小学生くらいで読んだ気がする。  
    ひたすら悲しくて悲しくて悲しい。  
    悲しい気持ちになった。
      でもなんか忘れてないんだね。
      もう一度読んだら変わるかな?

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    2009年10月04日
  • 葉桜の日(新潮文庫)

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    すごいなぁ。20歳や21歳で書いたとはとても思えない。10代で作家デビューして大きな賞を受賞する作家は今も昔もいるけれど、(読んでもいないのに言ってしまえば)著者の行動半径の5キロメートル以内位のよしなしごとを描いているものが多いと思う。社会の何がしかについてその著者の目線で描いたものが作品な訳だから、作品の内容が若々しくなるのはいわば当然のことなのだ。収録された2作品は、文庫解説の山田太一さんが原田宗典さんの言葉を引用して「肩の力が抜けている」と言わしめる、あるいみ「ろうたけた」風合いも感じられるほど。近年の作品の方がよっぽど若々しいかも。「ビューティフル・ネーム」や「ウェルカム・ホーム!」

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    2011年08月19日
  • さいはての二人

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    鷺沢萌さんの本を読んだのはこの文庫が初めてです。
    素敵な名前だなって前から気になっていたのですけどなかなか本まではたどりつかなくて・・・そんな時訃報をきいてビックリ!!
    ほんの少しの空き時間に小さな書店で見つけました。
    どんな人かどんな文章を書く人かも知らずに読んだのですが文章に引き込まれました。

    誰かと繋がりたいという人としての基本的な欲求。普通は家族で得られるその欲求が家族で得られなかった人が無償の愛をもとめてる。
    恋愛の愛情ではなくもっと基本的な無償の愛を求めてる美亜がたどりついた究極の愛が朴さんだったんだろうな。

    鷺沢さんはどんな愛を求めてどんな愛を与えようとしていたか

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    2009年10月04日
  • F 落第生

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    がんばってるのに、うまくいかない。
    幸せなのに、どこか虚しい。

    そんな愛すべき「落第生」の女性達が登場する短編集。

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    2009年10月04日
  • 愛してる

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    わたし。
    夜毎“ファッサード”で遊び、友達と飲んだくれたり、落ち込んだり、有益で無意味な日々が続いていく。
    ジュニアは街を離れ、タカヒロは同居しているアキオの部屋を出た。
    息苦しくなって、眠れなくなって。
    それでも、日々は過ぎていく。
    と、まぁ、上手く言えないけど、日常のフィクションを集めた、短編連作集です。
    作中“わたし”は、落ち込んでしまった友達の世話を焼き、苛々して駄目になりかけ、優しい人間達に笑いを飛ばす。
    『思ったり感じたりした者の勝ちだ』と、冒頭にあるのがよくわかる。
    そうそう、そんな感じの日常なのだ。
    精神的退屈を持て余し、現実世界から目を背けたくなった時に読む

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    2009年10月04日