鷺沢萠のレビュー一覧

  • そんなつもりじゃなかったんです THEY THEIR THEM

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    女性作家の作品は、自分ではよく読むほうだと思っている。

    特に彼女の作品は、出会ってから、よく読んだ作家の1人だと思う。

    時々、今生きていたらどんな作品を書いてくれるのだろうと思うことがあります・・・


    本作は、笑いの中にいざなってくれる1冊

    いろいろな登場人物、彼女の周りには面白い人しかいないのかと思ってしまうくらい笑わせてくれます・

    ここでキーになるのが、お酒、麻雀、そして車

    いい意味で豪快な生き方というか、憧れるというか・・・

    大学生になりたての頃、この本を読んで、大人の世界にあこがれたのを覚えています。

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    2018年10月28日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    メメちゃん本が復刊した。こんなウェルカムな話とびつかないわけもなく。何度読んだかわからんが、それでも読むし、読んだら、泣かされる。自業自得で父子家庭でどんづまった友人に拾われたタケッパー。昔とった杵柄で家事全般を引き受けるが、ちょいちょい出てくる男の沽券。厄介だ。「向いてる分野で役に立つ。それいいんじゃないっすかね。」それが当たり前になるといいんだけどね。後半はバツ二バリキャリウーマンの物語。血が繋がってるから家族なのか。家族になろうと思って家族になるのか。

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    2018年08月13日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    家族って?
    フツーって?
    易しい言葉で問いかけます。
    あーいいなあ
    この著者もっと読んでみたいなあ
    えっ?!35歳で亡くなっておられる
    自死とある
    また他の作品も読んでみよう

    ≪ おかえりと 迎えてくれる それが家 ≫

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    2018年07月13日
  • 過ぐる川、烟る橋(新潮文庫)

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    p47「逆境は人間を弱くする。そうして、そんな弱さがさらなる逆境を呼びこむのだ。運の悪い奴はどこまでも下向きに、運の良い奴はどこまでも上向きに行くようにできているのだ。」

    ガタイが良くプロレスで成功した無骨な男の、ザラザラと乾いた心情。会うほど惨めになる元先輩。都会への憧れと、遠い日の恋心。
    大きい男は「強い男」なのかどうなのか。

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    2018年07月09日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    誰もがフツーじゃないし、誰もがフツーじゃないんだから、逆にみんながフツーなんだよ。
    結婚、夫婦、親子、血縁関係=家族という関係にとらわれない結びつき、ほのかなぬくもり。おかえりなさい、と暖かく迎えられる場所。
    本当にいい作品ですね。35才という若さで亡くなった天才作家鷺沢さんの遺作。

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    2018年06月30日
  • 大統領のクリスマス・ツリー

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    1時間ドラマをそのまま見ているような構成。「完璧に幸せ」と思うのは それを失いつつある時。時は一刻も止まらず過ぎていき、どんな幸せも永遠には続かない。

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    2018年04月20日
  • 君はこの国を好きか(新潮文庫)

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    「ほんとうの夏」「君はこの国を好きか」の2編が入った本で、どちらも主人公は在日3世。韓国(朝鮮)には行ったことがない。ハングルはしゃべれない。でも日本で「外国籍」ということで差別されたり、不利益を受けたことがある・・・。今まで小説で読んだ「在日」は、1世の話ばかりだったけど、いま、こういう人たちの方が多いと思う。つかみきれない感情。もやもや。あった方が良い、ない方が良い、どちらとも言い切れないが、純日本人のエゴなのかな。

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    2018年03月14日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    なんかいいよなー。わたしもタケパパのごはん食べたいし、律子に洗濯してほしい。
    今の時代、血の繋がりに意味はないとおもう。実の親を殺すこともあれば、自分が産んだ子を絞め殺すことだってある。それならば、同じ釜の飯を食う他人同士の方がずっと家族だもの。
    家族の定義について考え直すいい機会になりました。
    フツーじゃないのがフツー。まさにそれ。フツーになることないんだよな。

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    2018年02月11日
  • バイバイ

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    誰もが自分が一番で、誰かの一番に自分がなることはない。
    それ以外は簡単にひっくり返るもので、だから人を信じてはいけないのだけれど、だからといって嫌われるのも怖くて、いつも「バイバイ」を言えずに、その場その場を取り繕ってしまう。
    女性にとって、そんな勝利の態度は業腹ものだろうけど、多分、男女関係なく、誰にでもそういうところはあるものだと思う。

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    2017年11月30日
  • F 落第生

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    痛々しくてでも一生懸命な登場人物ばかり。帰れぬ人々よりは少し軽い雰囲気がするけれど、場面を切り取る鋭さや確かさは変わらないと思った。

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    2017年03月31日
  • 大統領のクリスマス・ツリー

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    とても前向きな悲しい話です。
    今後、自分の人生にこんな悲しいシーンがあるのかと、ちょっと寂しい気持ちになります。
    そんな、話なのに前向きな気持ちになれるのが不思議です。

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    2017年03月10日
  • F 落第生

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    大学生のときに(たぶん、10年前くらい)に読んだ本を再読。
    レビューはなぜか書いていなかったようだ。

    大好きな鷺沢萌さん。
    彼女が描く登場人物はどこか温かくて愛おしい。

    「シコちゃんの夏休み」
    「家並みのむこうにある空」が特に好き。

    けれど今…
    と続く下記の引用は、この本の1番好きな箇所。
    (家並みのむこうにある空)

    ”たったひとつの出来事で映画みたいに人生が変わるだなんて、あり得ないとずっと思っていた。”
    (P112)

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    2017年02月23日
  • さいはての二人

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    これ、すごくレビュー描きづらいんです・・

    すごくもやもやします。

    今の私にとって、いいもやもや感なんだ、ということは
    なんとなく分かります

    でも言葉にできません

    ただただ、
    声にもならないため息が
    身体を通っては流れていく感じ

    魂がぎゅーっとなります

    また時間置いて読んでみるつもりです

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    2016年02月21日
  • そんなつもりじゃなかったんです THEY THEIR THEM

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    エッセイって、途中で読むのがしんどくなるのも少なくないんだけど、鷺沢先生のは別。
    いくらでも読んでいられる感じがする。
    何でだろう、と思って、ちょっと気づいたんですが、もしかしてこれ、鷺沢先生酔ってない時の方が少ないんじゃないですか…?
    友だちの話が中心とはいえ、先生もその話を聞いたり引き出したり、現場にいたりするわけですが…完全素面の時って、少ないような…
    でも、こういうお酒の飲み方、いっそうらやましいくらいに楽しそうで、いいなぁ…。
    だからしんどくならないんだろうか。

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    2015年12月31日
  • F 落第生

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    タイトルの通り、この話に登場するのはいわゆる「F」評価を受けそうな人生を送っている女性たちだ。
    でも、やっぱり悲壮感はない。
    鷺沢先生の作品では度々書いている(と思うのだが)ことなのだけれど、どんなにどん底でも泥沼でも、どの主人公たち(もちろん、他の登場人物も)も、生きている。
    どこか胸のすくような、「ああ、明日もがんばろう」という気持ちにさせてくれる。
    底抜けに明るくもないし、底から這いあがるような話でもない。
    いい意味でドライで、爽やかで、なんだか読みながら、「うん、そう、うん。」と頷きたくなる。
    最近、そんな気分を味わいたくて、鷺沢先生の本、読んでいる気がする。

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    2015年12月28日
  • 海の鳥・空の魚

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    作品中に高校のときに私の好きだった女の子と私の名前が出てきた。性格的にはもちろん全然違うが記念碑となった。きらめく才能ある短編集である。ゆっくり読むつもりであったが、3日で読んでしまった。『ほおずきの花束』が特に良かった。丁寧である。

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    2015年12月20日
  • 夢を見ずにおやすみ

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    自分より年下の愛人の世話を父親から頼まれた息子。夫の元愛人に結婚の相談を持ちかけられた主婦。共働きの多忙な日々にささくれ立つ心を危ういバランスで保つ新婚夫婦。
    三つの愛のかたちを描いた短編集。

    とくにファンだったわけではないけれど、10年と少し前、鷺沢萠さんが自殺したってニュースで知った時、なぜかすごく衝撃を受けた憶えがある。
    若くして文壇デビューした才能溢れる美人作家にして、何度も芥川賞の候補になりながら結局獲得出来なかった悲運な作家でもある。
    名前は出さないけれどとある若い女性作家二名が芥川賞をダブル受賞したのを知って絶望したのではないか、という噂に過ぎない逸話もある。

    なんて言いつつ

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    2015年11月16日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    「渡辺毅のウェルカム・ホーム」
    コミカルに軽いタッチで描かれた、男3人の生活。父子と毅。
    主夫であり友であり、もう一人の父であり母であり。けれどそんな肩書きより「家族」というだけでじゅうぶんなのかもしれない。

    「児島律子のウェルカム・ホーム」
    こちらはキャリアウーマン律子のお話。
    突然の見知らぬ青年の訪問。経てきた2度の結婚。ラストへ向けじわり盛り上がってゆく。
    個人的にビビッときたのが、聖奈の不登校のきっかけとなった夜のシーン。彼女の心の衝撃が伝わってきて、チクチク胸が痛かった。

    どちらもほっこりあたたかい読後感。どうぞお幸せに。。

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    2015年10月11日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    ネタバレ

    『渡辺毅のウェルカム・ホーム』
    憲弘(小学生)の家は少し変わっている。
    お父さんがふたりいるからだ。
    本当の父親である英弘と、その友人である毅がふたりの父親ということになるが、英弘は働きに出、毅が主夫(在宅で働いてもいるが)をしている。
    そのことを憲弘が正直に作文に書いていることに焦る毅。
    毅は英弘にマズイと相談をするのだが、それは自分が同性愛者だと誤解を受けているということではなく、自分が男としての沽券を大事にしているコンプレックスが浮き彫りにされる。
    事実、毅は自分の収入だけでは生活が厳しくなったがために、忙しすぎて家事も子育てもできない英弘の家事を分担してくれれば養う(ほぼ)という条件を

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    2015年07月24日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    好きなタイプの話で、終わり方もよかった。
    お話は2つ。まったく互換性はない。

    最初のストーリーは、友達と同居することになった渡邊と友達と死んだ母親の元に生まれた子供と一緒に3人で住むことで起きる些細な日常の積み重ね。
    日常って言っても、彼らにとっては事件ってこともあるしね。
    子供が無邪気なのがいいね。きっと心の中では思うことはあるにしても、きっと父親の楽天主義に影響されているのか、そういう無邪気さが救い。

    主夫をすることになる渡邊も葛藤はするんだけど、自分が「いい」と思える仕事が家事だってわかってよかったんだよね。もちろんすんなりこの結論にたどりついたわけではなけど。

    2話目のキャリアウ

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    2014年11月24日