あらすじ
どんな人にも光を放つ一瞬がある。その一瞬のためだけに、そのあとの長い長い時間をただただすごしていくこともできるような――。恋、カレッジライフ、うたかたの日々。まちがった場所に戸惑い、溜息しつつ、何かをつかんだ輝きの一瞬、喜びの涙がこぼれた。海中に放たれた鳥のように生きてゆく、大好きな仲間たち。気鋭女流のきらめく作品集。
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Posted by ブクログ
ほかの人に説明するほどの出来事ではないけれど、何故か印象に残っており鮮明な記憶たちを取り出してきたような小説だと思った。
「あとがきにかえて」の文章が素敵だった。
"どんな人にも光を放つ一瞬がある。その一瞬のためだけに、そのあとの長い長い時間をただただ過ごしていくこともできるような。"
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うまくいかないことも多いけど、いいこともたまにある。どん底ってわけじゃない。わるくないよね、今も。ちょっとがんばってみようかな。
そんな気持ちになった短編集。
どの話も、希望に満ち溢れているわけではないのだけど、何となく過ぎていくような毎日を明日も続けようかな、と思えてしまう。
もしかして、それは私も海の鳥だったり、空の魚だったりするからなのかもしれない。
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鷺沢萠さん作品を読むのは初めてだ。
日常の中でふとした一瞬を切り取ったような短編集。
冷たくてかたいのに暖かくてほっとしてしまうような、不思議な文章。
コンクリートに囲まれた街中で、足元のアスファルトを割ってたんぽぽが花を咲かせているのを見つけた時の気持ちに似ている。
「グレイの層」と「金曜日のトマトスープ」が好き。
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ほんのちょっと世の中からずれてしまった(1ミリくらい)の心の痛みと、そんな人たちがぱっと一瞬輝く瞬間を切り取った短編小説。何気ない日常を丁寧に毎日生きていくのも、なんだかいいものだなぁと。愛おしくて暖かいお話20篇*
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表紙の絵が素敵なので手に取りました。
萠 鷺沢
めぐむ さぎさわ
という名前
にも驚きを感じました。
群ようこ
さんが解説を書いていますが,納得できました。
内容は,すべて短編で,21あるので一度読んでみるのがよいと思います。
最初の「グレイの層」
著者の姉かもしれない登場人物。
最後のページをめくると,ただ一行。
「ねえ,わたし、あなたと結婚したい」
すごい。ここまで余韻を残して断言できる展開に唖然とした。
この人の本をたくさん読んでみようと思いました。
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高校生の頃、新刊で読んでいた。
当時ものすごくこの短編集が好きで、繰り返し読んだ。
十数年ぶりに読み返したら、やっぱりすごく好きだった。
そして、そうか、今の私のこの考え方は、この小説からきているのかもしれない、と思うところがいくつもあった。
亡くなってしまったのがおしい。
まだ読んでいない本があるので、探して読みたい。
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outofthisworldさんの本棚のコメントの言葉にひかれて手に取りました。
そしてとても深く心に感じました。
題名の意味、解説を読んでなるほどと。
この本でもどこか不器用な生き方をする人たちが愛情を持って描かれていますね。
とくに「グレイの層」と「柿の木坂の雨傘」が好きでした。
じんとしました。
素敵な本を教えていただいてうれしいです。
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鷺沢萠の本はどれも面白く読んでいるけど、特に短編とエッセイが好き。この短編集は彼女のファンの中でも特に評価の高い一冊ではないかと思う。優しさにあふれたこの本が手元にあるというだけで、どこかしら安心した気持ちになれるのです。
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鷺沢萠は初めて読む。
大変申し訳ないのだが、最初は「あれ?思ってたのと違う…」と言う感じだった。
それから暫く、忙しくて読めずにいて、3日ぶりに読んだ。良かった。
日々の小さな出来事を切り取って書いているだけなのに、どうしてこんなにノスタルジーな気持ちになるんだろう。
懐かしさや切なさ、そして後悔やら何やら…
どこにでもいそうな、でも個性が光る登場人物たちの気持ちが、そーっとそーっと心の中に入ってくる。
そんな不思議な心地よさがあった。
私のお気に入りは、ポケットの中と柿の木坂の雨傘。思わず目頭が熱くなった。こういう話に、私は弱いのだ。
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高校の教科書に載っていたのがメメちゃんとの出会いでその作品が収録されてるのがこの一冊で。あれからずいぶんと時がたったが、若さゆえの照れや精一杯背伸びしている感じ、大人の世界に足を踏み入れ始めた時の期待と不安とかそういう気持ちの揺れを思い出して、胸のあたりがキュっとする。
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作品中に高校のときに私の好きだった女の子と私の名前が出てきた。性格的にはもちろん全然違うが記念碑となった。きらめく才能ある短編集である。ゆっくり読むつもりであったが、3日で読んでしまった。『ほおずきの花束』が特に良かった。丁寧である。
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とある実力テストに載せられていた一冊である。
雨の日に、置いてある傘を盗って降りてしまう少年と、盗られたことに気付くおじさんの対比。
その感じが、ありありと自分の心に響いて、忘れられずに購入した思い入れのある短編集なのだ。
(テストだから、その時はどっぷりと浸っているわけにはいかなかったのだが)
自分の気持ちと「ぴったり」符号する話(というか言葉の使い方というか)は、本当はあまりないように思う。
それは、感動や涙とはまた別物である。
何度も読みかえしたくなる本とは、こういうことをいうのかな、と思った。
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鷺沢萠さんの本、初めて読みました。
読み始めてから読み終わるまでの間、自分だけ時間が止まっているように感じました。
この本ほどに、短編集の良さを感じられた本は無いです。
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男女が一緒にいれば、程度の差こそあれ、お互い相手に対して不満ーー不満と言うのでなければ、何か塵のようなのーーが溜まってくる。
同感。
天高くという短編が個人的には印象深かった。
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世の中のどこにでもいるような人たちのほんの一瞬を切り取った超短編集。グレイの層が今の自分と重なってドキッとした。生きていくって、真っ直ぐなだけではいられないし、美しいだけじゃないけど、そんなに悪くないよな、と思える。
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どの話もわずか数ページほど。その中で、日常で起こる小さな心の動きを見事に切り取っている。しかも、特別な瞬間ではなく、昨日今日の自分にも起こったのではないか?と思いだしたくなるほどの誰にでもありそうな出来事。
丁寧に毎日を生きていくのも、まんざらつまらないことじゃないな、と思えてくる本だった。
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優しく切なく、心にのこる短編集たち。作者の性格や人物像を確かに表している作品だと思う。
こういうのを本当の『珠玉の短編』と呼ぶのではないだろうか。それぞれの物語が主張しなくても確実に印象に残り、心を少しずつ動かすのだ。
ただ残念なのは作者さんが自殺してしまっていた事。(読後に気づいた)キラキラと輝いていたお話たちがほんの少し色褪せてしまった気がした。
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短編集。特に取り柄もなくマジョリティに交われない人たちが輝く瞬間を捉えたみたいな、そんな話がいっぱいです。ちなみにガソリンスタンドの話、高校かなんかの国語の教科書で読んだんだけど笑
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それは、一瞬の光。
その一瞬で全てが決まっちゃうこと、全て許せてしまうこと、逆に取返しがつかなくなっちゃうことがある。
——積み重ねてきた人生の重みをそれぞれ背負いながらも、きらりと輝く一瞬。
その姿がいとおしく、胸に迫ります。
今、社会人になった今、読めてよかった勾玉短篇集です。
私が生まれた頃の作品だなんて信じられない!
素晴らしい作品はきっと時代を越える普遍性を備えているのでしょう。
タイトルの意味をあとがきで読んだ時、鷺沢さんの温かいまなざしに、私自身も励まされたような思いがしました。
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どんな人にも光を放つ一瞬がある。
その一瞬のためだけに、そのあとの長い長い時間をただただ過ごしているような-。
何気ない日常の、ふとした瞬間の幸せに気づいていますか?
僕はおもしろくない人生なんてくそくらえと思っていますが、
将来、自分の生活に満足できない時にもう一度読んでみたい。
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難しい小説、と聞くと使ってる言葉が難しかったり、設定が難しくて読み進めることができないのだと思っていました。でも、鷺沢萠さんの小説には、違った難しさがあると思います。
『海の魚・空の鳥』という短編集を選んだのは、一番最初に収められている「グレイの層」という小説を、高校時代、国語の時間に勉強して衝撃を受けたからです。
このお話では、プロポーズを受けた女性がそれにどう答えるか、電車の中で自分のこれまでの人生を思い返しながら考えます。自分が今まで歩んできた、そしてもし今結婚すればそのまま歩み続けるであろう人並みな人生と、ここで違う選択をした場合に得られるかもしれない、普通とは違う人生への可能性。車窓をバックに思い悩む主人公の姿がずっと描かれるなかで、ふと入ってくるプロポーズの相手のセリフと、そして一瞬変わった車窓を目にして、主人公の心が動きます。
初めて読んだとき、私は呆気にとられました。最初に書いたような「難しい小説」ではありません。教科書でも文庫本でも、ほんの数ページで終わってしまいます。
過去を振り返る主人公が丁寧に描かれていたのが、急にさらっとした描き方に変わって、そして強烈な余韻を残して終わります。全体のお話ではなく、その人の心に注目しているからかもしれません。すごく躍動感のある写真を見たときのような、物足りないというわけではないのだけれど、そのちょっと先を見たくなるような、想像力を掻き立てられる終わり方です。
この一冊には20編の作品が収められています。主人公の性別も、年齢もばらばらですが、少し前の自分を思い出したり、向き合ったりするところでほんの短いお話なのに登場人物がどんな人かを窺い知ることができます。ほんの数ページなのに、長い小説を読んでいるような厚みを感じることができます。でも今については最小限。読んだ後にそうだよな、と共感したり、それで良いのだろうか、自分だったらどうだろうと考えたりするお話ばかりではありません。何が、どこがきっかけでそうなったんだろう、とよく分からなくて何度も読み返したお話もいくつもあります。
まるで本を読んでいるというというよりは、実際に登場人物について、もしかしたらその人自身と話をしているかのようです。それだけに、理解できないと悔しくて、この人はどういう風に考えたんだろう、どういう風に感じていたんだろう...と考えさせられます。
作品を一つ読むごとに、もっとこの人についてわかりたい、新しい人に出会いたい、と思う、そんな本です。
Posted by ブクログ
どれもきっと、その人にとって忘れられない瞬間なんだろうな。みんなまじめでまっすぐで、いい人ばっかりだ。一番好きなのは、ほんとに好きになりかけてる人と一緒に、車窓を流れる街並みを見て、心を決める作品です。←「グレイの層」でした。
Posted by ブクログ
随分前に、「東京のフラニー」という収録短編が、テストの問題に出たことがあった(高校時代のわたしは、テストの問題に出される現代文をかたっぱしから読みたがった。)
とくに高校時代は、「攻殻」から「サリンジャー」を読み進めていたので、とりわけ気になったのだと思う。サリンジャーの短篇に、「フラニーとゾーイ」というのがあるのだ。
内容はさっぱりおぼえていない。
洒脱で、それでいてどこか鋭い切れ味のある書きぶりをした作家だったように記憶しているので、再読してみるのもいいかもしれない。
Posted by ブクログ
なにかにつまずいたり、失望したりしても、やり過ごすしか、忘れるしかない。
そんな冴えない主人公たちの人生が、一瞬でも確かにきらめく瞬間を切り取った短編集。
一つ一つが短いので、スピーディーに読めます。
読後感は人によってかなり変わる気がしますね。
日常的すぎる展開と結末が多いので、派手さは全然ありません。
ただそれだからこそ、一瞬のキラリにもリアリティを感じられていいという方もきっとたくさんいるはず。
「ほおずきの花束」という章で、あたしは泣きました (笑)
Posted by ブクログ
とても久しぶりに小説を読んだが、短編集なので読みやすかった。「ほおずきの花束」の中の一文で、「そう思ってしたことでなくとも、優しさとか善意とかいうものは確かに人間を救うことがあるんだな。」という部分の「救うことがある」ってとこ好きだ。