鷺沢萠のレビュー一覧

  • 海の鳥・空の魚

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    鷺沢 萠の【海の鳥・空の魚】を読んだ。

    ショート・ストーリーが20編収められた短編集。

    ひとつの物語が10ページくらいで終わるので、次々とテンポよく読むことができる。

    しかし、そのひとつひとつの物語は、確実に読む者の心を捉え、切なさだったり、共感だったり、小さな

    幸せだったりを、ひっそりと残していくのだ。

    【海の鳥・空の魚】というタイトルの短編がこの本の中に収められているわけではない。これはあとがき

    のタイトル。あとがきの中でこの言葉の意味を著者が説明しているが、その真意、思想、僕はものすごく

    好きだ。

    普通に考えれば【海の魚・空の鳥】。けれど、ここでは【海の鳥・空の魚】。

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    2009年10月04日
  • 君はこの国を好きか(新潮文庫)

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    鷺沢 萠の【君はこの国を好きか】を読んだ。

    突然こう問われたらあなたは即答できるだろうか?僕は即答できる自信がある。

    おそらく多くの若者は欧米の生活や文化に憧れを抱いているであろうから「嫌い」と即答するかもしれな

    い。そういった類の憧れは僕にだってある。しかし、この国、つまり「日本」が好きか嫌いかという話と

    なると別問題で僕は間違いなく「好き」だと即答するだろう。と、この本を読むまでは思っていた。

    鷺沢 萠の【君はこの国を好きか】に登場する人物は、主人公の雅美も含めて韓国人である。日本で生ま

    れ育った韓国人の3世の世代だ。

    日本で生まれ育ち、日本語を第一言語としている雅美は大学を

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    2009年10月04日
  • さいはての二人

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    「動物の仔のように身を寄せ合って眠る・・・」
    「このひとはあたしだ」

    この二つのフレーズが頭から離れない。


    ろうそくの光のようなゆらゆらとした語り口が心地よく、また、どこか心許ない。

    愛するものが別の生きものであるということのせつなさ、それゆえの愛しさ。
    複雑に絡み合うルーツがもたらす、軋轢、許し。
    元々ひとつであったものがたまたま分かたれて、、
    別々のものとして生きている。
    だけなのだという単なる事実と、そこに潜む非合理ななにか。

    いてもたってもいられないような気持ちにさせる話。


    あとのふたつの短編も秀逸。

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    2009年10月04日
  • F 落第生

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    ここに出てくる女の子たちの人生はみんな、泥沼。
    だけど、誰一人ヘコたれず、めげない。
    背中を押して励まされたような気持ちになります。

    いとう

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    2009年10月04日
  • 海の鳥・空の魚

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    outofthisworldさんの本棚のコメントの言葉にひかれて手に取りました。
    そしてとても深く心に感じました。
    題名の意味、解説を読んでなるほどと。
    この本でもどこか不器用な生き方をする人たちが愛情を持って描かれていますね。
    とくに「グレイの層」と「柿の木坂の雨傘」が好きでした。
    じんとしました。
    素敵な本を教えていただいてうれしいです。

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    2009年10月07日
  • 海の鳥・空の魚

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    鷺沢萠の本はどれも面白く読んでいるけど、特に短編とエッセイが好き。この短編集は彼女のファンの中でも特に評価の高い一冊ではないかと思う。優しさにあふれたこの本が手元にあるというだけで、どこかしら安心した気持ちになれるのです。

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    2009年10月07日
  • F 落第生

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    今は亡き鷺沢さんの作品。

    どこかダメな女主人公たちの恋愛模様。
    つい自分と照らし合わせてしまいます(^ω^ ;)

    「家並の向こうにある空」は
    高校時代にテストで出題されて読みました。
    最後の「重たい色のコートを脱いで」も切なくていい。

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    2009年10月04日
  • 過ぐる川、烟る橋(新潮文庫)

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    流されやすい主人公のキャラ。いつもならやきもきするんですが、流されつつも成功した現在も同時に描かれていて面白かった。過去に受けた不当な仕打ちのエピソードがすごく印象深い。

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    2009年10月04日
  • さいはての二人

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    タイトル作も印象的ですが、やはりなんといっても"遮断機"。
    初めて読んだとき、涙がぼろぼろとこぼれてきました。
    鷺沢さんの追い求めた「家族の温かさ」ってこんな感じなのかなぁ、
    と読者に思わせるような作品です。

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    2009年10月04日
  • 愛してる

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    「わたし」がよく行く「ファッサード」という店が人々の繋がりの場。酔いつぶれたり恋をしたり人生を考えたり笑ったり泣いたり。主人公をはじめとして、登場人物には細かい設定を持たせていない。若さの限界を知りつつあるわたしの周りの人々が描かれている。きらきらした胸に迫るフレーズが一杯。「思ったり感じたりした者の勝ちだ」「ここにいたらダメになる」「繭の中にいるようになりたいと、ずっと前から思っていた」「Every guy is a guy」萎れたりカラカラに乾いた時に、いつも読みたい本。

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    2009年10月04日
  • 愛してる

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    5/2 何度でも何度でも、な本の見本のような存在。これを21歳で書いたって言われても、その歳を追い抜いてしばらくたつけど信じがたい。どうしようもない気持ちに、効くホッとするような本で。夜遊び感というのもオシャレでなくこなれているものってそうそうないと思うし。あーー。言葉になりません。文章すら覚えていても何度も読み返す、そんな本。

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    2009年10月04日
  • 待っていてくれる人

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    「笑顔は人生の潤滑油、などというのは使い古された言い方だ。けれど、差しあたって何もできないなら、笑っていないより笑っているほうがいいと思う。」

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    2009年10月07日
  • サギサワ@オフィスめめ

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    3/1 なんか、むしょうに読みたくなって再々…読。一気に読んでしまりた。ブログという概念がない頃。もはやもうすぐ10年前なんだよなーと思わせないほどのおもしろさ。文章の小気味よさ。紙媒体との違いもおもしろす。ほんとに…惜しい人をなくしたなー。

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    2009年10月04日
  • 海の鳥・空の魚

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    高校の教科書にこの1作が載っていたのがきっかけで読んだ。
    鷺沢ファンになったきっかけになった本。
    「ほおずきの花束」が特に好き。

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    2009年10月04日
  • 葉桜の日(新潮文庫)

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    するする、と入っていけるんだけど、軽くないというか… 底辺の話だなと思います。この人の本、もっと読んでみたい。

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    2009年10月04日
  • 待っていてくれる人

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    4/25 もう、この人の最近のエッセイを私はいろいろなことに想いを馳せずには読めない。いろんな考えや情景が迫ってきて泣きそうになる。
    もちろん単純におもしろいところもたくさんあるけど。

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    2009年10月04日
  • 大統領のクリスマス・ツリー

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    ”けれど香子が治貴とずっと一緒にいるのはそんな言葉を信じたからではなくて、
    そんなことを言う治貴を愛していたからだ。”
    最後までハッピーエンドを信じたくなってしまう、香子と治貴の物語。

    ”そんな話は聞きたくない、と香子は思う。とても強く、そう思う。
    だから心が揺れている。
    家に帰ろうと言い出せば、今夜をやり過ごせるだろうことを知っているからだ。
    香子の強さが、治貴の優しさが切なくて、心が打たれます。

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    2009年10月04日
  • ありがとう。

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    何度も言うけど、鷺沢萌さん、好きです。
    エッセイ集なんですが、最後に収録されている酒井順子さんとの対談がおもしろすぎます。
    素敵すぎるコンビ。

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    2009年10月04日
  • 大統領のクリスマス・ツリー

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    キラキラした世界が色を失っていく、とてもせつない物語。
    読後、主人公の強さが心に残る大好きな小説です。

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    2009年10月04日
  • バイバイ

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    人の顔色を窺いながら生きる主人公につい自分を重ね合わせてしまう本です。嘘を重ね、自分の本当の気持を失っていることにすら気づかない。現実を直視できます。

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    2009年10月04日