鷺沢萠のレビュー一覧

  • バイバイ

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    私はその"やさしさ"を知っている。私はそれを"やさしい"と言う。("残酷"と"親切"を並べながら、それでも)

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    2009年10月04日
  • バイバイ

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    これもまた、恋愛が終わったときに読んだ本。
    一人に決められない男。読んでる時、このヤロー!ハッキリしろよ!!なんて思ってたけど、年とって、今自分がそんな感じ。年取ると嫌でも慎重になっちゃうんだよね…。

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    2011年09月20日
  • F 落第生

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    鷺沢萠の本の中で一番好きな本。この本は短編集なんだけど、「シコちゃんの夏休み」がいい。これを初めて読んだとき、シコちゃんに強く強く憧れた。
    悲しいこととか何か大変なことを人に話して聞かせて「すごいね」って言わせることが、恥ずかしいことだって思うようになったのはこれを読んでからだと思う。
    あとがきに鷺沢自身の言葉で「F」(落第生)でもいいって書いてあってね、それがわたしには御守りとか呪文のように、今でも響いている。
    鷺沢萠どうして死んじゃったのかなあ。どうして死ななきゃいけなかったんだろう。ときどきその理由がわかるような気がして、でもときどき、本当にわからないって思う。

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    2009年10月04日
  • F 落第生

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    「「A」ばかりの人生なんてつまらない、などと言う気は毛頭ありません。そうできる条件と幸運にさえ恵まれたのなら、泣かないほうがいいし痛みや悲しみは経験しないほうがいい。後悔なんて、する必要がないほうがいいに決まっています。
     けれど、人々がよく口にする「後ろを振り返るな、後悔だけはするな」ということばにも、やはり私は簡単に頷くことができません。常に常に「前」だけを向いて生きていくことが、そんなに正しいこととは思えないからです。
     欲しかった「A」をもらえず、「A」どころか「B」にも「C」にも手が届かずに、「F」を取ってしまったのなら、してもしても足りないほどの後悔の原因が自分の歩んできた道のどこ

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    2009年10月04日
  • ありがとう。

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    ネタバレ

    読み始めて数ページで、よみがえる。
    鷺沢萠の、小心でありながらとんがった文章の数々。
    ぼろぼろ涙を流しながら、仁王立ちで世間に立ち向かう彼女の姿。
    亡くなって20年以上、毎日新しい文章を探して彼女のサイトを覗いていたのは、そんなに昔のことになったのか。

    何度も何度も生きることの苦しさと、でも、それを越えた先の人生について書いている。
    終の棲家を探して旅に出る。
    連れ合いよりも絶対に長生きして、人生を謳歌しているだろう老後を想像している。
    なのになんで、という気持ちがいまだにぬぐえない。

    かと思うと、最後は酒井順子との負け犬トークも収録されている。
    勝ちと負けに分断するのもなんだかなあとは思

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    2025年09月16日
  • F 落第生

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     高橋由太さんのちび猫亭に鷺沢萠さんの作品がでて来たので、懐かしい作品を読んでいく。頑張っているが生きづらい、なにかに「落第」してしまった女の子たち。鷺沢さんの眼差しはとても温かい。ラスト数行に救われる。「家並みの向こうにある空」「重たい色のコートを脱いで」が好み。

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    2025年08月24日
  • サギサワ@オフィスめめ

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    鷺沢萠さんの日記サイトを本にしたもの。
    文字は横書き。
    そのため文庫本にしては珍しい、左開き。
    毎日寝る前に少しずつ読むと癒される。
    海外でトラブルに見舞われても、『がんばる俺、えらい俺』。と面白く文章化してしまう強かさ。
    管理人のわたべさんとのやりとりも面白い。
    他のエッセイも読んでみたくなった。

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    2025年07月05日
  • 葉桜の日(新潮文庫)

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    19歳のジョージ、44歳の滋賀さん、65歳のおじいの関係は、家族のような親戚のような不思議な距離感で魅力的。だけどそこには秘密が隠されていた。
    桜が花から葉桜になるまでの数日間の物語。
    明かされる秘密と死装束に拘るおじい。
     真実でいきてなきゃ、どうすんのよ。
     みんな、自分が誰かなんて判っちゃいねえよ。
    人は皆、自分を偽りながら生きているのだろうか。

    鷺沢萌さんの命日4月11日を葉桜忌という事を知った。もちろんこの「葉桜の日」に由来する。

    若くして亡くなった鷺沢萌さんの、22歳の抑制的に綴られた青春小説。

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    2024年02月19日
  • F 落第生

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    主人公たちは、みな素直でひた向きでまっすぐに傷ついていく。かつて自分も経験した、あの胸の灼かれるような気持ちが思い出された。けれど、絶妙に軽やかな文章で読み心地が良い。また、(ほぼすべての話で)最後に少しだけ明かりがさすような結末を迎えるところに、著者の優しさを感じた。
    全話それぞれに面白いが、特に「シコちゃんの夏休み」と「家並みのむこうにある空」は本当に素晴らしい。(シコちゃんの健気さ、最後に垣間見える啓一の想い…!)
    今回中古で入手しましたが、再版を望みます。もっと多くの方に読んでほしい。今の若者にも響く(刺さる)と思う。☆4.5

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    2023年06月04日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    初期の短編「帰れぬ人びと」を読んでとても良かったので、手に取ってみた。初期とは雰囲気が変わっていてビックリしたけれど、切実さとユーモアが共存する文章に惹き込まれ、最後にはあたたかな結末。とてもすてきな2篇だった。
    「家族」の在り方を問いながら「ホーム」という言葉で、自分の居場所、拠りどころ、赦しを提示する感性が好き。著者は「帰れぬ人びと」を最期にきちんと帰したんだよな、著者にとっての「形のある何か」は作品であったのかな、などと思うといっそう切ない。

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    2023年05月14日
  • 大統領のクリスマス・ツリー

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    タイトルにもなっている「大統領のクリスマス・ツリー」そのセリフが出てくるシーンがたまらなく好きだ。どんな思いで香子を誘い、そこまで連れいていき、そのセリフを口にしたのか。それを思うだけで、胸がキュッとなる。10代で出会い、20代で結婚し、子供がうまれ、30を迎え、出会った頃のようながむしゃらさや、同棲していた時の必死さも、思い出に変わりつつある。香子は折にふれその変化を「布を織り上げてきた」と例える。人との関係は確かにつむぎ、おりあげるものなのかもしれない。つよい心とこわい心。何度読んでもその言葉が沁みる。

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    2023年02月11日
  • 帰れぬ人びと

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    もっと早く著者の作品に触れたかった。でも、若い頃だったら斜に構えてしまったかもしれない。
    どの短編も素晴らしい。繊細で瑞々しい描写の一方、冷静に見守るような視点がある。物語たち自体が誰かに書かれるのを待っていたかのような必然性を感じたが、それは著者の半生の投影によるものだったからかもしれない。☆4.5

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    2023年01月22日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    ネタバレ

    笑ってるのに泣かされたり、泣いてるのに笑わされたり忙しくも楽しい読書でした。ココロはとても大満足。温かくなりました。

    血の繋がりのない親子のお話2作。

    親友の親子の家に住み家事全般を受け持つタケシパパのお話と、夫の連れ子の娘に愛情を注いだのに、別れてしまったことを後悔しているバリキャリの律子さんのお話。

    どちらもじーんと胸にきました。実は初めて読む鷺沢萌さん。解説の三浦しをんさんの文章も素敵です。

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    2022年01月21日
  • 君はこの国を好きか(新潮文庫)

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    今の米国の例を見るまでもなく、外国人であるということで、行動は非常に制限されたりするわけで、でもお金さえ払えば良いよ、というのはニュージーランドとかもそうだったり、世界で至極当然に行われていることなんだけど、日本と韓国に当てはめて、更に在日朝鮮人であれば尚更なんだろう。外国人という状態のまま永住するということが異常すぎる。
    とかなんとか言ってみても当事者にとっては何の慰めにもならないわけで、多感な時期には色々あるよ。という彼らの足掻きが伝わってくる。スルッと気にしなきゃ良いのに、っても思うけど、なかなかね。

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    2021年05月06日
  • 海の鳥・空の魚

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    鷺沢萠は初めて読む。
    大変申し訳ないのだが、最初は「あれ?思ってたのと違う…」と言う感じだった。
    それから暫く、忙しくて読めずにいて、3日ぶりに読んだ。良かった。

    日々の小さな出来事を切り取って書いているだけなのに、どうしてこんなにノスタルジーな気持ちになるんだろう。
    懐かしさや切なさ、そして後悔やら何やら…
    どこにでもいそうな、でも個性が光る登場人物たちの気持ちが、そーっとそーっと心の中に入ってくる。
    そんな不思議な心地よさがあった。

    私のお気に入りは、ポケットの中と柿の木坂の雨傘。思わず目頭が熱くなった。こういう話に、私は弱いのだ。

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    2020年10月09日
  • 夢を見ずにおやすみ

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    やっぱり鷺沢さんの本、好きだなー。

    時々ドキッとするような言葉が出てくる。

    悲しいような落ち着くような。人生って女って。
    女の一生は洗い物をすること?

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    2020年03月23日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    1万円選書でやってきた1冊。
    フツーじゃないことがフツーだと感じられる温かい人たちで成り立つ家族の話。
    周りと比べるのではなく、自分のできることを役割として一生懸命やることって良いなって思えたし、いろんな考え方があるなって思えたし、なんだか憎めない人たちに共感できてほっこりした。

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    2019年11月23日
  • 海の鳥・空の魚

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    高校の教科書に載っていたのがメメちゃんとの出会いでその作品が収録されてるのがこの一冊で。あれからずいぶんと時がたったが、若さゆえの照れや精一杯背伸びしている感じ、大人の世界に足を踏み入れ始めた時の期待と不安とかそういう気持ちの揺れを思い出して、胸のあたりがキュっとする。

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    2019年06月22日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

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    「お帰り」の声が聞こえる。

    どちらの物語も、血の絆より心の絆。そもそも家族とは何なのか。型にはまった「家族」じゃなくても、むしろそのような絵に描いた「家族」よりも、温かい帰る場所、それを家族と呼びたい。

    この物語が書かれたのは、最初に出版されているのが平成16年とあるから、2000年代初頭だ。その頃から、働く女性について、家族の在りかたについて、問題提起されていた。でも、そこから20年近く経って、まだ状況は変わらない。女性が家にいるべきだとか、女性が働くのなら、家事と子育てを完璧にこなしてこそとか、まだまだ日本社会の意識は変わっていない。どちらの家族も、まだ「フツー」ではないとされるだろう

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    2019年01月22日
  • そんなつもりじゃなかったんです THEY THEIR THEM

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    女性作家の作品は、自分ではよく読むほうだと思っている。

    特に彼女の作品は、出会ってから、よく読んだ作家の1人だと思う。

    時々、今生きていたらどんな作品を書いてくれるのだろうと思うことがあります・・・


    本作は、笑いの中にいざなってくれる1冊

    いろいろな登場人物、彼女の周りには面白い人しかいないのかと思ってしまうくらい笑わせてくれます・

    ここでキーになるのが、お酒、麻雀、そして車

    いい意味で豪快な生き方というか、憧れるというか・・・

    大学生になりたての頃、この本を読んで、大人の世界にあこがれたのを覚えています。

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    2018年10月28日