【感想・ネタバレ】バイバイのレビュー

あらすじ

はじめて会った日から1年、付きあいはじめてからは7、8か月が過ぎても、喧嘩らしい喧嘩は一度もなかった。勝利と朱実のあいだはとてもうまくいっていたはずだった。「結婚」ということばこそ、ふたりのあいだで口にのぼることはまだなかったが、どちらかがいつ言い出してもおかしくないような雰囲気だった。何の問題もない恋人同士のように見えたはずだ、と勝利は思う。たったひとつの問題は、勝利に、朱実以外にもそういう付きあいをしている女性が、あとふたりいることだった……。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

主人公が自分とは真逆なので、そういう人の心情が細かく描かれていて面白かった。
人の内面を描くのがうまくて、先が読みたくてあっという間に読み終わりました。

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2013年03月22日

Posted by ブクログ

人の顔色を窺いながら生きる主人公につい自分を重ね合わせてしまう本です。嘘を重ね、自分の本当の気持を失っていることにすら気づかない。現実を直視できます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

私はその"やさしさ"を知っている。私はそれを"やさしい"と言う。("残酷"と"親切"を並べながら、それでも)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

これもまた、恋愛が終わったときに読んだ本。
一人に決められない男。読んでる時、このヤロー!ハッキリしろよ!!なんて思ってたけど、年とって、今自分がそんな感じ。年取ると嫌でも慎重になっちゃうんだよね…。

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2011年09月20日

Posted by ブクログ

誰もが自分が一番で、誰かの一番に自分がなることはない。
それ以外は簡単にひっくり返るもので、だから人を信じてはいけないのだけれど、だからといって嫌われるのも怖くて、いつも「バイバイ」を言えずに、その場その場を取り繕ってしまう。
女性にとって、そんな勝利の態度は業腹ものだろうけど、多分、男女関係なく、誰にでもそういうところはあるものだと思う。

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2017年11月30日

Posted by ブクログ

「人は大切な事をいいかげんにしているうちに自分でも知らない自分を作ってしまう」
…とは解説の引用なのですが、
これは主人公を通して徐々に見えてくる大筋のテーマのようなものを、
上手く要約されているなと思いました。

読み手によっては嫌な話で終わってしまいそうな気配もするのですが、
鷺沢さんの本を読む度に、人間を描くのが上手だなあとつくづく感じます。

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2012年08月16日

Posted by ブクログ

誰からも嫌われたくない一心で生きてきた勝利は、いつの間にか3人の女性と並行して付き合うようになっていた。崩れ始める関係の中で、少しずつ人を信じることを知っていく。
鷺沢萠さんは「ウェルカム・ホーム」という作品しか読んだことがなかったのですが、その作品がとても好きだったので、今回も期待して読みました。
期待通り、読みやすい文章、繊細な心理描写、魅力的な登場人物、そしてどこかほっとするような温かい空気がとても良かったです。
人を信じるのって実は難しいけど、疑い続けたまま生きるのも苦しいよね。

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2010年10月17日

Posted by ブクログ

人なんて信じるものではない。なんて思考になったショーリだが、大体みんな人を信じているのだろうか?こっ酷く裏切られた事の無い私でも、人は信じるものではないと思っている。裏切らない自信がないからだ。
嫌われたくない?好かれたい?寂しいから?人に自分の事を解ってもらいたいと思わない?
解説を読んでもどう捉えればいいのかわからない。

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2021年03月27日

Posted by ブクログ

サヨナラを言えない、この主人公キライ。でも、ここまで極端じゃなくても、男の人はこういう面がある気がする。

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2011年09月18日

Posted by ブクログ

3股男、ショーリの物語。

はたから見て、ひどい男とされる彼だが
どうしてもそうは見れない。

相手の事を観察して、相手が求めている事を感じ
そのために全力を尽くさなければならなくなってしまった
そんな男は
多くの女に気に入られるだろう。
当たり前だ。
自分が求めていることをしてくれる人がいたら
の人といたいと思ってしまうのは。
人間の正直な気持ちだろう。

きっと、女たちは素晴らしく幸せな体験をしたことと思う。
人を信じるというのは確かに快楽かもしれない。
それを味わわせてもらったという事実だけで
幸せだと思うんだけどな。

そんなことは、一般常識では思われないんだろうけれど。
他に人の感想を見ていても
納得できない意見のほうが多数だし。

でも、私は
ショーリにはその後も
沢山の女と仲良くなって欲しい気がした。
朱実を不幸から引き上げたのはショーリだ。
きっと彼に出会っていなかったら
彼女は不幸を引きずり続けたことと思う。
その後、ショーリによってより傷ついたとも言えるけど
事実、彼女は一時は幸せを味わっている。

残念なのは、ラスト。
よくわかんない。
もっとすっきり終わらせればいいのに、と思ってしまった。

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2010年04月26日

Posted by ブクログ

鷺沢 萠 著   角川文庫

人を信じるということはそれほど難しいことなのだろうか。愛する人を信じて生きるということは、

それほど難しいことなのだろうか。この作品はそんなことを深く考えさせてくれる小説である。

主人公の男「勝利」は、祖父が言った「人間なんで、信じるもんでねえぞ。」という言葉が忘れられず、

それ故に人を心から信じることが出来ずに生きてきた。人に嫌われることを恐れ、相手を喜ばせることが

自分の居場所を確保する唯一の方法だと悟り、人の顔色を伺い、相手が求めることを瞬時に理解して、

求められたものを完璧に提供してきた。それが勝利にとっては生きる術であり、当たり前のことだった。

誰に対してもいい顔をしてしまう。誰からも好かれたい、嫌われたくないという気持ちが、言動判断基準に

なる。仕事だけに限った話ではない。女性関係も・・・。

と、小難しい言葉で説明してみるとそんな内容の話だが、ざっくばらんに説明すると、三股を掛けている

最低な男の話である。そんな最低な男の話のどこに深く考えさせられるところがあるのかというと、

そこは天才・鷺沢 萠である。単なる好いた惚れたの恋愛小説ではない。見事な人格描写と心理描写で、

登場人物たちの心の闇と光を引き出していくのだ。

この三股を掛けている勝利という男は、けして悪巧みをもって三股を掛けていたわけではない。根本的

には「嫌われたくない」という自己中心的な思想のもとに「誰にも優しく接している」うちに、そういう

関係になってしまったのだ。この手の優しさは世間では優しさとは呼ばないのだろうが、僕には共感でき

る部分があって、ちょっとばかり心が痛んだりする。『優しさだけじゃ、人は愛せないから』なんて、

ブルーハーツの歌じゃないけど、そうなんだよな、なんて思ったりもして、余計に心苦しくなる。

勝利という主人公の深層心理は僕の深層心理と共通する部分が多々あるのだ。

すべての糸が切れたり解けたりしたとき、三人の女性の行動が三者三様で興味深いのだが、これほどの

修羅場を越えた後での「人を信じる」という行動はかなり重たいものがあって、信じるという行為その

ものが純真ではなく呪縛に思えてならない。僕的には、人を信じるということはもっと明快で単純で

いいのではないだろうかと思う部分もある。

『愛する人を信じて生きる。それでいいじゃねぇか、人はよぉ』って、THE・茶番ってバンドが昔

歌ってたけど「それでいいじゃねぇか」って言葉に含まれる部分が大切なんだと思うわけで。

考えすぎたり、背負い込みすぎたりすると、だいたい碌な事がない。人生なんてそんなものだと思うわけ

です。

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2010年03月28日

Posted by ブクログ

一番共感出来た登場人物が二股どころか実は三股をかけていた最低男の主人公だったんだが…。
男じゃなくて本当に良かった…女って怖いし面倒くさいと思ってしまった私は本当男ではなくて良かった…。まぁ、主人公が女でその逆もある気もするが。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

二股、三股をかけていた男とかけられていた女の話。表紙がきれいで手にとって読み始めた。鷺沢作品には大きく2通りあって、それは作品の内容も文章の力の入れ具合も老練していて、とてもとても30代の女性が書いたとは思えないようなものと、そうじゃないものに分けられる。
これはそうじゃないものに入るんだけど、この「バイバイ」は何ていうか、わざとに若い女性受けするような作品を書いているんじゃないかしらって思わせるような作品。「スタイリッシュ・キッズ」「大統領のクリスマス・ツリー」なんかもそうなんだけど。こんな作品も書けます、みたいなね。で、恋人の心が離れていくっていうのにこだわって書いているのが若い女性受けするだろうと思われるこの人の作品群の特徴なんだけど。
どうもそれがイマイチなんだよね。いつも離れていく過程を描くでもなく、離れた後を描くでもなく、一緒にいた二人が結局離れた、で終わるんだ。
わたしが見たいのはそこじゃない。

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2009年10月04日

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