鷺沢萠のレビュー一覧

  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    久しぶりの鷺沢萠。家族とは何かを問い続けた作者が最後に遺した作品。フツーな家族って何?フツーな家族なんてないんだから、自分に正直に生きれば良いんじゃない、とでも言いたげな作者の優しさに触れられる作品。来年4月11日で没後10年。早すぎるよ、鷺沢さん。


    2021年3月26日更新
    家族の在り方がますます多様化している昨今、そして、自分自身も齢を重ね、子の親となったところで、久しぶりに手に取って再読。

    刊行されたのは平成16年3月。もう17年前。そして、その1か月後、4月11日に自死。

    当時、30代半ばにして、この作品を書いていた作者の慧眼に改めて感動する。

    日本でも、ようやく先日同性婚を

    0
    2013年12月15日
  • 大統領のクリスマス・ツリー

    Posted by ブクログ

    何度も繰り返し読み、その度に抱く感想が違う本。もう10回以上は読んでるな。時間にしてみたら数十分の最後のドライブの間に、初々しい始まりから、確固たる信頼関係を築き上げ、徐々にすれ違って行く様を回想的に差し込んで、着々と別れへと向かっていく。結末はわかってるから、その全てが切ない。昔読んでた時はあんなに好きなのになんで別れるのか分からなかった。でも今は分かるな。同じ方向を向いていない人とは一緒にいるのは苦しい。あんな別れ方ができる香子の性格がハルによって築かれたっていうのも切ないけど…かけがえのないものを得たと思えるのだろう。そして俵万智さんの解説が秀逸でこれもセットでこの本が好き。

    0
    2013年12月08日
  • さいはての二人

    Posted by ブクログ

    たまたま手にとってみたけれど本当に読んで良かった。
    心がなんとも言えない温かいような涙が出そうになるような寂しいような気持ちになった。

    何の気なしに普段話している「ことば」だけど人を救ったりむしろ傷つけたり・・・色んな面があって、その言葉の使い方は十人十色なわけで・・・私も上手に言葉を使いたいなぁとこの本を読みながら思いました。

    0
    2013年08月01日
  • バイバイ

    Posted by ブクログ

    主人公が自分とは真逆なので、そういう人の心情が細かく描かれていて面白かった。
    人の内面を描くのがうまくて、先が読みたくてあっという間に読み終わりました。

    0
    2013年03月22日
  • さいはての二人

    Posted by ブクログ

    アメラジアンの女性と、在日コリアンの男性の物語。それだけで、この小説は生きづらさを抱える人にとって価値あるものになる。

    0
    2012年08月14日
  • 君はこの国を好きか(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    日本にも帰属できない、夢見た祖国には不適応を起こしてしまった―そんな在日コリアンの女性の成長物語。「在日コリアン」としてのアイデンティティを獲得する描写は見事。

    0
    2012年08月14日
  • 海の鳥・空の魚

    Posted by ブクログ

    鷺沢萠さん作品を読むのは初めてだ。
    日常の中でふとした一瞬を切り取ったような短編集。

    冷たくてかたいのに暖かくてほっとしてしまうような、不思議な文章。
    コンクリートに囲まれた街中で、足元のアスファルトを割ってたんぽぽが花を咲かせているのを見つけた時の気持ちに似ている。

    「グレイの層」と「金曜日のトマトスープ」が好き。

    0
    2012年04月14日
  • 海の鳥・空の魚

    Posted by ブクログ

    20篇の掌編集。ふっと気分がよくなるような硬質な優しさのある話が多い。「明るい雨空」はイイ話というわけではないが、折りに触れて思い出す。

    0
    2012年04月10日
  • 海の鳥・空の魚

    Posted by ブクログ

    ほんのちょっと世の中からずれてしまった(1ミリくらい)の心の痛みと、そんな人たちがぱっと一瞬輝く瞬間を切り取った短編小説。何気ない日常を丁寧に毎日生きていくのも、なんだかいいものだなぁと。愛おしくて暖かいお話20篇*

    0
    2012年03月21日
  • 海の鳥・空の魚

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表紙の絵が素敵なので手に取りました。

    萠 鷺沢
    めぐむ さぎさわ
    という名前
    にも驚きを感じました。

    群ようこ
    さんが解説を書いていますが,納得できました。

    内容は,すべて短編で,21あるので一度読んでみるのがよいと思います。

    最初の「グレイの層」

    著者の姉かもしれない登場人物。
    最後のページをめくると,ただ一行。
    「ねえ,わたし、あなたと結婚したい」

    すごい。ここまで余韻を残して断言できる展開に唖然とした。
    この人の本をたくさん読んでみようと思いました。

    0
    2012年03月04日
  • 愛してる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表紙の絵がよいので手に取りました。

    短編だったので,気軽に読めました。

    「思ったり感じたりした者の勝ちだ。」

    1行だけの伝言

    最初は「真夜中のタクシー」
    著者が何を感じたかが分かる。

    0
    2012年03月04日
  • そんなつもりじゃなかったんです THEY THEIR THEM

    Posted by ブクログ

    こんなに笑ったエッセイは初めてです。通学中に読んでたのですが、バスや電車の中で噴き出してしまったほどです。何回か読んでも面白いです。

    0
    2011年08月01日
  • 愛してる

    Posted by ブクログ

    「思ったり感じたりした者の勝ちだ」
    このことばは、読んだ時からずっとこころの中にあります。

    あまりにも突然いなくなってしまったので、
    読むのをためらっていましたが、
    去年から再読しはじめました。

    0
    2011年03月10日
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本当に大好きな1冊
    なかなかへんてこな家族構成をしていて、幸せなんだけど
    世間の常識と比べると・・・と考えてしまう主人公
    いろんなことがありながらもお互いに助け合いながら
    絆を感じ、その形に感動する

    0
    2011年02月10日
  • 待っていてくれる人

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    この人は暗いんだと思ってた(国語紊乱にはすごく暗い顔で載っている。しかも自殺をしてしまったというくらいだから暗いんだとばっかり思ってた)

    でも結構サバサバ系、女子。

    海外に友達もたくさんいる人。
    私のころは国語の教科書にも載っていたくらいだけど、今はもう載っていないのかな。
    いい本、元気が出る。

    0
    2010年11月20日
  • 大統領のクリスマス・ツリー

    Posted by ブクログ

    出会ってから長い月日を共に過ごし、目指す生活を手に入れるために共に闘い続けてきた香子と治貴。望んでいたものを掴み、同じ幸せに包まれていたはずの二人に、静かに降る別れの物語。
    やっぱり鷺沢さんは良いなぁ、と思わずにはいられない作品でした。
    作品に流れる空気や登場人物たちの持つ優しさや温かさ、しなやかな強さが、別れへと向かう中でもそのままにあり続け、それ故により切ない物語になっていると思いました。

    0
    2010年10月21日
  • さいはての二人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み返してまた、泣いてしまった。

    出自にまつわる孤独を抱えて生きる主人公が、バイト先の飲み屋さんで、不思議と自分と似た雰囲気を持つ男性と出会い、惹かれあっていく。ただ、ただ、ふつうのしあわせを渇望する主人公の姿に、胸を打たれる。

    鷺沢 萠さんの小説はどれも好きですが、このお話が一番好きです。
    自分自身の孤独と向かい合い、ひとを愛するという普遍的なテーマが描かれていると思います。

    それぞれに生き難い事情を抱えているけれど、それは誰かのせいではない、と誰も恨むことなく(いや、一度は恨んだかもしれませんが、その気持ちを乗り越え)、他者を愛せるという幸せを、そっとかみしめて生きている。

    『さい

    0
    2011年09月28日
  • 君はこの国を好きか(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    数年ぶりに再読しました。彼女の作品は古くならないのがすごい。描かれる感情が現代も全く褪せていない!感電したのは私のほうでした。

    0
    2010年05月25日
  • F 落第生

    Posted by ブクログ

    鷺沢さんの本は、Fが初めて。高校の図書室で借りたこと、覚えています。
    最初の話があまりにも良い。でも、他の作品もいつまでも色褪せない。
    たとえ「A」をもらえなくたって、人間はこんなにも素敵なんだと思える。
    大好きな短編集です。

    0
    2010年01月12日
  • 海の鳥・空の魚

    Posted by ブクログ

    高校生の頃、新刊で読んでいた。
    当時ものすごくこの短編集が好きで、繰り返し読んだ。
    十数年ぶりに読み返したら、やっぱりすごく好きだった。
    そして、そうか、今の私のこの考え方は、この小説からきているのかもしれない、と思うところがいくつもあった。
    亡くなってしまったのがおしい。
    まだ読んでいない本があるので、探して読みたい。

    0
    2009年10月24日