鷺沢萠のレビュー一覧
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桜が散る頃になると、どうしてもこの小説のことを思い出してしまう。(鷺沢 萠さんが35歳で自殺してしまって、もうこの世にいないからかもしれないけれど・・・)
上智大学の学生だったころに「少年たちの終わらない夜」でデビュー。「帰れぬ人びと」「海の鳥・空の魚」「スタイリッシュ・キッズ」と続けて出版した後の、「葉桜の日」。これらのタイトルをみただけでも、いかに言葉のセンスのある人かわかりますでしょ?
「葉桜の日」には、「葉桜の日」のほかに、三島賞候補になった「果実の舟を川に流して」が入っています。この2作品の共通点は"親のいない"19、20歳の少年の眼を通して、普通の日本人やら -
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鷺沢 萠 著 角川文庫
人を信じるということはそれほど難しいことなのだろうか。愛する人を信じて生きるということは、
それほど難しいことなのだろうか。この作品はそんなことを深く考えさせてくれる小説である。
主人公の男「勝利」は、祖父が言った「人間なんで、信じるもんでねえぞ。」という言葉が忘れられず、
それ故に人を心から信じることが出来ずに生きてきた。人に嫌われることを恐れ、相手を喜ばせることが
自分の居場所を確保する唯一の方法だと悟り、人の顔色を伺い、相手が求めることを瞬時に理解して、
求められたものを完璧に提供してきた。それが勝利にとっては生きる術であり、当たり前のことだった。 -
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ホワイト・ハウスの前の半円形をした芝生の敷地に、それほど高くはないもこっとした木がたった一本、
植えられている。それが、大統領のクリスマスツリーである。
この小説は、「大統領のクリスマスツリー」をキーワードに、香子と治貴の回想物語が展開される。
回想されるのは、アメリカで出会い、愛しあった香子と治貴との恋愛。
アメリカで出会い、恋に落ちた香子と治貴はアメリカの地で一緒に暮らし始め、結婚し、子供を授かって
幸せに暮らしていた。アメリカ人でも難関の司法試験に合格し、弁護士事務所で働く治貴と、そんな夫を
支える暮らしに没頭する香子。ふたりはお互いの夢を次々に叶えていき、「こんな幸せあって -
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アメリカ人の父親と日本人の母親を持つハーフの美亜。
父親は誰かわからず、母親も再婚により今は連絡をとっていない状態。
被爆2世の朴さんと知り合い、お互いの孤独を癒していく。
最後は朴さんの死で終わり、ミアに新しい命が授かる。
確かにアメリカの核爆弾が違う種類で2回も落とす理由は「試したかった」ということなんだと思う。
戦争は人を人として見ることはないんじゃないかな。
悪い悪くないというのではなく、価値観が破壊される。
人としてみてしまえば、全員の精神が狂ってしまう。
ありえない状況でありえないことが起こり、感覚を麻痺していく。
人間をコントロールするのって簡単なんだろう。
常に起こってしま