鷺沢萠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表紙裏
あなたにはヨンマッサルがあります――。十数年前のある日、取材で訪れた韓国で占い師からそう宣言された鷺沢さん。「ヨンマッサル」とは「忙しく旅する人」の意。やだなぁ、それ・・・、と言いながらも、鷺沢さんは、その後もニューヨーク、ベルリン、ロンドン、プラハと、まさに世界中を旅してばかり。国、性別、人種、言語、あらゆるボーダーを超えて、この惑星を歩きまわる、笑いと涙の傑作エッセイ集。
目次
笑顔という魔法
冷凍イカとJAFの夜
カニ缶ミステリー
妙義にて
ブレイン&クレイン
ロスト・バゲージ
都会の善人
マフラーはパステルブルー
待っていてくれる人
クツは船に乗って
リナの野望
零下十度のミ -
Posted by ブクログ
様々な悩みと共に生きていく人々の「ホーム」を探る中篇二つ。
フツーという枠で人を括ることがどんなに愚かなことか。
ある意味ではフツーではない環境を持った主人公達が、最終的に自分なりの「ホーム」を見つけていて、じゃあフツーなあなたの「ホーム」は?と問いかけられているような読後感。今生きている環境に改めて感謝させられた。
どちらもホロリとくるようなラストが用意されていて、全体的に見るとすっきりと読めるが、個人的には二つめの話の展開がちょっと。。
回想を中心に事実の羅列のようなじれったい描写が続き、少し読み進めるのが辛かった。控え目にこの星数で。 -
Posted by ブクログ
ホームページの日記も毎日のように読んでいたけれど、文庫は眠る前にベッドでぱらぱらめくるのに最適でした。
夢中になって、職場でお昼ご飯をつつきながら、残業の待ち時間をつぶしながら、「おふぃめめ裏日記」を読みふけっていたものです。
一日に何度も読んだり、過去日記を暗記するほど読み返したり。秘かにキリ番狙ったり。
当時、鷺沢さんは30歳、わたべさんは20代、読んでいるわたしも20代半ばでした。若かったなー。そして、楽しかった。
鷺沢さんもわたべさんも、大好き。最高!
これをきっかけにそれまで手に取らなかった「いおりん」の本を読むようになったり。
トゥ(TWU)とかドゥ(DWU)の入力を覚えたのも -
Posted by ブクログ
再読ですが、しっかり読むのはいつ以来かと言われると十年ぶりくらいなような気がするので新規登録。
映画や旅の話はともかく、けっこうたわいない日常の(あるいはよくわからない趣味の…麻雀とか…)内容ばかりなのについ読んでしまう…。通読よりも拾い読みに向く本ですね。わたしはおじさまに弱いので、いおりんが登場するあたりを特に好きで読みます。
わたしは麻雀しないし、お酒も(たいして)飲まないし、サギサワさんと知り合う機会がもしあったなら、つまらない小娘だなあと思われたんでしょうけれど、それでもこのひととちょっと遊んでみたかったなあと思ってしまいます。あ、大食らいなところは気に入ってもらえたかもしれま -
Posted by ブクログ
3股男、ショーリの物語。
はたから見て、ひどい男とされる彼だが
どうしてもそうは見れない。
相手の事を観察して、相手が求めている事を感じ
そのために全力を尽くさなければならなくなってしまった
そんな男は
多くの女に気に入られるだろう。
当たり前だ。
自分が求めていることをしてくれる人がいたら
その人といたいと思ってしまうのは。
人間の正直な気持ちだろう。
きっと、女たちは素晴らしく幸せな体験をしたことと思う。
人を信じるというのは確かに快楽かもしれない。
それを味わわせてもらったという事実だけで
幸せだと思うんだけどな。
そんなことは、一般常識では思われないんだろうけれど。
他に人の感 -
Posted by ブクログ
桜が散る頃になると、どうしてもこの小説のことを思い出してしまう。(鷺沢 萠さんが35歳で自殺してしまって、もうこの世にいないからかもしれないけれど・・・)
上智大学の学生だったころに「少年たちの終わらない夜」でデビュー。「帰れぬ人びと」「海の鳥・空の魚」「スタイリッシュ・キッズ」と続けて出版した後の、「葉桜の日」。これらのタイトルをみただけでも、いかに言葉のセンスのある人かわかりますでしょ?
「葉桜の日」には、「葉桜の日」のほかに、三島賞候補になった「果実の舟を川に流して」が入っています。この2作品の共通点は"親のいない"19、20歳の少年の眼を通して、普通の日本人やら