過ぐる川、烟る橋(新潮文庫)

過ぐる川、烟る橋(新潮文庫)

528円 (税込)

2pt

4.0

1970年代、東京。貧しくとも、ささやかな夢を分け合う二人の男がいた。九州から単身上京、中華料理店で働く篤志。身体がデカいのが悩みの彼は、店の先輩・勇のすすめでプロレスの世界に足を踏み入れる。運を掴む篤志と、見放される勇、その間で揺れるユキ。時を経て再会した三人は、何を得、何を失ったのか――? 青春の記憶を手繰り、夜の博多に漂うノスタルジック・ラブストーリー。

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過ぐる川、烟る橋(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2017年04月05日

    切ない切ない小説。読んでいて何度か涙がこぼれた。心の一番深いところに届いて、そこにとどまりそうな内容を持っている。プロレスラーとして成功した男が、夜の博多の街を歩きながら、川の水面に映ったネオンを見つめる。若い時に苦楽を共にした友と彼の恋人のことが、脳裏に甦る。巧いと感じたのは現在と過去を交互に描き...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    流されやすい主人公のキャラ。いつもならやきもきするんですが、流されつつも成功した現在も同時に描かれていて面白かった。過去に受けた不当な仕打ちのエピソードがすごく印象深い。

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    Posted by ブクログ 2018年07月09日

    p47「逆境は人間を弱くする。そうして、そんな弱さがさらなる逆境を呼びこむのだ。運の悪い奴はどこまでも下向きに、運の良い奴はどこまでも上向きに行くようにできているのだ。」

    ガタイが良くプロレスで成功した無骨な男の、ザラザラと乾いた心情。会うほど惨めになる元先輩。都会への憧れと、遠い日の恋心。
    大き...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年08月26日

    【本の内容】
    1970年代、東京。

    貧しくとも、ささやかな夢を分け合う二人の男がいた。

    九州から単身上京、中華料理店で働く篤志。

    身体がデカいのが悩みの彼は、店の先輩・勇のすすめでプロレスの世界に足を踏み入れる。

    運を掴む篤志と、見放される勇、その間で揺れるユキ。

    時を経て再会した三人は、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    4/8 久しぶりに再読。「その人にしてあげられることは何もない」とか「頑張ることだけではどうしようもない」みたいなのは繰り返し出てくるテーマ。せつないなあ。個人的には博多の町がもっと読んでみたかったなあとも思う。解説に「中年男性の欠落感」てあったがそれは違う気がした。

    0

    Posted by ブクログ 2012年11月04日

    まだ話が続いていると思ってページをめくったら終わっていたのでびっくりした。
    この終わり方でやり切れなさが三割増しはしてると思う。

    0

    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    現在と過去を上手く噛み合わせながら、
    男同士の友情や柵、
    二人の間で揺れる女心が描かれていた。
    女性作者ではあるが、
    昭和の男性色が強く出ているように感じた。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2011年02月23日

    著者の作品は全部読んだつもりだったが漏れてた。しかもこんな当たりを。
    本来の自分とはかけ離れた現在。がんばってもどうにもならないこと。そんなありすぎて目を背けたくなるような感覚に心臓を掴まれる作品。何らかの理由で苦しさを求める人にお薦め。

    0

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