帰れぬ人びと

帰れぬ人びと

1,771円 (税込)

8pt

4.0

父が女性と暮らす家へ続く川べりの道を、ひとり歩く少年。かつての仄暗い賑わいの記憶を底深く秘めて佇む町――帰るべき場所を持たない喪失感と哀しみを抱きながら、それでも前を向いて行きようとする人びとに、年齢に似合わぬ静謐なまなざしを著者は注ぎ続けた。大人になる直前の老成。どうしようもない人生への諦観。あまりにも早熟な十八歳の才能を示す、最初期作品集。

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帰れぬ人びと のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    鷺沢萠の初期作品4作。「川べりの道」、「かもめ家ものがたり」、「朽ちる町」、そして「帰れぬ人びと」。

    五つ星という評価は、贔屓目に見たものかもしれないが、それでもこの最初期の作品群が好きだ。受賞作だからという点を措いても、川べりの道、そしてここには収録されていないが、「駆ける少年」は特に良い。

    0
    2021年04月22日

    Posted by ブクログ

    鷺沢さんの御本がついに講談社文芸文庫さんに…と思うとなんとも言えない気持ちになります。
    Webサイトも大好きで、ずっと読んでいました。
    あのニュースの流れた日のことは、たぶんこれからも忘れないと思います。
    本当はもっとずっとこれからも新作が読みたかった。
    でも、素敵な作品を届けてくださって本当にあり

    0
    2021年02月08日

    Posted by ブクログ

    もっと早く著者の作品に触れたかった。でも、若い頃だったら斜に構えてしまったかもしれない。
    どの短編も素晴らしい。繊細で瑞々しい描写の一方、冷静に見守るような視点がある。物語たち自体が誰かに書かれるのを待っていたかのような必然性を感じたが、それは著者の半生の投影によるものだったからかもしれない。☆4.

    0
    2023年01月22日

    Posted by ブクログ

    3.0
    鷺沢萠が文學界の新人賞を若干二十歳で受賞して数年後に亡くなったと聞いたからどんなに繊細で刹那的な文章を書くんだろうと楽しみにして読んだのにも関わらず、テーマも面白くなければ文体も確立されていないし堅実さが伝わってこない
    別に家族のことって言うほど辛いことでもねーぞって思ってしまう

    0
    2023年08月21日

    Posted by ブクログ

    ついに鷺沢萠が講談社文芸文庫になりましたよ。
    ウェルカム・ホームを読んだ後にこれを読んだのだけど、これはいまいちな感じだった。新人でこのような空虚感を出せるのは凄いのかもしれないけれど、芯が掴めない。
    絶望と寄る辺なさだけど帰るところはここしかない。朽ちてゆく町、女と住んでいる父を訪れる話。

    0
    2019年07月20日

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