鷺沢萠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わたし。
夜毎“ファッサード”で遊び、友達と飲んだくれたり、落ち込んだり、有益で無意味な日々が続いていく。
ジュニアは街を離れ、タカヒロは同居しているアキオの部屋を出た。
息苦しくなって、眠れなくなって。
それでも、日々は過ぎていく。
と、まぁ、上手く言えないけど、日常のフィクションを集めた、短編連作集です。
作中“わたし”は、落ち込んでしまった友達の世話を焼き、苛々して駄目になりかけ、優しい人間達に笑いを飛ばす。
『思ったり感じたりした者の勝ちだ』と、冒頭にあるのがよくわかる。
そうそう、そんな感じの日常なのだ。
精神的退屈を持て余し、現実世界から目を背けたくなった時に読む -
Posted by ブクログ
「葉桜の日」と「果実の舟を川に流して」の二作。過去にどう向き合い、今をどう生きるか。二作に共通するテーマはこれだと僕は思った。「葉桜の日」では、自分の出生、いわば生まれ背負った宿命に対し、目をそむけながらも強気に生きる志賀さんが印象的だ。「果実〜」では、生きていく過程で生じたズレをどこかで引きずりながらも、陽気に生きようとする人達がたくましい。僕は過去を割り切って生きれるほど強いタイプではないので(笑)、この作品には非常に考えさせられる部分が多かった。それにしても、若くしてこれほど素晴らしい小説をお書きになった鷺沢さんはやはりすごいと改めて感じた。ご冥福をお祈りしたい。