加島祥造のレビュー一覧
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【ポアロ】
1936年クリスティー46歳の作品。
タイトルの通り〈トランプ〉のブリッジが重要になってくるので、ルールを知っていればもっと楽しめたのにと思う。
同じくトランプで事件を解いたヴァン・ダインのアノ事件と似ていた。
トランプで何がわかるの?と思うかもしれないけど、トランプって本当にその人の性格が出てくるので面白い。
この作品を読んでる途中に、お正月で親戚達とトランプの大富豪をやったので、Naotyポアロになりきって観察してみた。
・序盤から良いカードを出して過ぎて、最後に破滅する〈勝負師タイプ〉
・全然良いカードがない、終わったわ…と言いつつ大富豪になる〈策士タイプ〉
・自分 -
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ネタバレポアロのかかりつけの歯医者が殺された?
ポアロでも歯医者は憂鬱なんだなぁと微笑ましく感じる冒頭。しかし歯医者は遺体で発見され、治療ミスを悔いての自殺とされる。ポアロはいくつか引っかかったことをたぐるために、調査を進めるが——。
犯人がポアロに見逃してくれるように願う理屈は、自分が国家の安定に必要な人物だから、というもの。それに対してポアロは返す。あなたは4人の命を犠牲にしている、大切にしたいのは誰も自分の命を他人から奪われないことだ、と。まさにポアロの言うことは正しい。誰も自分の命を他人に奪われない、それは国家の存続よりも大事なことである。 -
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ネタバレ『ゼロ時間へ』で頼もしい活躍を見せたバトル警視が登場するとのことで手に取りました。カバー見返しの登場人物リストは最少なのでは??
バトル警視だけでなく、探偵役はポワロさんにオリヴァ夫人、レイス大佐と、まさにお菓子のアソートパックのような豪華さ。それぞれの探偵の捜査方法が異なっていて、楽しく読めました。
それにしても、犯人が○○と思いきや実は○○と見せかけて○○だったとは……。
その立派な人柄から、○○○○○○の告白に衝撃を受け心打たれていたのですが、そこから二転三転。まんまとクリスティー女史の手のひらで転がされてしまいました。ネタバレありでも書けない!笑
イギリスを舞台にした作品では必ずと -
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憂鬱な歯医者での治療を終えてひと息ついたポアロの許に、当の歯医者が自殺したとの電話が入った。しかし、なんの悩みもなさそうな彼に、自殺の徴候などまったくなかった。これは巧妙に仕掛けられた殺人なのか?マザー・グースの調べに乗って起こる連続殺人の果てに、灰色の脳細胞ポアロが追い詰めたものとは?
かなり登場人物が入り乱れて、しかも本人かどうか分からない死体も登場したり出てくる人物が本物なのかどうかなど混乱をきたしました。でも面白かった!ポアロが警察の先を進みながら解き明かしていくところはこれぞミステリという感じ。重婚が理由の殺人って他にも読んだ記憶があるんだけど、当時は結構問題になるレベルだったんだ -
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ネタバレ犬のボブがかわいい。ボブにアテレコするヘイスティングズがかわいい。ヘイスティングズと軽口を言い合うポワロさんがかわいい!
ということで、話の展開としては”いつものクリスティー作品”なのですが、”ボブ”というアクセントが加わることでほっこりした印象が強かったです。
それに、犯人に対する裁きもちょっとビックリというか……。まあ、ポワロさんはコ◯ン君と違って犯人であっても必ず生かす主義ではありませんからね。
にしても、”お金のためならなんだってする放蕩息子”、”この世は自分のためにあると信じて疑わない美人な妹”が毎回出てくるのに、その度疑ってしまう自分をなんとかしたいものです。笑 -
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クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。相棒はヘイスティングス。依頼人からの手紙がポアロの元に届くが、何故か書かれた時期と投函された時期がずれており、既に依頼人が亡くなっているという状況。手紙の内容はとてもわかりにくくヘイスティングスは気にも止めないがポアロは依頼人を調査する事を決め、彼女が住んでいた屋敷を訪れる。
ポアロの探偵としての行動や考え方、時には嘘をも活用した調査方法とヘイスティングスのイギリス人然とした馬鹿正直な人間性が対比になっており、序盤の二人のやりとりはとても面白い。また、被害者の愛犬、テリアのボブが重要な役割を果たしており(タイトルで匂わされているが)かれが登場する擬 -
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ネタバレ解決編での構図の逆転が鮮やかでそれなりに面白いが、引きが弱い上に故意に読みにくくしたような不自然さがある作品。歯科医のモーリイとライリイ、アリステアとアムバライオティス、ジェインとジュリアなど登場人物の名前が紛らわしく、またフランク・カーターとハワード・レイクスもキャラクター設定も被っている感じで区別しにくかった。すきま時間に少しずつ読み進める読書習慣もあり、忘れたり混同したりでなかなか読み進められなかった。わざとにしか見えないので意図が知りたい。
中盤で「歯医者が一人が死んでも大した事じゃない」という人物に対しポワロが「あなたにはそうでも私にはそうでは無い」というのがびしっと決まってかっこい -
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クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。普段の文脈と違った表現方法。序盤は不思議な感覚だった。
今作は飛行機内という密室での殺人だが、密室である事がテーマではなく、フランスで金貸しをしているマダムジゼルがどのように殺害されたのかがポイントだ。当時の推理小説ではありきたりで古臭い印象があるであろう、未開の地住人の吹き矢、未発見の毒など、大げさに伏線を広げながらも二本のスプーンや黄蜂の死骸、乗客の持ち物リスト等実際の手がかりも十二分に描写し、きちんと道筋が立つ様にしている。
当時飛行機というものがどの様なものだったかがわかる描写が面白く、ポアロが飛行機が苦手というのもイメージ通りで彼の可愛