加島祥造のレビュー一覧

  • ひらいたトランプ

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    【ポアロ】
    1936年クリスティー46歳の作品。
    タイトルの通り〈トランプ〉のブリッジが重要になってくるので、ルールを知っていればもっと楽しめたのにと思う。
    同じくトランプで事件を解いたヴァン・ダインのアノ事件と似ていた。

    トランプで何がわかるの?と思うかもしれないけど、トランプって本当にその人の性格が出てくるので面白い。

    この作品を読んでる途中に、お正月で親戚達とトランプの大富豪をやったので、Naotyポアロになりきって観察してみた。

    ・序盤から良いカードを出して過ぎて、最後に破滅する〈勝負師タイプ〉

    ・全然良いカードがない、終わったわ…と言いつつ大富豪になる〈策士タイプ〉

    ・自分

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    2025年01月05日
  • 愛国殺人

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    ネタバレ

    ポアロのかかりつけの歯医者が殺された?

    ポアロでも歯医者は憂鬱なんだなぁと微笑ましく感じる冒頭。しかし歯医者は遺体で発見され、治療ミスを悔いての自殺とされる。ポアロはいくつか引っかかったことをたぐるために、調査を進めるが——。

    犯人がポアロに見逃してくれるように願う理屈は、自分が国家の安定に必要な人物だから、というもの。それに対してポアロは返す。あなたは4人の命を犠牲にしている、大切にしたいのは誰も自分の命を他人から奪われないことだ、と。まさにポアロの言うことは正しい。誰も自分の命を他人に奪われない、それは国家の存続よりも大事なことである。

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    2024年12月15日
  • 愛国殺人

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    ちょっと読みづらい。スケールが大きくて、似たような世界観のビッグ4と比べると分かりづらかった。ポアロの混乱が私にも伝わってきた。トリックは面白かった。

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    2024年10月31日
  • 愛国殺人

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    クリスティー作品でつまらないと思った初めての作品。
    話の展開もあまりわくわくしないけど、翻訳が合わなかった。「…だと思っていますのですよ」とか、ポアロさんはそんな話し方しない、と思ってしまった。
    とはいえ、最後の犯人との会話がよかったので⭐︎3つ。

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    2024年10月02日
  • ひらいたトランプ

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    ネタバレ

    『ゼロ時間へ』で頼もしい活躍を見せたバトル警視が登場するとのことで手に取りました。カバー見返しの登場人物リストは最少なのでは??
    バトル警視だけでなく、探偵役はポワロさんにオリヴァ夫人、レイス大佐と、まさにお菓子のアソートパックのような豪華さ。それぞれの探偵の捜査方法が異なっていて、楽しく読めました。

    それにしても、犯人が○○と思いきや実は○○と見せかけて○○だったとは……。
    その立派な人柄から、○○○○○○の告白に衝撃を受け心打たれていたのですが、そこから二転三転。まんまとクリスティー女史の手のひらで転がされてしまいました。ネタバレありでも書けない!笑

    イギリスを舞台にした作品では必ずと

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    2024年09月15日
  • ひらいたトランプ

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    クリスティのミステリは、しばしば中盤が弛れるけど、ラストの真相解明で毎度スッキリさせてくれる。
    展開の捻りも聞いてるし、トリック自体は物理的なものではなく心理的なトリックに重きを置いているので、私の好みな作品だった。

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    2024年08月25日
  • 死が最後にやってくる

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    舞台は紀元前二千年のエジプト。しかし人間関係の本質は現代と変わらない。その人間の機微を巧みに描くクリスティは天才だ。

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    2024年08月18日
  • 愛国殺人

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    憂鬱な歯医者での治療を終えてひと息ついたポアロの許に、当の歯医者が自殺したとの電話が入った。しかし、なんの悩みもなさそうな彼に、自殺の徴候などまったくなかった。これは巧妙に仕掛けられた殺人なのか?マザー・グースの調べに乗って起こる連続殺人の果てに、灰色の脳細胞ポアロが追い詰めたものとは?

    かなり登場人物が入り乱れて、しかも本人かどうか分からない死体も登場したり出てくる人物が本物なのかどうかなど混乱をきたしました。でも面白かった!ポアロが警察の先を進みながら解き明かしていくところはこれぞミステリという感じ。重婚が理由の殺人って他にも読んだ記憶があるんだけど、当時は結構問題になるレベルだったんだ

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    2024年08月06日
  • もの言えぬ証人

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    ネタバレ

    犬のボブがかわいい。ボブにアテレコするヘイスティングズがかわいい。ヘイスティングズと軽口を言い合うポワロさんがかわいい!

    ということで、話の展開としては”いつものクリスティー作品”なのですが、”ボブ”というアクセントが加わることでほっこりした印象が強かったです。
    それに、犯人に対する裁きもちょっとビックリというか……。まあ、ポワロさんはコ◯ン君と違って犯人であっても必ず生かす主義ではありませんからね。

    にしても、”お金のためならなんだってする放蕩息子”、”この世は自分のためにあると信じて疑わない美人な妹”が毎回出てくるのに、その度疑ってしまう自分をなんとかしたいものです。笑

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    2024年07月22日
  • 葬儀を終えて

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    『疑う力』で、真山仁氏が必ず騙されると薦めていたので読んだ。
    クリスティーは、若い頃からいっぱい読んでいるせいか、うーむ、個人的にはベストとは言い難い。普通。ただやっぱり文章も翻訳も上手いので、一気読み。きっと昔に既に読んでいて再読だったんだろう。

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    2024年07月20日
  • 死が最後にやってくる

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    クリスティ劇団に所属する名優たちが、それぞれの役をしっかりと熱演する良作。全てが型通りのため、ある程度犯人は読みやすく難易度も低めだが、予定調和的な心地良さがあるのも事実。エジプトという舞台に現代風のアレンジが加えられ、クリスティ作品を読む上での味変作品としても貴重な一作。

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    2024年07月17日
  • 雲をつかむ死

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    これは誰が犯人か覚えてた。確かこの後のどこかの話でこの事件の犯人書かれてるんだよね笑 さらっと書いてあるから気に留めなければ忘れる程度だけど、順番に読むとそういう楽しさもあるね。

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    2024年07月08日
  • もの言えぬ証人

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    久しぶりに少しだけ長い読書となった。
    おばあさんが急に死ぬところから始まるが、おばあさんが死んだことに特になんの違和感もなく読み始まるので本当に殺人なの?と思わされるのになぜか自然に感じる、相反するスタートでおもしろい!

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    2024年07月08日
  • もの言えぬ証人

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    【ポアロ】
    犬のボブが登場する。
    ヘイスティングズがボブの気持ちを勝手に考えて代弁するのが面白かった。
    ボブはいつも元気いっぱい。犬のボール遊びはエンドレスだったなと、自分が飼ってた犬を思い出した。ボブが活躍するのかと期待したけど、思ったほどボブは出てこない。

    ポアロとヘイスティングズは関係者に話を聴きに行く。同じような話が続くので長いー。
    ひたすら聞き込みで退屈になる。
    『ABC殺人事件』同様に、ポアロが外で動きまわる作品がなぜか苦手みたいだ。

    最後は名探偵だからこその終わり方で心に残った。

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    2024年07月01日
  • 死にざまを見ろ

    購入済み

    生きざまを見ろ

    プエルトリコ出身者のしがらみ。よりよく生きようとする者、流れに歯向かえず悪事に手を染める者。人間模様の中に、複雑な思いを感じた。死にざまより生きざまを見せて欲しかった。

    #切ない #深い

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    2024年01月21日
  • 野生の棕櫚

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    交互に展開する二筋の物語は、読む人の人生観を浮き彫りにさせると思った。現実を忌避するようなふわふわとした逃避行の末に最悪の結末に至った二人は、一体何が足りず何を求めていたのか、私の中で答えに辿り着けていない。対する漂流する囚人と妊婦の力強い生命力。善悪も愛も悲しみも全て命あってこそなのに、命だけでは生きることができない人間の哀しさ、を個人的には感じた。

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    2023年12月31日
  • 愛国殺人

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    かの有名なポアロも歯医者に掛かるのか、と謎の親しみを覚えた。
    彼に治療を施した歯科医が突然自殺してしまう。
    しかし、その死を不審に思ったポアロは調査を開始する。
    巧みにミスリードさせる犯人の手腕に最後までやられっぱなしだった。
    よくよく考えるとなかなかシニカルな邦題だなと。

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    2023年09月19日
  • もの言えぬ証人

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    クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。相棒はヘイスティングス。依頼人からの手紙がポアロの元に届くが、何故か書かれた時期と投函された時期がずれており、既に依頼人が亡くなっているという状況。手紙の内容はとてもわかりにくくヘイスティングスは気にも止めないがポアロは依頼人を調査する事を決め、彼女が住んでいた屋敷を訪れる。
     ポアロの探偵としての行動や考え方、時には嘘をも活用した調査方法とヘイスティングスのイギリス人然とした馬鹿正直な人間性が対比になっており、序盤の二人のやりとりはとても面白い。また、被害者の愛犬、テリアのボブが重要な役割を果たしており(タイトルで匂わされているが)かれが登場する擬

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    2023年09月04日
  • 愛国殺人

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    ネタバレ

    解決編での構図の逆転が鮮やかでそれなりに面白いが、引きが弱い上に故意に読みにくくしたような不自然さがある作品。歯科医のモーリイとライリイ、アリステアとアムバライオティス、ジェインとジュリアなど登場人物の名前が紛らわしく、またフランク・カーターとハワード・レイクスもキャラクター設定も被っている感じで区別しにくかった。すきま時間に少しずつ読み進める読書習慣もあり、忘れたり混同したりでなかなか読み進められなかった。わざとにしか見えないので意図が知りたい。
    中盤で「歯医者が一人が死んでも大した事じゃない」という人物に対しポワロが「あなたにはそうでも私にはそうでは無い」というのがびしっと決まってかっこい

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    2023年10月01日
  • 雲をつかむ死

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    クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。普段の文脈と違った表現方法。序盤は不思議な感覚だった。
     今作は飛行機内という密室での殺人だが、密室である事がテーマではなく、フランスで金貸しをしているマダムジゼルがどのように殺害されたのかがポイントだ。当時の推理小説ではありきたりで古臭い印象があるであろう、未開の地住人の吹き矢、未発見の毒など、大げさに伏線を広げながらも二本のスプーンや黄蜂の死骸、乗客の持ち物リスト等実際の手がかりも十二分に描写し、きちんと道筋が立つ様にしている。
     当時飛行機というものがどの様なものだったかがわかる描写が面白く、ポアロが飛行機が苦手というのもイメージ通りで彼の可愛

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    2023年08月02日