加島祥造のレビュー一覧
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1959年発表の「87分署シリーズ」第9作目で、スティーヴ・キャレラの妹が結婚する一日に巻き起こる騒動を描いた番外編的な一編。他の作品に比べて舞台設定や登場人物は限定されているが、その分ストーリーは淀みなく快調で、マクベインの技倆を存分に堪能できる一作となっている。
結婚式当日に届いた義弟への脅迫文に端を発する物語は、隣人の不可解な殺人事件を絡めつつ、ドタバタの様相を呈していくのだが、読者のつぼを押さえた起伏をしっかりと盛り込み、無理のない展開でまとめ上げている。招待客でもある刑事らは、華やかで賑やかな現場で混乱しつつも、プロとしての能力を発揮。事件の発生から解決までがリアルタイムで進行する中、個性溢れる登場人物が奔走するさまはスピード感に満ちている。
肉体派のコットン・ホースが〝最強の女〟に出し抜かれるなどエピソードも豊かで、ファンにとって本作が印象深い作品となるのは、この日にキャレラの愛妻テディが双子を産むことだろう。刑事達が繰り広げる喜怒哀楽のドラマが、いつのまにか我が身のことのように感じられること。この共感の度合いが高いのは、マクベイン熟練の腕あってこそである。 -
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古代エジプトの墓所守の家族内で起こる連続殺人事件。ポアロやマープルといったシリーズ探偵が登場しない歴史ミステリーで、作者としては異色の作品。
家長である父親、その子供の長男夫婦、次男夫婦、三男、夫を亡くして出戻りの長女、家長の年老いた母、雇われの管理人の男、古参の召使の女が主な登場人物。登場人物それぞれが個性的で、性格の違いによる書き分けが巧い。特に、家長の母親エサの慧眼ぶりと召使のへネットの嫌味な性格が印象的。
家業の墓所守や農地経営等で一族の生計を立ててきたが、父親が出張先から妾を連れて戻ってきたことで、微妙なバランスを保っていた家族内の関係に波乱が生じ、連続殺人へとつながっていく。
お互いの微妙な心理関係を織り込みながら進行していくストーリーは、なかなか読ませる。ヒロイン役の長女レニセンブがホリとカメニのどちらを選ぶのかというラブロマンスとしての興味もある。
犯人は1つだけトリックを使っているが、たいしたものではないし、読者が推理する要素はほとんどないので、ミステリーとしては平凡。 -
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ネタバレ上流階級に憧れる中流階級の人々が、一族の中で唯一お金持ちのおじさんが死んでお金がもらえる、と喜んでいる。
その中で『だってリチャードは殺されたんでしょう?』の一言で、妙な疑心暗鬼状態に。
犯人探しよりも、登場人物のじんぶつびょが丁寧で、この時代のイギリス人の生活描写がわかって面白かった。ポアロの登場が遅いのと、そこまで物語に関与せず、ただ解決するためだけに出てきて、ストーリーの中で影がうすいくせに浮いていて少し違和感だった。
翻訳も、時代が時代だか仕方ないけれど、お寺さん趣味とか、お坊さん、尼さん、お経をあげる、など今なら違和感あるな、というところがちらちらあった。 -
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ネタバレ空の上、いわゆる飛行機の中で起こる
謎の毒殺事件。
密室状態の中で起きる事件であるから
犯人は絞りこめるはず…であるのに
乗客は曲者ばかり。手かがりは、機内に残された
猛毒を塗られた吹き矢の針…
トリック的には、少々無理やり感が否めないが
個人的には好きな作品。
吹き矢と言うものが、とても珍妙で
気に入っている♬
吹き矢て…w
そんなものを、機内で吹いて殺そうとしたら
目立って仕方ないだろうと、頭の中で想像すると
面白くてしかたなかった。
いつの時代の、どこの土地の人間なんだろうwとかw
そういった意味でも、楽しい作品でした。