加島祥造のレビュー一覧

  • もの言えぬ証人

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    モーヘイダーの二作を続けて読んでいたら気分が鬱いできたので口直しにクリスティを再読。彼女のミステリはコージーと思われているが、決してそうではない。現代にも通用する憎悪焦慮悲哀に再読しても(すっかり忘れてるんだけど)十分共感できて古びていない。
    ただ、以前気がつかなかったびっくり箇所が!
    若くてハンサムな××
    空威張りはするけどさっぱりした××
    ひとづきあいのよい××
    落ち着いた、信頼のおける××
    これってぜーんぶ彼女の作品の犯人じゃん!!
    もう読んじゃったから私は良いけど未読の人の立場は?『アクロイド』に続く、いや、ミステリ界では更に罪が重い掟破りが?
    と再読しても退屈しないクリスティは、好き

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    2017年01月07日
  • 葬儀を終えて

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    『五匹の子豚』や『ホロー荘の殺人』より人間ドラマが控えめですしトリックも無理がある気がしますが、「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」という冒頭の名ゼリフ、頻繁に登場する不審な尼僧、終盤のヘレン・アバネシー殺しが未遂に終わるなど、ミスディレクションの仕掛け方が非常に巧妙で翻弄されました。円熟の域に達した中期の傑作だと思います。

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    2015年07月08日
  • 拳銃売ります

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    タイトルと内容が一致しないが、面白い小説である。暗殺者が騙されたことに気づいて復讐するという話だが、映画にはなっているのかもしれない。

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    2015年06月20日
  • 葬儀を終えて

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    「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」
    してやられたなーという印象。意外な犯人。
    性格の悪すぎる登場人物も、使用人は立ち聞きをするものだし手紙を盗み見るもの、っていう決めつけも、定番ですごく楽しい。
    本筋にはあまり関係ないけど、ポアロの「受け取ることができない人間に与えることは不可能ですよ。」って台詞が好き。

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    2015年05月25日
  • 愛国殺人

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    「なんでこんな邦題つけるんだよー。原題とぜんぜん違うじゃないかよー」
    などと怒っていたのだが、僕の負け。いやはや、すばらしい邦題でございました。

    ラストのポアロの苦悩は、『九尾の猫』あたりのクイーンの苦悩にも重なる。
    極めて明快な形で謎が解明されるのに、なんとなしに後味の悪さが残るのは、本書が「小説」として優れている証左だと思う。

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    2015年04月19日
  • 愛国殺人

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    最初『ビッグ4』みたいな話かと思ったが、どうやら違ったよう。
    『愛国殺人』の『愛国』って、ああそういう意味だったのか!と、最後の最後に目から鱗が落ちた。

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    2013年11月13日
  • 雲をつかむ死

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    個人的にはDVDで映像を見た後に小説を読んだ初のケース。どちらも面白い。ただし、西洋人の顔の見分けがあまりつかず、映像を見ても忘れてしまう自分の性質から、とても素直になぞ解きに熱中できたという特殊事情もあるだろう。

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    2012年09月30日
  • クレアが死んでいる

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    ネタバレ

    この小説をもとにした、市川崑監督の映画(『幸福』1981)を最近CATVで見た。割と面白かったので、原作を読んでみた という流れ。

    エド・マクベインの作品と言えば、『キングの身代金』をベースに、黒澤明が『天国と地獄』という映画を作ったというのが有名だが、これはさわりの部分ベースで、後半は黒澤オリジナルと言える。

    それに比べ、市川崑監督はこの作品をかなり忠実に映像化した。時代が違っても色褪せないのは、物語に流れる不易な部分を扱ったからだろう。市川映画に関するコメントは、また別の機会に譲る。

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    2012年07月09日
  • 被害者の顔

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    ネタバレ

    再読。
    酒屋で働く女性アニイ・ブーンが何者かに銃殺された。
    キャレラ達87分署のメンツが捜査に取り掛かるが、聞き込みを進めれば進めるほど被害者の顔が複雑になっていく。
    いったい犯人はどの顔の被害者を殺したのか?

    赤毛の大男、コットン・ホースが87分署に編入するのもこの巻。

    シリーズ比では容量がない方だが、初夏~夏にかけての陽気と爽やかな風を感じることができる。気持ちのいい読後感。

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    2012年11月23日
  • 雲をつかむ死

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    パリからロンドンへ向かう定期旅客機プロメテウス号内で1人の女性が死亡する。
    偶然同乗していたポアロは調査を開始する。

    実はこの物語、クリスティー文庫ではない文庫版で読んでいたので今回はおさらいといった感じで読んだ。
    犯人捜しがどうこうという点ではすぐ分かってしまったが(こういう自慢、ミステリ読みの悪い癖だね…(汗))、細かい部分はさくっと忘れていたので楽しめた。
    忘れっぽい自分に感謝(笑)

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    2011年05月10日
  • 葬儀を終えて

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    何年かぶりに読んだけど、全く覚えておらず。
    なので犯人も最後まで分からず、楽しめました。

    ポアロシリーズは大好きです。

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    2009年10月04日
  • 葬儀を終えて

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    謎が謎を呼ぶ殺人事件。
    そして揃いも揃ってクセ者揃いの一族の愛憎劇。
    名探偵エルキュール・ポアロは、手ごわい容疑者達相手に
    無事難事件を解決に導けるのか?

    ポアロシリーズの中でも上級編かな?
    この作品の犯人が、読み進めていく途中で分かった人は、
    「友よ(モナミ)、探偵におなりなさい。
    貴方は、優秀な探偵になれる素質があります。」
    とポアロ氏よりお褒めの言葉を賜る事だろう。
    ちなみに私は最後まで、犯人が分からなかった。(苦笑)

    前半はストーリーの展開がスローで「もたついてるなぁ。」と
    思いながら読んでいた私は、
    あまり頭脳が優秀でない軽率な読者だった。
    この後、名探偵によって行われる大捕物

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    2012年02月12日
  • 葬儀を終えて

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    リチャードは殺されたんじゃなかったの―アバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり、その遺言公開の席上、末の妹のコーラが無邪気に口にした言葉。すべてはその一言がきっかけだったのか?翌日、コーラが惨殺死体で発見される。要請を受けて事件解決に乗り出したポアロが、一族の葛藤の中に見たものとは。

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    2009年10月07日
  • 葬儀を終えて

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    ポアロ作品。ちょっとした違和感が、謎を解く大きな鍵になるのだけれど、その場面を想像すると、ほんの些細なこと。それを見逃さなかった、記憶に引っかかっていたというのが、興味深い。

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    2009年10月07日
  • 雲をつかむ死

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    ネタバレ

    1935年のポアロ中期作。『ABC殺人事件』の前なのか。日本では『ドグラ・マグラ』が発表された年だと思うと、意外と我が国のミステリーも先進性があるというか本国イギリスに健闘しているな。

    【ネタバレのようなものあり】

    列車内では飽き足らなくなったのか、遂には天空で殺人事件が起こる。メイントリックはその綱渡り的な面も含めて実にホンカクミがあって好感が持てた。吹き矢とハチのアイデアはミスリードとして十分に機能している。
    ただ人物関係でよくやるアレは流石に食傷ぎみだ。いくら当時の戸籍制度・身分制度・捜査手法が杜撰でも、流石にこれを見逃すことはないだろうと思う。『オリエント急行』と同じように、捜査編

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    2025年09月27日
  • ひらいたトランプ

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    ネタバレ

    全く知らなかったがオールスター編だったのか。普通に容疑者4人以外のレイス大佐とか疑ってたぞこっちは。初耳のブリッジはクリスティーオリジナルゲームかと思ってた。面白そうなのになんで日本で浸透してないんだろう。2vs2のゲームで1人休憩てよくわからんな。
    他の方もおっしゃっているように、ゲームから容疑者の心理や性格を分析するスタイルは『カナリヤ殺人事件』や『心理試験』を想起させるが、それ一辺倒にはならず、容疑者4人の過去の犯罪にも焦点を当てている分、説得力があると思う。後ろめたい過去のある4人の容疑者をポアロが聴取で追い詰めていく展開も高度な騙し合いとなっている。フェミニストの推理作家はやや浮いた

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    2025年09月27日
  • 葬儀を終えて

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    ネタバレ

    人が多くて覚えきれない!笑
    みんな似たり寄ったりのクズっぷりだし。
    典型的な金持ち一族の相続争いみたいな感じだけど、これが原典なのかしら?
    真相は捻ってあってさすがクリスティって感じ?
    でも赤の他人がコーラのフリするのって無理がない?20年あってなかったら分からないのかな…

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    2025年06月17日
  • ナイルに死す

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    ネタバレ

    注:内容に触れています

    読んだのは、『鈍色幻視行』の舞台がクルーズ船だったので。
    クルーズ船が舞台と言ったらコレだろー!、みたいな感じで読み始めた(^^ゞ

    クリスティーはそこそこ読んでいると思うけど、『ナイルに死す』を読むのは初めて。
    というのも、自分はポアロものよりは、マープルもの。マープルものよりは、ノンシリーズが好きだからだ。
    というか、いわゆる「名探偵」ってヤツが、なぁ〜んか好きじゃない(爆)


    『ナイルに死す』は世間ではクリスティーの傑作ということになっているけど、今回読んでみて思ったのは、「そうかぁ〜?」みたいな感じ(^^ゞ

    いや、面白いのは面白いし。
    華麗なる美女であるリ

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    2025年06月16日
  • ひらいたトランプ

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    トランプのゲーム自体への理解が不十分ではあったので、100%この話を楽しめたわけではないのが残念だが、意外性かつハラハラを味わえる本だった。

    最近年のか海外小説の登場人物を覚えるの苦手になってきたなあ。誰だっけと思ってしまうことが増えたのでぜひ訓練したい。

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    2025年05月04日
  • ひらいたトランプ

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    ポアロシリーズ13作め。1936年の作品。
    原題は『CARDS ON THE TABLE』。
    本文の中では「手の札は開けて置く」と訳されている。
    解説によるとこれはブリッジのルールで「攻撃側の一人は持ち札をすべて卓上に表向きにさらし(カーズ・オン・ザ・テーブル)、どの札を出すかは一切パートナーに委ねて、休み(ダミー)としてプレイには参加しない。」
    このルール自体がこの作品の事件の基本なので、それとかけたうまいタイトルなのだが、邦題だとピンとこないのが惜しい。

    たしかこの話は前に読んだはず、と思いましたが例によって犯人は覚えていないので、後半の二転三転を「あれ、この人が犯人だったけ?」と思い

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    2025年03月04日