加島祥造のレビュー一覧

  • 死が二人を

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    87分署第9作。キャレラの妹の結婚式の最中に起きる事件が舞台。これまでの9作品の中では異色な内容だ。結婚式が舞台のため、キャレラの家族や親戚、近所の人達が描かれる。

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    2017年07月09日
  • 雲をつかむ死

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    パリからクロイドン(ロンドン)に向かう旅客機プロメテウス号の中で、モリソー夫人、通称マダム・ジゼルが殺されます。居合わせたポアロが毒針を見つけ、その後吹矢筒も発見されたことから、それらを使って殺されたのだと考えられました。しかし、周りの乗客に見つからずに吹矢を使うことは、不可能のように思われます。

    ポアロは、“動機”と“可能性”という点から、この事件を眺めます。両方が存在する人は、いないように見えました。けれど、当初から気にしていた“所持品リスト”から、ポアロは殺人犯人を確信していました。意外な人物でした。

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    2017年06月04日
  • 愛国殺人

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    ネタバレ

    再読。今クリスティのポアロ物再読がマイブーム。十代の頃読み耽ったときに見逃していたこと、読み流していたことが多くて自分でも驚いている。自分は国家のために必要だから殺人を犯してもいいと主張する犯人に「国家のことではなく、自分の命を他人からうばわれない、という権利を持っている個人」に関することが自分の役割だと答えるポアロ、こんなこと言ってたんだ、卵形の頭の小男!

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    2017年01月09日
  • 葬儀を終えて

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    『五匹の子豚』や『ホロー荘の殺人』より人間ドラマが控えめですしトリックも無理がある気がしますが、「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」という冒頭の名ゼリフ、頻繁に登場する不審な尼僧、終盤のヘレン・アバネシー殺しが未遂に終わるなど、ミスディレクションの仕掛け方が非常に巧妙で翻弄されました。円熟の域に達した中期の傑作だと思います。

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    2015年07月08日
  • 拳銃売ります

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    タイトルと内容が一致しないが、面白い小説である。暗殺者が騙されたことに気づいて復讐するという話だが、映画にはなっているのかもしれない。

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    2015年06月20日
  • 葬儀を終えて

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    「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」
    してやられたなーという印象。意外な犯人。
    性格の悪すぎる登場人物も、使用人は立ち聞きをするものだし手紙を盗み見るもの、っていう決めつけも、定番ですごく楽しい。
    本筋にはあまり関係ないけど、ポアロの「受け取ることができない人間に与えることは不可能ですよ。」って台詞が好き。

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    2015年05月25日
  • 愛国殺人

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    「なんでこんな邦題つけるんだよー。原題とぜんぜん違うじゃないかよー」
    などと怒っていたのだが、僕の負け。いやはや、すばらしい邦題でございました。

    ラストのポアロの苦悩は、『九尾の猫』あたりのクイーンの苦悩にも重なる。
    極めて明快な形で謎が解明されるのに、なんとなしに後味の悪さが残るのは、本書が「小説」として優れている証左だと思う。

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    2015年04月19日
  • 雲をつかむ死

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    個人的にはDVDで映像を見た後に小説を読んだ初のケース。どちらも面白い。ただし、西洋人の顔の見分けがあまりつかず、映像を見ても忘れてしまう自分の性質から、とても素直になぞ解きに熱中できたという特殊事情もあるだろう。

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    2012年09月30日
  • クレアが死んでいる

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    ネタバレ

    この小説をもとにした、市川崑監督の映画(『幸福』1981)を最近CATVで見た。割と面白かったので、原作を読んでみた という流れ。

    エド・マクベインの作品と言えば、『キングの身代金』をベースに、黒澤明が『天国と地獄』という映画を作ったというのが有名だが、これはさわりの部分ベースで、後半は黒澤オリジナルと言える。

    それに比べ、市川崑監督はこの作品をかなり忠実に映像化した。時代が違っても色褪せないのは、物語に流れる不易な部分を扱ったからだろう。市川映画に関するコメントは、また別の機会に譲る。

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    2012年07月09日
  • 被害者の顔

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    ネタバレ

    再読。
    酒屋で働く女性アニイ・ブーンが何者かに銃殺された。
    キャレラ達87分署のメンツが捜査に取り掛かるが、聞き込みを進めれば進めるほど被害者の顔が複雑になっていく。
    いったい犯人はどの顔の被害者を殺したのか?

    赤毛の大男、コットン・ホースが87分署に編入するのもこの巻。

    シリーズ比では容量がない方だが、初夏~夏にかけての陽気と爽やかな風を感じることができる。気持ちのいい読後感。

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    2012年11月23日
  • 雲をつかむ死

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    パリからロンドンへ向かう定期旅客機プロメテウス号内で1人の女性が死亡する。
    偶然同乗していたポアロは調査を開始する。

    実はこの物語、クリスティー文庫ではない文庫版で読んでいたので今回はおさらいといった感じで読んだ。
    犯人捜しがどうこうという点ではすぐ分かってしまったが(こういう自慢、ミステリ読みの悪い癖だね…(汗))、細かい部分はさくっと忘れていたので楽しめた。
    忘れっぽい自分に感謝(笑)

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    2011年05月10日
  • 葬儀を終えて

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    何年かぶりに読んだけど、全く覚えておらず。
    なので犯人も最後まで分からず、楽しめました。

    ポアロシリーズは大好きです。

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    2009年10月04日
  • 葬儀を終えて

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    謎が謎を呼ぶ殺人事件。
    そして揃いも揃ってクセ者揃いの一族の愛憎劇。
    名探偵エルキュール・ポアロは、手ごわい容疑者達相手に
    無事難事件を解決に導けるのか?

    ポアロシリーズの中でも上級編かな?
    この作品の犯人が、読み進めていく途中で分かった人は、
    「友よ(モナミ)、探偵におなりなさい。
    貴方は、優秀な探偵になれる素質があります。」
    とポアロ氏よりお褒めの言葉を賜る事だろう。
    ちなみに私は最後まで、犯人が分からなかった。(苦笑)

    前半はストーリーの展開がスローで「もたついてるなぁ。」と
    思いながら読んでいた私は、
    あまり頭脳が優秀でない軽率な読者だった。
    この後、名探偵によって行われる大捕物

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    2012年02月12日
  • 葬儀を終えて

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    リチャードは殺されたんじゃなかったの―アバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり、その遺言公開の席上、末の妹のコーラが無邪気に口にした言葉。すべてはその一言がきっかけだったのか?翌日、コーラが惨殺死体で発見される。要請を受けて事件解決に乗り出したポアロが、一族の葛藤の中に見たものとは。

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    2009年10月07日
  • 葬儀を終えて

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    ポアロ作品。ちょっとした違和感が、謎を解く大きな鍵になるのだけれど、その場面を想像すると、ほんの些細なこと。それを見逃さなかった、記憶に引っかかっていたというのが、興味深い。

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    2009年10月07日
  • ひらいたトランプ

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    ネタバレ

    悪評で有名なシャイタナのパーティに招待されたポアロ。そこにはシャイタナのほかにポアロ含め8人の人間が招待されており、彼らは2組に分かれてブリッジをすることに。その最中、シャイタナが何者かに刺殺された。部屋には誰も出入りしておらず、そこにいたのはポアロとは別の組の4人のみ。シャイタナには人の弱みを握り悦に入るという悪趣味があり、どうやら4人には後ろ暗い過去があったらしい。ポアロたちは4人の過去を調べるとともに、ブリッジの手法や得点表から彼らの心理分析を行なっていく。
    そうしていくうちに、ロリマー夫人が罪を自白する。だが犯罪の性質的に彼女が犯人ではないことを見抜いたポアロは、彼女がアン・メレディス

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    2026年07月08日
  • もの言えぬ証人

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    ネタバレ

    海外ものは名前や人物関係を把握するのに
    いつも手こずるので、
    今回からノートに相関図、時系列をまとめながら読んだ。
    いつ誰に何ができたのか、こいつは周りからどんなやつだと思われているのか。
    結果、みごとに犯人が…

    全くはずれていた。
    またやられた。


    クリスティは人物への思い込みを利用するのがほんとに上手い。
    だから、今回も見えてる通りの人物像とはみんなちがうんだろう、と実はロウスンがすっごい策士で演技してるんじゃないか!?とか思ってたのに。
    全然ちゃうかった。

    驚きとかトリックだとかはクリスティの
    他作品より薄いが、終始コメディぽい軽快なやりとりが楽しい作品。ボブがいいスパイスになって

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    2026年07月07日
  • ひらいたトランプ

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    ブリッジの最中に起きた殺人事件、容疑者は4人だけ。
    犯人の過去や動機、行動が皆怪しい。

    犯人もトリックも初めて分かったぞ!ってほくそ笑んでたら2回くらいやられた。

    ブリッジのルール分かってたらもっと面白かったろうけどルール調べても私には難しかった。それでも面白く読めた。
    解説の最後の文章が面白かった。

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    2026年07月01日
  • ナイルに死す

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    2作目のポアロ作品。3.3。
    場面的状況を主に、誰が怪しいかを一つずつ憶測のもとに追い詰めていくポアロの推理力と自尊心がすごい。
    物的証拠からは勿論のこと、誰がこの状況で罷り通らない嘘の証言をしているのかとの洞察力というか、合理的というか、事実を縫合させて事件を解決に導く手腕がすごい。
    時として、犯人になりますよ、と暗に揺することで重複した事件の一つを自供させる持っていき方の強引さもポアロの魅力の一つなのかもしれない。
    本人は真実のみが必要であり趣向、明かされた真実の後の犯人の動向を気にしないので、まだ著者2作目だが、ポアロの紳士さの裏にある冷徹さが癖になる。

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    2026年06月22日
  • 愛国殺人

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    ネタバレ

    歯医者行きたくないよ…のポアロが可愛いです。
    いきなり口調が変わるのは、翻訳する上で仕方ないのかもしれませんが、今作は余計に混乱しました。丁寧な話し方から、『あんた、安心していいよ、…』に変わったり、「今ポアロが喋ってるんだよね⁈」と、文章を二度見したり、遡ったりしていたら時間がかかってしまいました。
    権力を持つと保身に走るのは、いつの時代でもどの物語でも同じですね。
    『私のたずさわっているのは自分の命を他人から奪われない、という権利を持っている個々の人間に関することです』というポアロの台詞、他の作品でもきちんと彼の中でぶれない軸として生きているのだろうな…と感動でした。オリエント急行の結末等

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    2026年05月09日