加島祥造のレビュー一覧

  • 葬儀を終えて

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    ミステリにはパターンだとかテンプレだとかが山のように存在していて「口の軽い人間が不用意な発言をした、又はしそうになって殺される」なんてそれこそ数多のミステリで用いられてきた要素
    本作はその口の軽い人間の死が全てを掻き回していく様が非常に面白く描かれているね

    また、舞台設定の特殊性も言及したくなるかも
    出版されたのは1953年、まだ戦争の残り香がそこかしこに有る頃であり、同時に大英帝国の終焉期。それもあってか登場人物の二極化が見られるね
    発端となったリチャード・アバネシーの大邸宅は時代を間違えたとしか思えない代物。そんな人物が死んで遺産目当ての遺族が睨み合いを始めるなんてやはり時代錯誤
    けれど、登場人物全てが貴族時代の名残があるわけではなく、借金漬けや配給頼りの生活をしていたり、新時代に向けて準備する女性が居たりと様々
    いわば時代の狭間が本作には横たわっていて、それが作品の深みに一味加えているね

    本作で発生する事件はどれも特別なトリックは何も見当たらない。ちょっと人の目を盗めば誰だって犯行可能なタイプ
    だからこそ、事件現場から証拠を見つける方法なんて無いし、むしろ現場を見る意味すら薄い

    そのような事件なら尚更にポアロの出番となるわけだね
    事件に対するポアロの調査方法は現場に赴いて証拠を探し回る遣り方ではなく、ひたすらに関係者の話に耳を傾けるというもの
    その中で発せられる容疑者達の発言が読者を煙に巻きつつ、事件に対し更に奥深さを持たせるものになっているね

    本作を語る際、事件の発端となる「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」という発言はどうしたって取り上げたくなるが、もう一つ取り上げようとするならば、犯人の動機だろうか
    上述したような舞台設定が整った作品であのような理由で殺人に及ぶ人間が居るとは!と衝撃を受けてしまう

    とてもしっかりしたボリュームの本作だけど、推理パートは軽めに。それは真相が簡単なものだったというわけではなく、推理ショーの際にポアロは犯人逮捕に関する部分しか語らなかったと言うだけ
    あの推理ショーでポアロが語らなかった部分を想像しつつ隅々を読み直すとまた違った色が見えてくるかもね

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    2023年06月17日
  • もの言えぬ証人

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    やっぱり好きだなあ。
    作品から醸し出されるこの雰囲気が良い。
    既に死亡しているエミリイ・アランドルからの手紙をきっかけに、調査を開始するポアロ。
    直前で書き換えられた遺言状、階段からの墜落事件、エミリイを取り巻く家族関係。
    そこから導き出された真相は興味深く、事件の性質から犯人像を推理していく過程も面白かった。

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    2023年06月14日
  • ひらいたトランプ

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    ネタバレ

    ブリッジのルールは何もわからないけど最後まで裏切られて満足した

    特にロマリーが見た犯行シーンが盗癖のあるメレディスが宝石に興味を持っていたのをそう見ただけというのがよかった
    プロファイル物って言ったことを鵜呑みにするしかないんだけど今回は四者四様でかつわかりやすい性格なので個人的に納得感あった

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    2023年06月05日
  • ひらいたトランプ

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    ブリッジのゲーム中に悪名高いシャイタナ氏が殺された。
    疑わしい人物が4人しかいないので、とても整理しやすい。
    だけど結局犯人を当てることはできず、またしても見事に振り回された。
    これで解決か...と思った瞬間から展開が二転三転する。
    物証が無い状態かつ聞き取った情報のみで推理していくその過程がとても面白かった。
    ブリッジのルール等を知っているとより楽しめる内容かもしれない。

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    2023年05月21日
  • ひらいたトランプ

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    登場人物が少なくて、序盤から4人のうち誰が犯人かが絞り込まれて、全員があやしいけど、犯人になり得るけど、ならない、といったような二転三転あり、面白かったです!最後無事閉幕〜と思ったら、そこからまたぐいぐい読ませる。

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    2023年05月11日
  • もの言えぬ証人

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    だいぶ好きな作風でした。故人から届いた依頼から動き始めるポアロの調査。関係者を一人ずつ訪問し調査を進める中で、見えて来る人物像からの推理。ボブの心の声も可愛げがあって、アガサクリスティはこんな事もするんですね〜。
    ヘイスティングズがいるから安心して、一緒になんでなんでと、楽しめました。

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    2023年05月07日
  • ナイルに死す

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    イギリスの作家「アガサ・クリスティ」のミステリ長篇『ナイルに死す(原題:Death on the Nile)』を読みました。

    『ひらいたトランプ』に続き、「アガサ・クリスティ」作品です。

    -----story-------------
    美貌の資産家「リネット」と若き夫「サイモン」のハネムーンはナイル河をさかのぼる豪華客船の船上で暗転した。
    突然轟く一発の銃声。
    「サイモン」のかつての婚約者が銃を片手に二人をつけまわしていたのだ。
    嫉妬に狂っての凶行か?
    …だが事件は意外な展開を見せる。
    船に乗り合わせた「ポアロ」が暴き出す意外きわまる真相とは。
    (解説 「西上心太」)
    -----------------------

    1937年(昭和12年)に刊行された「エルキュール・ポアロ」シリーズのミステリ長篇… 「ポアロ」が船上での怪事件に挑むという、クローズド・サークルものの傑作のひとつです、、、

    『東西ミステリーベスト100』で海外篇の99位として紹介されていた作品ですね。


    大富豪の娘「リネット・リッジウェイ(リネット・ドイル)」は「ウィンドルシャム卿」と婚約していたが、何事も自分の思い通りにしたがる性格のため、結婚に躊躇していた… ある日、親友の「ジャクリーン(ジャッキー)・ド・ベルフォール」がやってきて、自分の婚約者が失業中のため、「リネット」の屋敷で雇って欲しいと頼んでいった、、、

    そして後日その婚約者である「サイモン・ドイル」を連れてきたところ、「リネット」は彼に一目惚れしてしまい、「ジャクリーン」から奪うようにして結婚してしまった。

    エジプトに新婚旅行に出たリネットらは、しつこくつきまとってくる「ジャクリーン」にいらだたされる… 偶然エジプトに来ていた「ポアロ」は、「リネット」から頼まれて「ジャクリーン」をたしなめようとするが、彼女は全く聞き入れないどころか、小さなピストルを取り出して、これで「リネット」を撃ってしまいたくなる、と言った、、、

    「リネット」らは「ジャクリーン」から逃げるようにしてナイル川を遡る観光船に乗り込んだが、そこにも「ジャクリーン」の姿があった… そしてある晩、展望室で事件が起こった。

    泥酔した「ジャクリーン」が「サイモン」と口論になり、「ジャクリーン」が「サイモン」の脚を撃ってしまったのだった… 医師の「カール・ベスナー」が「サイモン」を介抱し、ヒステリーを起こした「ジャクリーン」を看護婦の「バウァーズ」が部屋に連れて行った、、、

    そして次の朝、「リネット」が部屋で死んでいるのが発見された… 寝ている間に頭を撃たれたのだ。凶器は「ジャクリーン」が持っていたピストルらしいが、そのピストルは展望室での事件の後、どこかへ行方不明になっていた。

    しかも「ジャクリーン」が夜中に部屋を出なかったことは「バウァーズ」が証言している… では、いったい誰が「リネット」を殺害したのか? 船上の殺人事件に、名探偵「エルキュール・ポアロ」と友人の「レイス大佐」が挑む、、、

    登場人物が多いのですが、序盤は、エジプト旅行ののんびりとした雰囲気の中で、それぞれの性格や事情、人間関係等が丁寧に描かれるので、頭の中にしっかり人物像を作ることができて戸惑いは少なかったですね… 何せ最初の殺人事件が発生するのが265ページですからね、リゾート地への旅行のように、ストーリー展開ものんびりした感じでした。

    殺人だけでなく、別な犯人による宝石の窃盗(すりかえ)事件があったり、アルコール中毒という家族の秘密を隠そうとして偽証したり、犯行に気付いた人物が真犯人を脅迫して殺されたり… と、重層的な仕掛けて埋め込まれており、600ページ近いボリュームを長いと感じませんでしたね。

    舞台がエジプトだったので、いつも以上に現実逃避しながら読めたのも良かった… 面白かったです。



    以下、主な登場人物です。

    「エルキュール・ポアロ」
     私立探偵

    「リネット・リッジウェイ(リネット・ドイル)」
     美貌で金持の若い女性

    「サイモン・ドイル」
     リネットの夫

    「ジャクリーン(ジャッキー)・ド・ベルフォール」
     リネットの親友。サイモンの元恋人

    「ルイーズ・ブールジェ」
     リネットのメイド

    「ジョウアナ・サウスウッド」
     社交界の貴婦人。リネットの友人

    「ミセス・アラートン」
     ジョウアナのいとこ

    「ティモシー(ティム)・アラートン」
     アラートン夫人の息子。リネットの友人

    「サロメ・オッタボーン」
     女流作家

    「ロザリー・オッタボーン」
     サロメ・オッタボーンの娘

    「マリー・ヴァン・スカイラー」
     金持ちの老婦人。アメリカ人

    「コーネリア・ルス・ロブスン」
     ヴァン・スカイラー夫人の遠縁の娘

    「バウァーズ」
     スカイラーの看護婦

    「アンドリュー・ペニントン」
     リネットの財産管理人

    「スターンデイル・ロックフォード」
     ペニントンの共同経営者

    「ジェイムズ(ジム)・ファンソープ」
     カーマイクル甥。弁護士

    「ウィリアム・カーマイクル」
     ジムの伯父

    「ギド・リケティ」
     考古学者

    「カール・ベスナー」
     医者

    「コンラッド・ファーガスン」
     社会主義者

    「フリートウッド」
     カルナック号の機関士

    「ジョニー・レイス」
     大佐。陸軍情報部部長。ポアロ友人。途中から船に乗り込む

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    2023年04月28日
  • ひらいたトランプ

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    イギリスの作家「アガサ・クリスティ」のミステリ長篇『ひらいたトランプ(原題:Cards on the Table)』を読みました。

    4月からNHK-BSプレミアムで「デビッド・スーシェ」主演による英国ITV(グラナダ)版「名探偵ポワロ」シリーズの再放送が始まったので、久しぶりに「エルキュール・ポアロ」シリーズを読みたくなったんですよね、、、

    「アガサ・クリスティ」作品は『パーカー・パイン登場』以来なので、約3年振りですね。

    -----story-------------
    名探偵「ポアロ」は偶然から、夜ごとゲームに興じ悪い噂の絶えぬ「シャイタナ氏」のパーティによばれた。
    が、「ポアロ」を含めて八人の客が二部屋に分れてブリッジに熱中している間に、客間の片隅で「シャイタナ氏」が刺殺された。
    しかも、居合わせた客は殺人の前科をもつ者ばかり…ブリッジの点数表を通して「ポアロ」が真相を読む。
    (解説 「新保博久」)
    -----------------------

    1936年(昭和11年)に刊行された「エルキュール・ポアロ」シリーズのミステリ長篇、、、

    映像化作品の『名探偵ポワロ「ひらいたトランプ」』で観たことがある作品ですが、真相が二転三転する終盤の展開は記憶に残っていなかったので、本格ミステリとしてしっかり愉しめました。

     ■序文
     ■1. シャイタナ氏
     ■2. シャイタナ氏の晩餐
     ■3. ブリッジの勝負
     ■4. 最初の殺人者?
     ■5. 第二の殺人者?
     ■6. 第三の殺人者?
     ■7. 第四の殺人者?
     ■8. 犯人は誰か?
     ■9. ドクター・ロバーツ
     ■10. ドクター・ロバーツ(続)
     ■11. ロリマ―夫人
     ■12. アン・メレディス
     ■13. 二人目の客
     ■14. 三人目の客
     ■15. デスパード少佐
     ■16. エルシー・バットの証言
     ■17. ロウダ・ドーズの証言
     ■18. 幕間のお茶
     ■19. 協議
     ■20. ラクスモア夫人の証言
     ■21. デスパード少佐
     ■22. コンビーカーでの証拠
     ■23. 絹のストッキングの語るもの
     ■24. 三人の殺人容疑者たちを消去?
     ■25. ロリマー夫人は語る
     ■26. 真相
     ■27. 目撃者
     ■28. 自殺
     ■29. 事故
     ■30. 殺人
     ■31. ひらいたトランプ

     ■『ひらいたトランプ』解説 ミステリ評論家 新保博久

    「生きた犯罪コレクションを見せましょう」… 「シャイタナ氏」の奇妙な申し出は「ポアロ」の興味を惹いた、、、

    殺人を犯しながら、告発されないでいる人間たちを集めるというのだ… 不気味なパーティは何事もなく進んだ。

    食後、「シャイタナ氏」を除く8人の出席者はニ組に分れてブリッジに熱中した… しかし、ゲームが一段落した時、客間の隅では「シャイタナ氏」の刺殺死体が発見された!

    「ポアロ」は、ブリッジの点数表を通して殺人者の心理を売み、真犯人を追いつめる… いやぁ、久しぶりの「アガサ・クリスティ」作品でしたが、面白かったですねー 愉しめました。

    ブリッジを愉しんだ一組は、医者の「ジェフリー・ロバーツ」、探検家の「ヒュー・デスパード少佐」、ブリッジ狂の老婦人「ロリマー夫人」、可憐な娘「アン・メレディス」… この中に「シャイタナ氏」を殺害した人物がいて、全員が過去に身近に不審な死を遂げた人物がいた、、、

    もう一組は、ロンドン警視庁の「バトル警視」、陸軍情報部「ジョニー・レイス大佐」、探偵作家の「アリアドニ・オリヴァ夫人」、そして「ポアロ」と、真相を探る面々… 容疑者4人と真相を探る4人が同じ邸に居合わせ、容疑者4人には、それぞれ怪しい過去があるという導入部からワクワクさせられますよね。

    そして終盤の二転三転の展開… 『26. 真相』、『27. 目撃者』、『28. 自殺』、『29. 事故』、『30. 殺人』、『31. ひらいたトランプ』と、サブタイトルを見ただけでドキドキさせられます、、、

    真犯人と思われた人物が自殺し、次に真犯人と思われた人物が事故死し、そして、真犯人が明らかになる… 本格ミステリの醍醐味を詰め込まれた作品… 「アガサ・クリスティ」らしさが愉しめる作品でした。


    以下、主な登場人物です。

    「シャイタナ」
     パーティーの招待主。洒落者

    「アリアドニ・オリヴァ夫人」
     探偵作家

    「アン・メレディス」
     可憐な娘

    「ジェフリー・ロバーツ」
     医者

    「ロリマー夫人」
     ブリッジ狂の老婦人

    「ジョニー・レイス」
     大佐。陸軍情報部部長。ポアロの友人

    「ヒュー・デスパード」
     少佐。探検家。

    「バトル」
     ロンドン警視庁警視

    「オコナー」
     巡査部長

    「ラクスモア夫人」
     植物学者の夫人

    「ローダ・ドーズ」
     メレディスの同居人。ウェンドン荘持ち主

    「エルキュール・ポアロ」
     私立探偵

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    2023年04月28日
  • もの言えぬ証人

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    エルキュール・ポアロシリーズのひとつで、他の作品同様にヘイスティングスとの軽妙なやりとりは全編通じて健在でした。本作品の最大の特徴は初期設定でしょう。裏表紙にも書いてありますのでここでも述べますが、ある老婦人が死亡してから2ヶ月近く経って、ポアロに手紙が届きます。しかもその手紙は自分の身の危険を明確に述べているわけでもなく、状況的には自然死であろうということで、怪しいところがないなかでポアロは捜査を始めます。そして死亡した老婦人の関係者(親戚や使用人)と話を進めるなかでポアロは推理を進めるわけですが、私の個人的な感想としては、他の作品以上に登場人物の心理分析が中心になっていて、なかなかそのあたりの機微を読み取るのが難しい。これは女性の読者の方が共感する作品かもしれませんね。正直わたしは種明かしのパートもそんなに共感できませんでした(というよりよくわからなかった)。ただ舞台設定はユニークで序盤は大変引き込まれました。

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    2023年04月27日
  • 愛国殺人

    A

    購入済み

    面白かった

    トリック自体は運任せといえなくもないが
    捜査を撹乱するには十分だったりする。
    そんなところがなんともいえない現実感を感じて、
    少し怖くなる。
    犯人の言い分も、さもありなんという感じで
    アガサ・クリスティって天才だね。

    0
    2022年12月18日
  • ひらいたトランプ

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    ブリッジのルールは結局よくわからないままだったけど、十分楽しめた。
    クリスティーは本当にどの作品もハズレがない。
    定期的に読みたくなるし、全作品を読破するまで死ねないとすら思うけど、読破してしまう日が来るのもさみしいという…。

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    2022年10月29日
  • もの言えぬ証人

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    相変わらず自分はクリスティー好きだなぁと読みながらしみじみ思った。
    グイグイすらすらと読ませる力は本当に超一流だと思う(じゃないと14巻も読み続けられん)。
    今回はポワロのプロファイラー的?側面が強調されていた気がした(心理学的に見た犯人像から紐といていく感じ)。

    あと内容には関係ないけど、翻訳の違和感すごい。
    いろんな人が訳してるから仕方ないのかもだけど、もうちょっと各巻で擦り合わせしてほしい…。ポワロやヘイスティングスの話し方とか、二人の関係性とか…。新訳出てるのかもしれないけど…。ポワロこんな喋り方だっけ…。

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    2022年10月29日
  • もの言えぬ証人

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    「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『もの言えぬ証人(原題:Dumb Witness,米題:Poirot Loses a Client[改題:Mystery at Littlegreen House])』を読みました。

    『書斎の死体』、『動く指』、『茶色の服の男』、『シタフォードの秘密』、『邪悪の家』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。

    -----story-------------
    「ポアロ」は巨額の財産をもつ老婦人「エミリイ」から命の危険を訴える手紙を受けとった。
    だが、それは一介の付添い婦に財産を残すという問題のある遺言状を残して、彼女が死んだ二カ月後のことだった。
    「ポアロ」と「ヘイスティングズ」は、死者からの依頼に応えるとともに、事件に絡む愛すべきテリア“ボブ”の濡れ衣も晴らす。
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    1937年に発表された作品… 『邪悪の家』に続き「ポワロ」シリーズです。

    「ポワロ」は2か月前に死去した老婦人「エミリイ」が差し出した手紙を受け取るが、奇妙なことにその手紙は彼女の死の半月も前の日付が書かれていた… そして、その手紙には、命に危険が迫っていることを示唆する内容が記載されていた、、、

    手紙が差し出された経緯に疑問を抱いた「ポワロ」は、婦人の死の真相究明に乗り出す… という、なかなか興味深い展開の物語でした。

     1. 小緑荘の女主人
     2. 親戚縁者
     3. 不慮の災難
     4. ミス・アランデル,手紙を書く
     5. エルキュール・ポアロ,手紙を受け取る
     6. われら,小緑荘に行く
     7. ジョージ亭で昼食
     8. 小緑荘の内部
     9. ポアロ,犬のボール事件を論ず
     10. ミス・ピーボディを訪問
     11. トリップ姉妹を訪問
     12. ポアロ,事件を論ず
     13. テリーザ・アランデル
     14. チャールズ・アランデル
     15. ミス・ロウスン
     16. ミセス・タニオス
     17. ドクター・タニオス
     18. 隠れた殺人者
     19. パーヴィス氏を訪ねる
     20. 二度目の小緑荘訪問
     21. 薬剤師,看護婦,医師
     22. 階段上の女
     23. ドクター・タニオスの来訪
     24. テリーザの否認
     25. わたしの推理
     26. ミセス・タニオス,話を拒む
     27. ドクター・ドナルドスンの訪問
     28. 新しい犠牲者
     29. 小緑荘での審判
     30. 終りにひと言

     解説 ミステリ評論家 直井明



    資産家の老婦人の手紙は、死後2ヶ月近くたって「ポアロ」のもとに配達されてきた!

    ロンドンから車で1時間半ほどのところにある田舎町、マーケット・ベイシングの小緑荘の女主人「エミリイ・アランデル」が死んだのは5月1日のこと… 「エミリイ」には、甥の「チャールズ」と姪の「テリーザ」、もう1人の姪の「ベラ・タニオス」の3人の親族がいた、、、

    「エミリー」の巨額な遺産は、3人の親族に残されるはずだったが、彼女は死の10日前に遺言を書き替え、遺産は全て家政婦の「ミニー・ロースン」に遺された… 金使いの荒い遊び人の「チャールズ」と浪費癖のある「テリーザ」、それにギリシャ人医師である夫の「ジュイコブ」が投機に失敗した「ベラ」 と3人とも金を必要としており、「エミリイ」の遺産をあてにしていたが、遺産は全く手に入らなった。

    「エミリイ」が遺言を書き替えたのは、4月14日の深夜に起きた「エミリイ」の階段からの転落事件が原因だった… 深夜に目が覚めた「エミリイ」は、2階から階段を下りようとして何かに躓き、階段を転げ落ちてケガを負った、、、

    飼い犬の「ボブ」が、お気に入りのボールを階段の上に置きっぱなしにし、そのボールを「エミリー」が踏んだことが原因と想定されたが、「エミリイ」はこの事故には「ボブ」は関係ないと考えていた… なぜなら「エミリイ」は前夜きちんと「ボブ」の遊んだボールを、いつもの机の引き出しにきちんとしまったことを覚えていたし、その夜「ボブ」は外に出て夜遊びをして締め出されていたからだ。

    「エミリイ」は、親族の誰かが事故を装って殺そうと企んだと思い遺言を書き替えたのだ… その際、「エミリイ」は「ポアロ」への調査依頼の手紙を書いたが、「エミリイ」は投函を忘れ、その後、「エミリイ」は肝臓病が悪化して5月1日に亡くなってしまった、、、

    「エミリイ」の葬儀が終わり、「ミニー」や他の家政婦によって「エミイリ」の遺品が整理されたが、その時に「エミリイ」の書いた手紙が見つかり、投函されて「ポアロ」の元に届いたのが6月28日のことだったのだ… 「ポアロ」は、手紙の日付と届いた日があまりに開きすぎていることを不審に感じ、「ヘイスティングズ」とともにマーケット・ベイシングに赴いて調査を始める。

    「エミリイ」の遺言書き替えの原因となった階段転落事故を調べると、その夜は飼い犬の「ボブ」が朝まで外にいたことが判明… さらに階段の上の壁に釘が打たれ、その釘にワニスが塗られてわかりにくくしたあった、、、

    何者かが、階段の手すりを支える柱の根本とこの釘の間に紐を渡し、深夜に起きる癖のあった「エミリー」が躓くように細工をしたと思われた… そして、遺言の書き替えは極秘に行われたので、殺人未遂の犯人はその当時の遺言では遺産を相続することになっていた親族3人と想定する、、、

    誰が「エミリイ」を殺そうとしたのか?
    「エミリイ」の死因は本当に病死だったのか?

    犯人が遺言の書き替えを知らないとすれば、「エミリイ」を病死に見せかけて殺害したのかもしれない… 「ポアロ」は「チャールズ」、「テリーザ」、「ベラ」の3人をはじめ、「テリーザ」の恋人の「レックス・ドナルドスン医師」や「ベラ」の夫の「ジュイコブ」、「エミリイ」の古い友達の「キャロライン・ピーボディ」、「ミニー」が親しくしている霊媒師「トリップ姉妹」、「エミリイ」の弁護士の「パーヴィス」や「エミリイ」の主治医「グレインジャー」など関係者に何度も会って調査を進める。

    そして「エミリイ」の最後の食事の後で、「エミリイ」の頭の周りが後光が差したように光ったことを突き止め、「エミリイ」の死の真相に近づく… 果たして「エミリイ」の死の真相は、、、

    依頼人が既に亡くなっていることを除けば、比較的オーソドックスな展開の作品でしたね… 「ポワロ」は関係者への訪問と面接を手際よく行い、8人の容疑者(3人の親族「チャールズ」、「テリーザ」、「ベラ」、「ベラ」の夫「ジュイコブ」、「テリーザ」の婚約者「ドナルドスン医師」、遺産を相続した家政婦「ミニー」、そして使用人2人)から犯人を徐々に絞り込んで行きます。

    直接的な証拠はなく、「ポワロ」の推理から容疑者を消去法で外して行くという手法でしたね… しかも、犯人は「ポワロ」の推理が披露される直前に自殺してしまっていたので、反論もできないという展開でした、、、

    当たり前に親族3人がイチバン怪しいのですが… その中では、最も犯人らしくない人物が犯人でしたね。

    犯人の夫や子どもには辛い結果かもしれませんが… まっ、結果的には親族含め遺産は等分したようなので、結果オーライなのかな、、、

    そして、この事件の報酬はテリアの「ボブ」で、いつも人の心が読めない「ヘイスティングズ」が、「ポワロ」よりも犬とは心を通じさせる… という皮肉なエンディングは、洒落が効いていて良かったな。

    あと、霊媒師たちが見た「エミリイ」に後光が差したように光ったことが燐による毒物の影響とは… 全く思いつかなかったですね、、、

    登場人物や容疑者がある程度限定されていたので、比較的展開が理解しやすい作品でした。


    以下、主な登場人物です。

    「エルキュール・ポアロ」
     私立探偵

    「ヘイスティングズ」
     ポアロの友人

    「エミリイ・アランデル」
     小緑荘の主人。

    「ウイルヘルミナ(ミニー)・ロウスン」
     エミリイの家政婦。

    「チャールズ・アランデル」
     エミリイの甥。

    「テリーザ・アランデル 」
     エミリイの姪で、チャールズの妹。

    「ベラ・タニオス」
     エミリイの姪。

    「ジュイコブ・タニオス」
     ベラの夫。ギリシャ人の医者。

    「レックス・ドナルドスン」
     テリーザの恋人。医者。

    「キャロライン・ピーボデイ」
     エミリイの古い友人。

    「ジュリア・トリップ」
     霊媒師。

    「イザベラ・トリップ」
     霊媒師。ジュリアの妹。

    「パーヴィス」
     エミリイの顧問弁護士。

    「グレインジャー」
     エミリイの友人。医者。

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    2022年09月17日
  • 愛国殺人

    Posted by ブクログ

    「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『愛国殺人(原題:One, Two, Buckle My Shoe)』を読みました。

    「アガサ・クリスティ」作品は、5月に読んだ短篇集『マン島の黄金』以来ですね。

    -----story-------------
    憂鬱な歯医者での治療を終えてひと息ついた「ポアロ」の許に、当の歯医者が自殺したとの電話が入った。
    しかし、なんの悩みもなさそうな彼に、自殺に徴候などまったくなかった。
    これは巧妙に仕掛けられた殺人なのか?
    マザー・グースの調べに乗って起こる連続殺人の果てに、灰色の脳細胞「ポアロ」が追い詰めたものとは。
    -----------------------

    1940年に刊行された「エルキュール・ポアロ」シリーズ長編第19作目の作品、、、

    原題はマザー・グースの童謡の1節『いち、にい、わたしの靴の留金を締めて』から引用されていて、以降20までの数え歌の歌詞が作品の章のタイトルとなっています。

     ■1. いち,にい,わたしの靴のバックルを締めて
     ■2. さん,しいそのドアを閉めて
     ■3. ごお,ろく,薪木をひろって
     ■4. しち,はち,きちんと積みあげ
     ■5. くう,じゅう,むっくり肥っためん鶏さん
     ■6. じゅういち,じゅうに,男衆は掘りまわる
     ■7. じゅうさん,じゅうし,女中たちはくどいてる
     ■8. じゅうご,じゅうろく,女中たちは台所にいて
     ■9. じゅうしち,じゅうはち,女中たちは花嫁のお仕度
     ■10. じゅうく,にじゅう,私のお皿はからっぽだ

    ちなみに邦題の『愛国殺人』は、アメリカ版の原題『The Patriotic Murders』の訳題のようですね。

    登場人物が多く、頭の中で一人ひとりの特徴が整理でき読み進める感じとなり、序盤~中盤は少しもどかしい感じでしたが、終盤はバラバラのピースが埋まっていく愉しい感覚が存分に味わえる展開となっていました。

    読み終わったときには、さすが「アガサ・クリスティ」作品って感じでしたね。


    動機が、公的な理由だと思っていたら、実は個人的な理由だったり、

    狙われていると思われた人物が、実は狙う側だったり、

    「ポアロ」も惑わされる真相でした。


    それにしても、、、

    「国を愛するがゆえの殺人」という真犯人の動機は、余りにも利己的な思考… 人間に優劣を付け、公を護るために犠牲を強いるというのは、到底納得できるものではなかったですねぇ。

    たまたま人物を覚えることが得意だった(不都合なことを覚えていた)ために殺されたり、邪魔な人間を(歯科で)油断させて殺すために歯科医が殺されたり、、、

    たまったもんじゃないですよ。


    本書を読んで、歯科について考えさせられた、、、

    受診するときは誰もが無防備… 確か「ヒッチコック」の映画でも、歯科医に殺害されそうになるシーンがあったような気がします。

    歯医者に行くのが怖くなりましたね。


    あと、ちょっと気になったのは装丁に使われている靴の写真、、、

    これは「メイベル・セインズバリイ・シール」の履いていた、バックル付きのイヴニング用の靴の方に変更した方が雰囲気が出ると思います。



    以下、主な登場人物です。

    「ヘンリイ・モーリイ」
     歯科医

    「ジョージイナ・モーリイ」
     ヘンリイの妹

    「ライリイ」
     ヘンリイのパートナー、アイルランド人

    「グラディス・ネヴィル」
     ヘンリイの秘書

    「フランク・カーター」
     グラディスの恋人

    「アグネス・フレッチャー」
     モーリイ家の小間使

    「アムバライオティス」
     ギリシャ人

    「メイベル・セインズバリイ・シール」
     元女優

    「レジナルド・バーンズ」
     内務省退職官吏

    「アリステア・ブラント」
     銀行頭取

    「ヘレン・モントレザー」
     アリステアのまた従妹

    「ジェイン・オリヴェイラ」
     アリステアの姪

    「ジュリア・オリヴェイラ」
     ジェインの母

    「ハワード・レイクス」
     ジェインの恋人

    「アルバート・チャップマン」
     セールスマン

    「シルヴィア・チャップマン」
     アルバートの妻

    「ジャップ」
     主任警部

    「エルキュール・ポアロ」
     私立探偵

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    2022年07月18日
  • 葬儀を終えて

    Posted by ブクログ

    富豪の遺産を巡っての難事件。証拠を探すというより、相手に勝手に喋らせて論理的に推理してく流れに、毎度毎度驚かされる。今回も意外な犯人でした。

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    2022年12月01日
  • もの言えぬ証人

    A

    購入済み

    現実にありそう

    綿密な計画とか、巧妙なトリックとかではないけれど
    ポアロが乗り出さなければ、ばれなかっただろうと思うと
    恐ろしいような気がする。
    犯人の人物造形や動機も、怖くなるくらい現実的で
    現実世界でも、こんな殺人が起きて、ばれていないのかもしれない。

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    2022年06月19日
  • 愛国殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これは鮮やかなどんでん返しですね

    タイトルにも納得。

    どんな理由であれ殺人は許されざる行為だというポアロの倫理観が好き

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    2022年03月28日
  • 葬儀を終えて

    Posted by ブクログ

    まだクリスティにハマってる。「だってリチャードは殺されたんでしょ?」すべてはその一言がきっかけだったのか?って!あらすじチラッと読んだだけでもう面白い!結末もビックリだけど、一族全員が集まって形見分けの様なことをする時の会話の面白さ、テンポの良さ、まだまだクリスティブーム続きそう。

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    2021年07月14日
  • 死が最後にやってくる

    Posted by ブクログ

    深堀骨氏による後書きが腹におちた。
    いわくミステリとは人間関係の綾を描くものなのだと。
    そう、そうなのよ、だから私は皆がくさそうとも、キャラの造形と配置が見事な『検視官』シリーズをいまだ愛読してるし(新刊出るんかいな…)、ディーヴァーといえど人が魅力に乏しい『エンドゲーム』はピンと来なかったのよ(いえ、ライムのシリーズなどは心から愛してます)!
    古代エジプトの裕福な一家で起きる連続殺人事件を追う本作は、しょーじき、こう、サンドラ・ブラウンとか、ハーレクイン的なロマンチックミステリー仕立てなんだけど、妙に心を打つのは、さらりとした筆致ながら人々の欲望と愛情の描写がお見事だから。少女漫画にもありそうじゃん!って話だけど、重くも希望を感じされる読後感は、やっぱり天才の技だなあ

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    2021年05月14日
  • 愛国殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    導入部が面白いポアロシリーズ19作目。世界一の名探偵でも歯医者怖いんだね(笑)

    以下ネタバレ

    ポアロ行きつけの歯医者の先生がポアロが受信した日に自殺。そして翌日に同じ日に受診した患者が死亡、別の患者は行方をくらます……歯科医院内で何かあったのかと思いきや、スパイやら国家機密やらなんだか物騒な流れに。
    タイトルからして革命家の方々のアレかと思いきや、めちゃくちゃ個人的な殺人でびっくり。スパイはミスリードだったのね。
    登場人物が多くて混乱気味やったけど、サクサク読めた。

    最後まで読んでからタイトルを見返すと思わず納得。
    そして私は最後のオチが好きでした。ポアロぽかーんやん(笑)

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    2021年03月22日