加島祥造のレビュー一覧

  • ナイルに死す

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    映画「ナイル殺人事件」原作。1978年版、2022年版ともに未視聴。中近東が舞台になる長編ミステリー。

    本の半分近くまで事件が起こらないが退屈ではなく、旅情豊かに描かれる人間模様が面白くて、ぐいぐいと引っ張られるように読み進めた。分厚いのに読みやすい小説と評されることが多いのはこれのおかげだろう。本筋となる殺人以外にいくつもの事件が絡み合っており、どんでん返しのような衝撃はないものの、人間模様の濃厚さも相まって結末の余韻がいつも以上に味わい深い。というか、基本的にはラブストーリーといっていいんじゃないかと思う。推理部分の緻密さは相変わらずすごいが、本作は多様な愛の形を見られたのが特に印象に残

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    2022年05月19日
  • ひらいたトランプ

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    ネタバレ

    ブリッジのルールを知らなくても面白い。知っていたらもっと面白いかも。

    殺人を過去に犯したとされる4人と警視、調査局員、探偵小説家、私立探偵の4人がパーティーに招かれた。ブリッジをしている途中でパーティーの主催が殺された。ダミーの間に誰かが彼を殺した。それは4人の中のいったい誰なのか。得点表からポアロが導き出した真相は?

    物的証拠が何もないところから、ポアロが推理を働かせて真相を突き止める。ポイントになるのはブリッジの得点表から見る4人の性格、彼らの過去、注意力、ブリッジのプレイヤーとしての遊び方。殺人は大きな賭けであり、大胆さと注意力を必要とする。

    終盤、ポアロはロリマー夫人の告白を受け

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    2022年04月06日
  • 愛国殺人

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    ネタバレ

    これは鮮やかなどんでん返しですね

    タイトルにも納得。

    どんな理由であれ殺人は許されざる行為だというポアロの倫理観が好き

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    2022年03月28日
  • ナイルに死す

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    映画化されるみたいなので。長い。そして前半が特にゆったりしすぎていてまだ~?って感じ。映画で見たら人物の区別が付きやすかったり、登場人物にもう少し感情移入できたりして、入り込めるかな?

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    2022年02月06日
  • もの言えぬ証人

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    ネタバレ

    2022年のポアロの幕開け。タイトルで分かるように故人(エミリイ・アランデル)から手紙が届く。「私事の案件で力を貸してください」そこでポアロとヘイスティングスは依頼者に会いに行くがすでに亡くなっている。関係者に話しを聴くと、彼女の家政婦(ロウスン)が故人の遺書により遺産37万ポンドを相続。エミリイは生前に階段から落ちたり、体調急変により毒を盛られた可能性がある。ポアロは8人の容疑者を特定し、全員から話しを聴く。その際勿論ポアロの「仕掛け=はったり」もある。犯人は外れ~(悲)。壮絶な真相だが消化不良かも。④

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    2022年01月14日
  • 葬儀を終えて

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    まだクリスティにハマってる。「だってリチャードは殺されたんでしょ?」すべてはその一言がきっかけだったのか?って!あらすじチラッと読んだだけでもう面白い!結末もビックリだけど、一族全員が集まって形見分けの様なことをする時の会話の面白さ、テンポの良さ、まだまだクリスティブーム続きそう。

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    2021年07月14日
  • もの言えぬ証人

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    ポアロ
    ヘイスティングズがでてきてよかった。
    登場人物の女性がp241「ハサミ虫みたいな感じの女さ。母親としては献身的だけど。ハサミ虫だってそうだろうな、きっと」と表現される部分がある。ハサミ虫みたいな女の意味がさっぱりわからなくてハサミ虫を調べたところ、英語で「耳の虫」の意で、「眠っている人間の耳に潜り込み中に食い入る」という伝承による、そうだ。わかったような、わからないような。

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    2021年06月11日
  • 死が最後にやってくる

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    深堀骨氏による後書きが腹におちた。
    いわくミステリとは人間関係の綾を描くものなのだと。
    そう、そうなのよ、だから私は皆がくさそうとも、キャラの造形と配置が見事な『検視官』シリーズをいまだ愛読してるし(新刊出るんかいな…)、ディーヴァーといえど人が魅力に乏しい『エンドゲーム』はピンと来なかったのよ(いえ、ライムのシリーズなどは心から愛してます)!
    古代エジプトの裕福な一家で起きる連続殺人事件を追う本作は、しょーじき、こう、サンドラ・ブラウンとか、ハーレクイン的なロマンチックミステリー仕立てなんだけど、妙に心を打つのは、さらりとした筆致ながら人々の欲望と愛情の描写がお見事だから。少女漫画にもありそ

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    2021年05月14日
  • ナイルに死す

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    ネタバレ

    推理は大方当たっていた。豪勢な登場人物たちに、エジプトの雰囲気、素敵でした。色々な角度から登場人物を描写して、本質を隠すのが本当に上手。脱線の散らばらせ方も見事。

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    2021年05月13日
  • 愛国殺人

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    ネタバレ

    導入部が面白いポアロシリーズ19作目。世界一の名探偵でも歯医者怖いんだね(笑)

    以下ネタバレ

    ポアロ行きつけの歯医者の先生がポアロが受信した日に自殺。そして翌日に同じ日に受診した患者が死亡、別の患者は行方をくらます……歯科医院内で何かあったのかと思いきや、スパイやら国家機密やらなんだか物騒な流れに。
    タイトルからして革命家の方々のアレかと思いきや、めちゃくちゃ個人的な殺人でびっくり。スパイはミスリードだったのね。
    登場人物が多くて混乱気味やったけど、サクサク読めた。

    最後まで読んでからタイトルを見返すと思わず納得。
    そして私は最後のオチが好きでした。ポアロぽかーんやん(笑)

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    2021年03月22日
  • ナイルに死す

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    再読
    エジプトナイル観光船内で起きた殺人事件を
    たまたま居合わせた名探偵が見事に解決するミステリ
    古典作品として後世数えきれないほど模倣なされたゆえに
    登場人物の型にも事件展開にもなんなら謎自体にも
    新しみはないけれど
    新しみがないのにひきこまれ
    最後まできちんとよませて満足と共に本を閉じ
    唯々作者の力量に感服する

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    2021年01月04日
  • 葬儀を終えて

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    誰もが怪しいエピソードを展開し、ポアロが観察と会話で犯人をあぶり出す。定番の展開ではあるが、「それか〜」という伏線にはまったく気づかず、結末がいつも楽しみなのです。

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    2020年07月22日
  • 愛国殺人

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    すごくおもしろかった。

    ポアロファンが好きなものが詰め込まれている1冊だと思いました。

    ポアロシリーズのなかでも、読み応えのある作品だと思います。

    まずポアロの登場シーンが多いのがいい。

    ヘイスティングスがいないのが残念ですが、ポアロによる調査シーンが多くてうれしかったです。

    ジャップ警部は出てくるので、二人の掛け合いも楽しめます。

    ミステリとしては、最後まで読者に頭を使わせてくれる構成で、一度流れに乗るとページをめくる手が止められませんでした。

    日本語のタイトルからは想像できませんが、実はマザーグースの暗記唄をモチーフとしたお話です。

    章タイトルが、マザーグースの暗記唄の一節

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    2019年09月01日
  • 愛国殺人

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    動機も犯人も、クリスティの目論み通りに騙されて予想外でした。
    歯医者での殺人と言うことで、確かに誰しもが無防備な姿だよなーとおもしろく感じたのですが、浅いけれど政治思想かぶれの登場人物が出てきたせいか、読み進むのが辛くなった。時代背景の差のせいか。でもラストで盛り返して★4つ。

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    2018年05月20日
  • もの言えぬ証人

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    ネタバレ

    終盤まで犯人が分からず、ドキドキしながら読めました。
    ただ犯人にどうしても言いたいことが一つあります。
    「最初から燐で殺しときゃよかったのに」…と。
    よそのお宅の廊下でこっそり釘をカンカン打っちゃう度胸は認めるけど、余計なことしなきゃ、被害者が警戒して遺言変えちゃったりポアロが追ってきたりしなかったのにね。

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    2018年09月13日
  • 愛国殺人

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    ネタバレ

    そこら辺の行きあたりばったり事件とは一線を画す練りに練った殺人計画で、犯人の頭の良さと用意周到さを感じました。

    歯医者を殺し、歯医者になりすまして別の男を殺した上にその罪を歯医者になすりつけ、歯医者が所有する患者のカルテをすり替えて、その患者を殺したとき患者の遺体を別人のものと誤認させる無駄のなさ。昆布で一番出汁二番出汁をとったあとに刻んで佃煮にするがごとく、歯医者殺しの一件を有効活用しています。

    登場人物が多い点が残念。多いだけでなく若干キャラ被ってるのがいて、把握に苦心しました。

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    2017年08月24日
  • 死が最後にやってくる

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    ネタバレ

    読み始めは、人物名が頭の中でまぜこぜになってしまい、誰が誰だかわからず、読み進めるのが難しかった。
    軌道に乗ってしまえば、さすがアガサ・クリスティ!
    イギリス人が書いたとは思えない内容だった。
    ホリかっこいいですね。面白かったです。

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    2017年07月31日
  • 死が二人を

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    ネタバレ

    87分署第9作。キャレラの妹の結婚式の最中に起きる事件が舞台。これまでの9作品の中では異色な内容だ。結婚式が舞台のため、キャレラの家族や親戚、近所の人達が描かれる。

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    2017年07月09日
  • 雲をつかむ死

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    パリからクロイドン(ロンドン)に向かう旅客機プロメテウス号の中で、モリソー夫人、通称マダム・ジゼルが殺されます。居合わせたポアロが毒針を見つけ、その後吹矢筒も発見されたことから、それらを使って殺されたのだと考えられました。しかし、周りの乗客に見つからずに吹矢を使うことは、不可能のように思われます。

    ポアロは、“動機”と“可能性”という点から、この事件を眺めます。両方が存在する人は、いないように見えました。けれど、当初から気にしていた“所持品リスト”から、ポアロは殺人犯人を確信していました。意外な人物でした。

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    2017年06月04日
  • 愛国殺人

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    ネタバレ

    再読。今クリスティのポアロ物再読がマイブーム。十代の頃読み耽ったときに見逃していたこと、読み流していたことが多くて自分でも驚いている。自分は国家のために必要だから殺人を犯してもいいと主張する犯人に「国家のことではなく、自分の命を他人からうばわれない、という権利を持っている個人」に関することが自分の役割だと答えるポアロ、こんなこと言ってたんだ、卵形の頭の小男!

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    2017年01月09日