加島祥造のレビュー一覧
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ネタバレ【再読】
昔気質の女主人エミリイと、その財産を当てこむダメな甥・姪たち。そんな親族たちが泊まりにきていた夜、エミリイは愛犬のボブが放置していたボールにつまずき階段から転落する。そのことを不吉に感じたエミリイは、ポアロに依頼する。だがその依頼の手紙が届く頃には、すでにエミリイは病死していた。しかもエミリイは死の十日前に遺書を書き直し、財産を全て付添婦のロウスンに委ねていた。
事件の匂いを嗅ぎ取ったポアロは、ヘイスティングズとともにエミリイの旧い友人や親族、さらには売りに出されたエミリイの屋敷を訪ねる。それにより、エミリイはボブのボールに躓いたのではなく何者かが階段に張った糸で転倒したという事実が判明する。関係者の中で特に、エミリイの姪ベラが何か知っている模様。さらにベラは夫のジェイコブを異常に恐れている。そこでポアロはベラを夫から離すよう画策するが、その最中ベラが睡眠薬を服用して死亡する。
真相に辿り着いたポアロは関係者を集め、推理を披露する。犯人はベラだったのだ。ベラは遺産を手に入れるため階段に紐を張り巡らせエミリイを殺害しようとした。その姿を付添婦のロウスンが目撃したが、彼女は鏡に映ったブローチのイニシャルからそれをテリーザと勘違いした。この一件により警戒心を高めたエミリイは遺言書を書き換えるが、ベラはそれを知らずエミリイを燐により毒殺する。
そして遺言が公開され遺産がロウスンのものになったことを知るや、今度は彼女に取り入ろうとしたのだった。ほかの一族がロウスンを相手取り遺言の正当性を覆そうとしたのに、ベラだけはそうしようとしなかったのはそのためだった。ポアロに追い詰められたベラは、夫こそが犯人であるかのように振る舞ってみせたがポアロは騙せず、最後は自ら命を絶ったのだった。
クリスティーお得意の遺言と遺産相続、ヘイスティングズ回、そして愛すべきテリアのボブとかなり高得点の作品。降霊会もクリスティー作品でよく出てくるモチーフではあるが、それもまさかの使い方をしているのが面白い。エミリイの友人ピーボディを筆頭に登場人物の癖が強く、ポアロが自分の身分を偽り捜査を進める点も新鮮。ベラ・ジェイコブ夫妻の逆転の部分も鮮やかなので最後まで楽しめる。
そしてなんと言ってもやはりボブ。
●見どころ
・ボブの声を翻訳してくれるヘイスティングズ
・犬がなぜ郵便屋に吠えるのかについてのポアロの意見が示唆に富んでいる
●名言
「わたしはだれの味方でもありません。わたしは、いつも、真実の味方なんです」 -
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ネタバレはっきりいって今までのクリスティー作品の中でダントツで面白かった。親友に婚約者を奪われた哀れな女性の行く末に心を揺さぶられた。無限に拡散していく人物相関はどこに着地するのだろう?ととにかく夢中になって読んだ。まだ著作を5分の1も読めていない私だが、読んだことない方にクリスティーのおすすめを聞かれたら現時点では真っ先にこれをお勧めすると思う。
【ネタバレ強め】【シリーズ過去作ついても触れるので注意】
肝心な時に限ってピタリと当ててしまった。当てたくなかった。なぜ当てられたかというと同シリーズの過去作にほぼ同じと言ってもいい犯人の設定と動機があるからだ。どうしてもその作品の使い回しという印象が拭えない。緻密に計画した犯行のはずなのに、あの(5分の空白)には確定的な要素がないとも思う。確かに過去作品よりは、経緯が詳細に描写される分、真相は効果的に映るし、ロマンスとしてもビターなエンディングも好みだ。過去作品さえ読まずに本作だけをつまみ食いしていたら、他の名作に並ぶ評価だったのが悔やまれる。でも、本作の持つ魔力に惹かれて、必ずいつか再読してしまうと確信している。
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ネタバレ振り子のようにポアロ作品に戻って本作。
知人の勧めで順序関係なく借りられた作品から読んでます。ありがたやま。
さて、冒頭「エミリイ・アランデルは五月一日に死んだ。」とちょっと急な掴みで始まりつつ、その後は割としずしずとポアロの捜査が進んでいく。
ただし、エミリイの視点で死に至るまでの彼女の疑念と恐怖を読者は知るし、ポアロさんが少ない手がかりからそれを認識していく様子にワクワクする。その間ちょこまかと口を挟んだり、表情で物語ってしまうヘイスティングズの存在が相変わらず可笑しい。
おまけに「もの言えぬ証人」たる飼い犬の気持ちまで雄弁に語っちゃったりして、なおさらヘイスティングズ〜!となるとか、ならないとか…笑
全体的にゆったりとした話でありながら、ちゃんとこちらの予想を裏切ってくれる手腕は変わらず。今回は外さないだろうと思っていたのに意表を突かれました。 -
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ネタバレ悲しい結末だった。きっとジャクリーヌはお金がなくてもサイモンのことを愛していたと思う。でもサイモンはジャクリーヌを愛していたからこそ、2人で何不自由なく暮らせて自分の趣味に興じられるお金が欲しかった。
そして美貌も頭脳も財産も有するリネットは、おそらく欲しいものを何不自由なく手に入れてきたからこそ、『欲しいもの』となった親友・ジャクリーヌの恋人であるサイモンを奪うことに特に大きな抵抗がなかったのだろう。自分本位で動いてきたからこそ、最後は2人の画策に気付かず殺されてしまったとあり、なんともいえない気持ちになる。
ポアロは名探偵でありながら洞察力に優れ、何を赦して何を裁くかを自分自身で決めている。罪を犯した人をすべて『罪人』にせず、正当な理由や自分が最善だと思った時に救済のチャンスを与える。そこが『事件を解決に導いた正義のヒーロー』でありながら『一個人』という感じで最高!
アガサ・クリスティのシリーズものは、番号が若いものから読まないと過去作のネタバレを食らうことがあるということは覚えておく必要があるだろう。 -
Posted by ブクログ
アメリカの作家エド・マクベインの長篇ミステリ作品『死が二人を 87分署シリーズ(原題:'Til Death)』を読みました。
ここのところ、アメリカの作家の作品が続いています。
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警察に日曜日はない。
その日もキャレラは妹の花婿となるトミイの電話でたたき起された。
出掛けていった彼がトミイの自宅で見たものは、なんと小箱にうずくまる猛毒の黒後家蜘蛛だった!
晴れの結婚式の当日に次々と起る忌わしい事件をセミドキュメンタルなタッチで描くシリーズの逸品。
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1959年(昭和34年)に刊行された、87分署シリーズの第9作です。
警察に日曜日はない……初夏のさわやかな微風も明るい陽ざしも、一旦緩急あれば刑事にはもどかしいばかりだ、、、
妹アンジェラ・キャレラの結婚式当日も、キャレラはその花婿となるトミイ・ジョルダーノに電話でたたき起こされた……彼の家を至急訪れたキャレラがそこで見たものは、なんと、小箱にうずくまる猛毒の黒後家蜘蛛だった! しかも、”花婿に”とのカードまで添えられて……。
晴れの日に起きた忌わしい事件をセミドキュメント・タッチで描くシリーズの逸品。
キャレラの妹アンジェラの結婚式で巻き起こる騒動と殺人事件を描いた物語……花婿のトミイへの脅迫と思える黒後家蜘蛛の入った小包が届き、その後もトミイを狙ったと思しい怪事件が次々と起きます、、、
キャレラは、同僚で非番だったコットン・ホースとバート・クリングに頼み込み、参列者として紛れ込ませて警護に当たらせ、トミイを恨む元戦友マーティ・ソコーレンの捜査をマイヤー・マイヤーに頼む……結婚式は無事に終わるのか? 殺人事件や傷害事件が発生するし、トミイがライフルで狙われたり、危うく新郎新婦が毒殺されそうにもなるのですが、ドタバタ劇的な展開やユーモアのある叙述の影響で、深刻さは感じられず愉しく読めました。
キャレラの妻ティディが双子を無事に出産するハッピーなエンディングも良かったですね……面白かったです、、、
次も87分署シリーズを読もうと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリー小説に興味を持ち始めたとき、「アガサ・クリスティは外せない」と友人にすすめられて手に取ったのが『ナイルに死す』でした。
舞台はナイル川を巡る豪華な旅。美しい景色に囲まれながら進んでいくミステリーという設定に惹かれ、読み始めました。
最初は登場人物が多くて少し戸惑いましたが、それぞれの人物が物語に重要な役割を持っていることが少しずつ分かってきて、読み進めるうちにどんどん引き込まれていきました。
物語の中心にいるのは、すべてを持っているように見える女性リネット・リッジウェイ。彼女を取り巻く人間関係の緊張感や嫉妬、憎しみが、まるで静かな水面の下に隠れていた感情が一気に噴き出すように描かれていて、ページをめくる手が止まりませんでした。
殺人事件が起きてからは、一気に空気が変わり、エルキュール・ポアロの冷静で鋭い推理が光ります。ただ真相が明らかになるだけでなく、「人はなぜ人を憎むのか」「愛は時に破壊的になりうるのか」といった深いテーマも感じられて、読み終えたあとも心に余韻が残りました。
最後の真相には驚きと同時に、どこか切なさもあり、ただのミステリーにとどまらない作品だと実感しました。
クリスティ作品の面白さを知るきっかけとなった一冊です。 -
Posted by ブクログ
まず読み始めて思ったのは、
「歯医者で殺人?…古畑任三郎にもそんな回あったよね?」と。大地真央さんが犯人の回(笑)
ていう謎の既視感からのスタート。
古畑の歯医者回はクリスティーのオマージュだったのかもなあなんて思いながら読み進めた。
そしてそして話は思わぬ展開へ…
え!そっち!?たしかにタイトルは「愛国殺人」。
何やらきな臭い匂いがしてきたよ。
どうなっちゃうの?全然先が想像できない!
しかもカーターとレイクスが混ざっちゃって、これはもしやカーターとレイクスは同一人物か?なんて思ってたらあれよあれよとその推理は撃沈し、
犯人はそっちかーい!のオチでした。
毎回毎回ノーマーク過ぎる人が犯人で、毎回毎回本当に楽しめて、毎回毎回「やっぱアガサ最高!」てなるのが幸せ(笑)
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購入済み
面白かった
面白かった。
かなりはっきりとしたヒントが示されていたのに
気づけなかった。
作者がうまいのか、私がヘボなのか。
まぁ両方か。
次に読む本こそは謎を解いて見せるぞ。