加島祥造のレビュー一覧
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ポアロは巨額の財産をもつ老婦人エミリイから命の危険を訴える手紙を受けとった。だが、それは一介の付添い婦に財産を残すという問題のある遺言状を残して、彼女が死んだ二カ月後のことだった。ポアロとヘイスティングズは、死者からの依頼に応えるとともに、事件に絡む愛すべきテリア“ボブ”の濡れ衣も晴らす。
ある一族の老婦人が病死かと思いきや殺人未遂があって間もなく死亡していて、しかも遺産は家族には全く与えられず付き添い婦に、という衝撃の展開。最初は半信半疑のヘイスティングスですが、ポアロに引っ張りまわされながらだんだんと事件性に気が付いてあれこれ考えをめぐらせるところが読者と同じ目線で非常にいいです。ボブと -
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ポアロもの。
歯医者で憂鬱な治療を終えたポアロの許に、当の歯医者が自殺したとの連絡が入ります。
彼の直前の様子から、とても自殺とは思えないポアロは、真相解明に動きだしますが・・。
ポアロも歯医者嫌なんだ( ̄m ̄〃)と、共感できる事にちょっと嬉しくなる私。
さて、歯医者の死に続いて、治療を受けに来ていた怪しげなギリシャ人も死んでしまい、さらに同じく歯医者に来ていた中年婦人も失踪して・・と錯綜していく中で、“これは、スパイ絡みかも?”という流れに。
大物銀行家に対しての銃撃未遂もあり、これは『ビッグ4 』ばりの、国際犯罪組織が関係してくるのかな?と読み進めていきますが・・。
で、結局これが完全 -
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ネタバレ古代エジプトでも連続殺人は起こる。
父親が若い愛妾を家に連れてきた。彼女の態度に家の者たちが反感を募らせる中、彼女は亡くなった。そして続く不幸。夫を亡くして実家に帰ってきていたレニセンブの運命はいかに。
いや古代エジプトの意味あったかな、と言ってはいけないのだろうけど、クリスティーがエジプトにハマっていたことは伝わる。しかし別に古代エジプトでなくてはいけない理由は特になかった。だからこそ普遍的なミステリは時代も場所も選ばないんだなぁと思う。多分実写化するならセットを組めばロンドンでも東京でも大丈夫な古代エジプト。
気の強い義姉、気の弱い兄、自尊心の強い兄、おっとり静かな義姉、我儘で自惚れ -
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ノンシリーズ。
紀元前二千年のエジプトが舞台という異色の設定ではありますが、良い意味で“いつものクリスティー”ともいえる、人間ドラマ&ミステリを楽しませて頂きました。
墓所守をしている一族の長・インホテプが、北方からノフレトという美貌の愛人を連れて帰ってきたことから一族内の空気が不穏なものに包まれていきます。
インホテプの娘・レニセンブの胸騒ぎも虚しく、ある日ノフレトが墜落死してしまい・・。
ノフレトVS一族の妻女達のバチバチの対立から、ノフレトの死を皮切りにしての連続不審死。
その真相は、殺人のトリック云々ではなくて“まさか、あの人が!?”という、“印象操作”的な目くらましで見事に騙され -
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ポアロもの。
資産家の老婦人・エミリイから命の危険を訴える手紙を受け取ったポアロ。
ですが、差出人のエミリイは手紙が届く二か月前に死亡していて・・。
巨額の遺産を、親族ではなく付添婦のミス・ロウスンに残す旨遺言状変更した理由とは?そして、エミリイが死亡する前に起きた階段落下事故は偶発的なものだったでしょうか?
ポアロ&ヘイスティングズが、真相解明に乗り出します。
事情を探る為とはいえ、ポアロが身分詐称はするわ、嘘話はするわ、誘導尋問はするわ、盗み聞きはするわで何でもアリなやり方に、若干引き気味のヘイスティングズでしたが、彼とエミリイの愛犬・ボブとのやり取りには癒されました。(ボブの台詞部分は -
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ポアロもの。
シャイタナ氏のパーティによばれたポアロ。8人の客が4人づつに分かれてブリッジに興じている間に、シャイタナ氏が刺殺されてしまいます。
シャイタナ氏に近いテーブルにいた4人が疑われますが、この4人は其々に隠された“前科”があって・・・。
上記の“容疑者グループ”に対して、ポアロ達“探偵(?)グループ”には、ノンシリーズ等にも登場しているバトル警視やレイス大佐、そしてクリスティーを彷彿させるオリヴァ夫人など、ええキャラ揃いです。
容疑者4人の過去を洗うバトル警視と、彼らのブリッジの点数表などから心理状態を探るポアロとの協力関係が良いですね。
そして、終盤の怒涛の展開が、もう二転三転で -
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ポアロもの。
パリからロンドンに向かう旅客機内で、金貸しの老婦人の変死体が発見されます。その老婦人の首には針で刺されたような跡があり、直前に飛んでいた黄蜂に刺されたのかと思いきや、席の近くに吹き矢の針が見つかります。
そして、偶然乗り合わせたポアロの席の背後から吹矢筒が発見されて・・。
その吹矢筒のせいで陪審員から有罪にされそうになったこともあり(?)真相解明に乗り出すポアロ。
イギリスとフランスを行き来しながら、老婦人の背景を洗っていくうちに意外な事実浮かびあがってきます。
飛行機の中での殺人という事で、基本的に犯人は乗客のメンバーと乗務員(スチュワード)に絞られるのですが、座席表を何度も