加島祥造のレビュー一覧
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ネタバレ遺産相続をめぐる一族のいざこざはポアロシリーズの十八番で、慣れてきたと思ってましたが、飽きを感じることなく読めました。
ヘイスティングスによるボブの可愛い翻訳と、コメディ感がありすぎるトリップ姉妹のおかげだと思います。
今回は、怪しすぎる犯人がやっぱり犯人だったというわけではなかった所も意外でした。
タイトルがだんだん捻られてきていて、ストーリーと噛み合っていると感じられるようになり、アガサクリスティのセンスに磨きがかかっていると感じられて嬉しかったです。
"もの言えぬ証人"は、表紙を見た印象だと、ボブのことを言っているのかな、と予想しました。
しかし、読み終わってみると -
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亡くなったのは人からの依頼状に興味を引かれて捜査に乗り出したポアロ。
容疑者はお金に困っている身内数人と、彼らを差し置いて故人の遺言によって全財産を相続した家政婦。
ポアロがあっちこっちに聞き込みをするんだけど、なかなか大胆な嘘をついたりしてて面白かった。
犯人はやっぱり最後まで分からない。
容疑者たちの話を聞いていると皆悪人に見えてくるし…でも犯人は本当に予想外だった。
あと、タイトルの「もの言えぬ証人」=ペットのボブはさして重要じゃなかったのはちょっと残念。
でも最後にボブが幸せそうで良かった!
故人を島国根性って表現している部分がちらほらあったけど、日本と通じるものがあってちょっとク -
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ネタバレポアロシリーズ14作目。今回は久しぶりにヘイスティングズの語り。
なんか……面白かった!!(笑)ポアロがいろんな役に化けて情報収集するんだけど、それがもう面白くて!!ニヤニヤしながら読んだ。
以下ネタバレ
ただ、ラスト犯人がわかった状態でポアロが犯人が自殺するのを止めないのがなんか違和感なんだよな〜と思ってたんだけど(過去のポアロはたとえ殺人犯人でも、自死を許さないタイプだったような記憶がある)ラストを読み直して納得。
今回ポアロは、依頼人であるエミリイが望むことをやったんだな、と。
エミリイが望むこと→一族の恥を晒さないこと。事件を公にしないこと。
だから、犯人には消えてもらわなき -
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ネタバレアバネシー家の主人リチャードが心臓発作で急死する。葬儀を終えたのち、遺言執行人エントウィッスルは集まった親戚たちに故人の遺言を発表する。するとその時、リチャードの末妹コーラが「リチャードは殺されたんでしょ」と言い放ち、そこにいる全員を凍りつかせる。実は親戚の者たちはすべて、ひどく金に困っていたのだ。そして葬儀の次の日、コーラが殺される。
クリスティが生んだ名探偵エルキュール・ポワロものの、知る人ぞ知る傑作。ミステリーの真相とは、作者が仕掛けたミスリードを作者自身がひっくり返すことだ。そこでひっくり返る事実が大きければ大きいほど、意外であれば意外なほど、そのミステリーは成功したと言えるだろう -
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バート・クリングの恋人であり、これまでも物語の中で仲むつまじい様子を見せてくれた、クレアの死。
クリングとのデートの前に立ち寄った本屋にて、一人の男による銃乱射事件に遭遇してしまったクレアは、命を落としてしまいます。
犯人は誰なのか。そして犯人の目的は…。仲間であるクリングの恋人を襲った悲劇ということで、スティーブ・キャレラはじめ87分署の刑事たちは、躍起になって事件の捜査に向かいます。
なかなか掴めない事件の全貌を暴くべく、復讐の念に駆られながらも根気強く立ち向かう刑事たちの姿に、87分署という彼らの繋がりが見えたように思います。
恋人を失い、失意の底に沈むクリングの姿を見ていると、クレ -
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マクベイン『87分署シリーズ』。
ある酒屋で殺害された1人の女性アニイ・ブーンは貞淑な妻であり、優しい母親であり、ある人にはインテリに映り、ある人には酒飲みの情婦に映った。様々な顔を持つ彼女を殺したのは、一体…。
原題『Killer's choice』とあるように、アニイの持つどの顔が犯人の殺意を引き起こしたのかが本作の重大な争点となります。
87分署のお馴染みの刑事が聞き込みを経て被害者アニイの様々な顔を掴んでいく様子は、心地よいテンポと飽きさせない展開によって描写されています。
ページを繰る手もスムーズに進み、具体的な描写も映画を観ているかのような気分にさせてくれるのです。