令丈ヒロ子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
父親の出張で、親戚の、開業したばかりのお医者さんだというクルミ先生の家に4日間だけあずられることになった小学5先生の女の子、モトキ。
腕はいいのにあまり流行っていない病院の様子を見たモトキは、クリニック再生計画を立てる。
素材はとてもいいのに、とにかく話が短い。主人公も先生も医院の人たちも、みんなキャラがよくて、もっともっと深く読みたいのに、ばたばたと話がまとまってあっという間に終わってしまう。児童書だから仕方ないとはいえ、あまりにももったいない!
モトキの家庭のことも、もっと掘り下げて書けるはずだし、もっともっとこの人たちの話が読みたい。
挿し絵もめちゃかわいいので、このままの雰囲気を大事 -
Posted by ブクログ
児童書って、集団からはずれてうまくなじめなかったり、クラスの人気者からいじわるされたりする子が主人公になる傾向があるけど、この本では、人気者の機嫌を取りたいがために、人を傷つけるようなゲームを考え出してしまったり、注目されたいがためにネットでさがした名言をコピペして自分のもののように使ったりする子が主人公の短編がいくつもあってちょっと新鮮。そういう子たちの心情に踏みこみつつ、「ことば」という切り口で、説教くさくなく、自分自身のことばを使えるようにするというストーリーに持ってくのさすがにうまいなと思った。それにしても『なんとかなる本』て、ちょっとほしくなるかも(笑)
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購入済み
スマホやSNS、夜間の塾といった最近の子供の事情を暑かった作品が目新しかったです。正直、文体は少し大人向けの作家さんも混じっており、そのせいか内容的に少し子供向けとしては上級の怖さかなと思いました。
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Posted by ブクログ
子供向けだけど容赦なく怖い。舞台が小学校になってたり主人公が小学生なだけで内容はガチなホラーだった。
むしろ子供がひどい目に遭うのが苦手な人には大人向けホラーよりずっときついかも(基本的に想定読者と同年代の小学生が怖い目に遭うので)
ホラー作家の皆さんは大人向けに書いてるときと同じくらいの出力出してるし、児童書作家さんは本気で子供怖がらせようとしてるし。
普段児童書とか読まなくても、質の高いホラーショートショートがたくさん読みたい!って人にも強く強くおすすめします。
収録作の中では、短い中で不気味な世界観をリアルに描き出した『おだんご当番』『ぢんぬるさま』、行間に二人の関係性がぎっしり詰ま -
Posted by ブクログ
何十年も生きてきたのに、模擬原爆のこと、この本を読むまで全然知らなかった。日本は原爆の被害を受けたけど、同時に中国朝鮮に対する加害者でもあって、ヒロカが混乱するのももっともだと思う。誰が正しくて誰が悪いという話に終始せず、主人公たちが悩んでる姿がリアルだなと思った。
「知らないことは、こわいことだよ。だれかの言ってることが事実とちがっていても、そうなのかなあって信じてしまう。ぼくはそれがいやなんだ。」
「この長崎ちゃんぽんみたいに、肉も魚介も野菜も、いろんな材料がまじりあって、うまいひとつの味をみんなで作り上げる。そんな世界になったらエエなぁ。初めてこの料理を食べさせてもろたとき、そう思ったん