令丈ヒロ子のレビュー一覧
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宇宙人に拉致された7人の中学生は、地球滅亡、人類滅亡を阻止するにはどうしたらいいか?どのような未来なら人類は滅亡せずにいられるか?という宇宙人の問いに、それぞれ答えていきます。
宇宙人がそれを実際にシュミレーションしてみせますが、ことごとく人類は滅亡してしまいます。
7人の中学生が選択した未来が語られていくSF短編集方式です。
最後は読者に選択を投げかけるの。
どんな未来が「正解」でしょうか?
重ためのテーマをさくっと読ませる感じがお見事。
ブラックユーモアと、宇宙人のめちゃくちゃなこじつけ滅亡パターンがじわじわと面白い。
どんな未来なら人類は滅亡しないのか?
これを読んだ小中学生が出す -
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キャッチーなタイトルだけど、
中身はしっかりとしたYA、児童文学でした。
さすが令丈ヒロ子さん。
人外コンビニを見つけてしまうのが
人間の(霊感のある)少年、イズミ。
そこで、幽霊の少年や、
死にたい気持ちを抱える少女に出会って、
ドタバタといろんな事件がおきる。
落としどころもしっかりしていて、
イズミの心の変化にほっとさせられました。
生身の人間は使えない「人外ペイ」だとか
妖怪コンビニならではの商品のオンパレードで、
読ませる仕掛けが盛りだくさん。
中学年から読めるボリュームで、とても面白いストーリーでした。この読みやすさがなー。さすがだなー。 -
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交通事故で両親を亡くし、母方の祖母の経営する旅館・春の屋に引きとられた小学校6年生の女の子・関織子(おっこ)が、ひょんなことから“若おかみ”修業を始めるというコメディシリーズの一作目である。慣れない仕事に失敗を重ねながらも、前向きに進んでいくおっこの姿が描かれている。この巻でメインとなるエピソードは、おっこが修業を始めたきっかけと花の湯温泉名物菓子コンテスト。
映画の評判がいいので気になっていた作品だったのだが、おっこをはじめ、春の屋に住みついているユーレイ少年・ウリ坊、大旅館の跡取り娘・ピンふりなど、メインのキャラクターはいずれもいい感じで、楽しく読むことができた。特にピンふりは、いかにもな -
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作者が「若おかみ」シリーズで小学生に大人気の作家で、この作品は初めての一般書として書いたという情報だけで読んだ。
始めのりりなと颯太の部分は昔の少女マンガみたいで、正直「こんなもんか、やっぱり」と思いつつ読んだのだが、後半は良かった。
ストーリーは大島弓子みたいだな(私としてはかなり褒め言葉)、と。(「金髪の草原」とか、黄金期の名作の雰囲気)終わり方は、ちょっと児童文学臭がしたけど。もしかして作者は大島弓子ファンなのではとすら思った。
もう少し終わりの説教じみたところをどうにかしてくれたら、随分いいのではないかと。
一般書とは言うけど、中高生でもいいと思う。(恋人が親のいない日に泊まりに来るシ -
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大学生作家の颯太は遠縁のおばあさんの家「白桜館」の管理を任される。白桜館での生活を楽しんでいたある日、おばあさんの孫だという10歳の女の子りりなが現れた。りりなは颯太にあれこれとワガママを言うのだった。
白桜館でのほのぼのとしつつも、りりなとのドタバタな毎日を描いた作品。かと思いきや、物語は急展開を遂げます。白桜館での生活が理想であったからこそ、その後の展開のもつ意味が際立たされます。
「喪失と再生」喪ったものはもう二度と手には入れられないけれど、完全に無になる訳ではないのかもしれない。起こったことはなかったことにはできない。記憶の奥に仕舞い込んでも、なかったことにはならない。喪ってもそこか -
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ネタバレプロローグでなんだか可愛いなあと思う反面、少し怖い思いを抱きながら本文へ。
穏やかなお話なんだと思いました。最初は。笑
読み進めていくと、兄と恋人、大切な2人を失ってしまった颯太の事がどんどん分かっていきました…。
それでもりりなは、那亜里は、颯太に強くなってほしいと伝えました。
前半の夢は穏やかな日常のお話なんかじゃなかった。
那亜里が伝えたかったことが詰まっていた。
個人的に、颯太がバスの中で那亜里の最初で最後の本を読んでいるシーンがとても大好きです。
虚しい切なさに晒されながらも、読みきりました。
読み終わった後で、プロローグと書名の意味が分かり、とても苦しくなりました。