椹木野衣のレビュー一覧

  • アウトサイダー・アート入門

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    ヒリヒリと「生」ににじり寄ろうとする切迫感というか

    「そうせざるを得なかった」切なすぎる事情も込みで、

    彼らのアートは胸が締め付けられる。

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    2019年06月27日
  • 感性は感動しない――美術の見方、批評の作法

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    日本語でない人の声の入った音楽が一番効率よく進むことについて「誰かと対話をしながら応答しているように感じるからかもしれません。」としたのは、私も多少の音楽や生活音がある環境でないと集中できない性質なので、なるほど!と思った。

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    2019年04月21日
  • アウトサイダー・アート入門

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    仕事で、キュレーターの小出由紀子氏に会えそうな機会があったのだけれど、叶わず、本書で憂さ晴らし。
    アール・ブリュットと、アウトサイダーアートの呼び分けなど、イマイチよく分かってなかった事も書いてありスッキリ。

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    2019年02月07日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    ネタバレ

    読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
    姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
    20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もうい

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    2017年01月01日
  • アウトサイダー・アート入門

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    日本奇人伝・椹木野衣ver。
    田中一村、山下清はそうだが、出口王仁三郎や、三松正夫まで、レンジの広い人選が素敵な本です。引用にあるように、コリン・ウィルソンのアウトサイダーを下敷きにしてます。21世紀の日本人の美術評論家がリブートした文章です。

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    2016年03月20日
  • 反アート入門

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    とても面白く、かつ、まっとうな入門書。現代アートについて説明しよう時、語りきれないからこそ「反」という形になってしまうというのはとても誠実だと思う。それは歴史と伝統なき国家、アメリカが芸術の中心となるための必然的手法であり、神や王権の様な捧げるべき権威対象を失ったが故にアートはそれ自身がアートであることを証明し、資本主義という市場でその価値を決定される。また日本で美術館やアートに一種の距離が存在するのは、こうした西洋の文脈上に接ぎ木の様に日本の文化が接続されているという説明は非常に納得がいくものだった。

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    2015年07月29日
  • 岡本太郎の宇宙1 対極と爆発

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    岡本太郎は作品より文章のほうがずっと面白いというのを再確認した。椹木野衣氏による文章のセレクションも適切だと思うし、巻末の解説も有用。岡本太郎の「対極と爆発」を理解するのに良い本だと思う。

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    2011年06月06日
  • 反アート入門

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    神が死んだ後のアート

    ミニマルアート

    ドナルド・ジャッド
    ロバート・ラウシェンバーグ

    表面と枠
    ジャスパー・ジョーンズ
    フランク・ステラ ブラックペインティング

    郊外 サイト、エントロピー
    ロバート・スミッソン

    アンディ・ウォーホール
    人格と作品の逆転

    第二次世界大戦→バウハウス×表現→アメリカ 抽象表現主義

    YBA

    西海岸アート
    チャールズ・マンソン 呪術的
    マイク・ケリー、ポール・マッカーシー、クリス・バーデン、ジム・シャウ(スリフト・ストア・ペインティング)

    もの派 端的にそこに物があり、それ以上でもそれ以下でもない

    フォーマリズムという批評

    民藝 柳宗悦 直観を重

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    2011年04月16日
  • 反アート入門

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    この本を読んだきっかけは忘れましたが、大きな衝撃を受けた一冊です。

    序盤は今までのアートの流れに触れ、後半で椹木さんの主張が述べられています。
    アートの流れをほとんど分かっていなかった私にちょっとだけその世界をのぞくきっかけを与えてくれました。

    印象的だったのはお金とアートの近接性を述べた部分です。
    赤瀬川原平の偽札などの事例をあげながら述べており、新しい見方をえることができたと思います。

    また、終盤のアートの未来に対する希望を述べた部分でハイデガーが紹介されていたことがきっかけでハイデガーについてちょっと勉強しました。
    しかし、ハイデガー関連の本を何冊か読みましたが、なんとなくは理解で

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    2011年04月12日
  • 反アート入門

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    とても真面目な文章。

    ◯アートを歴史化してゆくには、作家と批評家がどちらも必要。
    ◯現代のアートは情報のコントロールも芸術とみなす。資本主義社会の反映でもある。
    の2点にとても納得させられた。

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    2011年04月03日
  • 反アート入門

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    近代絵画と貨幣
    マーク・シェル「芸術と貨幣」
    非物資的価値を運ぶ器
    1=2という論理的矛盾
    キリスト教におけるパンとワイン

    ハイデガー
    真理ーアレーティア(隠れ・なさ)
    ものが、ないのでなく、存在する、根源的驚き

    水墨画の
    滲みぼかしによる偶有的な自然現象の利用などにみられるような
    [あらわれと消え去り]の重要性
    絵画という器自体も変形させてしまう、
    (あるジャンル)「の、ようなもの」としてのアートの可能性

    白紙賛、4・33、未知、空
    人が無と向き合うことで有(未知)が生じるー「趣」
    自他合一の変容

    民藝
    かたちに込められた心の記憶=手・仕事
    ー集合的に受け継がれる
    美術史的な偉大な個

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    2010年12月25日
  • 反アート入門

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    表現が多彩で、美しい。
    かなり多くの事柄を扱っていて、
    多角的な見解でありながら
    明瞭端的な表現でわかりやすい。
    特に第ニの門 アート・イン・アメリカ
    は読み応えがある。

    きれいな絵画にちらりと見える社会背景など、
    いつでも芸術はその時代を現している。
    リンダ・ノックリンの『絵画の政治学』を読んだ時を思い出す。

    現代美術ってよくわからない、
    アートってなんだかむずかしい、
    そんな方にも読んでほしい。

    チンポムとコラボした
    西尾さんの作品が表紙ってスゴい。

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    2010年10月09日
  • 反アート入門

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    近代絵画の成立。貨幣と絵画の相似性。移動する聖地としての絵画。岡本太郎の呪術の復権。なぜウォーホルは毛沢東を描いたのか。水墨画のラディカリズム。ロシア・中国の現代アート。ハイデッガーの美学。「アート」をめぐるさまざまな論点の交錯。生硬な文章に著者の熱度を感じた。

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    2010年08月17日
  • アウトサイダー・アート入門

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    ヘンリー・ダーガーに興味を持って、読み始めました。
    アートの世界というのが、必ずしも自由なものではなく、アーティストと名乗るための、いわゆる「王道」があることを知りました。
    それと同時に、「王道」から外れたアートがあるということも知り、アートの世界の奥深さを感じることが出来ました。

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    2021年10月17日
  • アウトサイダー・アート入門

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    ひとの生から決してなくせない負の宿命からこそ生まれ、たった一人でそこに拮抗するために存在する、どこまでも個でしかない芸術の根源的な姿。
    "自然"の存在がアウトサイダーたちの感性の底をなすことも興味深い。
    コレクティブやコミュニティ意識の広がる現代だからこそ再発見があった。

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    2019年11月08日
  • 感性は感動しない――美術の見方、批評の作法

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    冒頭の「感性は感動しない」は芸術を世間の評判に基づいたスタンプラリーのように捉えがちな普段の生活を顧みさせる。

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    2018年11月10日
  • 感性は感動しない――美術の見方、批評の作法

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    美術館に行くことが多いのだが、
    自分の受け止め方、鑑賞の仕方はこれでいいのだろうか、と自問することがある。
    これは美術を愛好する人ならば、誰しも思うことなのではないだろうか。

    よく言われることに、「感性を磨く」という言葉がある。
    本書の著者は、岡本太郎の言葉を引いて、これを厳しく否定している。
    見ることによって得られる体験は、あくまで見る側によるべきものであり、
    それを作家側に委ねるべきではないと。

    考えさせられることも多い書だった。
    確かに最近、絵を観るのも惰性になっているなと思うところもあり。
    でも、全般的には賛成はできないなとも思う。

    美術作品の全部が全部、何かを感じさせるものでも

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    2018年10月08日
  • 感性は感動しない――美術の見方、批評の作法

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    ネタバレ

    読書することは新たな視点を獲得することだ。
    他人(著者)の視点を借りることができる体験なのだ。
    そう改めて感じた1冊だった。

    美術批評家の著者に芸術に関してのエッセイ。
    芸術への接し方から、読書の際の本の選び方、著者の地元への想いや子育て観まで内容は多岐に渡る 。

    個人的には芸術への接し方についての考察(見解)が目から鱗だった。
    感性は磨くものではなく、うちに備わるものであり、芸術は作者の事情や付随する情報に捕らわれているうちは自由な見方を奪われた状態であるということ。
    「感動」という便利で安易な言葉で片付けず、そのありかを探るのが批評であるということ。

    そういう視点で見ると、自分に響く

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    2018年10月01日
  • 反アート入門

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    アートとは、神=自然 ではないもの

    それが欧米の芸術観。

    新たな定義を塗り替える人が歴史に名を刻む。
    コンセプトを作り上げる人。

    中国のアーティストは宇宙に向かう。
    日本は・・・工芸には長けてきたが。
    自然との融合という欧米とは別の価値観でアートを定義すべき。

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    2013年01月23日
  • 反アート入門

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    「アートってなんだろう」と思って読む本。絵とか彫刻とかのアートね。

    たまに美術館に行ってみるのを楽しみにしてる俺は、まさに「アートってなんだろう」と考えるのにいい距離だったのだろう。美術史の勉強をしたこともなければ、美術の本を購読してる訳でもない。そこまでするほどではないが、それでもアートってなんだろうという疑問は持つ。美術史を学びたいのではなく、アートって何か知りたいという純粋な疑問に全力で応えてくれようとした本って感じだ。

    正直そこまで「アートってなんだろう」という疑問に応えてほしいと思ってそういう本を捜し求めてたわけではないが、表紙の絵と、「反」で始まり「入門」終わるタイトルに惹かれ

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    2011年08月25日