椹木野衣のレビュー一覧

  • 感性は感動しない――美術の見方、批評の作法

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    ネタバレ

    読書することは新たな視点を獲得することだ。
    他人(著者)の視点を借りることができる体験なのだ。
    そう改めて感じた1冊だった。

    美術批評家の著者に芸術に関してのエッセイ。
    芸術への接し方から、読書の際の本の選び方、著者の地元への想いや子育て観まで内容は多岐に渡る 。

    個人的には芸術への接し方についての考察(見解)が目から鱗だった。
    感性は磨くものではなく、うちに備わるものであり、芸術は作者の事情や付随する情報に捕らわれているうちは自由な見方を奪われた状態であるということ。
    「感動」という便利で安易な言葉で片付けず、そのありかを探るのが批評であるということ。

    そういう視点で見ると、自分に響く作品は多くなくていいし、また人と同じでなくていい。
    自分の身体の動きに素直に芸術鑑賞をしたいと思った。

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    2018年10月01日
  • 反アート入門

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    アートとは、神=自然 ではないもの

    それが欧米の芸術観。

    新たな定義を塗り替える人が歴史に名を刻む。
    コンセプトを作り上げる人。

    中国のアーティストは宇宙に向かう。
    日本は・・・工芸には長けてきたが。
    自然との融合という欧米とは別の価値観でアートを定義すべき。

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    2013年01月23日
  • 反アート入門

    Posted by ブクログ

    「アートってなんだろう」と思って読む本。絵とか彫刻とかのアートね。

    たまに美術館に行ってみるのを楽しみにしてる俺は、まさに「アートってなんだろう」と考えるのにいい距離だったのだろう。美術史の勉強をしたこともなければ、美術の本を購読してる訳でもない。そこまでするほどではないが、それでもアートってなんだろうという疑問は持つ。美術史を学びたいのではなく、アートって何か知りたいという純粋な疑問に全力で応えてくれようとした本って感じだ。

    正直そこまで「アートってなんだろう」という疑問に応えてほしいと思ってそういう本を捜し求めてたわけではないが、表紙の絵と、「反」で始まり「入門」終わるタイトルに惹かれて買った。


    アートを理解するには、先人の通った道をもう一度なぞって、今のアートを理解して、その先どうなるのかを考えられるようになることだと思う。でも、美術館で作品を見てると、ピンと来ないものはピンと来ないのに、ある作品にだけ妙に気になるということが何度かあった。そうなるとその作者のことを知りたくなり、その作者の他の作品も見てみたくなる。他の作品を見てもすべてが気になるわけでもないということも知った。アートは歴史を知るとより楽しめるのかもしれないが、本質的にそういうものではない気がしてた。また、作者を知らないとアートを楽しめない訳がないとも思ってた。

    そういう俺の「なんとなく」を踏まえて、アートを語ってくれる本だったので、だいぶありがたかった。


    本書は「入門」と銘打ってるが、一般的な美術の入門書のように歴史を語るのではなく、アートの本質への「入門」というべき内容になっている。「反」としてあるのは、現在のアートに疑問を投げかけて、こうあるものではと語りかける内容になっているためだ。

    美術館に行くようになって、アート関連のマンガも読むようになって知ったことだが、昔は宗教画だけがアートだったという史実だ。この感覚は俺にはさっぱり理解できなかった。本書では、その史実をスタートとして、現在のアートの姿と移り変わりを示した後、後半から本題に入っていく。アートとは何かを語り、その本質がなんなのかを深く突っ込んでいき、最後は精神的な話にまで入っていく。そこまでやるかというくらい、アートを知らない人のためにアートとは何か知らせようとしてる。本来入門書とはこうあるべきだろという内容だ。

    だいぶディープに説明してもらったので、アートとはどんな感じのものなのか雰囲気はつかめた気がする。しかしこの内容は、ちょっとディープ過ぎるよなw多分軽い気持ちで読み始めると、ショックだろうな。本当に「アートってなんなの?」って疑問を持ってないと読めないだろうなw美術史を知りたければその辺の本を読めばいいと言わんばかりw

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    2011年08月25日
  • 反アート入門

    Posted by ブクログ

    親しみやすい文体で書かれた「反」アート入門。
    最終章で自然にアートの門へと到達できるように、戦場(アートのおかれている現状、世界そのもの。片仮名で語られる「アート」「美術」「芸術」のくすぐったさ、もどかしさ)を解説。

    カットアップリミックスという切り口で世界のアートを横断紹介。資本主義の滝壺で洗われたあとに、日本の悪い場(美術が日本に輸入されてからの先人の功罪)の歴史を振り返り。20世紀の芸術家が生きていく平坦な戦場にたどり着いた。でも、そこは、門の手前でしたというお話。


    表紙にあしらわれた黒々とした「即身仏」の彫刻は、
    (金色の仏像を西洋観でアレンジしたマーク・クインの「悟りへの道」とは対極的な表現)日本の美術のメンタリティ、いまの若い世代の作家の気風を表現しているとも言えるだろう。

    変に理解されて(おおむね間違った理解)ポピュラリティを獲得することを意識しないではいられないが、常にポピュラリティ(大衆意識)とは背中合わせであるべきアート入門へ。

    *時々、手を入れると思います。

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    2010年06月19日