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わたしはここにいる、と呟く。
「さがす」をテーマに女性の深層心理を様々な角度から描く 確かなものが欲しかった。絶対に自分を裏切らないものが…。萌子は幼い頃、母親に捨てられたことが原因で、確かなものしか求めず、なにも信じられない大人になっていた。そんなとき父親が亡くなった。葬儀で再会した叔母から、母親の居場所を教えられ、萌子は戸惑う…。どうか気づいて。わたしを見つけて。「さがす」をテーマに綴られた七つの物語。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『夫以外』(実業之日本社文庫)、『帰郷 三世代警察医物語』(光文社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。 -
神田村
近代化の波から取り残された問屋街……忍び寄る家業の危機、崩れゆく同族意識 東京神田の雑貨問屋。もともと個人経営の小さな商店だったのが、今では株式会社で、土屋正志はそこの専務である。しかし内実は、同族が寄り集まって、どうせ立身の見込みはないと無気力な社員たちを使って、その日暮らしの商売を続けているに過ぎない。どうすれば会社に活力が戻るのか。正志の悪戦苦闘は続く…。 時代の波に洗われる会社の経営、血の絆に翻弄される男の熱い想いを描く。第83回芥川賞候補となった長篇小説。 ●吉川良(よしかわ・まこと) 1937年、東京生まれ。芝高等学校卒、駒澤大学仏教学部中退。1978年『自分の戦場』で第2回すばる文学賞受賞。1979年『八月の光を受けよ』で芥川賞候補、『その涙ながらの日』で二度目の候補、1980年『神田村』で三度候補となった。1999年JRA馬事文化賞、ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。 -
その涙ながらの日
世の中、まじめに生きるべきだ……それ以外、どうしようもない 俺はトラックの運転手、学問はなくてもちゃんと喰っている。恋人もいる。兄と弟は国立大学に入って頭はいいが貧相だ。前科者と一緒になった姉と縁を切ろうとしている。冷たい仕打ちじゃないか…。俺にはヒロという好きな女がいる。アパートに週に二回、石材屋の老人が来ることも、久男というキザな男と深い仲にあることも、ちゃんと知っている。でも、俺はヒロを許す。愛しているからだ。そのヒロが、ある日、タチの悪いイタズラをした…。(「その涙ながらの日」) 第82回芥川賞候補である表題作のほか、「ラストラウンド」と「素晴らしい歳月」の中篇3本を収録。世の中をまじめに懸命に生きる心やさしい生活者たち、そのさわやかな苦闘を活写する。 ●吉川良(よしかわ・まこと) 1937年、東京生まれ。芝高等学校卒、駒澤大学仏教学部中退。1978年『自分の戦場』で第2回すばる文学賞受賞。1979年『八月の光を受けよ』で芥川賞候補、『その涙ながらの日』で二度目の候補、1980年『神田村』で三度候補となった。1999年JRA馬事文化賞、ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。 -
鈴音~灯の街に舞う少女~
大手ファッショメーカー社長の立花が偶然知り合った心若いストリッパー。 彼女の不思議な瞳に導かれて彼は彼女に近づいていく。 彼女のプライベートや過去に触れ「彼女が彼女でない?」という事実を知る。 同じく彼女の瞳に導かれた優しくも愉快な仲間達や彼女の体に惹かれたストーカー。 彼女の周りで動く金の匂いに群がる探偵や弁護士等々が入り交じり、やっと手に入れた彼女の平穏が一気に崩れていく。 立花は今一度、彼女に平穏な日常を取り戻してあげられるのか? それとも…… なんて話が展開していく中でストリップや探偵などの少々グレーな世界の裏事情も盛り込み、ヒューマンストーリーでありながら、ワクワク、ドキドキ、ニヤニヤなドラマとなった一篇。 【著者プロフィール】 棟方 恒介 脚本家・文筆家 国際アニメーションスクール・劇画漫画プロ養成科にてストーリー作りの基礎を学び、都内のタレント養成所にて知り合った有志と共に「劇団亀の子倶楽部」を結成。 脚本家兼役者として数々の作品を世に送り出す。 平成18年、当劇団の活動休止に伴い、新宿の探偵事務所に調査員として活動。 現在は、芸能プロダクション「ノットインクルード」からの依頼を受けて映画や舞台用の脚本などを執筆提供中である。 -
初旅
稀代のストーリーテラー壺井栄が紡ぐ島の物語には、私たちがなくしてきた人の暮しが息づいている。 ミネの初旅は十六歳の秋。高松への積み荷は四斗入りの醤油が八樽だけあった。その頃、樽職人の職をなくした父重吉を手伝い、ミネは荷役をする荒い働きをさせられていた。父と娘は自家の小船に乗って、まるで夜逃げでもするような真夜中の時刻に家を出た。重吉は米やそうめんや着物など、高松にいる教師になった息子に届ける大きな信玄袋を肩にかけ、ミネは自分の着物の入った小さな風呂敷包みを抱えていた。まっくらな夜であった。高松へゆけばこれまで知らなかった何かが自分をまっている。ミネの期待はいやがおうにも膨らむ。 【著者】 壺井栄 香川県小豆郡坂手村(現内海町坂手)生まれ。 坂手郵便局や役場勤務後、同郷の壺井繁治を頼り1925年に上京。以後東京。 1941(昭和16年)『暦』が第4回新潮社文芸賞を受賞。 1955(昭和30年)『風』で第7回女流文学者賞を受賞。 『母のない子と子のない母と』で第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞。 1954(昭和29年)映画「二十四の瞳」(木下恵介監督、高峰秀子主演)が公開され、全国的ヒットとなり、小豆島と壺井栄の名が一躍クローズアップされる。 -
裁縫箱
稀代のストーリーテラー壺井栄が紡ぐ島の物語には、私たちがなくしてきた人の暮しが息づいている。 夫に死なれたか去られたか、他所から村へやってきた身寄りのない女が4年生の娘をひとりで育てている。村では日雇いや宿屋の女中などで日銭稼ぎ、ふたりきりの貧しいくらしながら娘ヨシノには母親といられる幸せは何にもかえがたい。すでに病魔に蝕まれている母親は娘をつれてちょっとした商店街にでかけ、自分の着物を売った金で娘がほしがっていた裁縫箱を買ってやり、めったに食べられない素うどんをふたりしてすするのだった。 【著者】 壺井栄 香川県小豆郡坂手村(現内海町坂手)生まれ。 坂手郵便局や役場勤務後、同郷の壺井繁治を頼り1925年に上京。以後東京。 1941(昭和16年)『暦』が第4回新潮社文芸賞を受賞。 1955(昭和30年)『風』で第7回女流文学者賞を受賞。 『母のない子と子のない母と』で第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞。 1954(昭和29年)映画「二十四の瞳」(木下恵介監督、高峰秀子主演)が公開され、全国的ヒットとなり、小豆島と壺井栄の名が一躍クローズアップされる。 -
罠を跳び越える女
【矢田津世子】女性視点から書かれており、まさに女流作家と呼ばれるにふさわしい。川端康成から女優になるように勧められたほどの美貌の持ち主。文章力を兼ね備えた女流作家として人気を集めた。坂口安吾の恋人とされる。「茶粥の記」亭主に先立たれた妻と姑。亡夫は食通で通っていたが、ご馳走はほとんど食べたことがなかった。郷里への途中寄った温泉宿でこれからの姑との暮らしを思いやる。「凍雲」一度は結婚したものの親の反対で引き裂かれた夫婦。しかしお腹には赤ん坊が。何とか親を説得しようとする二人だが……。「反逆」夫に死別したお松は貧困で食うや食わずの生活だった。それを助けたのは教会の神父。しかしそれは単に利用されただけであった。しかしお松は娘の病気が神の奇跡で治ることを信じて……。「罠を跳び越える女」槙子は銀行の事務員。しかしある活動をしていた。それが上司にバレて勤めをエサに説得されるが……。たくましくしたたかに生きていく女性を描いた作品。文壇デビュー作。短編四本を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
旅役者の妻より
【矢田津世子】女性視点から書かれており、まさに女流作家と呼ばれるにふさわしい。川端康成から女優になるように勧められたほどの美貌の持ち主。文章力を兼ね備えた女流作家として人気を集めた。坂口安吾の恋人とされる。女中奉公のぎんは42歳。器量が悪いが愛想がよく働き者である。質素に暮らして他人を疑うこともないので金の無心をされても工面してしまう。「鴻ノ巣女房」。旅役者に惚れて一緒になったが、親からは勘当され戻る家も無い。病気や貧乏から親兄弟に無心せざるを得ない女の悲哀「旅役者の妻より」。妻を亡くし、愛人だった女を家に迎え入れた父。家族の複雑な心情をつづった作品「父」。三本を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
蜘蛛の藤兵衛
蜘蛛の巣編みの達人である独身中年蜘蛛の藤兵衛の下に、ある日伝助と名乗る若蜘蛛が訪ねてきた。弟子入りを志願する伝助は、実は藤兵衛の奥義である「六角亀甲紋」の編み方を盗みに来たスパイだった。縄張りを移動し生計を立てる二匹は、旅の途中で様々なトラブルに見舞われる。カマキリ、キイロスズメバチ、セアカコケグモと次々と強力な敵達が藤兵衛と伝助の前に立ちふさがるが、二匹は知恵を使い、トラブルを乗り越えていった。旅を続けるにつれ二匹の絆は深まっていった。別れた妻と娘の情報を手に入れた藤兵衛と、スパイであり弟子である立場の狭間で悩む伝助。旅の末に二匹に待ち受ける結末とは? -
バーゼン・マターシュ―雨上がり―
ダグルア星の裕福な家庭に生まれ育ったウンジェールは、治療を重ねるうちに主治医のジャヴァードイルハムに恋心を覚え始めていた。しかし、ジャヴァードイルハムは“マスター”と呼ばれるウンジェール一族の所有者に背くことができない。ウンジェールは泣く泣くマスターが決めた婚約者と結婚することに。しかし星を挙げての結婚パレードの最中、目の前にジャヴァードイルハムが現れる。さらに、マスターが差し向けた追っ手の影が迫り……。ウンジェールとジャヴァードイルハムは二体のロボットの応援のもと、地球を目指してダグルア星を飛び出した!ロボットに追われる二人は、無事に地球にたどり着くことができるのか!? -
女委
鵜飼見習いの太助は偶然立ち寄った村が兵士達に襲われているのを見つけ、村の小作人・おりんを助け小さな洞穴に逃げ込む。おりんは三十路を過ぎても子供ができず、亭主に「石女≪うまずめ≫」と罵られ捨てられたばかりだった。 真っ暗で狭い穴の中、女性に触れたことのなかった太助は、おりんと密着せざるを得ず…… -
まちあい
31歳、独身女のハルは、自分の現状に迷いを抱いていた。仕事は楽しいがキャリアアップの見込みは無し。三年間不倫交際している間山修との将来は望めず、気持ちは冷めつつある状態。人前で弱音を吐くのを嫌うハルが、素の顔を晒せる相手は、幼なじみの美容師・アキだけ。 ある日、地元雑誌にアキの紹介記事が載っていることを知ったハルは、同じ立ち位置にいたはずのアキに差をつけられたような焦りを覚える。 そんな中、修から「会いたい」という連絡が入る。今の気持ちを確かめるために、ハルは修との待ち合わせ場所に向かう。 -
タマさん、拾いました。
三十一歳、結婚に少々焦りの出てきた香澄が目覚めるとベッドに見知らぬ美貌の男性が。酔うと拾い物をする癖のある香澄が拾ってきたのは本名も素性もわからない歳下の男。 タマと名乗って捨て猫や捨て犬達と一緒に香澄の家に住み着く勢い。 普通の人が知っている事を何も知らない「タマさん」はどうやらすごい人らしいけど…… 独身女性と歳下の男性と動物達の普通じゃないのにゆるやかな日常は? -
いのち短しサブカれ乙女。
お母さん、サブカルって知ってますか? そうです。わたしの周りにいる寮生みんなが、サブカルな乙女たちでした。場所は世田谷、住まうは女子寮。北海道から出てきたわたしの初めての友達である、隣人のノアちゃんは『サブカル上級者』だった。偏愛と偏見と偏重があるが、サブカルに対する愛は誰にも負けず、広く深い。そして、とっても可愛い。ベレー帽がとくに。リア充さんやサブカル糞野郎さん?を押しのけて、わたしは今日もノアちゃんとヴィレヴァン探検に向かうのだった。ビバ、わたしのシモキタサブカルチャーライフ。 -
武生ちゃんのひまわり
武生35歳と純25歳は、義理の兄弟。高円寺の一軒家にふたりで住んでいる。武生は、純の母親・清美の再婚相手の連れ子だった。清美は、「人生は短いの。“愉しい”を優先させなさい」が口癖で、あっという間に再婚相手が病死した後も世間体など気にせず、恋愛にも性にも奔放に生きていた。その影響からか、ゲイの純は多くの男との気ままなセックスを日々愉しんでいるが、彼氏は作らない主義を通している。一方の武生は高校時代に電車に乗れなくなって引きこもりになり、アルバイトをしても長続きせず、新宿二丁目のバーで働く純の稼ぎで暮す…。それでもふたりが幸せなのは、“愉しい”をすべてに優先させて生きているからだった。血のつながりがなくても、強い絆で結ばれ、毎日を愉しく生きる兄弟の物語。 -
OUR HOUSE
東京のとある町で暮らす伴一家。中学一年生の長女・桜子は、半年前に母親が病気で他界してから、一家の家事全般を引き受けている。自分が家族を仕切らなければ……という責任感ゆえだった。そんなある日、父・奏太が、交際0日で結婚したというアメリカ人女性・アリスを連れて帰国する。母が亡くなって間もない時期にやってきた新しい母親を認めることができない桜子は、アリス追い出し作戦を展開。家族を巻き込み、様々なバトルを仕掛けていく……。芦田愛菜演じる桜子、シャーロット演じるアリスが激しくぶつかり合い、笑って泣ける仁義なき戦いを繰り広げながら、家族のあふれる愛情を惜しみなく描いていく本作。野島脚本独特の、緻密に練り込まれたストーリーや世界観、そして、主演のふたりによるセリフの応酬が楽しいドラマが、小説で蘇る! -
ラヴソング
かつてミュージシャンとして活躍していた神代広平は、自らの才能に限界を感じ、音楽業界を離れてしまう。それから20年が経ち、臨床心理士として過ごしていた神代だったが、音楽への情熱を断ち切ることはできずにいた。そんな神代の前に、コンプレックスを抱え苦しんでいる孤独な女性・佐野さくらが現れる。彼女の“天賦の歌声"に惹かれた神代は、再び音楽と向き合い、モノトーンだった人生が、少しずつ色づき始めていく……。 -
カレドニアン・ローズ
カレドニア(スコットランド)に隠された中世の秘密を日本人商社マンが解く おとぼけの日本人と才色兼備の英国人が珍妙な道中をしながらスコットランドの古城、謎を解こうとするが。。。 【目次】 プロローグ 一章 クライ・オブ・ザ・ナイト 二章 謎へのリンク 三章 エディンバラを探せ 四章 王家の秘密とストラスモア・キングホーン伯爵家 五章 スターリング城とロバート・ブルース 六章 ブレア城と私兵団 七章 カローデン古戦場とテンプル騎士団 八章 秘密の守護者 エピローグ 【著者】 雄多圭佑 小説二作目。金融関係で英国をたびたび訪問。スコットランドを訪れた際に本作のヒントを得る。 -
義娘の尻ぼくろ
同居の義父に覗かれていることを知りながら、夜な夜な激しく悶える紗理奈。夫の目を盗んで義父が少しずつ迫ってくるのを拒みつつも、夫とは違うテクニックに快感を覚える彼女は体を開き始め、ついに最後の一線を越えてしまう。後悔にかられる紗理奈だったが、夫の出張先での浮気や父子でハウスキーパーと長年関係していたことを知り……。
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