奥田英朗作品一覧
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4.5大正15年の年の瀬、12月25日の午前1時過ぎ、陸軍省軍務局の少佐・竹田耕三のもとに、待ちに待った男子が誕生した。志郎と名付けられた子供は、その後、親である耕三と共に満州事変の調査の密命のため、不穏な空気の立ち込める中国大陸へ渡る。 一方そのころ北陸・金沢では、侠客一家・矢野辰一が、敵対する一家に落とし前をつけるため、組長宅に乗り込んだ。帰宅した矢野が目にしたのは、預かっていた哀れな女工の出産と、母親の死だった。矢野は生まれてきた孤児を四郎と名付け、自分の手元で育てることにする。 ところ変わって、東京神保町の出版社で進歩的な雑誌「群青」の編集者として働く森村タキは、社会運動家の夫との間に女の子を出産。イプセンの「人形の家」の主人公にあやかり、ノラと名付けたその子を、身勝手な夫と別れたあとシングルマザーとして育てていくことを決意する。 さらに、中国は大連のジャズマン・五十嵐譲二は、ジャズ楽団の年越しパーティの最中に生まれた子供を満と名付け、満と共に、開戦後の中国大陸を転々としながら、なんとか興業を続けていく。 大正天皇が崩御し、昭和天皇が即位した激動の瞬間に生まれた子供たちは、時代やそれぞれの親の影響を受けながら、政治、裏社会、婦人活動、興業と全く異なる世界で成長をし、数奇な出会いと別れを繰り返すなどしながら、戦争の時代から終戦を経て、高度経済成長期の昭和日本を精いっぱい生きていく。 昭和100年、戦後80年に生まれる、壮大な昭和史サーガ三部作。第一部は、親世代の視点を中心に、大正天皇の崩御から太平洋戦争開戦までを描く。
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3.8
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-平穏な日々が、暗転する――その幸福は、本物ですか? 奥田英朗、初期の傑作にして大藪春彦賞受賞作! ほんの小さなきっかけから追い詰められてゆく人たち。 どうして自分が、こんな目に。 ドアホンを手に取ると「警察です」という 男の低い声が恭子の耳に飛び込んだ。 心臓が早鐘を打つ。ドアホンを置く手が小さく震えた。 怖がることなんか何もない。 うちは貧乏でも金持ちでもない平凡な家庭なのだ。 何も起こるわけがないじゃないか。 (本文より) 妻を事故で亡くして以来、不眠に悩まされている刑事、九野。スーパーのレジ係として働きながら子育て中の主婦、恭子。華やかではないが平穏な二人の日常が、ある事件を機に交錯し始める――。小さなほころびがいつの間にか取り返しのつかない事態へと発展する、人生のもろさ、人の危うさを描いた著者初期の傑作! 奥田英朗は、新人の頃から凄い!
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4.5
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4.2
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3.4
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3.6人の数だけ、恋の形はある。 奥田英朗、荻原浩、原田マハ、窪美澄という実力派の直木賞・山本賞作家に、新鋭の中江有里を加えた、豪華執筆陣によるアンソロジー。テーマは“恋愛”。 28歳の彩子は、付き合って3年の恋人が相談もなく会社を辞めたことにショックを受ける。女友達は条件のいい男を紹介してくれ、彩子は恋人との別れを考え始めるが……。(奥田英朗「あなたが大好き」) 16歳の僕は、夏を海で過ごすためにばあちゃんの家に来た。夕暮れの砂浜で、その人は子守歌を歌っていた。……とても悲しそうな声で。(窪美澄「銀紙色のアンタレス」) 1969年、中学生だった僕と彼女は50年後に一緒に宇宙に行く約束をした。その年まであと4年のいま、彼女は病院のベッドの上にいる。(荻原浩「アポロ11号はまだ飛んでいるか」) 生まれも育ちも京都の善田は、半年前に妻を亡くし、会社を追われ、タクシー運転手となった。ある日、ボストンから来た老婦人をタクシーに乗せ京都を案内することに……。 (原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」) 両親が離婚したミサトは、クラブを経営する母親行きつけの美容院のシャンプーボーイと、偶然海の家で会うが……。(中江有里「シャンプー」) 人の心が織り成す、甘くせつない物語を集めました。
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3.9