funkycongaさんのレビュー一覧
レビュアー
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魂を燃やすもの
男はいくつになっても子供だと言う。そして四十歳を過ぎてそれは本当だと思う、少なくとも僕に関しては。
ヒーロー願望、ピーターパンシンドローム、そんな言葉で語られることもあるが、自分しかできない、自分の存在意義である何かに全身全霊で没頭したい、そんな黒くて熱い欲望が心の底にある。
この作品はそんな想いを束の間叶えてくれる物語だ。
自分の信じるもののために、自分の愛するもののために全てを懸ける。年齢も立場も違う仲間と魂で繋がり背中を預け支え合う。
自分には到底できやしない、現実的じゃない、理性と経験が冷たい言葉を投げかけてくるが、それに負けない炎を灯してくれる、そんな熱い物語です。
とても面白い。
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ネットゲームのトップランカーが何故かそのネットゲームの世界に入ってしまう・・・というまあ入り口はよくあるパターン。
ただその先の設定がスパイスが効いている。主人公はかつて封印された最強の力を持つ大悪人(魔王、というわけでないとこもミソ)。NPCだったはずの従者を従え、強大な力を持つかつての部下たちを探しに出かける。その道程でゲームとしてプレイしていたときとの差異、時間軸のズレ、ゲームのプレイヤーであるはずの自己と主人公ルファスとしての自己のズレに翻弄されていく。
一見よくある転生モノのようでありながら簡単に既存のファンタジー世界観をなぞるのではなく、細かな違いの積み重ねによる確固と...続きを読む -
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EDENの刺客CAT登場
EDENからの刺客CATが登場。既に主人公達のすぐ側に潜むFOXからの指示で鳥男達をあぶり出す為、活動を始める。
それに対抗していくうちに鳥部の中から能力に目覚める第二第三のメンバーが現れる。
。。。とまぁざっくりまとめると王道中の王道ストーリー。でもそれを面白く見せるのが作者の実力とオリジナリティだよね。CATはすげえ分かりやすいキャラだけどちゃんと可愛くてキュンキュンする。鳥部メンバーが目覚めるファーストアビリティもちょっと変化球で面白い。
あと個人的に白眉なのはフェアリーと烏丸の成長! 前回登場時はウザいだけだったフェアリーが、根性見せてFOXと対等に渡り合いプロの仕事をこなすところ良い...続きを読む -
ハカセ登場
戦隊モノのハカセ役、龍目教授が登場。
知的好奇心が強くその為に社会のルールとか忘れがちな、基本的には典型的なキャラ。彼の登場のおかげで物語の科学的バックボーンが補強され、ストーリーに深みが加わっていく。
でもなー、連載誌が少年サンデーだったからなー。オッサンの俺には面白かったし興味深かったけど、十代の読者は食いつき悪かったかもしれないなー。内容的にちょっと難しい。
それ以外の要素としては鳥部が活動を拡大して、五人が鳥男としての能力開発やそれぞれの家族関係などの情報が出てきて、五人の絆が深まっていく。
ストーリー的な進展は小さいけどこういう巻好き。登場人物達が色々新しいことに挑戦したり挫折したり...続きを読む -
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パラレルワールド
大沢在昌さんの名作「冬の狩人」を元にした作品。原作とは結構あちこち違っていてコミカライズと言うよりは、パラレルワールド的な感じ。
絵は女性漫画家らしい透明感がある。そんで男キャラがとにかく男前。特に雪人と宮本! ほんのりBLのかほりもする気がするが。。。
あと女性キャラが原作より主張してる。原作は杏がちょっと動くくらいで他の女性キャラは影が薄かったけど(宮本の妻ですらろくに描写なかったし)、今作では結構ハキハキ動きます。
単体としてもよく出来ていて原作を先に読んでいても楽しめるし、色々どこが変わっているか比べてみるのも楽しい。
個人的には大沢作品が大好きなので、女性から見るとこう見える...続きを読む