あらすじ
長瀬智也主演で大反響を巻き起こしたドラマ『フラジャイル』。その原作漫画の最新刊!主人公の岸は病理医。病理医とは、直接患者と会うことなく病気の原因を調べ診断を下す医者だ。同僚の医師は彼についてこう語る。「強烈な変人だが、極めて優秀だ」と。風邪をひいた岸に代わり、難しい診断を任された新米病理医・宮崎。患者の命を背負う重責に、はじめて単身向き合うことに。宮崎の下す診断は、果たして!?
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Posted by ブクログ
指揮者のお父さんをめぐる治療と病院経営コンサル窪の暗躍の巻。結局、窪は効率的に病院が回って、各医師が効率的に患者を見れればみんなのためになると思いながら、医師が各患者と向き合うところまで想像できていなかった‥という点を最初から岸先生に見抜かれていたということ。
宮崎先生への岸・中熊先生の愛のムチ炸裂。
確かに、いつになったら自信を持てるかというのは医師に限らず社会人あるあるな気がする。ただ一般的な仕事と違って他人の命を預かるという、ミスができないプレッシャーはどう自分に納得させるかが難しそう。
責任
一部ご紹介します。
・「なんで患者が死んだ後のことまで、医者がフォローしなくちゃならないんですか?
なんで家族の面倒まで見なきゃいけないんですか?一銭にもならないんです。今の制度下では医者の仕事じゃないってことですよ」
・「医者の仕事の半分は、無事に旅立たせることですよ。僕の仕事です」
・「プレッシャーにビビって退いちゃう病理医なんてゴミでしょ」
「…それは結局、病理医が自分に負けてるってことだ。患者もそんな病理医に命預けたくねえよ」
独り立ち
音楽&コンサル窪田編完結。
すごくいい話。お金もすごく大事だけど粛々と己の仕事をこなす岸がかっこいい。毎日の仕事を誠実にこなすことが一番強い。
宮崎の話もすごくいい。病理医ってきっついなー。他科ならチームワークだから上司同僚の意見も求められるし一人で全部背負わなくていいけど、病理医は一人なんだもんね。宮崎頑張れ超頑張れ。
Posted by ブクログ
これもまあ、鉄板の出来です。コンサルタントは徹底的に嫌な奴にするのかと思いきや、ちょっとずつ柔軟になってくるんですね。ってか、彼が折れなきゃ物語が終わってしまうか。そうですね、やっぱり直接現場に立って、患者さんとじかに接しないと見えてこないことばかりですよね。
Posted by ブクログ
泣いた、また。。。
救うだけが、医者の仕事じゃないって、
医者のとらえ方は、さまざまだろうし、いろんな医者がいると思うけど、
もしも自分が、もう、死が迫るような病気なら、
こんなひとに、診てもらいたいと…。
そういう思いを抱くのは私だけじゃないだろう。
「送り出す」ことも、医者の仕事だと、そう思っている医者に、診てもらいたいんじゃないかな。後に残る家族のために。
Posted by ブクログ
病気の指揮者の娘さんの葛藤、病院の経営者の苦悩、岸先生が休みの時の宮崎さんの苦悩、納得いかない診断に対する岸先生の行動
キャラクターの個性と著者が伝えたい事が混ざり合い、今巻もじっくり読めました。
コンサル編完結。
岸先生の医師の仕事に対する考え方、取り組み方がよくわかった。粛々と仕事に取り組むキャラクターは職業が何であれ格好いい。宮崎先生の成長譚も面白かった。
Posted by ブクログ
読むのに体力が必要だがそれだけの価値がある。とんでもなく頭の良い人たちが寄ってたかっても如何ともしがたい人体という魔境。その探究には葛藤があり妥協があり、しかるに科学的である。医師を魔術師に、診断を神託にしないために読んでおくべき作品。