ブックライブの書店員おすすめレビュー

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  • 舞台は「竜神戦隊ドラゴンキーパー」と「悪の怪人軍団」が毎週日曜日に戦いを繰り広げている世界。
    その戦いは高い志を持って行われるものではなく、ヒーロー側と戦闘員「ダスター」との間で交わされた協定によって行われる「やらせ」の戦闘だったのです。

    主人公である戦闘員Dは惰性のように行われる戦闘に懐疑的。
    「自分たちの使命は世界征服だ!」と熱く夢を語る戦闘員Dに対し、他の仲間たちは「意識高い」と笑いものにします。
    割り切れと諭されるも納得できないDは
    「黙ってやられる役はもう ごめんだ」
    と、立ち向かうことを決意するのです。

    戦闘員は、「死なない」「自分の姿を思い描いた姿に再構築できる」といった特殊能力があります。
    戦闘員Dはその能力を活かし、人間に擬態しドラゴンキーパーの本拠地で大戦隊の戦隊員として潜り込み、ドラゴンキーパーを倒すことを目論みますが…。

    この作品の中で描かれているヒーロー・ドラゴンキーパー達はお世辞にも正義感が強い、みんなが憧れるようなヒーローではありません。
    そのため、ヒーローがカッコよく活躍する物語ではありません。
    かといってアンチヒーローものでもありません。
    では一体何なのか…。

    役割をこなすことの大切さや難しさを描きつつも、ひとりのモブがモブであることを辞めて自分の人生を歩もうと足掻く物語ではないでしょうか。

    春場ねぎ先生といえば、『五等分の花嫁』のラブコメを思い浮かべる方も多いのでは?
    ですが『戦隊大失格』で描かれる世界はラブコメとは大きく異なります。
    それに戸惑われる方も多いのではないでしょうか。

    ですが、強者であるドラゴンキーパーに役割を強制される戦闘員達の姿には、自分を投影できる方も多いのでは?
    現実世界で納得いかなくてもなんとなくこなしている役割があったりしませんか?
    その役割、ちゃんとこなせていますか?
    日常で「しょうがない」と割り切っていることが多い方、役割をこなせているか不安に思う方に是非読んでいただきたいです。

    モブでしかなかった戦闘員Dが今後どうなるのか?
    悪役である戦闘員Dは真の悪役になれるのか!?
    春場ねぎ先生の描く新しい物語に注目してください!

    2022年07月20日
  • 本編とどう違うの!?と思った方…私も同じ思いで読み始めました。
    が、期待以上のギャグマンガでした…。
    原作が怖くて読んでいない方も、原作ファンの方も楽しめる作品になっています!!

    松本光司先生が描く「彼岸島シリーズ」は
    『彼岸島』
    『彼岸島 兄貴編』
    『彼岸島 最後の47日間』
    『彼岸島 48日後…』
    と、今も続く人気作品。

    主人公の宮本明は行方不明になった兄・篤を探すため彼岸島に渡りますが、そこは雅という鬼によって吸血鬼にされた人間が跋扈する島でした。
    明たち「人間軍」と、雅率いる「吸血鬼軍」、人類滅亡をかけた戦いを行う。というのが本編のストーリーですが、今回の『彼、岸島』は、そのシリーズに登場するモブキャラが主人公というスピンオフ作品です。

    今回の主人公は、吸血鬼に対抗する対抗組織に所属している岸島(きしじま)。
    戦いの現場で岸島の目がたまたま充血していたため吸血鬼と間違われ(吸血鬼は目が赤黒いという設定です)殺されそうになったところ、逃げた先で出会った吸血鬼にも仲間と思われてしまい、吸血鬼の一員として戦いを見守ることに…。

    この『彼、岸島』は本編『彼岸島』でいうところの18巻に収録されている教会のシーンから始まりますが、本編のあの謎のシーンにはこんな経緯があったのか!!と、衝撃を受けました。
    『彼、岸島』の特徴として、本編のどの巻にまつわるシーンに繋がるのかが記載されており、本編を読んでいる方は楽しさ倍増!という仕掛けがされているのです。

    本編だと当たり前のように進んでいく物語ですが、主人公の明や雅の行動、周りのキャラにツッコミたくなった方は多いはず。
    心の中で入れていたツッコミを岸島が言ってくれるので、「そうそう!そこ可笑しいよね!」と素直に笑うことができるのです!!
    また、人間でありながら吸血鬼に勘違いされてしまう岸島の不遇さも、可愛そうですが思わず笑ってしまいます。

    スピンオフを描いているのは佐世保太郎先生ですが、松本光司先生の独特な絵のタッチを見事に再現しています。
    是非『彼岸島』本編と照らし合わせて読んでみてください!!

    2022年07月20日
  • 昨今「絵画」に関するマンガの人気が高まっている中、新たな「絵画」物語の登場です!!

    かつては神童と言われていたものの、才能の限界を感じ日本画家への夢を諦めた荻原(おぎはら)あかり。
    彼女はある日海で自殺をしようとしていた男と遭遇します。

    本名も素性も解らない男は臣(おみ)と名乗り、あかりが家にしまい込んでいたかつての絵画や絵の道具を発見し、天才的な絵を描いてみせます。
    そして、その絵をあかりの名前で売りに出して金にしろと持ちかけるのです…!!

    臣の絵はあまりに衝撃で、「あの絵を描くのは自分であってほしかった」とあかりに思わせるほどでした。
    悔しさもあり、認めたくない気持ちもあったあかりは、ギャラリーに自分の作品として男の絵を持ち込みます。
    「売れなければ(評価されなければ)いい」という思いとは裏腹にすぐさま買い手がつき、評価されることに…。
    今まで何百枚と描いても認められなかったあかりは、その事実に複雑な気持ちになるのです。

    絶対的な才能の前に凡人が打ちひしがれる物語や、天才と一緒にいることで磨かれる物語は数多くありますが、この物語はそれらとは若干違っています。
    才能の開花・嫉妬も描かれるのですが、ゴースト画家となってしまったあかりは今後どうするのか…そもそも謎の男の正体は…!?というサスペンス要素が強いのです。

    何者かになりたくてもなれなかったあかり。
    何者でもないものになろうとする臣。

    2022年07月20日
  • 『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平最新作は、ワケアリ者を弁護する悪徳弁護士の物語!!

    「ウシジマくん」は闇金を通じて半グレやヤクザなどアウトローを描いた物語でしたが、今作もアウトローな人間が多数出てくる物語です。

    主人公・九条間人(くじょう たいざ)は、腕利きの弁護士。
    ですが作中の「いい弁護士は性格が悪い。」という言葉とおり、弁護士の姿勢としては受け入れがたい部分があります。
    何故なら、思想信条がなく、法律と道徳は分けて考えることをポリシーとしており、道徳上許しがたいことでも依頼者を擁護するのです。

    最初のエピソードは、飲酒運転に加えスマホゲームによるよそ見運転で父親と5歳の子供を車で跳ねてしまった事件。
    父親は死亡、息子は片足切断という事態に…。
    それに対し九条は犯人の男にアルコールを抜いてから出頭し何もしゃべるなと指示を出します。
    犯人は指示通り20日間黙秘を貫き証拠不十分で釈放され、裁判でも執行猶予付きで実刑なしという判決を勝ち取るのです。
    被害者の立場を考えると胸糞悪いと言える結末です。

    弁護士としては加害者よりも被害者を擁護した方がお金になるのに、悪評が付いて回るのも気にせず加害者側を擁護する九条。
    お金のためではなく別の信条があることが窺えます。
    九条はある意味ダークヒーローと言えるのではないでしょうか。

    世の中の話題性のあるテーマを取り上げたり、後味がザリっとするような物語はさすがの一言。
    九条の淡々と話しを進める様は、ウシジマくんに通じるところがあります。

    連載当初ウシジマくんは客観的視点を持ったキャラクターで事件の中心ではなかったですが、次第に物語の中心となっていきました。
    九条も現在は客観的なポジションで事件と関わっていますが、今後その立場がどう変化していくのか気になるところです。

    個人的に注目しているのが、烏丸真司(からすま しんじ)という九条の下で働くイソベンと呼ばれる「居候弁護士」です。
    烏丸はエリートであり、もっと好条件な環境で働けるにも関わらず、面白いからという理由で九条の下にいるのです。
    九条は代わりものですが、烏丸も相当変わり者と言えます。

    今後、九条と烏丸がどう物語の主軸になっていくのか楽しみです。
    また昨今起きている事件が、この物語で取り扱われるかもしれない…!!という部分でも注目です。

    2022年07月20日
  • 夢を諦めてしまった人、夢を諦めきれない人へ、心をアツくする物語!!

    怪獣発生率が世界屈指の日本。
    怪獣を討伐するために組織された防衛隊は、憧れの的でした。
    害獣専門清掃業として働く日比野カフカも、かつては防衛隊員を目指していたひとり。
    ですが、厳しい現実を前にいつの日か夢を諦めてしまったのでした。

    そんな時カフカの仕事先に新しく入ったバイト・市川レノもまた防衛隊員を目指していたのです。
    夢を諦めてしまったカフカに対し冷たい言葉をかけるレノ。
    しかしそんなカフカはめげずに、目の前の仕事を一生懸命に挑みます。
    そんな男気あるカフカの姿を見て、レノは心を動かされ防衛隊の募集年齢が引き上げられカフカも受験資格がある事を教えてあげるのです。

    そんな矢先に、怪獣に襲われる二人。
    なんとか助かるものの、謎の生物によってカフカは怪獣となってしまったのです!!
    怪獣を倒す防衛隊員を目指していたはずが、駆除される側になってしまったカフカ…。
    このまま彼は防衛隊員になれるのでしょうか…!?

    夢破れた男が新たな力を手に入れ、再度夢を掴もうとする。ある種王道の少年マンガ展開ですが、主人公が32歳のおじさんという所が斬新です。
    若者だけが夢や希望、可能性に溢れているわけではないという部分が、新しい少年マンガの道を切り開いたと言えます。
    何歳になっても夢を見ることは大切であると思わせてくれ、子供だけではなく大人も心を掴まれるのではないでしょうか。

    「怪獣8号」と命名されたカフカの見た目は、かなりダークなフォルムになっています。
    物語も怪獣によって町が破壊され犠牲が出たりと重い展開ですが、カフカのおちゃらけた性格のおかげで全体的にコミカルになっています。
    悲しい物語や重い展開は読むのが辛い…という方でもスイスイ読めるのではないでしょうか。

    怪獣と言えば「ゴジラ」や「ウルトラ怪獣」など、日本には怪獣文化が根付いていると言えます。
    この物語はそんな怪獣大国日本の新たな怪獣マンガと言えるのではないでしょうか。

    2022年07月20日
  • 可愛い男子が好きな女子必見!!
    200mの近距離で巻き起こるトライアングルラブ!!

    28歳、独身、彼氏ナシな主人公・吉家紬(きっか つむぐ)。
    彼女は両親が残してくれたタワーマンションで一人暮らしをし、在宅で和裁の仕事をしています。
    そんな彼女に仕事を回すのは、紬の高校時代の初体験相手・真霜知哲(ましも ちてつ)。
    真霜との初体験のせいで男性のヘタレ部分にときめくようになってしまった紬は、同じマンションに住む平良連太郎(ひらら れんたろう)が気になるように…。

    描くのは『菜の花の彼―ナノカノカレ― 』で重い愛のトライアングルラブを描いた桃森ミヨシ先生。
    今作では『菜の花の彼―ナノカノカレ― 』とは違い、軽快な物語展開となっています。

    初体験の1件以来10年間離れていた真霜ですが、紬の事を細かく気に留めており、いまだに紬のことが好きなのでは!?と匂わせる描写があったり、
    紬はそんな真霜の気持ちには気付かず、ヘタレ感が満載の年上男子・平良に積極的にいこうとします…。
    1巻で既に今後のトライアングル展開を予感させるシーンが散りばめられております。

    桃森ミヨシ先生の描く男性はとにかく色気が凄いです。
    照れた表情や憂いがちな表情…。
    思わずドキっとしてしまいます。

    女子と2人の男子の恋。
    今後どう展開するのか注目です!!

    2022年07月20日
  • 些細な事でむしゃくしゃする事ってありませんが?
    そんな時にも読めば人に優しくしたくなるマンガです。

    深夜のコンビニバイトのベテラン店員の島さん。
    彼はどこにでもいそうな、ちょっと頼りなさもある白髪頭のおじさんです。
    ですが、実はワケあり…。
    その背中一面には昇り龍の入れ墨が刻まれていたのです。

    恐らくは何かしらの過去があり、ヤクザ業から足を洗いカタギの世界に戻ってきたのではないでしょうか。
    でも、島さんはそんなことを周りに匂わせたりはしません。

    1話目からとても印象的でした。
    深夜にタバコを買いに来た若者に対し年齢確認をした若手の後輩バイト君が因縁をつけられた際、島さんは一瞬でボスポジションの人間を見抜きました。
    彼は過去の経験から、一番静かにしていた人間をボスだと見抜いたのです。
    そして言葉を荒げることもなく、「お願い」をすることでその場を治めました。

    彼は「元ヤクザ」ではなく、あくまで普通のおじさんとして実直に、誠実に人と仕事に向き合っているのです。
    その姿に、思わず状況に流されそうになったりする自分が恥かしくなります。

    島さんの優しさは恩着せがましくなく、とても些細なことだったりします。
    しかし、その些細な優しさに救われるのです。

    島さんの過去に一体何があったのか…非常に気になるところです。
    元ヤクザである事を活かした物語や、島さんの過去も今後描かれるのか…!?
    続きが気になります!!

    ギスギスした世の中に疲れたら是非、『島さん』を読んで優しい気持ちになってください。

    2022年07月20日
  • 時は大正。
    他人の心の声が聞こえる京極一成は、その能力を活かして商社を経営し敏腕社長と言われています。
    しかしその能力のせいで人の裏表を見せつけられること も多く、人を信じることができなくなっていました。

    一成は、資産と人脈目当てに大地主の諏訪部家と縁談を結ぼうとするのですが、相手の令嬢は声を出して話すことができませんでした。
    しかし一成は、心の声だけ聞いていれば良いのでむしろ楽なのでは!?と考えて縁談を進めようとするのですが、実際に会ったななからは何の音も聞こえてこなかったのです。

    戸惑う一成は色々な手段でななの心の声を聞こうとしますが、どうしても彼女の心の声は聞こえません。
    心の声が聞こえないと、嘘にも裏切りにも気づけない。そうなると夫婦生活を送るのは難しいと、一旦は婚約破棄をしようと思うのですが、諏訪部家でななが虐げられている姿を目撃し、思わず助け出してしまうのでした。

    しかし、ななは話すどころか文字を書くこともできないことが発覚します。
    唯一自分の名前は書けたのですが、それは「諏訪部 名無」というあまりにも衝撃的なものでした。
    ショックを受けた一成は、
    「粗末に扱われることを許すな 不幸に慣れるな 負けるな」
    と声をかけます。
    そして、「名無」ではなく「七名」という新しい名前を付けてあげたのです。

    勢いではじまった二人の生活ですが、実は七名にも秘密があり…。

    ある意味こじらせ男子の一成ですが、性根は優しいのだな…と思える部分が随所に感じられ、その不器用な優しさにきゅんが止まりません!
    七名の手を引いて連れ出すシーンなんて、まるで白馬の王子様のようですが、照れて赤くなっているのが可愛くてたまりません…!!
    声を出して会話することができず、文字での意思疎通もできず、心の声も聞こえない。八方塞がりでありながら、なんとか七名とコミュニケーションを取ろうとする一成。
    優しさ大洪水です。

    虐げられてきた女性がスパダリ要素のある男性と出会い幸せになる物語は、昨今人気のジャンルです。
    この物語も似た構造ではありますが、コミュニケーションを取れない二人がすれ違いながらもどう距離を詰めていくのかという部分にスポットが当たっており、一味違ったラブストーリーと言えます。

    今まで虐げられてきた七名ですが、一成と一緒にいることで少しでも心が癒えて幸せになって欲しい!!と願います。

    2022年07月20日
  • 動物実験などに対し過激な手段をとるテロ組織「動物解放同盟(ALA)」がカリフォルニア州の生物科学研究所を襲撃。
    そこにいた動物を解放している中で見つけたのが、出産間近のチンパンジーでした。
    運び出されたチンパンジーは無事出産をするのですが、驚くべきことに生まれた嬰児は人間とチンパンジーの交雑種「ヒューマンジー」だったのです。

    ヒューマンジーはチャーリーと名付けられ、チンパンジー研究の権威スタイン博士夫婦に引き取られます。
    成長したチャーリーは服を着て二足歩行をし言葉を話し、見た目はチンパンジーっぽさがありますが人間と変わらない生活を送っています。
    高校に通うことになったチャーリーですが、学校では注目の的で…。

    読み始めた最初は、人間を超えた生命体が生まれ人間を脅かす存在になる…といったSFかと思いました。
    しかしこの物語はそんな簡単な構造ではありませんでした。

    それを最初に感じたシーンが、チャーリーが学校で仲良くなった陰キャの優等生ルーシーとの会話です。
    「ヒューマンジーなのってどんな感じ?」
    というルーシーからの質問に対し、チャーリーは
    「人間なのってどんな感じ?」
    と聞き返すのです。

    ルーシーは無意識にチャーリーを人間ではない異物と考えて質問をしてしまったのです。
    正に「潜在的の差別意識」を比喩したシーンだと思います

    また、チャーリーと両親がヴィーガン(動物への搾取と残酷さを排除しようとする考え)である事に対し、スクールメイトがヴィーガンの平等性を揶揄しました。
    その際、チャーリーが平等について考えを述べるのですが、人間の考える「平等」とは異なる「平等」でした。
    それは人間第一主義からするとゾっとする考えだったのです。

    このように、この物語は随所で「差別」と「平等」を考えさせられます。

    そんなある日、町で爆発テロが起きます。
    犯人はチャーリーの産みの親のチンパンジーを解放したALAでした。
    彼らは人間だけを特別視せず、すべての動物の平等を目指し、反する人間に鉄槌をくだすことを知らしめるため、更に過激な手段を選んだのです。
    そんなALAは彼らの戦いにチャーリーを巻き込むことを画策します。

    「人間だけを特別にする理由はあるの?」と問うチャーリーの平等はALAの目指す平等と近しいような気がします。
    しかし、今まで両親としか接してきていなかったチャーリーが色々な人と出会い、多くの人間を観察することでどう変化していくのか…。

    最初はSFかと思いきや、中盤はヒューマンドラマ、後半に至ってはサスペンス要素があり、1巻だけでも充実感が凄いです!!
    序盤でこんなに面白くて、続きはどうなってしまうのか…。

    チャーリーが生まれた意味とは?
    ALAの戦争に巻き込まれてしまうのか?
    気になることがいっぱいです!

    2022年07月20日
  • 物語は、夏奈が自宅で夫・亮を殺してしまったところから始まります。

    生前の亮は、機嫌が悪い日にささいなことで暴力をふるったり、夏奈に対して人の心を持っていないかのような言葉を投げかけたりしてくる、悪魔のような人間でした。
    それに耐えきれなくなった夏奈は、夏祭りの夜に亮を電気コードで絞殺してしまったのです。

    殺人を犯してしまったのに妙に冷静な夏奈。
    前日冷蔵庫に入れ忘れて腐らせてしまった唐揚げと亮の死体とを同列に考えていたり、なんとも奇妙な感じです。

    他にも、倉庫にアイスクリームの業務用冷凍庫があることを思い出した彼女は、死体を運ぶのですがその時に放った
    「魂が抜けた分軽くなるなんてことはないのね…」
    という一言に、冷静でユーモラスすら感じさせる彼女にうすら寒さを感じました。

    おそらく、亮のDVから解放されたという喜び故なのかもしれません。
    彼女の
    「憎しみが愛に勝ったのだ。
    最後に愛は勝たないのだ。
    勝つのは憎しみなのだ。」
    というセリフは、ずっと耐えに耐えて限界を超えてしまった思いが詰まったセリフだと思います。

    しかし、そんな夏奈の解放感は1日で崩れ去ります。
    翌日朝食を作っているところに殺した夫が帰ってきたのです。

    混乱する夏奈。
    読んでいるこちらも大混乱です。

    「殺したつもりだけれども死んでいなかった?
    間違って赤の他人を殺してしまった?」
    色々な疑いが夏奈の頭の中を駆け巡りますが、間違いなく亮を殺したハズ。
    では目の前にいるのはなりすましの別人?と疑いますが、二人しか知らないような質問にも間違いなく答えてきます。
    更には、照れた時の癖も同じ。

    夏奈は冷凍庫を確認しに行きますが、そこにはちゃんと亮の死体が…。
    一体どういうことなのか!?
    訳がわかないまま、夏奈は覚悟するのです。
    「もう一度殺すしかない。」
    しかし殺すチャンスを伺っている内に、思う存分復讐したいという思いに駆られます。
    そこで思いついた方法は、生き返った亮に殺した亮を食べさせるという、おぞましいものでした…。

    ゾクっとする展開ですが、直接的な恐怖ではなく
    全体を通してうすら寒い、不穏な感じがべったりとへばりついている感じがします。

    人気小説サイト「エブリスタ」で話題となったラブ・サスペンスを、高良百先生がコミカライズした今作。
    高良百先生が描く夏奈の「目の表現」がとても印象的です。
    絶望と憂いと覚悟を含んだ夏奈の伏し目がちの表情は、背筋に冷たいものが走りました。

    一体何が起きているのか!?
    果たして生き返った亮は何者なのか、
    夏奈の復讐はどうなるのか!?

    是非読んでみてください。

    2022年07月20日
  • 葬儀屋の「通夜オプション」としてお通夜の間に話を聴く「聴き屋」として働く「夜」こと槙柊夜。
    彼は目覚めると夜の記憶を忘れてしまうのです。

    葬儀屋の物語と言えば、死者の声を聴く『ようこそ亡霊葬儀屋さん』がありますが、
    こちらは霊ではなく残された生者の声を聴き、その人の気持ちの整理をするキッカケを作ってくれます.


    『覆面系ノイズ』や『悩殺ジャンキー』の福山リョウコ先生が少女マンガ誌から飛び出し、ヤングアニマルZEROで連載をしている今作。
    ご本人曰く「生まれて初めて、進むために描いた漫画」ということですが、物語に出てくるどの依頼者も死者との間にあった後悔や未練を自分が先に進むために昇華しており、読んでいる側も前向きになることができます。

    死んだ父と残された娘の思い、
    友人の突然の死に言えなかった思いを抱く青年など。
    どの物語も、切ないながらも前向きになれます。

    依頼者ごとにオムニバス形式で物語が進んでいきますが、1巻の後半から柊夜が何故「夜」として「聴き屋」を営むことになったかが描かれます。
    キッカケは、葬儀がない日に依頼をしてくる「常連」神さんとの夜でした。
    神さんは「きみが全部忘れてくれるから話しやすい」と言います。
    確かに見知った人には言えなくても、赤の他人、しかも朝には忘れてしまう人が相手なら話しやすいでしょう。
    自分ひとりで抱えられない思いを、吐き出せたのならどれだけ楽になるか。
    きっと神さんも初回はそれで救われたのかもしれません。
    しかし、彼はリピーター。自分の話を聴いてもらうのではなく「きみの話を聴かせてくれ」と頼むのです。
    そして最後にこう言うのです。
    「自分より凄惨な別れを聴くと救われるから」

    全体的に摩訶不思議でほろりと泣ける心温まる物語かと思いきや、自分の隠している確信をついてくるこのセリフにハっとしました。
    残酷な一言ですが、世の中には自分より不幸な話を聴く事で自分はまだマシだ。と思うことはあります。
    とてもエゴイスティックなことですが、それで救われる人がいるのも事実です。

    柊夜に一体何が起きたのか。
    彼が夜を思い出せる日は来るのか!?
    不定期連載なのでスローペースでの刊行になるとのことですが、楽しみに次巻を待ちます!!

    2022年07月20日
  • 主人公の華音は、今は亡き有名なロッカーの娘。
    その声は特徴的で、学生時代に好きだった男子から「声がかわいくない。低くて変」と言われたことがトラウマになり、人前で声を出すことを恐れるようになってしまったのです。

    そんな彼女の元に突然父の知り合いだという男性が現れます。
    その人は活動休止してしまったLusterという有名なバンドのギタリスト・一星だったのです!!

    一星は華音の歌声に魅了され、一緒にバンドをやらないかと誘うのですが、普段の生活の中でも人前で声を発することができない華音は戸惑います。
    自分を変えたい…でも怖い…。
    その思いに揺れる彼女に対し、一星は「君の声が好きだよ」と声をかけるのです。

    「声」は目に見えないですし、絵で表現するのはとても難しいモチーフだと思います。
    ですがこの作品の中で華音の声は様々な表現をされています。
    先に述べたような「低くて変」といった表現や、同級生から「風邪声?」と聞かれるシーンから、なんとなくしゃがれ気味の声なのかな?と想像しました。
    ですが、一星はそんな華音の声を「花火みたいに鮮烈」と表現します。
    更には華音が歌うシーンから、きっとハスキーでロックが似合う声なのでは!?と、想像が膨らみます。
    (私はバービーボーイズの杏子さんのような声をイメージしました…)

    バンドを描いたマンガは数多くあり、名作も多数あります。
    この作品はバンド活動を描きつつも、自分のコンプレックスをどう乗り越えていくかがメインになっています。
    バンドマンガとして楽しむもよし、コンプレックスを克服していく様を楽しむもよし、恋愛マンガとして楽しむもよし。
    様々な楽しみ方ができると思います。
    物語の展開も早く、1巻の終りには…!!

    華音はコンプレックスだった声を武器に自分を変えることができるのか?
    続巻が楽しみです。

    あなたの中で聞こえる華音の声はどんな声ですか?
    是非「声」を受け取ってみてください。

    2022年07月20日
  • 父一人子一人で、大切に育ててきた娘を殺された父親。
    「犯人が捕まったとしても、娘はもう戻らない。」
    そう悲しみに暮れる男の前に改変者と名乗る少女が現れます。

    突然現れた少女は何故かロリっ娘で…。
    しかもテンション高めで、「え、ここで突然のギャグパート!?」と戸惑うくらい。
    状況にそぐわないハイテンションが不気味に感じます。
    改変者はいわゆる「この世界」を俯瞰で見るような存在なのだと思います。
    言い換えれば世界の異物と言えるかもしれません。
    それを表現するために、ハイテンションなロリっ娘というアンバランスな存在にしたのではないでしょうか。

    死んだ人間は戻らない。それが世界の法則です。
    ですが改変者が、死んだ娘が戻る法則に改変してしまうのです。

    罪を犯した人間を罰すれば、失われた人を取りもどすことができる。
    つまり、娘を殺めた人間を殺せば娘が生き返る。
    そういう世界に変わったのです。
    (ただし犯人が自殺や自然死してしまった場合は戻りません。)

    男は半信半疑ながらも犯人を捜し襲いかかります。
    殺されそうになった犯人が
    「犯人の心の闇とか生い立ちとか知りたくないですか?本を出版するから生きさせてください」と命乞いをするのですが、
    男は
    「それが何の役に立つんだ!?犯罪予防ができたり被害者が救われるのか!?」
    と冷めきった顔でとどめをさすのです…。
    そして、そこには生き返った娘の姿が…!!

    現代の犯罪と無関係な人の好奇心を皮肉った印象的なシーンです。

    しかし、ここでまた改変者から告げられるのです。
    「この法則は他者にも適用されます」

    つまり、この父親が誰かに殺されれば、娘を殺した犯人が生き返る。
    それを防ぐには、父親が自然死するか自殺するしかありません。
    娘を救った存在でありながらも、殺人者でもあるのです…。

    この事をキッカケに世界は大きく変化し、司法も改正され「蘇柱執行法」が制定されるのです。

    物語は、薬物中毒者に娘を殺された父親や、死刑反対派の家族、過去に殺人を犯した男など、様々な登場人物を中心にオムニバス形式で展開していきます。
    それぞれ状況や抱く思いが異なり、様々な視点を思い知らされます。

    この作品は、鬱マンガを描かせたら右に出るものがいない『なるたる』『ぼくらの』の鬼頭莫宏先生が原案を担当され、鬼頭イズムを継承したかのような繊細かつ丁寧(さらには萌えも!)な絵柄のカエデミノル先生が描いています。
    一見難解で重く思える物語を、先に述べた改変者や物語のテンポの良さでスルっと読ませる手腕はさすがのひと言に尽きます。

    私、この作品を読み終わった後、思わず小躍りしました。
    あまりに面白くて。
    私の大好きな鬼頭ワールドが読めて最高に嬉しいです。
    どの物語も、読んだあと心にズシンと残るものがあります。
    それはハッピーなのか、アンハッピーなのか…
    どちらとも言えない複雑な思いでした。

    読んだ後、みなさんの心に残る思いはどういったものでしょうか?
    是非その思いをじっくり味わってみてください。

    2022年07月20日
  • 可愛い洋服を着たいけれど、自分には似合わない…。
    そう思って諦めたことはありませんか?

    「あの娘みたいに可愛くなれたら…」

    そう思ってしまう自分のコンプレックスとどう向き合うか…。
    カワイイの呪いから解き放たれるための物語です!!

    主人公の宇佐美晶は、女の子に優しく、背が高くショートヘアなのもあり、どこから見てもイケメン…ですが、女子!!
    本当は巻き髪に甘めメイクにフリルの服を着たいと願う、乙女なのです。
    ですが、小さい頃フリルの服を着た晶を見た兄に「ゴリラの女装」と言われて以来、その願望を封じてきました。

    晶はある日、自分の理想を体現したかのようなロリータ女子と出会います。
    しかし、そのロリータ女子は…なんと男性だったのです!!
    ロリータ女子ならぬ男子の大神律との出会いにより、晶に変化が訪れます。

    晶にロリータ服のモデルをやってくれないかともちかける律ですが、
    用意されていたのはパンツスタイルの少年装であることに、
    「やはり自分は男の子役でしかない」と晶はショックを受けるのでした…。

    晶に謝るために男装姿で現れた律。
    彼は男子の服装である自分がどう見えるか?と問います。
    それに対し「似合っているし、可愛い」と答える晶。
    しかし律は、自分では「かっこいい」つもりであると言うのです。

    小さく女顔であるために、どんな服を着ても「可愛い」と言われてしまう律。
    それに対し、背が高くスタイルが良く「かっこいい」と言われてしまう晶。
    律は晶に
    「好きなファッションと自分が実際似合うファッションはイコールじゃない」
    と伝えます。
    ですが、目指す方向さえ合えば男の子に間違われることなく女の子になれると提案する律。
    晶はカワイイの呪いをかけていたのは、自分自身であったことに気付かされるのです!!

    卑屈になる晶に「可愛くなる努力をしていない!」と檄を飛ばす五里江や、
    晶のことを大切に思うあまりに過激な手段を取りそうになる親友のキリなど、
    個性的なキャラが脇を固めています。
    (もしかすると主人公2人よりもキャラが濃いかもしれません…)

    『おとなりコンプレックス』と合わせて読んでいただきたい作品です。

    2022年07月20日
  • 時は昭和12年。
    舞台は、人の命が軽く扱われるような国「満州」。

    関東軍の兵士として母親や妹弟とともに満州にやってきた日方勇は、戦地で助けようとした子供から銃で撃たれて右目を怪我し、前線離脱を余儀なくされます。
    その後、農業義勇軍に配属され、虐げられる日々を送りますが、片目を失って以来利くようになった鼻を生かし、食べられる草花を嗅ぎ分けて貧しい生活の支えとしていました。

    しかし、母が肺ペストに感染してしまうのです。
    母を救うには高額な薬が必要ですが、そんなお金は持っていません。
    何とかして稼がなければ…と思った矢先、古い土や堆肥を捨てているはずの処分場からかぐわしく甘美な芳香がすることに気付きます。
    扉を開けるとそこには、無能兵と虐げられていた陣内茂が金を稼ぐためにこっそり育てていた阿片芥子が咲き誇っていたのです。

    当時の満州は「一番軽いものは人の命」と言われるほどで、生きるためには金が必要でした。
    しかし、金を稼ぐには子供を売るか阿片を売るか…といった手段しかありません。
    一花咲かせるために必死の茂は、勇に芥子を横取りされまいと襲い掛かりますが、逆に勇の妹達に殺されてしまいます。
    それをキッカケに、勇は母のために阿片製造で金を稼ぐ決意をするのです。

    彼は中華民国最大の秘密結社へ自作の阿片を売りつけに行きますが、危うく殺されかけたところを、ボスの娘である麗華に救われます。
    彼女は自分が自由になるため、勇と組んで阿片を支配することで、満州国の支配を企んだのです…!!

    阿片中毒者などのハードな描写がありますが、画力の上手さと丁寧な物語運びによりグイグイ読み進められます。

    製造した阿片の顧客を得るためにかなり強引な手段を取る麗華にハラハラさせられますが、彼女の逞しさに清々しさを感じてしまいます。
    一方、そんな麗華の姿に戸惑いを隠せない勇ですが、彼の度胸と賢さは今後大物になる予感がビンビンします!!
    個人的希望ですが、家族のために"真阿片"という悪魔の発明をしてしまった勇の苦悩などが描かれてほしいです…。

    阿片によって利益を得ている日本軍との対立など、陰謀渦巻く満州で勇がどうのし上がっていくのか…物語はまだまだ始まったばかりです。

    2022年07月20日
  • この物語は淡々と進んでいきます。
    山場がある訳でもありません。
    どこが面白いの?と聞かれると困ってしまうかもしれません。
    でも、ただひとつ確実に言えることは、とにかく面白いのです!!

    主人公は女子高で2年4組担任をしている星先生。
    彼を中心に日常の些末なできごとを丁寧に描いていきます。

    星先生は天然でどこかとぼけており、彼のモノローグ(心の声)に思わず笑ってしまいます。

    最初は星先生のことを冷めている人なのかな?と思ったのですが、酔うとネガティブになってしまったり、生徒の描いた突拍子もないマンガに対し真剣にアドバイスをしたり…。
    どことなく掴みどころがないのですが、読み進めていくと次第に彼の人間性が解ってきます。
    少しずつ剥けてくる彼の人間性の根底には何が残るのか…!?
    気になります!!

    こちらは『夢中さ、きみに。』の和山やま先生の初連載作品です。
    絵柄は最近の女性マンガのトレンドとは異なり、ち密な線で独特な世界を確立しています。
    またクラスで飼っている犬の事を「クラス犬」と呼んだり、星先生の以前のあだ名が「無印良品」だったりと、出てくる言葉のチョイスも風変わりです。

    独特のテンポで進んでいく物語が、なんとなくですが『動物のお医者さん』を彷彿とさせます。
    (佐々木倫子先生がお好きな方は是非読んでいただきたいです。)

    どのページもニヤニヤが止まりません。
    シュールな世界が癖になること間違いなしです!!

    2022年07月20日
  • 田舎の閉鎖的な町で暮らす少年・黒瀬令児。
    彼は、家族に縛られ、町から出ることを許されません…。
    一体彼の人生は誰のものなのか。
    閉塞感やノスタルジーが漂う作品です。

    令児には、認知症の祖母とそれを介護する母、引きこもりの兄がいます。
    母は現在の状況に疲れ果て、自分が楽になるため、令児に大学進学ではなく地元に就職することを強います。
    しかも就職先は、令児をパシりとして使ってくる幼なじみの会社でした。

    令児の人生は令児のものであるはずなのに、家族や町に縛られ、自分の人生を生きることがままなりません。

    そんなとき出会ったコンビニ店員の女性が、令児が好きなアイドルグループのメンバー・ナギであることに気付きます。
    舞い上がる令児ですが、ナギもワケアリのようで…。
    「この町からいなくなる人」だからと自分の置かれた状況を話す令児に対し、ナギは「心中しようか」と提案するのです。
    戸惑う令児となし崩し的に肉体関係をもつナギですが、なんと彼女には夫がいることが発覚します!!

    令児が住む町は「春の棺」という劇中小説に登場する情死ヶ淵伝説の舞台となった町。
    情死ヶ淵伝説とは、その小説の中で書かれている江戸時代に起きたとされる心中の話です。
    この物語は、その情死ヶ淵伝説をキーに展開していきます。

    登場するのはそれぞれワケアリで深い闇を抱えている人たちばかりです。
    しかし、描かれている地方特有の閉塞感やしがらみに縛られた状況への諦め、自分の将来への絶望は、物語の中だけではなく、現実に生きる我々にも身近なことではないでしょうか。
    それらを『ヒメゴトー十九歳の制服ー』の作者である峰浪りょう先生が圧倒的な描写力で描くため、読んでいるこちらも息が詰まるような閉塞感を感じるのです。

    終盤、狭い世界で生きる令児に対しナギは
    「全部捨てて町を出ていけば?」
    という言葉をかけます。
    そこではじめて令児は逃げても良いということに気付くのですが…。

    明るい展開は今のところ見えませんが、彼らに今後救いは訪れるのか、複雑に絡み合った人間関係が「心中」というテーマからどう進んでいくのか…。
    ハッピーな物語に飽きた方、是非この閉塞感に浸ってみてはいかがでしょうか。

    2022年07月20日
  • 究極のモテモテエリート銀行員を奪い合うのはまさかの…男性!?
    憧れ以上恋愛未満のハラハラストーリー!!

    顔良し、気遣いも良し、仕事もでき、男女共にモテモテのエリート銀行員・加賀谷博基。
    そんな彼は、誰かを「手の中で育てる」事に楽しさを覚える男だったのです!

    彼のターゲットは、母親の借金トラブルにより知り合った大学生・三津山陽斗。
    父親のいない家庭で育った彼は、加賀谷から色々な事を教わり人として成長をしていきます。

    一方会社では、理想ばかり言う問題児な部下・設楽功の育成に乗り出します。
    子供の頃から怒られるばかりで褒められることもなく、その性格故にかわいがられる事もなかった設楽。
    親身になって接してくれる加賀谷に対し憧れを抱くようになるのでした…。

    加賀谷の凄いところは、イケメンで完璧であることよりも、そこかしこで思わせぶりなことをしているところです。
    例えば…二人で喫茶店に行き、少し凹んでいる設楽に加賀谷はケーキを「あーん」してあげてしまったり…
    ヤキモチを妬く陽斗に対し「キミは特別」と言ってしまったり…

    そりゃぁ好きにもなるよ!!という行動連発の加賀谷は罪な男すぎます。

    しかも加賀谷の自宅で設楽と陽斗がバッティングという事態に!!
    設楽に対しライバル心を表す陽斗…。陽斗と加賀谷との関係性が気になって仕方ない設楽。
    あざと過ぎると思う人もいるかもしれませんが、ベタ展開…嫌いじゃありません…!!

    このまま陽斗と設楽とで加賀谷を奪い合うのか!?
    今後の展開が楽しみです!!

    ※この作品、あくまでBL作品ではありません。(1巻時点)

    2022年07月20日
  • 『蜜夜婚~付喪神の嫁御寮~』大海とむ先生最新作!!悪妻の本当の姿は…!?
    歴史ファンタジーロマン開幕!!

    時は、戦国時代。
    夫を戦で亡くした水松女(みるめ)は、夫を殺した仇の男のもとへ嫁ぐことに…。

    水松女の生家である荒迪家の娘は「蛇神の愛娘」と呼ばれ、土地の蛇神の加護を受け、嫁いだ先で生まれた子はお家の隆盛をもたらすと言われ、重宝されると共に恐れられる存在でした。

    夫の世話もせず側女にまかせきり、その側女も自分が気に入らないと追い出したり殺す悪しき妻であるという噂がまことしやかに言われている水松女でしたが、本当の姿は噂とは全く異なり、元の夫である屋鉄からの暴力や迫害に耐え忍び、民を心配し民のために力を注ぐ心優しい女性だったのです。

    新しい夫となった加左家の次男・吉次郎は、そんな水松女の真の姿に気づきます。
    水松女も吉次郎の寛大で公正な姿に次第に心惹かれてゆくのです…。

    描くのは。『蜜夜婚~付喪神の嫁御寮~』の大海とむ先生。
    一見か弱そうに見えるものの芯がしっかりとした女性を描かせたら随一ではないでしょうか。
    今回の水松女も、儚げで弱弱しさがありながらも、民のために・下働きの女たちのために尽力する強さをもっています。
    また、夫の吉次郎のイケメンっぷりもたまりません!!
    とむ先生の描く男性の色気は本当に凄いです…!!

    実は良い人である主人公が周りからは悪役として白い目で見られるものの、様々な知識や行動を通して次第に受け入れられていく様は、人気の悪役令嬢系の物語に通じるところがあります。
    転生はしないですが、悪役令嬢などの主人公が成功していく物語が好きな方に是非読んでいただきたい作品です!

    2022年07月20日
  • タイトルだけ見るとアダルト要素が強めのマンガかと思われるかもしれませんが、読み進めていく内にそうではない事に気づかされると思います。
    この作品は、風俗嬢の赤裸々な暴露エッセイではありません。
    カワイイ絵柄とは裏腹に、描かれているのは原作者であるエバラユカさんの心の奥深くに広がる闇です。

    主人公は江原有香。原作者のエバラユカさんご本人です。
    漫画家としてWEB連載を持っていましたが、担当編集からの過度なセクハラを受けます。
    私、編集者のあまりに酷いセクハラ・パワハラに怒りを感じました…!!
    こんなに酷いことがあるのか!?とドン引きされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

    男性経験のなかった江原さんは友人に相談するも、「仕事をもらってるのなら我慢しなきゃ」と諭されます。
    仕事だと割り切り「接待」として接しようと頑張りますが、我慢の限界を迎え心が折れてしまいます。
    そうして、ついにはマンガを描く事を辞めてしまうのです。

    マンガという道を絶ってしまった江原さんでしたが、お金を稼がないと生活ができません。
    なるべく少ない出勤で稼げる仕事は…と考えた末に辿り着いたのがデリヘル店だったのです。

    幼少期に癇癪持ちの母から折檻され、自尊心を傷つけられてきた江原さん。
    そのせいもあり、自分に自信が持てないでいました。
    風俗で働くことは周りから下に見られがちという事実に、逆に自分にはぴったりだと思い至ります。

    しかし、初仕事で優しいお客さんについた事で、自分の中で何かが埋まった感覚を得ます。
    その後もデリヘリの仕事を続けるのですが、彼女には更なる地雷が…!!

    それは、中~軽度のワキガであるということ!!
    ワキガを気にするあまり、うまくお客さんと接することができずに思い悩み…。

    江原さんが抱える数々のコンプレックスを克服し、どう自分自身と向き合っていくか。
    それがこの物語の主軸だと思います。

    願わくば江原さんが幸せを掴まれていますように…。
    2巻が楽しみです。

    2022年07月20日