BL のおすすめレビュー
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ブックライブ書店員
ハイテンションなエロコメの名手・いつきまこと先生の最高傑作……!(2021年5月現在)
村のしきたりで無理やりくっつけられる年下攻めケンカップルとか、俺得でしかありません。額に青筋を浮かべて無表情な千景(紋付袴)と、ふくれっ面でこちらも青筋を立てている百貴(白無垢)が並んだ表紙からしてかわいすぎます。
「お前(千景)のことがムリ!」からはじまった「ムリ婚」が、「年下すぎてムリ」になり、次は「巨根すぎてムリ」、そして「かわいすぎてムリ!」と、2人の距離が縮まるたびに「ムリ」の意味合いが変わっていくのがなんとも粋。そして、いつき先生のセンスが光る、百貴の「ムリソムリエ」シーンもかわいすぎるので必見です。
いかんせんスタートが「ムリ」だったもんで、千景と百貴の関係はゆっくりとしか進んでいきませんが、「いいぞ、もっとやれ!」とエールを送りたくなる心地よい焦らされ感……。いやあ、「ムリ」っていい言葉ですね。
老成しているよう見えて実は二十歳の純情ボーイな千景と、童顔でかわいらしい見た目だけど気が強くて負けず嫌いな百貴のデコボコ感にもニヤニヤがとまりません。意外と百貴がしっかり者で、甲斐甲斐しく千景のお世話をする姉さん女房要素にも滾ります!
同じ性癖の仲間には『兄さん女房』(ジュネット)もおすすめ。ケンカップル要素はありませんが、ちょっとおバカなわんこ系年下攻めと人妻系年上受けや、元ヤン年下攻めと天使系年上受けのイチャエロが存分に楽しめます。2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
「オメガバース前夜譚! そういうのもあるのか」と井之頭五郎顔でつぶやきたくなる斬新な設定。さすがは『gift』シリーズ(幻冬舎コミックス)を世に放った一ノ瀬ゆま先生です。
人類で初めてフェロモンによる発情を体験した喬と西央の興奮と戸惑い、そして2人の間に育っていく感情。体育倉庫を舞台に、男子高校生2人が未知の症状と対峙するというジュブナイル感漂う設定にもときめきを覚えます。体育倉庫って、保健室と生徒会室とともに、学園BL3大聖地と呼びたくなるロマンにあふれていますよね!
オメガバースものだけあって、2人はめちゃくちゃエッチなエッチをするわけなのですが、喬が奥手ながらも思いやりのある優しい男子、西央は一見チャラいけど寂しさを抱え込みやすい性格で、凹凸を埋め合うような関係性が尊い……! ヒート中は西央の思考が喬に流れ込むという設定もグンバツです(感情が高まりすぎた挙げ句のバブル語)。
それぞれのバース性に目覚めたことで、体質や性格が変わっていく過程が描かれているのも本作独特の設定。「ヒート」「ラット」といった名前がついていない現象に振り回されながらも、一緒に乗り越えようとする2人の姿が健気で切ない……。どんどんオスみが増していく喬がかっこいいとか、メス化していく西央くんエッチすぎ! と軽率に叫びたい気持ちと2人のひたむきさに読者の心は引き裂かれまくり必至です。
一ノ瀬先生の美麗なタッチと、重くなりすぎない軽妙な語り口で、上下巻まとめて一気読み間違いなしです。2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
舞台はのどかな田舎町、幼馴染のコタと瞬平は興味本位から“ヌキ合いっこ”をする仲になるのですが、瞬平のほうはコタに恋心を抱いていて……。という、BL界の必修科目にして無限履修者続出のド王道テーマ。なのに、何回読んでも萌える……。なぜなら、コタがはちゃめちゃにかわいくて、瞬平が理想のクールカッコいい男子高校生だから!
きはら記子先生の繊細なタッチで描き出される2人は、表情豊かで生き生きとしていて、本当に存在するのではないかと錯覚しそうなほど。コタと瞬平が触り合いっこする空き家の壁か天井になりたいと心の底から願ってしまいます。
普段は無邪気で無防備なコタが不意に見せる色っぽい表情や、クールな瞬平がコタにだけ見せる柔らかい微笑み――この「世界に2人きり」感がたまりません! 美しい箱庭のような世界観も相まって、もはや「田舎町の幼馴染男子高校生BL」の究極体と化しています。
『春と夏となっちゃんと秋と冬と僕』(佐岸左岸 / ふゅーじょんぷろだくと)が好きな方なら絶対にハマるはず。
瞬平のことを友達としてしか見ていなかったコタが、瞬平と一緒にいたい一心で「いいよセックスしようよ」と懸命に迫るも、「答え焦らないからちゃんと考えてくれ」となだめられて、結局瞬平の腕枕で寝ちゃう……などなど、胸キュンシーンが尊すぎて、心臓がちぎれるかと思いました。一見淡々とした毎日の中に、かけがえのないきらめきがたんと(たくさん)詰まった作品です! 「一緒にいたい」というシンプルに強い気持ちの良さ〜〜〜〜〜。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
――あの別れから10年……「うわ、お前すっかり大人になっちゃったな」「もう子ども扱いさせないぜ」+.゚ *:.。.:*゜〜fin〜+.゚ *:.。.:*゜
みたいな、多くの年の差BLではページの都合で端折られがちな、「あれから〜10年後」までを6冊かけてみっちり描ききったのが、本作『STAYGOLD』です。
主人公2人の成長と心の変化をじっくり見守れるなんて、常々推しカプの人生を見守りたいと思っていた人間にとって、僥倖以外の何でもありません……。1冊で完結する物語の潔さも大好きなのですが、巻数をかけて長い時間の流れを描くからこそ生まれる没入感は唯一無二。「最近、どっぷりハマれる作品に出会えてないな―」と不完全燃焼気味の人に全力レコメンドしたい作品です! あの頃(?)の情熱が必ず蘇ります!
「好きだ」という気持ちを武器に、義理の叔父である優士を振り回すことしかできなかった13歳の駿人が、さまざまな通過儀礼を経ながらも、着実に優士への思いを育てていく過程が尊い……。そうやって育った駿人も尊いのですが、1巻を読み返すと少年期の駿人がこれまたかわいくて、中山家のアルバムをめくるような感覚で何度も読み返してしまいます。これぞ長編BLの醍醐味!
義姉・弥生(駿人の母親)に対する優士の淡い思いや、優士の異母弟・コウとその親友・日高の関係など、駿人と優士を取り巻く人間関係も心をじんわり温めてくれます。
6巻で完結しましたが、巻末にて「番外編シリーズ」がスタートするという嬉しいお知らせが! 中山家のアルバムはまだまだ更新されていくのです。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
正反対の文化圏の男子同士が少しずつ仲良くなっていく時間の尊さをギュッと濃縮還元した上下巻。園木の地味な変人っぷりに興味を引かれた真嶋がぐいぐいと距離を詰めていき、園木は真嶋の距離の近さに戸惑いながらも、なんだかんだ彼の距離感に慣れていく……という、じわじわとした関係性の変化が愛おしくて仕方ありません! 真嶋が園木を振り回しているようで、実は真嶋のほうが園木に振り回されがちなところに、ニヤッとしてしまいます。
基本的に大きなドラマは起きない2人の日常ですが、「園木の腹筋を真嶋が面白がって触りまくる→園木に怒られる→なぜか興奮する真嶋」、「修学旅行のホテルで何度園木に注意されてもスリッパで外に出てしまう真嶋→最終的に園木が大爆笑」など、とりとめがないのに不思議と胸がキュンとしてしまうエピソードに満ち溢れています。(改めて読んでみると、やっぱり園木の奇行のほうが多いですね)
そして、BLお約束の「あーん」からの無自覚間接キスや、真嶋の「なんか俺もうつまんねえんだよな お前がいないと。」発言など、どストレートに萌えるシーンもばっちり! このアップダウン、たまんねえっす。
登場人物が全員推せてしまうのも、本作を溺愛してしまう理由のひとつ。ド天然な園木の友人・うめくんや、普段は癒し系だけどチャラ男・マハラを飼いならしているミステリアスボーイ・ハルミくん、真嶋と園木の関係に萌え萌えしているランちゃんなど、ナイスキャラ揃い。特に、ハルミくんとマハラの関係が気になります!!
卒業後、2人の関係がどうなるのかは、続編『あちらこちらぼくら(の、あれからとこれから)』(集英社)にて! 離れていてもどこかで相手のことを気にかけて、「会えない時間が愛育てるのさ」状態がきゃわわな2人をとくとお楽しみください!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
ビッチで有名なオメガに一目惚れした純情アルファが猛アタック。そして2人は結ばれる――話の大筋はオメガバースBLの王道中の王道なのですが、本作のオメガ・零王(レオ)は腕一本でアルファをやすやすと退けられる武闘派だし、アルファの伊織は「運命の番」を夢見るへたれロマンチスト。くっつくはずがなさそうな2人ですが、伊織を見る零王の瞳がどこか切なげなのと、零王に向ける伊織の思いがあまりに真っ直ぐなのとで、初っ端から期待が高まりまくります!
本作でコミックデビューを果たしたエヌオカヨチ先生、美麗なタッチで思春期の少年たちの繊細な感情を表現するのがお上手すぎ……。特に注目してほしいのが、凶暴な言動が目立つ零王が時折見せる切なげな顔! 凄んでいるときより少し幼く見えるその表情に、心を鷲掴みにされてしまいます。
様々な事情を抱えている零王にとって純粋な恋心を寄せてくる伊織は、孤独から抜け出すための一筋の希望であると同時に、「裏切られたら生きていけないかもしれない」致命傷になりうる存在でもあるというシリアスな状況にハラハラ……。しかし、伊織は生半可な気持ちで零王に迫っているわけではなく、「番になる責任」を強く自覚している――高校生同士とは思えない深く切実な恋模様、そして訪れる救済に、目頭が熱くなります……。
切ない要素が散りばめられた本作ですが、零王を本気で守りたいと思っている仲間たちや、無邪気に零王を慕うちびっこたちの存在にほっこりする場面も。彼らの物語も、ぜひとも読んでみたくなります!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
探偵と一流ホテルコンシェルジュの、こじれているんだか一途なんだかわからない“騙し愛”にドキドキしながら、234ページを一気読みしてしまうジェットコースターのような作品です。
まず、どんな頼みごとも「絶対に拒まない男」という設定がエッチで良き……。そして、「拒まない男」白石が、コンシェルジュとして働く傍ら探偵・黒瀬の助手をしているという二面性に、完全に心を持っていかれます。「教授に着替えを届けにきたゼミ生」「出張先で嫌いな上司と同室になった研究職」など、マニアックな設定の変装がどちゃくそ可愛くて、もう心臓がどうにかなってしまいそうです、しくしく(嬉し泣き)。
探偵・黒瀬も、タフな無頼漢のように見えて、飼っていたハムスターが死んだショックで一晩泣き明かすようなピュアさを持つ、どこか二面性のある男。
「2人ともどっちが本当なの!?」と振り回される感覚がたまりません……!
さらに、モラハラサイコパスな白石の父や、ホテルの一室で白石と密会を重ねている国会議員と白石を毛嫌いするおしゃべりな秘書など、彼らを取り巻くキャラクターたちもクセまみれ。こんなに密度が高くていいんでしょうか、とそわそわしてしまうほど。
2人の恋はいつはじまって、どこに落ち着くのか――ネタバレなしガチンコ勝負で向き合ってほしい作品です!
……白石さんのセクシーな下着も必見ですよ(ボソッ)。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
とにかく美しくて緻密で、エロティシズムあふれる絵柄に釘付けになってしまう、芸術作品のような一冊。
多くの女性を魅了してやまない人気俳優・本田龍の高すぎる顔面力に圧倒され、無自覚天然魔性のカメラマン・真夏斗の少年のように無邪気な表情に心震わされ、最初から最後まで目が幸せ……。みっちり描き込まれた筋肉の筋や血管、西本ろう先生らしいシズル描写にうっとりしてしまいます。
偶然出会った本田と真夏斗が、ひょんなことから体を重ねるうちに心も惹かれていき……という王道ストーリーなのですが、ありきたりな王道ではなく、研ぎ澄まされた王道。意外性やケレン味に頼ることなく、読者をグイグイ引き込む展開はもはや“帝王道”と呼びたくなるほど。
これまでは、機能不全家族と禁断の愛をテーマにした『Two sides of the same coin』(プランタン出版)や、親友同士がとある事故をきっかけに共依存関係に陥っていく『トワイライト』(プランタン出版)など、ずっしりとした読後感の作品が多かった西本先生だけに、シリアスさはありつつもストレートな甘さを湛えた本作は新感覚。でも、物足りなさを全く感じないのがすごいです……。
本田の顔面から放たれるイケメン圧もさることながら、「#褐色肌 #ドジっ子 #純情 #世間知らず #下戸 #すぐ泣いちゃう #でもえっち♡」という性癖ハッシュタグてんこ盛りな真夏斗の魅力にも要注目! 孤独なイケメンの心を開くことができるのは、魔性の天然受けだけなのです。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
駆け落ちした双子の妹・ララの身代わりに富豪の息子・ウルジに嫁いだラムダン。
抜け出すつもりが媚薬で体の自由を奪われ、ウルジに激しく愛されて…!?
『ジェンダーレス男子に愛されています。』がドラマ化されるなど、
BLの枠を超えた活躍で大人気のためこう先生の代表作です。
エキゾチックな世界観と絢爛豪華な作画で、身代わりもののスリルが描かれます。
ポーカーフェイスなウルジのドSな溺愛っぷりと、
健気で妹想いのラムダンがとろっとろにとろかされる姿も眼福でしかありません。
ウルジの愛撫に身体は反応してしまうものの心は許したくなかったラムダンですが、
彼の不器用な素顔を知っていくたびに心が揺れ動き…。
偽りの夫婦であるウルジとラムダンの間には、果たして本当の愛が生まれるのでしょうか!?2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
真誠会若頭にして真誠興業の社長である矢代(やしろ)。極道としての嗅覚と才能には恵まれているが、とにかくドMでヘンタイ、抱かれた男は数知れず。そんな矢代を純粋に慕う付き人兼用心棒の百目鬼(どうめき)。部下には手を出さないと決めていた矢代だが、百目鬼に抗いがたい魅力を感じて誘う。しかし、百目鬼には矢代を抱けない理由があった…。
訳ありすぎる幼少期を経て、親友への叶わぬ思いを隠して生きてきた矢代に、愚直なまでに恋する百目鬼。真誠会のお家騒動に巻き込まれた矢代に身の危険が迫る中、ふたりの距離はどんどん縮まっていくが…。
ストイックなスーツ姿、スリリングでほどよくリアルな抗争のシーン、ひとつ間違えればすぐに壊れてしまいそうな矢代と百目鬼の緊迫感あふれる関係性…この作品の魅力を語り出せばきりがありません。
ユーモアの中に切なさをにじませるヨネダコウ先生のネーム運びと美麗なイラストはため息もの。後ろめたい男たちに萌えるすべてのBL読者、必読です!2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
ヤンキー×ラブコメの相性の良さに驚きが隠せません。もう「ヤンキー=ワルで危険な男」というイメージは過去の遺物なのかもしれません。それほどに、表題作の主人公である樹里とひろみがかわいい! 不良高校のナンバー2を張るほどの猛者なのに、河川敷で野良猫のボスと戯れる姿は天使そのものだし、すごくナチュラルにロミジュリしているんですから。
ひろみは天真爛漫で人懐っこくて物怖じしないところが「ヤンキーのかわいさ全部詰め込みました!!!!」という感じの正統派キュートキャラで、樹里は無気力クールキャラと見せかけた天然系たらし。こんなかわいらしい2人が、互いのかわいさにキュンとしている様子はまさに「かわいさの永久機関」と呼んで然るべし。河川敷で水切りをしたり、マンガを呼んだりといったDK的じゃれ合いも絶品ですが、じゃれ合いからの甘いイチャイチャもたまりません……。要はどこをどう読んでもかわいさが約束されているということです。何回「かわいい」を連呼するんだという感じですが、連呼したくなるほどかわいいということで許してください。
「かわいいヤンキーBLが読みたい」という人は必読の一冊です。胸を張って断言できます。
あと、武闘派らしい肉体美も見どころです。
同時収録の「つばぜり愛」はタチ×タチの差しつ差されつがコミカル&エッチで良き! 攻め同士のマウント争いが好きな方はぜひ読んでみてください。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
推しのことが好きすぎる人のことを「モンペ」と呼ぶことがありますが、本作に登場するアンドロイド・シロはまごうことなき受けのモンペ! ヒカル専用のボディーガード用アンドロイド兼セクサロイドとして存在するため、一挙手一投足がヒカルファーストです。カルガモのヒナのようにヒカルに付き従う様子が愛らしい……。
感情ではなくプログラミングで動いていることを理解したうえでも、ヒカルが心惹かれているアルファの桜塚に対して刺々しい態度を取ったりと、ヒカルを守ろうとする姿に思わず頬が緩みます。アンドロイドなので杓子定規なところもありますが、ヒカルのお願いはついつい聞いてしまうあたりがまさにママ!
主人公のヒカルと桜塚の爽やかカプっぷりも本作の推しポイント! 2人の野球へのひたむきな思いやチームメイトとしての絆、そして両片思いから両思いになっていく様子が描かれていて、正統派高校生BLらしい胸キュンが堪能できます。
そこにオメガバースならではのエロが加わるのですが、ちゃんと互いの気持ちを確認し合うまで、本能に流されないところが推せる……! 近年まれに見る「信頼できる」カップルです。
そして、シロのことも邪魔者扱いするのではなく、「オレたちのことを認めてもらおう」とする桜塚の好青年っぷりに心が洗われます。シロ、桜塚くんなら絶対にヒカルを世界一幸せなオメガにしてくれるよ、と読んでるこちらまで見守りモードに。
真っ直ぐな気持ちで全員を推せて、最後はみんな幸せになってほっこりできる。これが令和の三角関係の形なのかもしれません。2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
推しカプの幼少期から現在までをくまなく見守りたい、という全オタクの夢を叶えてくれる作品。推しカプの「初めてのちゅう」から性の芽生え、そして思春期や反抗期を経て、たくましく成長していく様子が、丁寧に丁寧に描かれています。
苑生先生自身が、そで部分のコメントで「2人の心情をできるだけ丁寧に描いていきたいと思います」と語っている通り、志井と環が子どもから青年になるまでの10年間が、本当に丹念に描かれています。環が笑っているような顔で志井の名前を呼ぶのが好きだったり、脚のストレッチをするときの体勢にドキリとしたり、環への気持ちを自覚済みだけど「友達」としてスキンシップをしてみたり――普通のBLマンガだったらカットされてしまっていたかもしれない何気ないシーンの積み重ねから、環に対する志井の切実な思いが浮かび上がってきます。この純情三白眼め……。
志井は環への偏愛を育みながらしたたかに成長し、環は清らかなまま性に対するトラウマをこじらせていく。2人が抱え込んだ秘密はどんな結末を迎えるのか、閉塞感と焦燥感と少しの希望が漂うムードにただただしびれてしまいます……!
環に美味しいごはんをおごりたいサラリーマン・山野辺と松山(環のバイト先の寿司屋の常連)や、志井の初体験の相手で顔が環にちょっと似ているビッチなお兄さん・タクミなど、思わず気になってしまうサブキャラも登場。シリアスとコミカルを絶妙に行き来する本作ですが、最終的にはみんな笑顔でいてほしい。そう願わずにいられない魅力に溢れた作品です。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
中田アキラ先生のとにかく美麗なタッチで、美形リーマンたちのスーツ姿や喫煙姿が拝めてしまうというだけで最高に眼福なのに、営業部のイケメンエースが実は赤面症というギャップまで仕込まれているというから最高オブ最高。北川の赤面以外にも、ツンツン系美人の夏目が実は北川のことを入社時から4年間見守っていたことや、対人恐怖症気味な北川が夏目の前では尻尾振りまくりのワンコになってしまうことなど、ギャップの猛ラッシュ。某暗殺拳の伝承者もかくやという勢いで、萌えツボを押されまくって爆発四散しそうになってしまいます。幸せ……。
ギャップ萌えがさらに加速するのが、夏目の同僚・富田が主役の2巻。1巻では完全に「夏目のよき理解者」ポジションで、色っぽい素振りなんて見せてなかったのに、行きつけのバーのマスター・斎藤にあっさり抱かれて、身も心もほだされていくのです。三白眼の塩顔でタバコを吸う姿も男っぽい富田が、斎藤にはまるっきりかわいこちゃん扱いされてしまうのがたまりません! 斎藤に激しく抱かれた後に刺激が強すぎて震える富田とか、斎藤さんの腕枕にすっぽりおさまっちゃう富田とか……富田のかわいさがカンストしていました。
そして3巻では、夏目の元カレや北川にライバル心を燃やす同僚が登場して波乱の予感が。甘さとドラマのバランスが絶妙すぎて、永遠に「鉄面皮」ワールドに浸っていたくなります。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
『O.B.』(茜新社)で完結したと思っていた、草壁と佐条の物語がもう一度見られるなんて……。『同級生』からずっと2人を見守ってきたファンにとって、「これが本当にラスト」という切なさをはらみつつも、この上ない幸せをくれる作品です。ページを捲る行為も「漫画を読む」というより「草壁と佐条を見守る」と表現する方がしっくりくるほど。
付き合い始めてから3年が経ち、ともに二十歳になった2人。『同級生』ではサイダーのようにしゅわしゅわキラキラした青春のさなかにいた彼らでしたが、少しずつ大人になっていき、いつしかただ無邪気に愛し合うことが難しくなります。今までになかったビターな展開に胸が苦しくなりますが、きちんと自分の意志で未来を選び取ろうとする2人の姿が心強い。放課後の教室で生まれた淡い「恋」が、こんなにも揺るぎない「愛」に育ったんだな、と目頭が熱くなります。特にクライマックスのあのシーン、幸せの過剰摂取で気絶するかと思いました……。
同時に、ラインで連絡が来るだけでドキドキして、やり取りが終わるのが寂しくて、「電話してもいい?」と聞いちゃう感じ、そして通話ボタンを押すだけで胸が高まっちゃう感じ、『同級生』is Foreverすぎて最高です!
「これで2人の物語ともお別れか」としんみりしていたら、なんと、草壁と佐条の“いつかの未来”を描いた「ふたりぐらし」の連載がスタート! こ、これって新婚生活ってこといいんですか? ここまできたら生涯をかけて2人のことを見守り続けたい。中村明日美子先生、どうにかなりませんでしょうか。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
バリタチのトロ顔is正義。本作の魅力はこの一言に尽きます……!
イケメンで巨根ゆえにワンナイトの相手には不足したことがないカリスマ塾講師・葉瀬が実はバリネコで、後ろのうずきを抑えられずに悶々としている、という設定に加えて、攻めの安藤が受けを容赦なく抱き潰すタイプの年下無邪気Sという、特定の性癖をめった刺しにしてくるタイプの作品です。
8年間お尻をうずかせていただけあって、強引に抱かれるのもまんざらじゃなかったり、つい教卓エッチを妄想してしまったり(後に実現)と、欲しがり屋さん全開な葉瀬。そういうの嫌いじゃないです……。
そして、その欲求に200%応える安藤が頼もしい! さすがひと目で葉瀬のネコオーラを見抜き、さらには葉瀬を羞恥プレイに目覚めさせた男。しかもまだ高校生だというから、伸びしろしか感じない。
では、本作はエッチ一辺倒なのかというと、そういうわけではありません。初めての葉瀬からのキスに年相応の無邪気な笑顔を見せる安藤や、いつしか安藤に深入りして未来を期待するようになっていた葉瀬――これはもう完全なる愛……! 葉瀬が住むマンションの向かいに引っ越して、双眼鏡越しに2人が愛を育む姿を見守りたい。と思っていたら、続編決定の朗報。次はどんなイチャエロを見せてくれるのか、期待が高まります。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
寝込みを襲っておきながら「忘れろ」と言い捨てて去っていくドライな美人受け・神谷と、目覚めたら同期に襲われていたという非常事態にも関わらず「お前とつきあえ」と言えちゃうガサツな強面攻め・梶。色々こじらせてそうなアラフォーエリート同士の恋愛、押し寄せるエモの予感で、読む前からすでに熱いものが胸にこみ上げてきます。
1人で生きていけたはずの男同士がかけがえのない存在と出会って、それに気づかないふりをしようと足掻いたり、不慣れな感情の揺れ動きに苦しんだり、あえて爛れたやり取りをしてみたり……。そんなエモーションを抑制の効いたドライなタッチで描くことにかけて、里つばめ先生の右に出る者はいないはず。
一読してすぐに「きゃーーかわいーーー♡」と萌え転がる感じではないかもしれませんが、読み込むほどにじんわりと萌えが広がっていくような、スルメ系の魅力にあふれています。かと思えば、不意に挟まる公然イチャイチャ(会議中の耳打ち)なんかもあるので、結局萌え転がってしまうのかもしれません。
本作は『GAPS』シリーズ、『DOGS』シリーズに次ぐ、里先生の人気作『俺が好きなら跪け』(すべて大洋図書)のスピンオフです。マイペースかつ執着系な攻め・加藤×プライドが高いけどほだされ系な受け・松田のフレッシュな恋愛がキュートで、本作とは好対照。里先生のA面とB面を楽しむような気持ちで読み比べてみてください。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
なんでもできる人に散々お世話をしてもらった挙げ句エッチ方面の面倒も見てほしい、あわよくば見た目チンピラでギャップ萌えもよろしくお願いしたい。そんな人類の夢が全部叶っています……!
見た目も態度もチンピラそのものなのに、ツヤベタが美しくて仕事が早い、そして料理がうまくて、「センセの漫画好きなんで」と嬉しいことまで言ってくれる。え、この受け氏、聖母マリアの生まれ変わりか何かですか?
このギャップだけですでに昇天ものなのに、漫画のため(?)にエッチをさせてくれるというギャップの三段活用! チンピラ→聖母→エッチなお兄さんのトリプルフェイスに翻弄されるのが気持ちいい……。特に風呂場で自ら後ろの用意をする姿の色っぽさは必見。男前受けにはたまらない絶景です!
同時収録作品の「めそめそトロイメライ」も、根暗・泣き虫・執着系・早漏な大学の後輩×陽キャで男前な先輩カプの男前受けBL。クセ強めかつヘタレな攻めを包み込む、圧倒的光属性な受けが眩しくて尊い……!
30オーバーの社畜リーマンが異世界のスパダリに抱かれてトロトロにされてしまう、怪作「孕め!サラリーマン」の力技で萌えさせられる感じもクセになります。中〜短編作品で読者の心を荒々しく奪っていく、匠・にたこ先生。同じく中〜短編を収録している『ショータ、君を愛してる!』『甘ったれは犬も食わない』(ともに竹書房)もおすすめです!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
美しい男娼たちが暮らす楽園のような島で、危うい魅力を持つ男娼の世話をするくたびれた色気漂うバツイチの男、そして夜な夜な繰り広げられる快楽の宴――私はこの島を吹き渡る風になって、ありとあらゆるカップルを見守りたい……!
とにかく、座裏屋蘭丸先生が描き出す“シャングリラ”が美しすぎて、上質な写真集や映画を見ているかのような幸せ感が味わえます。つらい設定が登場しがちな娼館ものですが、悲壮な雰囲気を感じないのも推せるポイントです。
そんな楽園において、暗い過去を匂わせるフィーは異色の存在。普段は他の男娼とじゃれ合い、快楽を謳歌していますが、客に暴力をふるい凶暴な一面を見せることも。そんな危うい男・フィーと、無表情の裏側に情熱を隠し持つノンケ・アポロのカップリングが、どこまでも正反対なのに「この2人は結ばれるしかない」という運命感に満ちていて尊い……。普通に暮らしていたら交わるはずのない2人なのに、なぜかいつか彼らは愛し合うに違いないと「分かる」んです(真顔)。
特に、性愛に一切興味がなさそうなアポロが、フィーの髪を洗ってあげるのが上手かったり、ベッドに潜り込んできたフィーを無意識に抱き寄せちゃったりと、無自覚な女性慣れを見せちゃう感じが、いかにもノンケでたまらんです。男娼たちがキャッキャしちゃうのにも共感しかありません。「朴念仁ノンケ×魔性の男娼」という字面だけで白飯3杯は食べられますよね!
フィーを脅かす過去の罪、アポロが抱える空虚、そしてシャングリラに忍び寄る危機――様々な謎やドラマを孕みながら物語は進んでいきます。高いストーリー性と読み応えを求める人に読んでほしい作品です!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
かわいい男子大学生が、アウトローで意地悪なリーマン(アダルトグッズ企画部長)にお尻を開発されてしまう――この夢のような設定&ストーリー、百瀬あん先生の魅力を堪能するのにうってつけ! カバー絵からすでにエロかわいさがダダ漏れしています。
大学生・伊織はちょっと口が悪くて生意気ですが、根は素直でかわいらしい男の子。自分を騙した環に反発しながらも、うっかりお尻で気持ちよくなってしまうところなんて、健気不憫受け好きの性癖どストライクです! 8歳年下の男の子を全裸にひん剥いて、自分は一切着衣を乱さずに淡々と伊織の気持ちいいところを責める環のドS鬼畜ぶりも超GJ。
そして、百瀬先生の描く伊織のヌードが美しい。エッチ・かわいい・美しいの三拍子揃った神作画なんです。令和のエロかわBLトップランナーは百瀬先生に決定しました……!(当社調べ)
2020年だけで、『ドS先生に愛されてたまるか』(フロンティアワークス)、『夢ならどこまで許されますか?』(メディアソフト)、『愛されたがりのサーフェイス』(東京漫画社)、『ナカまであいして』(海王社)と本作含めて5作品をリリースした百瀬先生。どれもかわいさと胸キュンがたっぷり詰まっていて、疲れた心を甘く優しく癒やしてくれます!
2022年07月20日
