ブックライブの書店員おすすめレビュー

BL のおすすめレビュー

  • ブックライブ書店員

    「おれ恥ずかしがるスイ先輩ツボみたいです」
    粋(スイ)は、同級生にゲイばれしてから、あえていじられ役に徹してきた高校2年生。そんなスイと寮の同室になったのは、バスケ部1年生の黒部春虎くんだった。部活に一生懸命取り組む春虎くんを純粋に応援したいと思うスイだったが、彼のまっすぐすぎる性格と物言いにタジタジになってしまう。
    「かわいい」なんて簡単に言わないで! 素直すぎる後輩くんに恋をせずにはいられない!
    この作品、とにかくゆるふわなスイがかわいすぎる!
    春虎くんの前ではいつもニコニコの笑顔、オーバーサイズのパーカーは常に萌え袖、部屋にはお気に入りの大きなテディベア。あざとすぎるのにこんなにかわいいなんて罪が深い…。
    特にかわいくてオススメなのは、友人にゲイを理由にいじるのをやめてほしいと言えず落ち込み、テディベアのお腹に顔をうずめているシーン。春虎くんに「スイ先輩がくまの近くにいる時=落ち込んでいる時」であるとバレバレなのも含めて最高に萌え。
    登場人物がキュートで、シーン一つ一つが綺麗なので、BLをよく読む人にもBL初心者にも、ぜひ手にとってもらいたい1冊です!

    2023年01月27日
  • ブックライブ書店員

    「好きだな」―告白と同時に恋心を自覚した―
    陽キャのクラスメイト・高良への気持ちは、天城が自覚したと同時に口からこぼれ出した。
    それに対する高良の答えは淡白で、「いいけど。付き合ってみるか。」それだけだった。
    日常生活の中でひっそりと始まった「お付き合い」だったが、自分だけが恋を実感する苦しさに思い悩む天城。
    悩み考え抜いた末についに別れを切り出すが、高良の反応は予想外のもので…。

    実写ドラマ化もした今注目の本作!
    陽キャでクラスの一軍だが感情が見えにくい高良と、素直で天真爛漫な天城が織りなす日常系BLは、
    キュンキュンすると同時に日常に癒しを与えてくれること間違いなし!
    一見すると天城の一方通行な恋にも見えますが、「言葉や態度の端々に天城への好きが隠せていない高良」という構図が最高に萌えます。
    お互いの行動に照れたり、夢に相手が出てきて戸惑ったり、クラスメイトに嫉妬したりと、そんな当たり前のことに一喜一憂する2人がとにかく尊い!
    まるで恋人たちの日常を覗き見しているような気恥ずかしさと幸せな気持ちを、ぜひ味わってみてください!

    2022年10月14日
  • ブックライブ書店員

    公園で倒れている十嘉(トウカ)を助ける五十鈴(イスズ)。
    十嘉は異質の才能を持つバイオリニスト。五十鈴は重度の難聴を患っており、ほとんど耳は聞こえていません。
    ひょんな事から出会った正反対なふたりが、お互いを知って徐々に心を通わせてゆく物語。

    光と影の演出がとても印象的な本作、作者の麻生先生の仰っているように、ゆっくり優しく進む、柔らかい雰囲気がとても素敵です。おしゃれだなぁ。

    バイオリンの演奏が独りよがりと批判されることに悩む十嘉。彼は耳の聞こえない五十鈴を通して、今までとは違うアプローチで音の姿をとらえようとしていきます。
    自分にはない視点を持つ五十鈴の存在は十嘉の中で少しずつ大きくなってゆき、やがて恋へと発展していくのですが、このタイミングがふたり一緒ではないのも当然で…。

    一歩間違えれば恋人としてはおろか、友人同士ですらいられなくなってしまうのではないかと感じさせる繊細さ!見守ってあげたくなるふたりの関係がもどかしくもたまりません。

    出会いこそ偶然だったふたりが、互いにかけがえのない存在になっていく様子が尊い。
    ふたりのこれからが楽しみです。
    みなさんも是非一緒に彼らを見守りませんか。

    2022年09月30日
  • ブックライブ書店員

    10年前に戻れたら何をしようかな~なんて妄想は皆さんもよくすると思うのですが、代わりに10年前の自分がこっちにきてしまっていたら、どうします…??

    圭太と桔平は付き合って10年目のカップル。
    もちろん仲はいいのですが、付き合いが長いだけにややマンネリも感じていて…。
    これと言って不満もないけれどなんだか物足りない、みたいなモヤモヤを抱える毎日。
    倦怠期…ってコト??

    そんなある日、不思議な力を持つマグカップを割ってしまったことをきっかけに、桔平は10年前の自分と入れ替わってしまいます。

    この作品の面白いところは、
    10年前の彼氏×現在の自分と現在の彼氏×10年前の自分
    の2パターンがそれぞれ描かれているところです。

    お互いに付き合いたての頃のパートナーに出合うことで当時の気持ちを思い出すふたり。
    そういえば今の自分はちゃんと相手のこと見てあげられてたっけ、なんて気付きもあったのではないでしょうか。

    コミカルなノリやファンタジーな要素、可愛い作画に油断していましたが、人生の教訓をもらえたような気持ちになりました。

    10年間でふたりが積み重ねた時間を感じるエモさが素晴らしい作品です!
    作者のヲリコリコ先生は本作がBL初コミックスとのこと。
    今後のご活躍も楽しみです!!

    2022年09月30日
  • ブックライブ書店員

    中学校を卒業したその日に一家離散、散々な経緯で当たり屋をしていた青依(あおい)。
    その日は通りかかった高級車をターゲットにしたが、車に乗っていた印南(いなみ)に飛び出しがわざとであることを見抜かれてしまう!
    仲間に見捨てられその場に残された青依。そんな彼に印南は「警察に突き出されたくなければ俺の恋人役を引き受けろ」と迫る―――。

    このあらすじ!羨ましさしかないわい!!
    印南はコンシェルジュ付きの高級マンション(後でわかるが本宅はもっっとすごいのが別にある)へ青依を連れていく。
    「恋人役」の教育として英会話、テーブルマナーの教室にも通わせてくれる…。(日当も1万円出ている)
    羨ましさしか!ないわい!!!

    「あーあ、突然現れた御曹司が自分を気に入って、養ってくれないかな。」ときっと多くの人が妄想したことがあるのではないでしょうか。
    この作品はそんな妄想が叶ったような気持ちにさせてくれると思います。

    現時点では3巻まで出ている本作ですが、あっという間に読み進めてしまいました。
    というのも青依が本当にいいやつで、彼を応援したくなっちゃうんですよね…。
    印南のために、彼と一緒にいて恥ずかしくない人間になろうととにかく頑張るんですよ。
    その様子が本当に健気で…。いつの間にか印南が本気になっていってしまうのも納得。

    印南と出会うまで何にも持っていなかった青依が、それでもちょっとずつ努力をして周囲にも認められていく…。
    そんな様子を見ていると、なんだか自分も頑張らねば、とそんな気持ちにさせてくれる作品です。

    2022年09月30日
  • ブックライブ書店員

    飼っていたインコが死んでしまい、ショックで泣いていた大進。そんな彼を慰めてくれたのは観光に来ていた大学生の宝でした。
    大進は、宝のことが忘れられず福岡から上京!
    無事に大学で宝と再会を果たすが―――。

    大進、なんという行動力でしょう。彼の行動力がこの素晴らしいBLを生んだのだと思うと感謝です。
    良い物語をありがとう…。

    この作品、主役の二人が本当に良い。
    まず憧れの先輩である宝のビジュアルがとても良い。金髪で高身長、爆発的なイケメン。人当たりが強いようで、大進には世話を焼いてしまうところがあり、そういう見た目と性格のギャップがまた良い…。
    伝えたいことが色々あるはずなのに語彙力がなくなってしまいました…。
    とにかく読んで欲しい。これに尽きます。

    大進はとにかく可愛く描かれています。宝の腕の中にすっぽり収まるようなサイズ感が素晴らしい。
    この尊い身長差が最高です。
    でも女の子と並ぶとちゃんと大きくて、しかもわりと背中が広いんですよ…。
    恐ろしくさりげない萌えポイント。僕でなきゃ見逃しちゃうね。(そんなことはない)
    彼の使う方言も好きですね…。博多弁男子の破壊力を侮っていました。
    受けの方言、みなさんもきっとグッとくるはずです。

    鈴丸先生の引き出しにはいろんなイケメンが住んでいるんだなぁ。
    完全に鈴丸先生の世界にハマってしまいました。
    これからの作品にも期待大です!

    みなさんも是非『タカラのびいどろ』お楽しみください。

    2022年09月30日
  • ブックライブ書店員

    地元の海洋学校への転入が決まり、故郷の島へと帰ることになった鳴海(なるみ)は、船の上で同じ海洋高校の1年・神崎碧(あおい)と出会った。神崎のことが気になって仕方ない鳴海は、彼を見かける度に声をかけるが、どうやら彼には鳴海と距離をとりたい理由があるようで…。もっと近づきたい、近づいてほしくない、正反対な思いを抱きながらも徐々に惹かれあっていく、そんな2人のピュアラブストーリーです!
    鳴海はその日本人離れした容姿も相まって、恋愛慣れしたチャラい男の子に見えます。しかし神崎に対して忘れ物を届けたり何度もご飯に誘ったりと、必死に距離を縮めようとする姿は、見かけによらずピュアで一生懸命で応援したくなります。反対に鳴海のことを突き放したにも関わらず、結局拒めず流されやすい神崎の行動は、いじらしすぎて「素直になりなよ」と𠮟咤したくなります。果たして鳴海は神崎の心を手に入れることができるのでしょうか。2人の恋の結末を是非ご覧ください!

    2022年08月09日
  • ブックライブ書店員

    「BLはファンタジー」という言葉を耳にすることがありますが、この作品はまさにそういったジャンルのBLでした。

    言い争いの絶えないケンカップルをくっつけるために、あなたならどんなストーリーを考えますか。
    答えは簡単!彼らに手と手がくっついてはなれなく魔法をかければいいんです。
    タロ名先生、BL知能指数が高すぎですね。

    この作品の攻めと受けは同じ大学に通うルームメイト。
    五十嵐は無口でぶっきらぼう。久我のことが好きなくせに(重要)わかりづらい態度のせいで誤解されてしまいます。
    久我は生活力が低く共同生活に向かないタイプ。五十嵐にも迷惑をかけることが多く、そのせいでケンカになることが多い様子…。

    このままでは仲良くならないだろう、という二人。
    これはもう、手をくっつけてしまうしかないな!
    解除方法も斬新でした。タロ名先生、天才です。天才すぎてちょっと笑いました。

    そうはならんやろ!という設定のようですが、それ以外の心の動きなどはしっかりと描かれているため、意外なほどすんなり読み進めることができました。
    そりが合わなかったはずの相手と(不本意ながら)密に接していくうちに心の距離も埋まっていく、といったケンカップルならではの楽しみもばっちり味わうことが可能です。

    これはいろんなカップルに転用して妄想したくなる設定ですね…。
    『嫌いな奴とくっつく魔法にかかる話』是非ご一読ください!

    2022年08月01日
  • ブックライブ書店員

    凪は大学に入学したての新入生。
    夕はそんな凪の先輩であり、アパートの隣人でもあります。
    この作品では彼らの流れるような関係構築に驚かされました。
    いくつも奇跡が重なるのですが、それでいて自然なところが最高です。

    まず初手相合傘。おそらく急に降ったであろう雨に濡れる凪に差し出される傘。
    ナチュラルに人助けができる人間性がグッド。
    しかもよく見ると凪側に傘が傾いているんですよ。エモ。
    続いてお隣さんであることが発覚。
    同じとこに住んでたの…。ミラクルロマンス…。
    からの大学もサークルも一緒。
    歓迎会で飲めないお酒を受け取ってしまい困る凪。
    そこに遅れて登場する夕。凪のビールは夕が飲んでくれます。
    飲み会が終わるころには寝てしまっているところをみると、夕もそんなにお酒強くないですよね…。ヤサシイ!!
    部屋まで送っていった凪が夕にお礼を言った後「そりゃ良かった」といって見せた笑顔。
    惚れてまうやろ!!ここがオススメポイントです!
    翌日は遅刻しそうな凪をバイクに乗せて一緒に登校―――。

    攻めの夕による怒涛のモテムーブコンボ。
    罪なことに夕は無自覚でやっているところがまた良いですね。

    優しくて、かっこよくて、ちょっとかわいい。
    そんな先輩との甘くて優しい物語。
    是非みなさんも浴びてください。

    2022年08月01日
  • ブックライブ書店員

    夏が始まると「夏が始まったな~!」と思うし、ちょっと涼しくなってくると「夏、終わったなぁ」と思うんですよねぇ。
    なんとなく、夏だけは始まりと終わりをちゃんと意識しちゃうというか…。
    この作品は、そんな夏のなかの出来事を切り取ったお話です。

    イケメンの佐伯とその同級生の渉。
    ふたりは映画好き同士の趣味友です。

    月に2、3回お互いの気になる作品を映画館に見に行き、帰りに感想を言い合う友達。
    なんと尊い関係でしょう…。
    羨ましすぎて、エモが爆発してしまいそうです。

    この時点でもう僕は何があってもこのふたりを応援しようと決めました。
    幸せになってくれ…。ビーハッピー…。

    一見するとふたりは本当にただ仲のいい友達同士のように見えることがあります。
    しかし、ふとしたきっかけでどうしたって友達のままでいられなくなる瞬間も訪れる…。
    気恥ずかしくも、かけがえのないふたりだけの時間…。

    BLを読んでいると「もう早くくっつけ!」と思うことも多いのですが、本作の場合は「この時間よ終わるな~~~」と叫びたくなってしまいました。

    番外編の「君と夏のあと」を収録した『君は夏のなか 番外編』も併せて読んでほしいです。
    是非お勧めです!
    夏を大切にしたくなる一冊です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    すさんだ気持ちになると「かわいくて優しい物語が読みてぇ…」という気分になるときがあります。
    そんなときのストックとして、『海辺のエトランゼ』は最高の作品です。

    沖縄の離島を舞台に、小説家の卵でゲイの駿と両親を亡くした高校生の実央が出会い、
    ふたりの恋が実るまでのお話。

    どうやら駿は訳アリで、過去に同性愛者ということが原因で負った心の傷がある様子。
    実央が駿に好きだと伝えても、素直に喜ぶことができない。
    実央はもともとノンケだし、駿としては相手のことを考えるからこそ気持ちを受け止めきれないことはわかるんです…。
    でもようやく一緒にいることができるのに!
    素直になれ!!と思わずにいられません。
    優しいウソならいらないってM●SIAも言ってたじゃん!!

    このふたりにも本当に焦らされました。
    でも作中の雰囲気や、離島の緩やかな時間の流れのおかげかあまり嫌な感じがしません。
    なんてことはない、ふとしたシーンが強く印象に残る不思議な体験をしました。
    同じアングルから同じ人物を描写したコマが並ぶシーンでも、髪や服が同じように描かれていることはありません。
    ここに風を感じるんですね!!
    空気感を閉じ込めたような丁寧な作画。
    元アニメーターの紀伊カンナ先生の魅力です。ばっちり虜になってしまいました。

    続編の『春風のエトランゼ』、画集の『queue -Kanna Kii artbook-』も併せてお楽しみいただきたい一冊です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    大学で人気者のセンパイから、自分だけに向けられるいい顔面。
    これは独り占めしたくなっちゃうでしょう!

    『俺のセンパイが心臓に悪い』は、その名のとおりドキドキと心臓に悪い作品です。
    BLは少し心臓に悪いくらいが栄養になりますね(??)。

    コミュ症でコワモテの猪原は空気を読むことが苦手。
    自分を変えるために入った東京の大学でもコミュ症を発揮してしまい、心が折れそうに…。
    そんな時にサークルの勧誘で声をかけてくれたセンパイの真木はなぜか猪原が気に入ったようで―――??

    本作、基本的にはナチュラルに距離が近い真木にウブな猪原が振り回される展開になっています。
    自分を怖がらずに受け入れてくれた真木に特別な感情を抱いてしまう猪原。
    これはもうウブっていうかバブ。恋愛赤ちゃんです。かわいいね。
    しかし、ただでさえ人間関係に苦手意識のある猪原は、自分の恋心を自覚した後も考えすぎてしまって一歩が踏み出しきれない。
    普段思ったことははっきり口にする猪原が、真木に対しては気持ちをどう伝えたらいいかわからなくなってしまう…。
    一方で真木もあるきっかけで猪原の好意を知ってからは、やや遠回りにちょっかいを出して猪原の反応を伺うばかり。
    この展開には僕も相当焦らされました!
    焦れた先に訪れるキュン展開については、是非みなさんにも実際に本作を読んで楽しんでいただきたいです!

    オススメポイントはどんどん可愛くなっていく受け!
    『俺のセンパイが心臓に悪い』、是非チェックしてみてください。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    『ライオン如きの国から』はケニアからやってきたルカと彼を受け入れるホストファミリーのマコトのお話。

    まず、ルカがいいですね!
    でかくて、明るくて、褐色で、筋肉質な身体つき。萌え要素がつまっています…。
    挨拶の直後にペットのウサギをみて「太ってておいしそう」なんてジョーク(??)をかますなど、つかみはバッチリです。

    シャイな部族だと聞いていたマコトは大胆なルカに面食らってしまいます。
    「やたら近い」とマコトに気付かれてしまうくらいのアプローチ。
    その日のうちに眠る直前のマコトに声をかけ「(マコが男でも好きって感じる)この感覚を大事にしたい」と伝えてキス。こんなことされたらマコトもドキドキしちゃいますね…。

    くすっと笑ってしまうようなやりとり、綺麗な絵柄、素敵なキャラクター。
    そして、過ごしてきた国も環境も違うふたりの出会いと成長を描くストーリー。
    イチオシポイントは何と言っても、ルカとマコトの身長差!

    ふたりのその後を描いた『ライオン如きの国から after story』と『ライオン如きの国から@ジェラシー』もあわせてお楽しみください。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    世間知らずで、顔が良くて、歌声がきれいで、はだし。
    天使様が地上に現れたとしたら、こんな感じなのでしょう。

    『はだしの天使』は掟を破り天使でいられなくなったベンジャミンと靴職人の青年ターナーの物語。
    息が白くなるような冷えた冬の日、天界を追放されはだしのまま公園のベンチに座る彼を保護したターナー。
    天使を自称し、世間知らずな彼はお金も、靴も、シャンプーも知らない(しかも105歳らしい)。
    ターナーは、そんな彼にベンジャミン(以下、ベニー)という名前を与えます。
    そんなベニーにターナーのかけたひとことは「キミの靴を作らせてほしい」。

    はだしのまま人界に堕とされたベニーが、人間として生きていくための一歩を踏み出すことを象徴しているかのようです。
    靴が完成するまでの間ふたりは共に生活するのですが、この時間が終わってしまえば、ベニーは旅に出てしまう…。

    野ノ宮いと先生、なんとこれが初めての単行本。
    ベニーが最初に身に着けていた翼を通す穴の開いたシャツのデザインにもご注目ください。
    ロマンティックな作品をお探しの方におすすめです。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    片思いしていた相方に振られた芸人の成瀬(ナル)。
    ゴシップによってゲイだということまでバレてしまい、仕事も干され気味…。
    気晴らしに訪れたゲイバーで美青年のヒカルに出会い、
    そのままお持ち帰りされ、一夜を共に…。
    しかし、翌日衝撃の事実が発覚。ヒカルは再会したナルを脅し、さらに関係を迫る…!

    ヒカルの好奇心をきっかけに、ナルからしてみれば不本意ながら始まったこの関係。
    次第に打ち解けていく姿を見て、気づけばじんわり感動していました。

    ゲイだということを隠して、相方への気持ちに嘘をついてきたナルにとって、自分の気持ちに正直なヒカルは眩しく映ったのでしょう。
    はちゃめちゃに不純な幕開けからは想像できなかったエモさ。

    これは、…純だ。
    心の中の田中邦衛が純を呼ぶ声がきこえてきます。
    スケベ展開もストーリーも両方楽しみたい欲張りなあなたにとってもオススメです。
    ネイティブ関西人による監修が行われた方言の自然さにも注目!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    高校入試の当日、人ごみの中から顔がはちゃめちゃに好みの皇城(すめらぎ)(受け)を発見した泰誠(攻め)。
    「自分の理想が服着て歩いてるみたいだった」と一瞬で夢中になり、なんとその場で告白してしまいます!
    皇城の顔しか見ていなかった泰誠。
    告白した相手が男であることにすらそのあとで気付きます。
    当然その場では振られてしまいますが、入学式で再会。(よかったね!)
    まわりには「顔が好きなだけ」とごまかしつつも、泰誠は相変わらず皇城が気になる様子。
    そんな言い訳が、皇城には少し引っかかるようで…?

    ごく普通のB(ボーイズ)がL(ラブ)しているのを見ている感覚になれるこの作品。

    スタートこそぶっ飛んでいましたが、周囲にからかわれて素直になれないところや、特に応援するわけでもなく、むしろネタにしてイジってくる友人たちの空気感もリアルです。
    まとまりきらない感情に振り回される様子がザ・青春ですね…。
    ご飯がすすみます!
    自分の感情に気付いたふたりがどのような答えを出すのか。
    爽やかな余韻を残すラストをぜひ見届けてください。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    バディもの、いいですよね。ふたりがそれぞれ違うふたりであるほどに際立つ魅力。
    『マイディア・エージェント』には良質なバディから摂取できる栄養がこれでもかと詰まっています。

    青柳理一(受)は一見クールビューティながら、実は恋愛経験皆無でウブ。
    距離近めでグイグイくる橘真利生(攻)にタジタジ。
    こりゃあっという間に理一が真利生に懐柔されて
    イチャイチャが長く続くパターンかしら、と思いましたがそうじゃなかった。
    ふたりの関係は丁寧&丁寧&丁寧に深まっていきます。
    はじめはチャラい印象だった真利生は理一のことをちゃんと考えてあげられる男。
    「氷の男」だなんて呼ばれていた理一も、真利生のことを考えると乙女みたいになってしまうかわいいやつでした。
    そんなギャップを魅せられて、読み進めるたびにキャラクターのいろいろな面を知り、どんどん彼らが好きになります。

    作者のエビノびすく先生、なんとこれがデビュー作。
    絵柄も綺麗ですし、ストーリーもキャラクターもかなりよく仕上がっています。
    上下巻ですっきりと読むことができ、表紙もグリーンとオレンジの並びがとてもオシャレ。
    是非、あなたの本棚にも並べてみませんか?

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    「湊さん、俺性欲あります。俺と友達になってください。」
    祖父から小さなコインランドリーを継いだアラサーの湊晃(みなとあきら)が出会ったのは、顔がどタイプのイケメン高校生シンだった。シンは夏休みの間毎日コインランドリーにやってきて、どうしてか湊に直球で愛を伝えてくる。高校生に手は出せないと断る湊だったが、どうやら過去の想い人のことも忘れられないようで…。どタイプのイケメンに迫られる湊は、いったいいつまで理性を保つことができるのか…!?

    シンが物語序盤でインパクトのある告白をする本作ですが、その後のストーリー展開はゆっくりめで、主人公2人の心情の変化がひとつひとつ丁寧に描かれているのがポイントです。2人で夜の学校のプールに忍び込むシーンでは、お互いに意識しあっているのにまだまだ距離があって、そんな2人をもどかしく感じるかもしれません。でもちょっとずつ心の距離を近づけていく2人だからこそ、その不器用さが愛おしくなって応援したくなるのです。ぜひみなと商事コインランドリーを覗きに来てみてください。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    BL漫画であり、本格競技ダンス漫画でもある本作。その魅力について本気で語ろうとすると一晩でも足りないため、未読の方へのおすすめポイントを2つに絞って紹介します。

    1つ目は、井上佐藤先生の写実的かつ華麗なタッチで描かれる、競技ダンスの美しさと迫力。ともに日本一の称号を持つ主人公の杉木と鈴木が、互いの専門を教え合うためにペアを組んで踊るのですが、そのダイナミックな美しさはため息もの……。最初こそ、コミカルな描写が目立ちますが、雪の降る公園で手を取り合ってダンスをする、まるで映画のようにロマンティックなワンシーンも。杉木の「僕ならあなたの好きにして構いません」「ただし大事に扱ってください」という決め台詞で昇天必至です。

    2つ目はダンスを通して揺れ動く2人の心。2人とも基本的に異性愛者ですが、誰よりも互いの才能に惚れ込み、同じくらい競技ダンスに心血を注げる相手に出会ったことで、ライバル心が友情に、そして友情が恋に似た感情へと育っていきます。しかし、この感情を容易く「恋愛」と規定しないのも本作の萌えどころ。クソでか感情の矢印は確実に互いのほうを向いているのに、「プロダンサー」としての理性が、感情を名付けることを避けるのです。多くのBL作品は相思相愛の状態が物語の終着点になりますが、本作では一体どうなるのか……。展開の読めなさもBLファンを虜にする一因ではないでしょうか。

    巻を重ねるごとにゆっくりと、しかし着実に盛り上がりを見せる『10DANCE』。世界トップクラスの大会を舞台にダンスは優雅さと迫力を増し、ステージが大きくなるほどに杉木と鈴木の関係は複雑さを増していきます。BLを嗜みながら本作を読まないのは、あえて「人生の半分損している」と言ってしまいたい。半ば脅すくらいの勢いで未読の人を沼に引きずり込みたい。絶対に後悔させませんので、まず1巻だけでも手にとってみていただきたい次第であります!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    裕福な医者の家系に生まれ、頭脳明晰かつ容姿端麗と将来を嘱望された“天才”がなぜか売れっ子ホストに、というユニークな設定と滝端先生の美麗なタッチにまず惹き込まれました。そして“天才”こと深凪と、美容師見習いのアキとの間に流れる微妙な空気。そこから明かされる誰にも言えない2人の過去――このストーリー展開の鮮やかさ、20年以上のキャリアを持つベテラン・水壬楓子先生だからこそのテクニックです。冒頭20ページで傑作であることが確信できます……!

    そんな仄暗い過去を持つ2人がひょんなことから同棲、いや、同居することになるのですから、萌えないわけがない。しかも、天才のくせに生活力ゼロな深凪のやることなすことがいちいちかわいくて、ハイスペイケメンがいつのまにかネコチャンに見えてくる不思議。洗濯に失敗してしまうシーンとか、「わたしはアキのサマーニットをびよびよにしました」って書いた札を首にかけたくなる……!

    そんなコミカルな一幕もありつつ、ストーリーの主眼は、深凪に夢を叶えてほしいアキと、アキの夢を潰した償いに夢を追わないことを決めた深凪のすれ違い。相手への思いやりや負い目がこじれて望まない方向へと突き進んでいってしまうのが、苦しくもあり、美味しくもあり……。互いに「人生の光」ともいうべき大事な存在だからこそ、不器用になってしまうのだと思うと、読んでいるこちらの胸まで痛くなるほどに切ない。

    それだけに、辛いすれ違いの後に訪れる極上の救済は、涙なしに読めません! タイトルのとおりに、光に満ち溢れたラストをぜひ見届けてください。

    2022年07月20日