少年・青年マンガの高評価レビュー
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無料版購入済み
ドラマを観るのが先でしたが、なるほどこれはドラマ向き。
病理医という仕事も興味深いし、登場人物のキャラが立っているし、何かしら抱えてそうで続きが気になります -
Posted by ブクログ
戦国時代に織田信長・豊臣秀吉に仕えた武将、古田織部を主人公とする歴史漫画。この時代を舞台にした作品には合戦などの「武」を主題にしたものが多いが、本作は茶道や茶器、美術や建築など、戦国時代に花開いた「美」や「数寄」の視点から同時代を切り取っている。
茶器がいかにして価値を持つようになったか、千利休を起点に茶道がどのように政治的な意味を帯び、発展していったかがよくわかる。山田芳裕ならではのギャグを交えた描写が見どころだが、史実と脚色が入り混じっているため、歴史物として読むと史実を誤解しかねない面もある。
茶道以外にも、琳派の原点となる「たらしこみ」技法を生んだ俵屋宗達が《蓮池水禽図》を描き、それを見た岩佐又兵衛が自らの限界を感じる件や、本阿弥光悦が趣味で始めた作陶、近衛信尹の書など、周辺の文化にまつわる話題も多く、この時代の文化が好きな人にはたまらない。
ストーリーとしても、千利休の最期をはじめ感動的な場面も多い。その後、織部が登用され、出世し、最後は切腹に追い込まれるまでの生涯も、純粋に物語として楽しめる。数寄の文化を通して、一般的な歴史で描かれるのとは違う戦国武将の生き様が見られるのも魅力。また、山上宗二や織田有楽斎、荒木村重など、茶の湯の世界に生きた人々にも光が当てられており、茶の湯の入門書としても読める。
私自身、この漫画をきっかけに陶芸や琳派の絵画を好きになった部分が大きい。全25巻と手頃な巻数ではあるが、文字量が多く、登場人物や出来事をつい調べながら読んでしまうため、読み終えるには時間がかかる。個人的には、漫画史上最高傑作と言っても過言ではない。