豊島ミホのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ文自体は少し子供っぽく書かれていて読みやすかった。これも7個の短編が入っているけど、全部1つの「北高」というキーワードに関連している人たちで、先生だったり卒業生だったり生徒の視点で書かれていた。私は高校生になったらきっとこういう青春生活を送るものだと小学校の頃から思っていて、その思っていた理想にぴったりのようなお話。実際は全然そんなことなくてかけ離れてるけど、でも今の開智での高校生活は勿論すごく楽しい。特にお話についての感想は、1つ選ぶなら『レモンとルパン』が好き。
ずっと長年片思いしてきた相手に、やっとのやっとで想いを伝えた主人公に女の子が「痛いの。」の一言で片付けられてしまうとこが辛くてヒリヒリした。
本の中では複数の視点から同じ人のことを書いていて、同じ言動を見ても見る人によって思っていることや捉え方が違くて、当たり前なことだけれど現実世界ではやっぱり知ることができない域だから、本にされると分かりやすくて面白い。西くんから見た長年片想いしてきた大好きな人:秋元さんと、白田さんから見た憧れの人:秋元さんと、佐々木くんから見た彼女:秋元さん、そして本人視点の秋元さん はどれも別人かのように書かれていた。 -
Posted by ブクログ
学級全体を挙げての無視や暴力などという強烈な「イジメ」を経験したわけではない、それでもクラスからの疎外されていることを痛切に感じ、保健室登校となった筆者。
高校時代の人間関係の失敗の原因を自分自身に原因があると固く思い込み、相手(当時の敵)への復讐と人間不信に陥って10年以上苦しんだ、その様子を赤裸々に語っています。
「つらい」と感じる事柄は人それぞれですし、「筆者よりもつらい経験を、今自分はしているんだ」という人もいると思いますが、(言葉を選ばずに言えば)暴力を伴ったり逃げ場が全くないというほどの過剰な「いじめ」ではないからこそ、多くの読者にも思い当たる(共感できる)ことが多いのではないかと思います。
自分に対する他者の評価が気にならない人はほとんどいないでしょうし、「他人に(肯定的な)評価をされたい」と願うことは自然な欲求だと思います。それでも、他者の視点に囚われてしまうと、生きてゆくのがつらくなってしまう。
そのバランスを見出すまでにたどった筆者の歩みを追うことで、特に思春期の悩み多い世代にとっては、生きてゆくことが少し楽になるヒントがもらえるのではないかと思います。
教員として生徒に推薦するには少しハードルが高い本であると思いますが、もし人間関係に悩んでいる生徒がいるのであれば、そっと教えてあげたいと思いますし、自分の息子が悩んでいるときには、彼のありのままを受け止められる、そんな親になりたいと改めて思わされました。 -
購入済み
みずみずしさとぎこちなさと
高校生活の様々な出来事を、それにつきまとう みずみずしさとぎこちなさを、とてもよく表現している。短編 でまとめ上げているが、その後の経過を中編小説程度に描き続けたほうがより収まりが良いような気がする作品である。途中でぶった切られたような印象を受けた。
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豊島ミホは自分でもあちこちに書いているように、決して幸せで楽しい充実した学生生活を送ったタイプの女子高生だったわけではなくて、どちらかというとその対極に位置するような、彼女自身の言い方をすれば「底辺」の女子高生だったわけだ。
その彼女が紡ぎ出す物語はどれもこれも繊細でナイーブな登場人物がキレイでまるできらきらと結晶化しそうなくらい美しい。
なんでこういう、高校時代にロクな思い出のない、友人の名もほとんど思い出せないような不遇な青春時代を送った者の琴線に触れるようなストーリを次から次へと作り出せるのかなぁ、と常々思っていたのだけれど、やはりそれは彼女自身の資質もさることながら、独特の「底辺」からあたりを見上げた高校時代の経験のたまものなのではないかなぁと最近思う。
「痛いの」
凄い!世界ってこんなにも熱いものだったんだ。
こういう台詞、シチュエーションも含めてなんかもう宝物のように感じるね。
彼女が創作活動をやめてしまっているのが本当に残念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新しくできた友達の本棚を見て、本がたくさんあったから本を借りたいとお願いしたら快よく頷いて選んでくれた。「人に本を貸すのって、告白みたいで緊張するな〜」と悩みながら選んでくれて、「かわいい話だよ」とお墨付きで教えてくれた。私は保健室登校になった卑屈であぶれものの女子で、本を貸してくれた友達は容姿端麗の美人だと思った。容姿についてみんながバカにしてると思うことは、私の容姿では通過儀礼のようなもので絶対に起こることだった。容姿端麗の美人は、そんなこと気にしなけりゃいいじゃんと思う。書いてあったことに、作者側と同じ感想を美人に対して抱いてるんだな私は、と思った。
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Posted by ブクログ
6つの章にそれぞれ主人公的な学生を置いて、それぞれのキャラが微妙にかかわり合いながら、作者の言うところの「めくるめかない」学生生活を切々と描くちょっと風変わりな青春もの。
なんちゅうか、それぞれの章の主人公をつとめるキャラクターがまさに文字通り「青春のどん詰まり」で、周りのクラスメートと馴染めず疎外感を感じ、どうにもならないコンプレックスを強く抱いているという一癖も二癖もある連中で、なんとも自分の学生時代を思い出して切なくなるほど愛おしくなるような人物たちなんだなぁ。
あの、なんかみんな仲良さそうで、本当に楽しそうに見えて、楽しくないのは自分だけ?面白くなさそうな顔しているのは自分だけ?という恐怖感とも思えるような4年間のキャンパスライフを思い出すと、ぞくぞくするほど恐怖感と共にいろんな思い出が甦るねぇ。
作者の豊島ミホさん、現在は創作活動されていないようで、それはすごく残念。とりあえず既刊を全部読もうっと。
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Posted by ブクログ
自分が高校生だったときのことを思い出しながら読んでいた。
クラスの中心で、いつもみんなの笑いを起こしていたような男の子、飽きることなくずっと話し続けた女友達、嫌なことがあって学校に行くことがめんどくさかった日も通った通勤電車、あの頃抱えてたたくさんの葛藤…。
今となっては全てが過去のことだけれど、この短編を読むと、いろいろあった私の青春時代もこんなふうにきらきら輝いていた日常だったんだなあと、過去が煌めいて見えた。
それはつまり、自分の今の生活もきらきら輝く日常だということ。あの頃があったから今の自分がある。今自分のまわりにいる人たち、日常を形作ってくれているものたちに感謝の気持ちがわいた。
今日も私の日常を大切に生きよう。