豊島ミホのレビュー一覧
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ネタバレ新しくできた友達の本棚を見て、本がたくさんあったから本を借りたいとお願いしたら快よく頷いて選んでくれた。「人に本を貸すのって、告白みたいで緊張するな〜」と悩みながら選んでくれて、「かわいい話だよ」とお墨付きで教えてくれた。私は保健室登校になった卑屈であぶれものの女子で、本を貸してくれた友達は容姿端麗の美人だと思った。容姿についてみんながバカにしてると思うことは、私の容姿では通過儀礼のようなもので絶対に起こることだった。容姿端麗の美人は、そんなこと気にしなけりゃいいじゃんと思う。書いてあったことに、作者側と同じ感想を美人に対して抱いてるんだな私は、と思った。
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Posted by ブクログ
6つの章にそれぞれ主人公的な学生を置いて、それぞれのキャラが微妙にかかわり合いながら、作者の言うところの「めくるめかない」学生生活を切々と描くちょっと風変わりな青春もの。
なんちゅうか、それぞれの章の主人公をつとめるキャラクターがまさに文字通り「青春のどん詰まり」で、周りのクラスメートと馴染めず疎外感を感じ、どうにもならないコンプレックスを強く抱いているという一癖も二癖もある連中で、なんとも自分の学生時代を思い出して切なくなるほど愛おしくなるような人物たちなんだなぁ。
あの、なんかみんな仲良さそうで、本当に楽しそうに見えて、楽しくないのは自分だけ?面白くなさそうな顔しているのは自分だけ? -
Posted by ブクログ
自分が高校生だったときのことを思い出しながら読んでいた。
クラスの中心で、いつもみんなの笑いを起こしていたような男の子、飽きることなくずっと話し続けた女友達、嫌なことがあって学校に行くことがめんどくさかった日も通った通勤電車、あの頃抱えてたたくさんの葛藤…。
今となっては全てが過去のことだけれど、この短編を読むと、いろいろあった私の青春時代もこんなふうにきらきら輝いていた日常だったんだなあと、過去が煌めいて見えた。
それはつまり、自分の今の生活もきらきら輝く日常だということ。あの頃があったから今の自分がある。今自分のまわりにいる人たち、日常を形作ってくれているものたちに感謝の気持ちがわいた。
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Posted by ブクログ
ネタバレアヤコは漫画家を、シンはミュージシャンをそれぞれ目指していた。
中学の卒業式の日、二人は10年後の再会を約束する。
それまでにお互いの夢を叶えると誓って。
10年の月日が流れ、二人は…。
甘酸っぱい!!
設定、序盤、鼻の奥がつん、となる。
でも、帯にある通り、描かれているのは、甘酸っぱい“思春期”の“終焉”だった。
特に接点のなかった、アヤコとシン。
物語はアヤコの一方的な片想いから始まる。
片想い…とは言っても、恋、とは似て非なるもの…なのかな。
-この人じゃなかったら誰が、私の心をかっさらい続けるんだろう。
これだけ強く想える対象に出会えるって、すばらしい。
終盤にかけても、このア