あらすじ
クラスメイトは6年間一緒。刺激のない田舎に住む小学生のセンリだが、気になることは山積みだ。身体の弱い妹への戸惑い。いじめられっ子への苛立ちと後ろめたさ。好きな男の子の話題で盛り上がる女子の輪に入れない自分。そして悔しさの中、初めて自覚した恋心――。子どもだって単純じゃない。思春期の入り口に至る少女の成長過程を繊細にすくいあげた、懐かしく、胸の痛みを誘う物語。
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Posted by ブクログ
「小学校のアルバム」そのものだった。
なんでこんなやるせない気持になるのかな、と考えてた。
小学生の頃や中学生の頃の
なんともいえない苦い思い出が蘇ってくる。
私の記憶には、誘拐されるような女の子もいなかったし
フィリピン人の母親を持つ友達もいなかったし
教師に淡い恋なんかもいだかなかったはずなのに
まるで自分が当時の中にいるような気がして苦しくなった。
Posted by ブクログ
子供は元気で明るくて能天気で誰とでもすぐに仲良くなれる、
わけじゃない。いつでも楽しいわけじゃない。
心の中でおとなの様子をみながら葛藤して
友達の中での自分の立場ってもので葛藤して、
ほんとーに色々なことを考えながら成長しているんだ。
その考えていることはおとなからしてみれば驚くほど
ちっぽけなことなんだけど、子供にとってはほんとーに
重大なことなんだ。ということをしみじみ思いだしながら
読んだ。豊島さんのこの青少年少女の心をあらわす物語は
本当に秀逸だと思う。自分の忘れていた子供時代の
甘酸っぱいような苦いような気持ちを思い出した。
Posted by ブクログ
『私、なんでみんなみたいに普通じゃないのかなぁ。』と気後れする事が多かった小学校時代があるのですが、その頃を思い出させる様な作品だった。
想像力が豊かで感受性が強くて、でもマイペースで、妙に独りよがりな正義感が強くて、何となく生きにくい。
私と重なるセンリちゃん。
あなたの気持ちが少しわかる。
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ところどころ涙が出た
小学生って子供だけどしっかり考えること考えてるし、バカにできないよなって思った
センリが自己肯定感の低い子に育ちそうで心配、だけどきっとこんな子たくさんいるんだろうな
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女の子が1~6年まで成長していく場面を描いた連作短編。
豊島ミホらしい風景描写と心理描写。
特に心情表現は、幼いゆえに感情がむき出し。
子供の残酷なところも、無邪気さも、意外とませたところもリアル。
Posted by ブクログ
嫌い、怖い、苦手 、分からない、恥ずかしい。
楽しいの隙間に顔を出しては邪魔をするこいつらの対処法を知らなかった。
無知でグズで可愛い自分を思い出す。
Posted by ブクログ
たしかに自分が小学生の頃、いつも何かに悩んでたな。大人のこともよく見ていたし、何かを感じとってた。親戚が集まるとワクワクしたことも思い出す。
センリはきっとステキな大人になると思う。
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13/04/16再読。
小学生センリ目線の短編集。
普段誰でも何気なく思ってることを、リアルかつ綺麗にすくいあげていて、豊島さんらしい作品。
14/10/15再読。
体の弱い妹、年上の従兄、ハーフの友達。どの短編も良い。どの話も自分が小学生だった時と重ねてしまうとこがある。
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昔はわからなかったいろいろなことがわかるようになったり。
何年か前までは無邪気に遊んでいたはずの友だちが急に遠くに行ってしまったように感じたり。
成長するということは、いいこともあるけどそうでもないこともある。
成長すると、得ることもあるし失うこともある。
20代になると、小学生だったころはすごく遠い昔のように感じられて、とかく美化しがちだったけれど、この小説を読んで、あの頃もあの頃なりに悩んだり傷ついたりしていたんだ…とリアルに思い出した。
Posted by ブクログ
『やさぐれるには、まだ早い!』
を読んでから、
なんだか使命感に駆られて購入しました。苦笑
小学校のお話。
だけど、
ほんわかしてるものぢゃなくて
意外と小学校って空間は
無邪気なものぢゃなかったのを思い出しました。
兄弟、
いじめ、
友達、
恋心。
どこか少し冷めた文章と
物語に登場する子供達と
素敵な表現が織り込まれている
お話。
「朝顔のつぼみのグルグルは右巻きでしょうか、左巻きでしょうか?」
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自分は小学生の頃の記憶があまりないが、なんとなくめんどくさくて、でも一生懸命生きている姿は誰しもが共感できる小学生の姿なのだと思った。
大人が思っているよりも、小学生は大変でめんどくさいものなのだ。
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「手を出すべきか?」と、悩んだ本です。女子小学生が主人公ですからね。50を過ぎたオヤジが読む本か・・・。
ふと気づけば、豊島さんは9冊目。文庫化された小説はほぼ網羅しているようです。若い女性が主人公の作品が多いのですが、その溌剌さより、どこか屈折した思いがあるのが、私の好みにあっているようです。
「誰にとっても小学校時代のアルバムになるように・・・」とあとがきに書かれていますが、まさしくその通りの作品です。主人公センの小学校1年から6年までの小さいけれど不思議と心の底に眠り続けているような出来事を描いた7つの短編。小品ですが豊島さんらしい(ちょっと鬱屈したような)感性が随所に現れて良いですね。
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Posted by ブクログ
よい。わりと些細な事かなと思うけど、出来事に初めて直面する小学生の気持ちの揺れがよく伝わってくる。
実際、主人公は女の子なんでそんなことないんだが、懐かしい感じがした。
Posted by ブクログ
子どもだって、子どもなりの悩みを抱えてる。
子ども時代はのんきで平和だったなぁと思いがちだけど、
そんなことはないんだな。
私もそういえばそうだったな、と昔を思い出しました。
最終章がせつなくて泣けました。
Posted by ブクログ
思っていたよりも、内容の濃い本でした。小学校の学年があがるとともに、小さな社会の波に立ち向かうセンリの話。小学校の事情がすごくリアルに描かれていて、なお、その心理も同様にリアル。そのなかで、自身を自身を見失わないよう、心で考え続ける、センリの姿は大人びていると思う。「夜の朝顔」が一番話として好きだな。
Posted by ブクログ
やっぱ好きだ豊島ミホ。
気持ちを描こうとする言葉がすごい。
子供の頃の憂鬱な気持ち、曇りの日の空の重さ、眠れない夜の静かさ重さ、子供である自分の何も出来なさ、生々しく思い出すような感じがする。
やっぱすごい豊島ミホ。
Posted by ブクログ
この作者には珍しく、舞台を小学校に、主人公を多感な小学生の女子にした短編集。
女の子たちの微妙で難しい人間関係や感情の起伏をリリカルに描いていて、本当に素敵。胸が痛くなる。
Posted by ブクログ
小学生の女の子センの6年間を描いた短編集
読み始めから期間が空いたのであまり内容が入っていないが、、、
小学生も色々考えてるし彼女らの世界があるんだということを改めて感じた
Posted by ブクログ
小学生のセンリが1年生から6年生までの短編集。
キラキラした子供時代ではなくて、子どもの頃に感じた違和感や不安、胸が痛むこと、気持ちがもやもやざわざわすることが中心に描かれていて。
そうなんだよね。子供だった頃も色々と感じていた。小学生の毎日も大人が思うほど単純でもなかったり。
自分の小学生時代を思い出したり、今小3の娘に重ねたりして読みました。なんか良かった。
Posted by ブクログ
すべてが楽しいわけじゃなかった、あの頃。
あとがきに「しこり」のある話が多くなった、とある。まさに、小学生の頃は「しこり」が何かとあった。子どもの頃は楽しかった。それは否定しないが、何か収まらない、ことばで説明できないもやもやを抱えていたことを、著者に肯定されたことが嬉しかった。
田舎に住むセンリの物語。学級のメンバーは変わらず、妹は病弱。暗いわけではないが、薄暗いものが漂う話。田舎の夕暮れのような、さびしく、また何かに連れて行かれそうな、そんな心もとなさが、この短編集にある。自分と地続きの世界なのに、明らかに自分とは違う世界がある。
行方不明の子のニュースに心がざわめく「ビニールの下の女の子」や、虐待の気配が漂うアザミとの短い交流を描いた「五月の虫歯」、女子の世界の厳しさと先生への失恋に少し大人になる「先生のお気に入り」など、センリは世界と接触しては、馴染めない自分に気付く。しかし、それは自分を変えていく、成長のきっかけになるのだ。世界が今のセンリを拒むので、センリは少しずつ自分を広げていける。
もう少し大人になれば、見ないふりをすることもできる「しこり」から、なぜか目が離せなかったあの頃。そういう時期を描いた短編集。
Posted by ブクログ
小学生の生活の短編集。その頃を思い出すと、あまり楽しかった記憶より苦い思い出の方が多い。大人が思うより、子どもって楽じゃないよなーって思い出した本。
Posted by ブクログ
読むとちょっと鼻の奧がツンとするような、どこか哀しい…子供時代って大人が思うより色々考えてるし悩んでいたんやな。小学~高校まではほんまこんな感じ。
Posted by ブクログ
前半は特に深く印象に残るわけでもなく、さらさらっと。でも、最後から二つ目の章、「先生のお気に入り」は好きです。表題にもなっている章は最後の章でした、うん、これもまぁまぁ好きです。
豊島さんの作品の中では、買うほどではないけど、読めてよかった、という作品です。