豊島ミホのレビュー一覧

  • 青空チェリー

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    女による女のためのR-18文学賞大賞読者賞作品ということで。

    非常にエロエロした内容かと思いましたが。
    なんとも読み応えのある一冊でした。
    特に冒頭一作目、『ハニィ、空が灼けているよ。』がオススメ。
    戦争という非日常の世界観。
    登場人物それぞれの想い。考え。
    はっとさせられる部分も文章の要所要所にちりばめられてて。
    面白い作品でした。

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    2011年05月13日
  • 青空チェリー

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    高校生時代に「檸檬のころ」を読んだことがある。
    なんか、よくわからんがやたら共感できた気がする。

    今回読んだ本は、表題作よりも寧ろ、他の2編が印象にのこった。
    文庫版にあたって、だいぶ修正を加えたらしいけど、
    単行本のほうは読みたくないなぁー。
    私にとっては、これが正解だなぁー。

    3編目、「誓いじゃないけど僕は思った」
    私も長いこと片思いしていたクチなんで、主人公の頑なな気持ちもわかる。そういうの、すごく上手く書けている、と思う。
    高校生の頃に読まなくてよかったー。
    自分を見ているようでイタすぎる。

    ハニィとダーリンはいいね。

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    2011年05月05日
  • ぽろぽろドール

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    人形を軸に物語られる6つの短編集。

    あとがきにもあるように、人形は美の象徴として描かれていて、直間それぞれで美が語られる。

    途中まで、というより最終話までは面白いけど軽い印象で読めていたんだけれども、最終話の最後数行でガツンと打ち据えられた。そんな印象。


    最終話は14歳で交通事故にあった男の子の話で、冒頭の交通事故にあった瞬間「あ、僕の整った顔が」と感じたということから始まる。

    その後主人公は諦観というのだろうか、己の不幸を呪うでなく、失ったものを悔やむでなく、やや淡々と事実を俯瞰するように生きていく様子を描かれる。

    それでも、ある日街で見かけた人形によって「昔自分がいた世界、調和

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    2011年04月19日
  • 青空チェリー

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    3話収録されていて、賞をとったタイトル作より他のほうがよかったかも

    「ハニィ、空が灼けているよ」は
    “戦争”と“都会人が田舎で暮らすこと”の共通点である
    『非日常』の描き方がうまいと思った
    本当の世界でも遠い国で起こる紛争はどこか現実味を欠く

    あと、どこかに出てきた、過去のいい思い出をマッチに例えて、
    「1本マッチをするとその瞬間だけ温かい気持ちになる」
    と表現していたところにすごく納得した

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    2011年02月19日
  • 夜の朝顔

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    よい。わりと些細な事かなと思うけど、出来事に初めて直面する小学生の気持ちの揺れがよく伝わってくる。
    実際、主人公は女の子なんでそんなことないんだが、懐かしい感じがした。

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    2011年08月29日
  • 夜の朝顔

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    きらきらまぶしい子供時代。
    でもなんか砂が口に入ったときみたいにちょっとじゃりっとするような違和感。
    子供だって大変だったなー。確かに。

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    2011年01月21日
  • 神田川デイズ

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    神田川デイズは都内のとある大学を舞台にした、主人公が次から次へと変わっていく、長編とも短編ともいいきれない「連作(あとがきの著者のコメントより)」です。

    しかも、登場人物のほとんどが何かしらの「コンプレックス」を持っていて、それが絶妙で全体として「妙なリアリティがある青春小説」に仕上がっています。

    例えば、最初の「見ろ、空は白む」に登場するいけてない3人組は、大学の明るい雰囲気に馴染めず、同類相憐れむのごとく、半分引篭もり生活を送っていますが、それではいけないと一念発起して「お笑いコンビ」を結成します。

    また、「雨に飛び込め」に登場する準は、本当の自分と少し違う『クレバーな俺』を演じよう

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    2011年01月14日
  • 神田川デイズ

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    東京に出るだけで何かが変わると思い込み、その勘違いに気付いても自ら何かを始めるには臆病で、さらに鬱屈して行く若者。そうした青春の挫折をテーマにした短編集です。
    まあ、豊島さんらしいテーマというか、こういう所は豊島さんの真骨頂なんでしょうね。
    ごく普通の若者が感じる鬱屈や焦燥が見事に描かれます。年を経て読む身としては、そこに何とも言えない懐かしさ、甘酸っぱさのようなものを感じる物語です。
    等身大の鬱屈や焦燥の物語ですが、将来に向けての(本当に小さな)一歩のようなものがあって、それがどちらかと言えば明るさを感じさせる物語にしています。

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    2016年07月31日
  • 青空チェリー

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    ハニィ空が〜が一番よかったなあ。豊島さんこういった設定の話も書けるなんてという驚き。乱暴な表現だけど「田舎の地味な高校生の青春もの」は、どれを読んでもうならされるのはわかっていたけど、これは戦時下を描いている。読んでいて、じゃあこれは昭和のあの戦争の時代を書いてるのかなと思いきや現代。やるなー。休んでないで早く書けばいいのに!

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    2011年07月16日
  • 神田川デイズ

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    1話目読んだ時、「暗っ」って思った。大学生ってこんなだったかって。でも次々と読み進める内に(ちょっとオムニバス的に主人公が変わりながらも脇役で前の話の人が登場したりする)「そうだよな、現実ってこんなだよな」って思った。私は体育会系の部活やってたし彼氏も居たから試合に勝つこととか恋愛のこととか(当時にすれば最大の悩みごとだったけど)毎日どうでもいいことで悩んだり笑ったりして過ごしてきたけど、実際大学生活が華々しいかと言えばそんなことは全くなく、本当は地味で鬱屈したものなのである。そういうのって周りにはわからないものだろうけど。
    この話に出てくる1人1人がどこにでも居てそうで同じようでありながらそ

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    2019年01月16日
  • 夜の朝顔

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    小学生って大変。自分の小学校時代もなんだかひどく面倒くさかった。そんなことを思い出させてくれる本。すごく懐かしくせつない。

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    2010年09月09日
  • 夜の朝顔

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    子どもだって、子どもなりの悩みを抱えてる。
    子ども時代はのんきで平和だったなぁと思いがちだけど、
    そんなことはないんだな。
    私もそういえばそうだったな、と昔を思い出しました。
    最終章がせつなくて泣けました。

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    2013年05月25日
  • 夜の朝顔

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    思っていたよりも、内容の濃い本でした。小学校の学年があがるとともに、小さな社会の波に立ち向かうセンリの話。小学校の事情がすごくリアルに描かれていて、なお、その心理も同様にリアル。そのなかで、自身を自身を見失わないよう、心で考え続ける、センリの姿は大人びていると思う。「夜の朝顔」が一番話として好きだな。

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    2011年07月17日
  • 底辺女子高生

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    秋田の高校時代のことを書いたエッセイなのですが、これがすんごく良かった。地味女子だった自分と通じるところがあって、底辺女子高生の気持ちに何度もうなづいていた。家出、保健室通い、赤点とネガティブだった当時の気持ちがが赤裸裸に描かれる。あの頃もがいていた自分を思い出す。並の高校生のこころをリアルにきめ細かく書いていて主人公が好きになる。球技大会や下宿の話は面白い。なにひとつ大きな事件は起こらなかった美術部の話もいい。その自由な時間と空間が高校時代にしか得られない宝物のように思える。思い出と重なりそうで感傷的になった。この作者はやはり美しい文章を書きます。卒業前、作者が階段を上りながらふっと思った場

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    2011年09月18日
  • 夜の朝顔

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    やっぱ好きだ豊島ミホ。
    気持ちを描こうとする言葉がすごい。
    子供の頃の憂鬱な気持ち、曇りの日の空の重さ、眠れない夜の静かさ重さ、子供である自分の何も出来なさ、生々しく思い出すような感じがする。
    やっぱすごい豊島ミホ。

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    2009年10月10日
  • 青空チェリー

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    それぞれに面白かったけど、全体としてまとまりが無く、理解し難い感じでした。
    特に「ハニィ、空が灼けているよ。」はシチュエーションも流れも掴みきれず、なかなか入っていけない感じです。それに引き換え「青空チェリー」はストレート。「誓いじゃないけど僕は思った」は入り方が少し雑な雰囲気です。
    悪くは無いのですがね、あまりに統一感に欠ける作品でした。

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    2016年08月05日
  • エバーグリーン

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    あー
    やっぱり豊島ミホだいすき。

    ただ今回はあれやね、
    夢物語で終わらせなくて、
    青春万歳では終わらなくって、
    現実をちゃんと書いてくれた。

    でもこの人は人の感情を
    ほんとに繊細に書いてくれるから
    心に優しくてリアルに切ない。

    すごく、いい。

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    2012年05月10日
  • エバーグリーン

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    良い話でした。
    いかにも青春の物語。とはいえ、甘いだけではなく、現実の挫折も盛り込まれ、そのバランスが素晴らしい。また、随所に見られる見事な描写。流石は豊島さんです。
    ある意味、何とも言えず中途半端なエンディングですが、それもまた見事です。余韻と言うか、不思議な思いが残ります。

    ただ、私には余りに若すぎ、また女性的過ぎましたが。。。

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    2016年08月05日
  • 底辺女子高生

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    「檸檬のころ」を単独で読んでも素晴らしかったけど、こんな高校生活が背景にあったことを知り、もう一度読み直したくなった。すべての豊島ファンにお勧めしたい。

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    2011年09月25日
  • 檸檬のころ

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    檸檬のころ=酸っぱい=青春ということなのだろう。良いタイトル。また今となっては携帯がない少し不便がある時代の物語になってしまっている点は現代人が読むからこそのこの小説の良さになっている。

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    2025年11月12日