あらすじ
漫画家になる夢をもつアヤコと、ミュージシャンを目指すシン。別々の高校に進学することになったふたりは、中学校の卒業式で、10年後にお互いの夢を叶えて会おうと約束をする。そして10年。再会の日が近づく。そのとき、夢と現実を抱えて暮らすふたりの心に浮かぶものは……。単行本刊行時、大反響を呼んだ青春小説の傑作がついに文庫化。恋と夢と現実のはざまで揺れ動くあなたに贈る物語。
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Posted by ブクログ
学生時代、話したことのなかった子と何かのきっかけで話すことになり、興味を持っていく過程が思い出されて懐かしくなった。
結果的にはハッピーエンド、なのかな?
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久しぶりに大満足。
シンくんとアヤコのそれぞれの気持ちがとってもよく書かれている。
あぜ道での再会のシーンでは泣いてしまった。なんでだろう。感動的でも劇的でもないんだけど。それまでの10年間を思うといろんな感情が交錯しました。
雪融けの匂いや音、まぶしい太陽、田舎のちょっとぬかるんでるあぜ道、寒いけど暖かいみたいな気候・・・。
そして私の頭の中にはレミオロメンの3月9日!
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昔思い描いていた姿とは違うけれど、毎日夢見てた頃のキラキラした気持ちはずっと憶えてる。憶えたまま、ぜんぶ持ってこれからも進んでいく。そこにはくるしくて切ない気持ちもある。それでいいんだ。
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二人が再会できたというだけでハッピーエンドだと思う。25歳の時に読んでよかった。
豊島さんの本を読むと、この人は自分が今ぐるぐるしているところから抜け出した人なんだと思う。
Posted by ブクログ
高校時代、この作品の一部が模試の小説の問題になってました。引用された箇所が、青春!って感じで、ついにやにやしてしまったのを覚えています。
物語はミュージシャンを目指す男の子と漫画家になりたい女の子の二人の視点で語られます。二人は中学時代に仲良くなり、卒業した時にある約束をして月日が流れます。
二人がどんな大人になったか、夢はどうなったのか……ぜひ見届けてほしいです。
時間が経つと、色々と変わってしまったり、現実を知ってしまったりするものですよね……
Posted by ブクログ
タイトルとジャケットが
気になって読んだ一冊。
私が豊島ミホにはまる
きっかけになりました。
初恋は玉砕したり
苦かったりという
イメージを覆し、
初恋はいつまでも
甘酸っぱさを残して
思い出になるんだなあと
妙に納得しました 笑
Posted by ブクログ
アヤコは、中学校では目立たない少女だった。こっそりと少女マンガを描きながら、オタクな友達と一緒に、教室の隅のほうでマンガの話で盛り上がっていたけれど、自分の描くものに全然自信なんてなかった。同じクラスの男子・シンはバンドでギターを弾いていて、いつか有名ミュージシャンになるという夢を抱いていた。
アヤコの目に、シンはきらきらと輝いて見えた。その歌には力があって、アヤコはシンなら夢をかなえることができると信じた。その応援に力を得て、シンもまた自分の可能性を信じた。
十年後にここで会おう。そのときは、シンは有名ミュージシャン。アヤコは漫画家。卒業式の日、そう約束した二人。
そして時は流れて、十年後、アヤコは少女漫画家として、人気連載を持つ身となっていた。一方、シンは現実の厳しさに負けて、リネン配達をして働きながら、十年前の約束の重みに憂うつさを抱えて……
シンの挫折がほろ苦く、アヤコの不器用な実直さが愛しい。同じ方の本『檸檬のころ』を読んだとき、解説に書かれていた一言ですが、「豊島ミホはふつうを輝かせる達人」ということ。本当にそうだと思います。ものめずらしくはないありふれた日常、誰でも通ってきたような感情が、とても活き活きと胸に迫ってきて、感情移入せずにはいられない。いい小説というのは、必ずしも壮大なストーリーとか斬新な手法というのを要しないんだなあと、つくづく思いました。
青春ものがお好きな方には、とてもオススメの一冊。
Posted by ブクログ
10年後に男女が再会を約束して、という古典的な枠組みを豊島さんらしく料理。その約束の日に向かっての最後の二ヶ月間の二人の日々が描かれています。その二ヶ月に二人がじわじわっと成長していくところが良かったです。主人公の女の子が、自分の作品の締めくくりをきちんと告げられるところ、とか、男の子が奈月さんに怒られて反省するところとか。記憶と想像力で人と人の距離は埋まっていくはずだ、という豊島さんの信念がしっかり形になっています。彼女のこれまでの作品の中で一番大好きです。
Posted by ブクログ
個人的には最後まで、現実味が少ない作品でいて欲しかったです。
ずーっと純粋でずーっと純情。
こういう作品なら夢を持ち続けられたのかなって思いました。
でも、最近はリアルを追求することが多いからね。。。
Posted by ブクログ
アヤコは漫画家を、シンはミュージシャンをそれぞれ目指していた。
中学の卒業式の日、二人は10年後の再会を約束する。
それまでにお互いの夢を叶えると誓って。
10年の月日が流れ、二人は…。
甘酸っぱい!!
設定、序盤、鼻の奥がつん、となる。
でも、帯にある通り、描かれているのは、甘酸っぱい“思春期”の“終焉”だった。
特に接点のなかった、アヤコとシン。
物語はアヤコの一方的な片想いから始まる。
片想い…とは言っても、恋、とは似て非なるもの…なのかな。
-この人じゃなかったら誰が、私の心をかっさらい続けるんだろう。
これだけ強く想える対象に出会えるって、すばらしい。
終盤にかけても、このアヤコのシンへの想いは恋心というものではなく、もっと大きな力を持った、大げさに言うと畏敬にも似たもののように感じられる。
対して、シンはアヤコのテンションとはまた全然違う。
当時、どちらかというと、自分よりも“下に見”ていたのだ。
シンにとって思春期の自分は“高慢”であり、その象徴的な台詞が、バンド仲間へぶつけたもので、物語が進む中で度々登場し、後に自分への問いかけにもなる、
クソ田舎で一生埋もれて暮らせ!
なんだろうなって。
この台詞はたまたま耳にしてしまったアヤコへも突き刺さっていたわけで…ストレートにどーんと、遅れて自分にも突き刺さるという。
再会の時が近づき、それぞれ状況は違えど、焦燥、不安、期待…色んなものが渦巻く。
そして、再会間近にして、自分自身が変わらなければならない瞬間がやってくる。
アヤコは自分の見ていた“きらきら”を違うかたちで見ることができることに気づく。
シンも現在の自分にしか得ることのできない、“高い空”を見上げている。
夢を叶えることよりもそれを変わらず追い続けていくことの方が難しいのかもしれない。
甘酸っぱいだけでは一生を過ごすことはできない。
けれど、あの日あの時があったから前へ進める、生きていくことができる。
そう思える瞬間が、アヤコとシンにとっては卒業式の日だったんだろうなと思う。
小さくって芯の強い、ひたすらシンに信頼と憧れを寄せるアヤコに、“想う”力の強さ-そして脆さも-を見せつけられた。
Posted by ブクログ
「10年後の今日、ここで」
こんな言葉、言ってみたい!きゅんきゅんしました。
アヤコもシン君もかっこよくかんじました。
私もクラスメイトも10年後何してるんだろう・・・?
Posted by ブクログ
青春って子供時代だけでは終わらないし、苦いだけではないんだって思った。あと女の人の方がやっぱりちょっと大人びてるなって。これぞ大人流ハッピーエンド。
Posted by ブクログ
15歳とか、そういう甘酸っぱい年齢での恋に縁がなかったものだから、尚更この爽やかさに憧れる。
好きになるのにたいした理由なんかなくて、それが恋だと気付いた途端に相手が特別格好良く、すごい才能を持っているヒーローに見えてしまう不思議。
10年後再会する約束に向けてまっすぐなヒロインが可愛い。
Posted by ブクログ
何が好き、どこが好き、という感想は特になく、全体の雰囲気が好きだなぁって思いました。
良い所で話が切り替わって、どんどん先が気になって、また読んで。
何年後かにもう一度読みたいと思える本だった。
Posted by ブクログ
豊島ミホの青春小説。
甘酸っぱいタイプのそれ。
この本を読むのは単行本で何年か前に読んだ時以来で、主人公が奥田民生を歌うことくらいしか覚えてなかったけど、そのころと今じゃ、展開に対する感想がだいぶ違う。
どの本でも何年かあけて読むと感想が変わるもんだけど、この本に対しては正反対といっていいくらい。
2011年時点の僕はこの本の展開けっこう好きです。
Posted by ブクログ
中学校で友達以上恋人未満だった2人が卒業式の日に「10年後に夢を叶えて再会する」という約束をするところから始まるお話。いかにも青春っぽくて甘酸っぱくどきどきするけど、後半はお話の主軸がぶれてしまった感じがして読後感はいまいち。時間がある時にぶっ通しで読み直したい。
Posted by ブクログ
あー
やっぱり豊島ミホだいすき。
ただ今回はあれやね、
夢物語で終わらせなくて、
青春万歳では終わらなくって、
現実をちゃんと書いてくれた。
でもこの人は人の感情を
ほんとに繊細に書いてくれるから
心に優しくてリアルに切ない。
すごく、いい。
Posted by ブクログ
良い話でした。
いかにも青春の物語。とはいえ、甘いだけではなく、現実の挫折も盛り込まれ、そのバランスが素晴らしい。また、随所に見られる見事な描写。流石は豊島さんです。
ある意味、何とも言えず中途半端なエンディングですが、それもまた見事です。余韻と言うか、不思議な思いが残ります。
ただ、私には余りに若すぎ、また女性的過ぎましたが。。。
Posted by ブクログ
中学校の卒業式で、10年後にお互いの夢を叶えて再会しようという約束を交わした、漫画家志望のアヤコとミュージシャン志望のシン。その日が近づく二人に去来する胸のうちを描く青春小説。
何者かわからない青春時代から、何者かの限界を知る二十代。でも、まだまだ夢と希望は失わないという葛藤の日々が何とももどかしい。エンディングテーマは渡辺美里「10years」
Posted by ブクログ
青春だな~と。
根拠のない自信をもち、音楽で成功すると信じている男の子。そんな男の子に憧れている漫画家を夢みる女の子。恋とも呼べない微妙な関係のまま中学校の卒業を迎えることになる。
「10年後の今日、ここで。」
お互いの夢を叶えて再会することを約束する。
思い通りに行かない厳しい現実に気づくこともあれば、過去にとらわれ動けないこともある。
夢と現実の間で二人が成長していきます。透明感のある文章で描かれ、決してすべてがうまくいくハッピーエンドでないけれど、優しい読後感につつまれます。
若い子向けかな。
Posted by ブクログ
昔、大事に抱いていた夢を亡くして大人になることは大罪ではないのに、敗北者の様な気がする時がある。
あまずっぱい話だった。高校時代の二人の交流が可愛かった
Posted by ブクログ
よくある学生生活から十年経って‥って物語。さっき読んだのがインパクト有りすぎたかな。ちょっと柔いってか甘いってか響くものが少なかった。つまらなくはないけれど。なんかバンドをキーにする物語とか多いよなぁ、最近。
Posted by ブクログ
物語の主人公は、シンとアヤコ。
スタート時点ではふたりとも中3。
ともにクラスの中で目立つ存在ではない。
特に接点があったわけでもない。
そんなふたりが挨拶を交わすようになり、田舎のあぜ道を
一緒に歩いて帰ることもしばしば、という関係に。
ただし、恋愛なんてものなんかではない。
アヤコから見ればシンは畏敬の念を覚えるような存在。
そうやって慕ってくるアヤコに特別な何かを感じつつも
それが恋とイコールとも思えないシン。
そんな状態で迎えた卒業式の帰り道。
ミュージシャン志望のシンと漫画家志望のアヤコは
10年後の10時になんにもないあぜ道で再会することを約束する。
そして、物語は一気に再会の日の数ヶ月前へ。
その日を迎えるまでの彼らの心情の変化、成長、
そしてそれまでの10年間について多くが語られている。
正直言って、物語は数ヶ月前からの方が面白い。
主人公二人の心情の変化なんてほんとに秀逸。
加えて情景・風景描写も綺麗でイメージがしやすい。
時々外れる(あえて外して語ってる)話もふたりの
成長や変化、キャラに深みを加えている。
「○年後に再会しよう。」って内容の物語の中では最高なんじゃないか。
わたくしの評価はこれですね。
クライマックスでシンが語るこの1行にジンときた。
「俺は、・・・で・・・て暮らすよ。」(あえてモザイクを。)
この決意に至ったシンはオトコになったよな~
Posted by ブクログ
「10年後に、ここで!」
初恋は実らない。
ずっと、玉砕しちゃうって意味に捉えてたけど、そうじゃないんだなーって。
途中で途絶える不実もあるし、変わってしまうこともある。
でも、恋をしてたってことは変わらない思い出になる。
そういう初恋もなんとなく幸せなのかも。
Posted by ブクログ
少女マンガを小説にしたような読み応えの本。
中学生からの思い人と10年後に会う約束をして…少女から女性への心情の成長がテーマ。
個人的にはまぁまぁだが、後半に出てくるヒロインの彼氏がなんかリアリティが薄い。少女マンガに出てくる女の子の願望が形をとった男の人っぽい。。