風野真知雄のレビュー一覧
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ネタバレ冒頭の描写から不穏な空気が漂っている。
しかも最後の1行が気味が悪いくらいあっさり書かれていて、だからこそ救いがない。
身も蓋もない言い方をすると、
正しいと思って起こした行動がめいっぱい裏目に出た、といったところか。
事を起こした本人は正義だと思って動いてる故、罪悪感がないのが怖かった。
『耳袋』絡みの謎解きパートに若干救いがあるかな。
取り敢えず栗田の坂巻に対する評価基準が
ほぼすべて雪乃さん絡みなのが面白い。
しかも空回ってる辺りがまた(爆)。
余話の『河童の銭』は銕蔵と五郎蔵の若い頃の話。
本編のふたりの関係性を考えながら読むとかなりニヤニヤできる(爆)。
変な話、この余話の方が面 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全体的に読後感が哀しい話だった。
過去の作品で捕まった泥棒が牢破りに成功するところから話が始まるのだが
この人が捨て駒扱いだったりするし
関わる人関わる人みんな当たりが素っ気ないというか血が通ってないというか。
逆さに釣られた遺体で見つかった玉助さんも
愛されていた片鱗が見えるところが逆にせつない。
『耳袋』に記された妖し絡みの謎解きがコミカルな部分を担うことで
これまでの話ではバランスがとれていたのだが
今回はあまりにも哀しい扱いの人が多すぎて辛かった。
巻を重ねるにつれて、『闇の者』の印象がのっぺりしてきて
だんだん温度を感じさせないモノになりつつある。
それから、前作に続いて洋行の物で -
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ネタバレ根岸肥前守が『後々まで切歯扼腕し、悔いることになった』のは
橋番の甚さんのことなのか、永代橋の末路に関することなのか。
町奉行周りの話だからか、何気に血生臭いというか、結構人が死ぬ。
御禁制の物の抜け荷だとか、バックギャモンだとか、
西洋から入ったらしきものがチラチラ出てくる辺りが
維新が近いんだなぁという気がする。
そして、雲次が永代橋に施した仕掛けの気の長さに
東野圭吾氏の『聖女の救済』に通じるものを見た。
椀田の姉のひびきさんが意外と乙女だったのが面白かった。
宮尾も悪食とはいいながらちゃんと選んでる風なのも面白い。
ひびき→宮尾→牡丹って図式、ハチクロか??(爆) -
Posted by ブクログ
ネタバレ新シリーズ第2弾、らしい。
根岸肥前守がだんだん松浦静山に見えてきた不思議。
下っ引きのしめさんとか、高田馬場の元陰間の尼さんとか
また強烈なキャラが増えた。
そしてイケメン宮尾に剃刀という新たな弱点を与えられるという。
もしやこれもイケメンゆえか???(笑)
今回は物欲に支配され振り回される、というのがテーマらしく
モノに溢れた現代に生きる自分たちにも深く関わる話だったと思う。
前作はそれで終わったのかと思っていたが
『闇の者』というテーマが引き継がれていることが読んでいるうちに解ってきた。
これはシリーズ通して語られる話なのだろうか。 -
購入済み
望遠鏡で覗いたものは
東京タワーから江戸時代を覗いたような小説だ。
先の読める展開が知らず知らずのうちに最終巻まできてしまった。
作者の意図するとこならばまんまと嵌ってしまった。