茂木誠のレビュー一覧
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最近の出版業界で流行している「~の世界史」というタイトルに便乗した「世界史に学べ」。そこに池上彰の現代教養エッセンスをふりかけた現代ニュース評論本。著者は世界史の講師なので、ジャーナリストの池上氏や佐藤優氏ほどの毒はない。が、それはそれで純粋な教本として読みやすい。最近の国際ニュースでよく出るなんとなくわかった気になっている言葉の意味を、その背景となる歴史を含めて教えてくれる。
「クルド人」って誰?
ウクライナってどういう存在なの?
ユダヤ教とキリスト教とイスラム教は仲が悪いの?
こうしたモヤモヤを解決してくれる。
しかし、改めて思うけど、日本人にとって民族問題、宗教問題というのは実感がないから理解するのは難しい。まずは歴史をじっくりと学ぶことからはじめたい。 -
Posted by ブクログ
世界のニュースの動きに対して、起こっている理由が少し分かった気がする。
歴史を通してみると本当に分かりやすく理解することが出来た。宗教観であったり倫理感や文化が違うため仲良くなれなかったりするのは歴史から紐解くことができる。地政学的な問題だったり外交戦略的な行動や交渉、国内政治向けのための施策など色々な要素が含まれ絡み合い世の中が動いているのがよく分かった。
例えば反日運動は中国にとって共産党の腐敗の目をそらすために利用され、韓国は外交戦略として中国側に着くときにアピールとして使い、アメリカ・日本側に着くときは抑えめにしたりとそれぞれ何らしかの理由がある。これを読んでいると、なるほどと思うことが多かった。この本は大変お勧め。 -
Posted by ブクログ
駿台予備校の世界史講師が書いた、世界史と
哲学・思想家史がコンパクトにわかりやすく書かれて
あると思います。
第1講 法と正義
ソクラテス・プラトン・モンテスキュー・ルソー
第2講 戦争と平和
マキャベリ・カント・クラウゼヴィッツ
第3講 理性と感情
プラトン・ピタゴラス・デカルト
第4講 「わたし」と世界
キルケゴール・カント・ヘーゲル・ショウペンハウアー・ニーチェ
この本を読んで、いろいろ印象や、感覚が変わったのが
ルソー・カント・ヘーゲル・ニーチェ・・・
いろんな本を読むと、いろいろな角度で理解が進む
感じがして、面白さが増してくる気がします。 -
Posted by ブクログ
前半はいいが、後半の日本政治史はタイトル通りの内容になっておらず、著者の思想も強く出ている。
リベラルとは変化に対して寛容であること。
11世紀からノルマン人に支配されていたイギリスでは、外来王朝の王権を制限していかに古来の伝統を守るかが大きな課題だった。13世紀に対フランス戦争に負けたジョン王に対し、貴族と都市が団結して古来の特権を列挙した文書を書き上げ、王に署名させたものがマグナ・カルタ。さらに、議会が開催され、アングロ=サクソン人の古来の慣習法やしきたりが法として整備されていった(コモン・ロー)。長く継承されてきたしきたりは、無数の先人たちの試行錯誤を経て洗練された知恵の結晶であるという思想がイギリス保守主義の根底にある。
大陸国家のフランスは、ローマ帝国のガリア属州としてその強い影響下に置かれた。中世の大学ではローマ法とアリストテレス哲学が学ばれ、普遍的な価値と論理的な明快さが珍重された。イギリス革命が古来の秩序への回帰を目指した保守革命だったのに対して、フランス革命は「こうあるべき未来社会」を設定し、旧来の社会秩序を徹底的に破壊したリベラル革命であった。
アメリカでは、南北戦争後、奴隷制度を守るという看板では戦えなくなった民主党は、北部の資本家と結んだ共和党に対抗するため、移民労働者を保護するという新たな看板に掛け替え、参政権を得た移民たちの2世が支持基盤となった。一方の共和党は、本来のアメリカ人の生活を守るため、移民の制限を主張するようになったため、安い労働者の流入を歓迎する都市部の財界の支持は民主党にも移った。
大恐慌の時代、各国は大きな政府によって克服しようとし、特にアメリカではこの時からリベラルという言葉が「大きな政府による労働者の保護」という意味で使われるようになった。
ノーラン・チャートは、縦軸に政治的自由度、横軸に経済的自由度をとって政治的立場を図式化したもの。
リベラル | リバタリアン
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全体主義 | 右翼
伊藤博文の懐刀として、大日本帝国憲法、皇室典範、教育勅語、軍人勅諭の制定に関与した井上毅は、ドイツ公法学の影響を受けつつも、日本の歴史的連続性と国体理念に適合する立憲体制を構想し、その正統性を古事記や十七条憲法、御成敗式目などの歴史的先例に求めた。
大日本帝国憲法は、天皇の統治権を認めつつ、その権限を憲法の範囲内とし、内閣の輔弼を必要とするという点で、ドイツ型の国家有機体説・国家法人説の強い影響を受けている。著者は、この憲法を守っていこうとする立場が、敗戦までの「保守」だと主張する。政治権力を持たない天皇家が存続できたのは、天照大神の子孫として神々を祀る神道の大神官としての宗教的権威・霊威に基づくものという解釈もおもしろい(実際には、律令期や院政期には、天皇・上皇が実質的政治権力を持っていたし、武家政権によって権威の源泉としての利用されていたことが天皇家が存続できた要因でもある)。美濃部達吉が発表した天皇機関説は、国家有機体説・国家法人説から導かれたもので、学会では主流派の地位を得たが、復古的な天皇主権説からの攻撃を受けて政治問題化し、国体明徴声明の発表によって敗れた。
本書の記述を生成AIで確認すると、所々短絡的と思われる点や誤りが見られる。
朱子学は「伝統的儒学を先鋭的な排外主義に作り変えた思想」ではない。
明治新政府は、近代法典の基礎としてフランス・ドイツの法系を採用しており、イギリスのコモン・ローを継受したとは言えない。イギリス型の立憲君主制、フランスの自然法や共和制も採用していない。
宮沢賢治が国柱会創設者である田中智学に強く傾倒していたことは事実だが、『銀河鉄道の夜』を国柱会思想の宣伝文学・表現と断定することは、研究的には支持されていない。