茂木誠のレビュー一覧
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ネタバレ
人の心は繰り返す
・あまりに災厄が酷くなると、人は神聖や清浄さ、更には葬儀などの宗教的な感情を顧みなくなる。
神々なんかいないじゃないか、と人々は自暴自棄に陥り、信仰は廃れていく。
・集団免疫:多くの人が罹患した結果、殆どの人が免疫を持つこと。
・内省的な思考(仏教など)は、人々が豊かになり、社会がどんどん発展している時には、なかなかメジャー化しない。
逆に全てが崩壊して行く時には、「自分たちが求めたものに意味があるのだろうか。
もっと大事なものがあるのではないのか」と、人々がその教えに耳を傾ける傾向がある。
・感染症の爆発は、細菌やウイルスが伝染することに加え、免疫機能の低下によって起こる。
慢性的な飢えで栄 -
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お金
・お金自体に価値は無い。価値があるのはそれによって交換できる物資やサービスなのだ。
お金とは、何とでも交換できる万能の有価証券に過ぎない。
お金とは、その国に流通する物資の供給力を映す鏡である。
・中央銀行の役割は、お金の乱高下が起きないように調節しながら、通貨を発行することで、
「安定した経済を保つこと」である。その為にいくらのお金を刷るのかは、「インフレターゲット」によって決める。
中央銀行が発行しているお金は、経理上『政府の負債(借金)』として計上される。
そのお金が国内を巡り、日々の経済活動に使われる。
・『国の借金(政府の負債)』が無い状態というのは、貨幣経済が破綻した(あるいは物々 -
ネタバレ 購入済み
日本の現状
・日本の教育の問題:予め決められた模範答案にいかに早くたどりつけるか、という情報処理能力ばかりを重視→
「ああすればこうなる」で凝り固まる
・国際連合(連合クラブ):安全保障理事5大国(米英仏露中)に限り、拒否権発動で武力制裁ができなくなる
=5大国だけが好き勝手に軍事行動(侵略)が出来る→
安保理5大国(米英仏露中)が引き起こす戦争を止める権限を国連は持たない
=日本と5大国(ロシアや中国)との間で領土紛争が起こった場合、
もし日本が安保理に提訴したとしても拒否権を発動されておしまい→
また、旧敵国(日独伊)に対しては、安保理の承認なしに軍事的強制力を発動でき(国連憲章第53条 -
Posted by ブクログ
ギリシアって、哲学者の名前とかを覚えさせられるけど、なぜギリシア世界が衰退していったのかについてはあまり印象に残っていない。
本書はギリシア世界が衰退していく原因となったペロポネソス戦争中の演説を、トゥキディデスの「戦史」から集めて、まとめた本である。
「序章」ではペロポネソス戦争の史実について簡単にまとめてくれている。
ペロポネソス戦争は、ギリシアがペルシアを撃退した後の、アテネとスパルタの覇権争いで、ギリシア世界がアテネ派(デロス同盟)とスパルタ派(ペロポネソス同盟)に分かれた血みどろの内戦だ。
民主主義国のアテネと軍国主義的なスパルタの争いであったため、「戦史」の演説は今でもアメリカ -
ネタバレ
・国や民族が、地球の表面の陸地に暮らしている以上、その位置関係は、おのずと、独自の意味をもってしまう。
・ハートランド:背後から攻められない場所。ユーラシア大陸中心部。
大陸では、四方八方から攻められる可能性がある。
もし、背後から攻められないと「確定」しているような場所があり、
そこに凶悪な輩が陣取ったりすると、
その「城」を拠点に次々と周りを落としていくことが可能になってしまう。
ハートランドの後ろは北極海のため、無人である。
背後を突かれる可能性がない。(海軍の侵入は不可能)
長期戦では、冬将軍の厳しい寒さの前に、異国の軍隊が攻め入ったとしても、
いずれ敗北を余儀なくさ