あらすじ
人はなぜ血で血を洗う戦いを繰り返すのか? ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、1章分を加筆・アップデートした最新版。米、中、露、欧州、その他諸国、そして日本……多極化する世界の覇権争いの舞台裏も解く。私たち日本人の戦争観を塗り替える戦争通史の金字塔。「世界史」を通じて読み解く「戦争と平和」。“古人類学による戦争の起源”から“戦時国際法の限界”、“21世紀の東アジアの未来”までがわかりやすく学べる。日本人は“戦争”とどう向き合ってきたのか? そもそも人類はいかにして“戦争”を回避しようとしてきたのか? 「戦い」を通じて「秩序」を作り上げてきた人類の歴史の核心に迫る。戦争とは何か、平和とは何かを考えるきっかけが得られる! カリスマ世界史講師だからこそ書けた、「令和以降の世界を本気で考える」ための必読書。そもそも人類は、いかにして戦争を回避しようとしてきたのか、歴史を振り返っておく必要があるのです。――本文より
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Posted by ブクログ
世界史講師による「リアリズム平和学」だ。
個人的に「平和学」なる教科書を数冊読んでみたが、どうも合わなかった。お花畑的な「戦争はしちゃいけません!」は小学生で終わって良いと思う。ではなぜ、世界から戦争・紛争は無くならないのか、どうすれば避けられるのか。リアルなところを追ったのが”リアリズム”であり、それを歴史の観点から学べるのが本書の特徴だ。これこそが平和学だと感じた。
Posted by ブクログ
ゾクゾクするほど面白かった。
明治維新がなぜ成功したのかはいろんな説があるけど、維新の担い手たちがきちんと当時のルールである万国公法を学んでいたというところ(坂本龍馬のいろは丸時件とか)が大きかったことなど初めて知ることばかりだった。
また、大東亜戦争に至る部分を丁寧に扱った12章は非常に読み応えがある。軍部の暴走が国民を戦争へと駆り立てたのではなく、マスコミに煽られた大衆の世論が軍を後押ししたのだと言うところが、今まで何となく感じていた心の中のモヤモヤを一気に晴らしてくれた。
一方で、陸軍統制派が共産主義に汚染されていたと言うところがイマイチよく分からなかった。個々の事例も挙げられているが、どれも状況証拠の域を出ないと言うか…
そもそも共産主義の定義自体が(この本に限らず)何を読んでもよく分からない。茂木先生に改めて解説してほしいところ。