茂木誠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かつてタブーとされた血なまぐさい暴力的な外交姿勢を前提とした地政学的見地を元に世界を俯瞰した本書。
地政学という徹底したリアリズムの世界では人道主義の入る隙はなく、あるのは地理的制約条件と如何にパイを取るかという苛烈な弱肉強食の論理だけ。
そんな前提でこんなグローバル社会が動いているわけないじゃないか。社会は進歩したんだ。と言いたいところだが、
残念ながらこれだけグローバル企業が世界を股に掛けるようになっても、ある国家の指導者が戦争意志を固めて実行してしまえば、世界はその吹き荒れる暴力の嵐に右往左往するしかないというのは2022年現在、肌で感じることだ。
そんな出来れば考えたくない残酷な世 -
Posted by ブクログ
コテンラジオからの興味の拡がりで、
最近本屋さんでよく見かけた「地政学」が網にひっかかったので、漫画を交えてあり、比較的易しそうな感じのこちらを購読。
結論から言うと、
めちゃくちゃわかりやすくて面白かった。
各国ごとにまず軽い漫画を挟んだ後、
その国についてテキストで地形や歴史から見える立場や考えを解説していて、キーワードになる語句については欄外で詳細が示されている。
今世界で起こっているモノゴトについて、
自分の目から見える解像度が段違いに上がった。
特にわたしが1番印象に残った国の行動原理が、「自国を守るために戦う」というところ。
世界史でも日本史でも、争いの種になるのいつも自国を脅 -
Posted by ブクログ
世界史の難しさって、その複雑さによるものではないかと思う。
世界史が対象としているのは今のところ主にユーラシア大陸の歴史だと思う。そこでは多くの民族が地続きで存在していて、版図が頻繁にに変わっているから把握が難しい。
茂木先生は、知識をスッキリ腑分けして教えてくれるので分かりやすい。
昔読みやすさが売りの対談本を結構読んでいた。
ある本ではリベラル寄りの著者が「アメリカは常に仮想敵国を作らずにはいられない」みたいな発言をしていて、別の本では保守派の論客が「いやアメリカはモンロー主義を掲げている。そんなはずはない」と云っている。
この本を読み終えて、どちらも50点だなと思った。
実際は複数あ -
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平和だった日本人は意識が低すぎた。今はいつ敵国が攻めてくる分からない。自衛の意識を持つ必要がある。
私は特に中東の事情について、全く知識がなかった。
テレビで伝えてないから興味無しのままでよいかと言えば、絶対にそれでは駄目だと思う。
私が学生だった30年以上前は「地政学」という概念はなかった。
あくまで「地理」という科目があっただけで「この国の産業は、特長は」という「点」としての説明でしかなかったと記憶している。
当時は「暗記科目」と割り切っていたが、その考え方が根本的に間違っていると30年以上経った今になって気が付くというのも情けないものだ。
「地理」と別で「世界史」という科目もあったが、こ -
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世界史を経済の横軸で見ることができ、面白かった。時系列ですべての世界史を網羅しているわけではないが、現代にも通じる出来事を経済の観点から紹介している。
面白かった点
①FRBは民間資本
②日銀は政府と民間で半分ずつ出資
③日銀の設立背景は西南戦争後のインフレ
・西南戦争の戦費調達のために多額の国債を発行したことで、日本経済はインフレに見舞われる
・インフレ処理のためにデノミネーションとして、松方正義が日本銀行を設立し、日本銀行券を発行
④なぜアメリカはNo.1の経済大国になれた?
・2回の世界大戦で戦場とならず、戦争参加国である欧米諸国に対して、国債の引受け・武器輸出の拡大をしたから
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Posted by ブクログ
全部マンガではありません。
最初に4ページほどのマンガで問題提起し、興味を持たせて、そのあと詳しく説明するという構成です。
人気がある「サクッとわかる ビジネス教養 地政学」は読みやすかったけれど情報量が少ないので、本書は情報を補完するのに良い内容でした。
第3章の「さまざまな国から見た世界」がおもしろい。
○○○から見た世界地図、という視点で○○○に当たる国は次の8か国。
フランス、ポーランド、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、インド、ベトナム、ブラジル。
ポーランドやトルコなど、地理的な条件(場所と地形)が悲惨な国の歴史を生んでいることがよく分かります。
ひととおり色々な国から世界を -
Posted by ブクログ
株を始めてから世界の動きというものに関心を持つようになりましたが、自分で考え判断をするための材料がなく、そういうことを学べる本を探していたところ、本書に辿り着きました。
恥ずかしながら、今まではマスメディアの報道を半ば鵜呑みにして一喜一憂しているような人間でした。
中学生の時の社会科の担当教師は生徒に人気があり自分も好きでしたが、振り返ってみると中国が大好きな方で、反日親中的な意見を刷り込まれていたように思います。
右か、左か、ということの以前に日本人として、日本に生き、生活する人間として、自分はどうするべきなのかと問うと、根底にはやはり日本という国が好きという思いがあり、そこが全ての出発