あらすじ
新聞やTVだけで世界情勢は理解できない!
世界史の講師が、現代ニュースの素朴な疑問100に答える!!
シリア難民や中国とアメリカの対立、イスラム国のテロ……激動の世界情勢は、ニュースを見ているだけでは理解できないもの。そこには世界史の知識が必要なのです。
本書は、「国際ニュースがいまいちよくわからない」というビジネスマンの悩みに、人気予備校講師が答えます。「なぜアメリカは戦争をするの?」「中国が海洋進出を急ぐ理由は?」などなど、TVや新聞では教えてくれない「100の疑問」をQ&A形式で解説します。
ベストセラー『経済は世界史に学べ!』の著者が贈る、ビジネスマン必読の1冊!
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Posted by ブクログ
10年前の本だが今読んでもとてもわかりやすい。ギリシャ危機という言葉は知っていたがなぜギリシャがEUの荷物的存在なのにみんな排除せずに助けるのかよくわかった。背景に宗教があったり、地政学的な観点があったりと目から鱗だった。
Posted by ブクログ
2025.10.29
第一章 ヨーロッパの憂鬱ーウクライナ問題と難民問題
第二章 台頭するイスラム過激派と宗教戦争
第三章 アメリカのグローバリズムと中国の野望
いやーもう本当にわかりやすかった。中学の歴史の教科書の一部にすべき。ニュースの見方が変わりそうです。
Posted by ブクログ
2015年の書籍だが、いきなりウクライナ情勢の事が書かれており、著者の先見の目に驚いた。
自分がいかに世界情勢や、背景として宗教が関係しているかをこれまで理解していなかった事に、身につまされたが、より好奇心は湧く事になった。
Posted by ブクログ
2022年に読んでも勉強になる。
IS、イスラム教、スンナ派、シーア派などのよく知らない基礎知識も詳しく書いてあり、中東や中国、アメリカとの関係性がいかに絶妙なバランスかも伝わってくる。
カトリック(西)と東方正教会
経済的な発展のするしないは、宗教のおしえに根付いている
Posted by ブクログ
ニュースを理解するには、その上流部である背景が理解できていないといけない。過去を知ることは今を理解するための必要条件である。
物事の本質を追ったとても素晴らしい書籍でした。
2022年のウクライナ紛争の背景もこれを読み解けば、鮮明になってきます。
いろんな人にお薦めしたいですね。
Posted by ブクログ
にゅーすのなぜ?がよくわかる。
昨今話題のウクライナ問題、日中関係などなど、情報に振り回されず自分のスタンスを保つのに歴史の知識は必須だと気付かされる。
Posted by ブクログ
まさにのウクライナ問題の歴史的背景も明示。全ての国同士の争い、そもそも中東には国の概念希薄も、宗教思想の違いがあることが背景。漢字を使う日本と中国も、中国は政教一致。易姓革命、皇帝が悪政→別の有徳者に天命が下って暴君を倒す。血縁関係無し、農民でも皇帝になれる。禅譲も平気にする。日本は政教分離。天皇の権威を越えることは許されない。
Posted by ブクログ
世界史の流れが軽く分かっていればとても分かりやすい本だと思います!
報道されない裏の思惑が分かり、今後の日本について考えさせられます。
いつの時代もどの国も、戦争は利害関係や過去からの復讐心と建前上の大義名分、フェイクニュースからの情報操作などがあることは衝撃的です。
いま行われてる戦争も泥沼化していて、善悪二元論では全く語れないですね...。
個人的にフセインの人柄に驚き、少し何かが違ってればいい指導者になれてたんじゃないかと思いました。
Posted by ブクログ
予備校講師が本職なだけあって、語りがうまく、分かった気になります。
複雑な世界を敢えてシンプルに切り取るときには、当然切り落とされてしまうものがたくさん出ると思いますが、そんなことを気にし出すといつまでたっても世界は理解出来ないので、こういう本はいいと思いますね。
(ペリーが太平洋を渡って来たのではなく東廻りでマラッカ海峡からやって来た、ってのは意外な驚きでした。)
Posted by ブクログ
最近の出版業界で流行している「~の世界史」というタイトルに便乗した「世界史に学べ」。そこに池上彰の現代教養エッセンスをふりかけた現代ニュース評論本。著者は世界史の講師なので、ジャーナリストの池上氏や佐藤優氏ほどの毒はない。が、それはそれで純粋な教本として読みやすい。最近の国際ニュースでよく出るなんとなくわかった気になっている言葉の意味を、その背景となる歴史を含めて教えてくれる。
「クルド人」って誰?
ウクライナってどういう存在なの?
ユダヤ教とキリスト教とイスラム教は仲が悪いの?
こうしたモヤモヤを解決してくれる。
しかし、改めて思うけど、日本人にとって民族問題、宗教問題というのは実感がないから理解するのは難しい。まずは歴史をじっくりと学ぶことからはじめたい。
Posted by ブクログ
世界のニュースの動きに対して、起こっている理由が少し分かった気がする。
歴史を通してみると本当に分かりやすく理解することが出来た。宗教観であったり倫理感や文化が違うため仲良くなれなかったりするのは歴史から紐解くことができる。地政学的な問題だったり外交戦略的な行動や交渉、国内政治向けのための施策など色々な要素が含まれ絡み合い世の中が動いているのがよく分かった。
例えば反日運動は中国にとって共産党の腐敗の目をそらすために利用され、韓国は外交戦略として中国側に着くときにアピールとして使い、アメリカ・日本側に着くときは抑えめにしたりとそれぞれ何らしかの理由がある。これを読んでいると、なるほどと思うことが多かった。この本は大変お勧め。
Posted by ブクログ
世界の政治・経済ニュースを正確に理解するために必要な知識を、過去の歴史を踏まえてわかりやすく解説している。
予備校講師をされている著者だけに、ポイントを押さえての説明は見事。
あえて言うなら、池上彰氏の著書に似ているかな?と言う点。内容に不足はないが、切り口や視点にもう少し独自性があっても良かったように思う。
Posted by ブクログ
外交関係において、なぜこの国はこのような行動を取るのか、ということをこれ以上なくクリアに説明している。ここまでわかりやすい説明もなかったように思う。続編もまた読んでみたい。
Posted by ブクログ
アメリカがオバマ大統領、ロシアがまだウクライナに攻め込んでいない2016年の本。
しかし、見事に今の事を予言していたし、世界の問題の裏をわかりやすく簡潔に解説していて、よく出来た本だと思った。現代の世界情勢を理解するには、うってつけの新書。
Posted by ブクログ
いかに米国の内政に働いているパワーバランスを理解できてなかったかがわかった。
その他の国については既知情報が7割くらいあったので教科書や資料集に掲載されているくらいの深さなんだろうと推測する。よくまとまっている良書。茂木誠さんの本を一通り目を通して近現代および政治思想の骨組みにしようと思う。
Posted by ブクログ
世界史の難しさって、その複雑さによるものではないかと思う。
世界史が対象としているのは今のところ主にユーラシア大陸の歴史だと思う。そこでは多くの民族が地続きで存在していて、版図が頻繁にに変わっているから把握が難しい。
茂木先生は、知識をスッキリ腑分けして教えてくれるので分かりやすい。
昔読みやすさが売りの対談本を結構読んでいた。
ある本ではリベラル寄りの著者が「アメリカは常に仮想敵国を作らずにはいられない」みたいな発言をしていて、別の本では保守派の論客が「いやアメリカはモンロー主義を掲げている。そんなはずはない」と云っている。
この本を読み終えて、どちらも50点だなと思った。
実際は複数ある支持母体の動向で政策が揺れ動いているので、どちらも正解で不正解。
世界は昔よりも緊密に繋がっているので、この本で得た知見が投資判断の精度向上に役立つと思った。
Posted by ブクログ
世界各地の紛争には、それぞれの民族観、宗教観、過去の因縁など、根深い問題が山積していることがよく分かる。世界中で平和や友好的な関係を築いていくのは、なんと困難なことなのだろうと思った。内容的にシビアな事柄も、予備校講師という職業柄か、軽妙な語り口でぐいぐいと読ませてくれる。現在世界で起きている様々なことや、国際社会での日本の立ち位置を、表面的にではなく深く理解しなければという意欲にかられた。
Posted by ブクログ
「ニュースのなぜ?は世界史に学べ」
世界史、少し苦手、、、
現在の世界情勢、現代社会もちょっと、、、
地球儀見ながら、読むことで「!!!」となりました。
受験時代に出会いたかった書籍です。
Posted by ブクログ
なかなか、サクッと読めて良かったよ。
とても平易な書き方で過不足なく説明がなされている感じで。
イスラム教関連の説明は、同種の本でもし尽くされている感じだけど、個人的には、ウクライナとロシアの関係とか、アメリカ内支持基盤の説明が、いろいろつながって良かったな。
少し情報は古いので、今はもっとアップデートされているけど、基本構造の話をしているので問題ない。
石油・天然ガス等のエネルギー問題は、やはり諸々の根幹なのだ。
Posted by ブクログ
(1と2を読んだ感想)
現在、世界で起きている出来事は過去の世界史の出来事を踏まえているんだよ、というのを懇切丁寧に書いてある本。全般的に読み応えがあるし、納得感も多い。特に宗教が世界史に与えている影響が非常に大きいんだな、というのが深く理解出来たのが収穫。
文章的にも平易で読みやすくてオススメなんだけど、諸手を挙げてオススメできないのが、対中国に対する記載の部分。中国に対してのみ過去の文化をひもといて丁寧に説明してないため、「何でそういう風に判断できるの?」て思って首をかしげてしまう事が多い。例えば、中国経済は実は崩壊寸前とか書いてあるけど、論拠が足りないので説得力が無い。なので、すべての箇所を鵜呑みにしちゃダメだけど、総じてこの本を読むと現在の世界の流れがつかめるので読んで損なしだとは思います。まぁ、何にせよまったく偏ってないメディアなんて無いからね。
Posted by ブクログ
Q&A方式で、ニュースで疑問に思う事に答える形式で分かりやすく書かれている。
しかし、なんとなく満足感が足りなく感じたのは、自分の好みでは章の最初に、よくある質問を数個並べてから、本題に入ってこの答えはこうだ、この答えはこうなんだという構成の方が好きだ。テーマ毎に章わけして纏めてくれたら、知りたい事が網羅されているのか分かるような気がする。
Posted by ブクログ
ユダヤ教→親子の縁より神への忠誠心が大事な神至上主義。神の掟「律法」を守らないと救われない。神に選ばれた民であるという信念だけで成り立つ。
やべー、気持ち全く理解できんわ笑
キリスト教→ユダヤ教から分離。イエスキリスト「律法とかよくね?信じる心があれば救われるさ」ユダヤ教が反発、反逆罪で磔の刑も生き返り勢力絶大に。
弟子から神と祭り上げられたイエス、ユダヤ教からすれば裏切り者であり、人間が神を騙るのは許せない。
ローマへの反逆を煽り立てる危険人物としてイエスを告発したのに、その後ユダヤ自身がローマ帝国に反乱起こすとか矛盾してるなぁ(^◇^;)
ユダヤ教 旧約聖書 モーセ
キリスト教 新約聖書 イエス
イスラム教 コーラン 最後の預言者ムハンマド
最後の啓示であるコーランをなぜ聞かない?
近いからこそ憎み合う。
ユダヤ教とイスラム教→人間ごときが神を絵や彫刻にできない=偶像禁止
キリスト教→めっちゃ描いてる
イスラム過激派に襲撃されたシャルリエブドは預言者ムハンマドの風刺画を掲載してたのね。なるほど、なるほど。風刺どころか絵にすること自体がタブーなら触れたらあかんわ。
ペテロ→イエスの一番弟子
「私はペテロ(岩)の上に教会を建てよう」
→キリスト教が認められた時、処刑されたペテロの墓の上に教会を建てる=バチカンのサンピエトロ大聖堂(ローマカトリック教会の総本山)
サンピエトロ大聖堂を守ってきたのがローマ教皇
「自分たちはペテロの後継者でありイエスの代理人」「ローマ教皇こそがキリスト教の最高指導者」
カトリックとは普遍的、ユニバーサル、世界共通という意味
政教分離→西ヨーロッパ文明、日本
「日本は天皇がいるから社会の安定を保てる」
→マッカーサー「GHQは天皇から権力を委任されて統治する」
政教一致→東ローマ帝国(実質のギリシャ、ビザンツ帝国。東方正教会)、ロシア、中国
皇帝に対する反抗は神への反逆罪となり一切逆らえない。独裁
中国の皇帝が道を誤った場合天命が離れる。別の有徳者に天命が下って暴君を倒す=易姓革命
ギリシャは思ってた以上にやばかった笑
カトリック→勤労と蓄財は罪
イタリア、アイルランド、スペイン、ポルトガル
カトリックを否定→ドイツのルターとスイスのカルヴァン=宗教改革→プロテスタント(新教徒)→勤勉
ドイツ、イギリス
カトリックやプロテスタント→罪の意識が強い=原罪
→寄付・勤勉
正教会→原罪意識が希薄
ギリシャ、ロシア
ムスリム同胞団→イスラム原理主義政党
イスラム原理主義政党↔︎社会主義独裁政権
IS→ムスリム同胞団の一部が過激派に。さらに一部はアフガニスタンでアルカイダと合流。
政権を勝ち取ったムスリム同胞団「エジプトは西欧化をやめイスラム法を導入する」→親欧米派の軍部がクーデター→選出された大統領を逮捕し、同胞団を非合法化→独裁政権に逆戻り
シーア派→党派 10% ムハンマドの血統重視 ホメイニ師の肖像あらゆる所に。 7世紀に決められた経典を変えてはいけない
スンナ→コーランに次ぐ経典の名称
スンナ派→スンナを重視する者=スンニ 90% 経典重視 偶像崇拝禁止 時代に合わせて解釈を変えていく世俗主義が多い
原理主義 ファンダメンタリズム
元々はキリスト教の過激派を指す言葉
イスラム教ではアッラーの言葉を人々に伝える以前の世界を人類が愚かで誤った時代と考え、黒歴史として破壊したがる。
サウジアラビア→サウード家のアラビア
ワッハーブ派ではあるものの贅沢な暮らしにおぼれ、アメリカとべっとり癒着関係に
憲法も国会も選挙もない。重要ポストはすべてサウード家の人間で占められる。国民に富を分配してるから成り立ってる
イラク→第一次世界大戦でフランスとイギリスが密約でかわしていた定規で引いた線によってできた人工国家
湾岸戦争、イラク戦争を経てフセイン政権倒壊、シーア派中心親米政権へ。
サダムフセイン大統領(イラク)→少数派のスンナ派であり世俗主義を貫く。「スンナ派もシーア派もクルドも関係ない。みんなイラク人だ」と教育。宗教や民族差別を撤廃。富もある程度分配。
アラウィ派→シーア派寄りだがキリスト教要素も入ってる
クルド人→国を持たない世界最大の少数民族。3000万人。男女同権
ヤジディ教→クルド独特の宗教
トルコ→イスラムとEUの間で揺れてる。今後はイスラム寄りに?1番の敵は何度も侵略して来たロシア。
アメリカ、クルド、イラン
vs.
ロシア、シリア、イスラエル、サウジ、トルコ
IMF 国際通貨基金
財政危機で外貨が不足した国へ米ドル緊急融資
世界銀行 IBRD
戦災復興と発展途上国の援助
中国莫大な宣伝費をかけてアメリカでも日本のネガティブキャンペーン
オーストラリア
親米派の自由党、親中派の労働党
中国系移民多い
李克強「私は我が国の政府が発表する数字は一切信用していない。私が信用しているのは、電力消費、鉄道貨物量、銀行融資額の3つです」
現在の中国は唐の末期に似ている。
Posted by ブクログ
世界の流れが、非常に分かり易く記述されている。多少作者の見解が盛り込まれているようだが。
なぜISが出現したのか、なぜ中東で争いが絶えないのか、中国と日本の関係が悪化しているのか。
先日、中国のあるスポーツ選手が日本のホテルに宿泊して、愛国心で蛇口を開けて水を出しっぱなした事をブログかなんかにアップしたことに対して、ある作家が「行為に対して否定はしないが、愛国心からならばOECDの円借款で作られた相当な数にのぼる中国国内の施設も壊すか、使用しないようにしないと愛国心に矛盾する」と書いていた。
そもそも中国人は「井戸を掘った人の恩を忘れない」のではないのか。
でもあれもこれも江沢民以来の反日教育によるものだと言われている。この本に書かれているように、為政者への反発を逸らすために都合がわるくなると、反日を持ち出しては攻撃する。やはり中国は大国としてリスペクトされる国には成り得ない。
Posted by ブクログ
今知っておきたい世界情勢に関し、質問形式で内容を解説している。
現状の問題の解説に絡めて、その原因やバックグラウンドについても書かれており、普段のニュースについていけない人でもすんなり読める(世界地図は頭に入れておいたほうがいいかもしれない)
本書によると、世界中で起こる紛争の多くは宗教的価値観・文明の違いによるものである。宗教の教えが与えるお国柄への影響は大きく、宗派による考え方の違いは、紛争をけしかけるきっかけにもなってしまう。昨今のテロやかつての戦争は、実に根深い問題ということを知らされる。
争い後の各国の振る舞い方を考えていく上でも、こういった教養は身につけておくべきと感じる。「歴史は繰り返す」とはよく言うが、誤った判断を下さないためにも、正しい判断材料を常に仕入れるのが大人としてのたしなみなのかもしれない…。
とにかく今何が起きているかの「事実」しかわからない!といった人にはうってつけの本。
Posted by ブクログ
ニュースに接するとき世界の「なぜ?」が並ぶ。なぜ争いは絶えないのか、なぜある国は豊かで別の国は貧しいのか。現代の問題は突如現れたものではない。遠く中世、近代の選択や分岐が今を形作っている。
日本では現実と結びつけて考える機会は少ない。歴史は過去の話ではない。今を理解し未来を見通すための知識なのだ。国際ニュースに迷うときこそ世界史の扉を開きたい。
Posted by ブクログ
100個のQuestionに統一感はないように感じた。また、その解答の観点も、歴史や宗教など幅広い。
そのため、かなりの知識の幅が必要とされる。
Posted by ブクログ
著者は駿台予備校講師だけあって、読みやすくわかりやすい。イスラム教のスンニ派とシーア派の違いもなるほどと思ったし、ユダヤ人が想像以上に世界に大きな力を及ぼしていることも「そうなのか!」。民族や宗教問題は日本人にとって馴染がなく複雑なので、こういうわかりやすい解説は国際ニュースを理解するうえで参考になる。
ただ、著者の政治的思想が色濃く出る場面がたびたびあり、予備校でもこんな風に講義しているのかなと想像すると、生徒に及ぼす影響みたいなものが、老婆心ながらちょっと気になった。それこそ生徒が講師の思想を丸ごと受け止めるのではなく、講義を参考に自分の考えを「主体的」にまとめていくことを願います。
Posted by ブクログ
テレビのニュースは詳しい解説や背景まで説明されない。しかし世界の動向を知る上で、歴史的な経緯を踏まえた認識をすることは世界の動向を知る上で必要不可欠だと思う。ロシアと欧米との関係をローマ帝国の分裂時まで遡って解説している箇所が特に面白い。近いようで遠い。日本と中国もそうだが、他者からでは同じように見えても当人同士はまったく相容れないという関係が世界各地である。
Posted by ブクログ
世界で多くの事件が起きていますが、それらには原因があると思います。米ソ冷戦構造が終わって、早いもので20年が過ぎました。当時抑制された人達が、本来の姿を取り戻そうとして活動しているのかもしれません。それを理解するためには、この本の「帯」に書かれているように、地政学・宗教・世界史、を組み合わせて理解しておくことが大切だと思います。
この本では、ヨーロッパ・イスラム・米国と中国について、合計99の質問に答える形で、構成されています。長年、フジテレビの報道ステーションを担当していた、久米宏が、絶賛しているだけあって、面白い内容が満載でした。
以下は気になったポイントです。
・フランク王国が9世紀に西欧を統合した、日本では平安京に遷都したころ。この王国が採用したのが、西方キリスト教のローマ・カトリック教会と、ラテン文字(ローマ字)であった、そののち、仏・独・伊に分裂した(p17)
・ローマ帝国は5分の1程度まで領土の縮小を余儀なくされますが、現在のギリシアを中心に生き残る。これを東ローマ帝国、あるいはビザンツ帝国という。この帝国が採用したのが、キリスト教の東方正教会とギリシア文字、これが東欧の原型となった。(p18)
・ユダヤ教は厳しすぎる律法なので異民族には広がらず、何度も迫害を受けた。ナチスヒトラーによる迫害は有名だが、それ以前にも、エジプト、バビロニア、ギリシア、ローマといった諸民族によって何度も国を滅ぼされた(p22)
・ユダヤ教とキリスト教の根本的な相違は、大工の息子であるイエスを神と認めるか否か、ユダヤ教から見れば、人間であるイエスを「神」と呼ぶなど言語道断である(p25)
・天皇家が実際に軍事力を持っていたのは、7世紀まで、そのあとは側近(藤原氏等)が力を持った。平安時代末期になると、武家が台頭した(p36)
・東ローマ帝国、ロシアと同じように、政教一致の大国として、中国がある(p40)
・スターリンは反革命罪で自国民を何百万人も殺害した人物だが、ヒトラーの侵略からロシアを守ったことにロシア人は価値を置いている(p59)
・スコットランドの独立運動が盛り上がった背景には、クリミアが独自に住民投票を行って、ウクライナから独立してロシアに編入されたことが影響している(p73)
・経済統合や通貨統合の絶対条件は、同じ価値観を持っていること、そして、経済格差があまりないこと、これを無視すれば大混乱が起きるのは証明すみ(p87)
・サダムフセインは、イラン革命の影響を食い止めるために、イランに攻め込んだ、これがイラン・イラク戦争の始まり。アメリカはこのとき、イランのホメイニ政権を倒すため、サダムフセインのイラクに兵器を供与している(p121)
・イラクの革命政権が倒れ、シーア派の親米政権が生まれて、国有だった油田はアメリカ資本の手にわたった。2003年のイラク戦争の意味は、親ソ政権に国有化されていたイラクの石油利権を、アメリカが取り返したことになる(p127)
・ISは、イスラム原理主義のアルカイダ系過激派組織と、旧フセイン政権の軍人がくっついて拡大した組織といえる(p130)
・イスラエルとトルコという、中東における2つの新米国家が、IS問題でアメリカから距離を置き始めた、これは物凄い地殻変動である(p148)
・敵の敵は味方と考えると、現在は、アメリカ・クルド・イランvsロシア・シリア・イスラエル・サウジ・トルコ、である(p155)
・テキサス共和国がアメリカ合衆国に編入申請をすると、アメリカ政府はテキサスをアメリカの州にした。クリミアと同じ。アメリカは、ロシアによるクリミア編入はけしからん、と非難するが、メキシコ人から見れば、アメリカこそテキサスを返せと反論したいだろう(p185)
・アメリカから東部でカリフォルニアを目指すとすると、当時はパナマ運河がないので、安全なルートは東海岸から大西洋を渡り、アフリカ南端の喜望峰を回ってインド洋を抜け、日本をかすめて太平洋を越える世界一周のルートであった。南米大陸を回るのは南極に近く海も荒れるので危険であった(p188)
・アジアを通って、カルフォルニアに行くルートを押さえる、将来の中国貿易の拠点、捕鯨船の補給基地を得るのが、日本であった(p189)
・共和党を支持しているのは、1)軍需産業、2)草の根保守、3)福音派、民主党の支持者は、1)金融資本、2)移民労働者、3)アフリカ系(p202)
・オバマケアは、妥協して、全国民を民間の保険に強制加入させて、政府が保険料の一部を負担するという形で法案を通した(p207)
2017年1月2日作成