茂木誠のレビュー一覧
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ゾクゾクするほど面白かった。
明治維新がなぜ成功したのかはいろんな説があるけど、維新の担い手たちがきちんと当時のルールである万国公法を学んでいたというところ(坂本龍馬のいろは丸時件とか)が大きかったことなど初めて知ることばかりだった。
また、大東亜戦争に至る部分を丁寧に扱った12章は非常に読み応えがある。軍部の暴走が国民を戦争へと駆り立てたのではなく、マスコミに煽られた大衆の世論が軍を後押ししたのだと言うところが、今まで何となく感じていた心の中のモヤモヤを一気に晴らしてくれた。
一方で、陸軍統制派が共産主義に汚染されていたと言うところがイマイチよく分からなかった。個々の事例も挙げられているが、 -
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長袖・長ズボンで、長い顎髭、長いもみあげの、「人物埴輪」は、どう見ても日本人とか東アジア人には見えませんし、渡来系の人達が作った埴輪だとしか考えられません。
大和朝廷以降の人たちは、埴輪がなんのためにあるのか、どうやって作るのかさっぱりわからなかった、調査とか研究とかもしなかったのは、自分たちとはまったく違う人達(民族)が作ったものだということがわかっていたからだという話も読んだことがあります。
まえがき 茂木誠
・主に関東地方の古墳から多く出土する「武人埴輪」が、正統派ユダヤ教徒のファッションとよく似ているが、偶然かもしれない。
・山伏(修験者)が額につける兜巾が、ユダヤ教徒が儀式で額につ -
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これは分かり易い良書だ。世界中の大きな動きをグローバリズムとナショナリズムの対立軸と、自由と平等という経済的対立軸のマトリックスで整理している。このように視点を固定してみると、世の中の動きが良く見えるのだなぁと感心しました。
たとえば、第一章の「ナショナリズムとグローバリズムのシーソーゲーム」では、フランス革命もイギリス革命もロシア革命もグローバリズムとナショナリズムの構想の歴史であったことがマトリックス思考でわかりやすく理解できます。わかりにくいブレグジッドもこのマトリックス思考でその流れを理解できます。
予備校講師でYouTuberの茂木誠の本はとても面白い。 -
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縄文のアニミズムが神道の起源であり、古事記、万葉集では祭祀王としての支配を「しらす」、豪族たちの軍事行政的支配を「うしはく」と表現して区別している。
「しらす」は「知る」が語源で、民をよく知る、民に心を寄せるというニュアンス。
「うしはく」は軍を指揮するニュアンス。
これが皇室が長く続く理由であり、日本の特徴。
1935年の美濃部達吉の天皇機関説に対して、上杉慎吉が天皇主権論を唱え、天皇神格化が始まる。
国防思想の強い日蓮宗の信徒であった石原莞爾が満州を足がかりに、アメリカと最終戦争を行い勝者による世界統一をプランする。
陸軍内の皇道派と統制派の争い。皇道派は北一輝の革命思想の影響を受けた青 -
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ネタバレ保守というと伝統的な価値観や既存の在り方を守り抜くというイメージがあったが、伝統を守りつつ緩やかな改革を進めていくものだと学ぶことができた。
明治維新と第二次世界大戦敗戦が日本にとって大きな転換点であることが再確認できた。
戦争反対という切り口で、憲法改正を止めようとする勢力もあるが、そもそも自国の防衛を外国任せにすることはリスクなんだとこの本を読んで思った。
メディアや労働組合などが組織票を投じていることなど聞いたことはあったが、まさか本当だとは思わなかった。
また、中国やロシア、北朝鮮に傾倒した共産主義しそうがまかり通っていたことも驚いた。(特に北朝鮮)
一方で、戦後から日本は政治的にも経 -
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右→保守(国家優先)左→自由(共同体優先)
という基軸だけでは、今の世界は理解できなくなっている。
★経済的 平等←→自由
★政治的 ナショナリズム←→グローバリズム
というタテヨコのマトリックスを使って整理していく本。
フランス革命→イギリスの2度の革命
保守党、自由党の二大政党→自由党と産業資本家の結びつき→自由貿易帝国主義の拡大→ポンドからドルへ
※貧富の格差拡大への不満から、共産主義が発生。
アメリカのルーツ・・・ピューリタン→労働と投資→プロテスタント国家ゆえ
カトリック→勤労と蓄財は罪→経済的発展不可
アメリカの保守→共和党→モンロー主義→小さな政府×個人の自由、自主 -
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保守派もそうでない人も、一度は読んでみるべき名著。地理や地政学について学問としてしっかり踏み込んだ上で説明してくれるので他の本と一線を画している。
ロシアウクライナ戦争について、アメリカ等の周辺国の思惑も含めて非常にわかりやすく説明している。やはり何と言っても中国の脅威について正しく理解できるようになった。
ロシアウクライナ戦争は決して対岸の火事ではない。台湾を狙う中国の軍事侵攻をトリガーする可能性も秘めている。そしてその中国が次に狙うのは尖閣諸島だ。防衛をアメリカに丸投げしてきた日本の政治を本書は舌鋒鋭く斬る。迫り来る脅威に正しく対応する、強い指導者が望まれる。そしてそれを選ぶのは読者自 -
ネタバレ 購入済み
歴史好き必読の書
誰だが歴史の授業で習う 645年 大化の改新:豪族:蘇我氏の滅亡
蘇我氏って 妙な豪族名だなぁっと思ってましたが、改めて字を確認すると
本書で触れられている通り、『蘇』る 『我』 キリスト教の系統?ということで、
本書でそれを教わった時、思わず背筋がゾクッとしたものです。
このように、古代史から現代までの流れでの新説は、これまでの歴史の授業では語ってこられなかった
事実とその背景を推定した一説から成り立っており、新しい世界に出会いたければ、
この書を読むこと以上に重要なことはありませんと断言できます。