茂木誠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
平和だった日本人は意識が低すぎた。今はいつ敵国が攻めてくる分からない。自衛の意識を持つ必要がある。
私は特に中東の事情について、全く知識がなかった。
テレビで伝えてないから興味無しのままでよいかと言えば、絶対にそれでは駄目だと思う。
私が学生だった30年以上前は「地政学」という概念はなかった。
あくまで「地理」という科目があっただけで「この国の産業は、特長は」という「点」としての説明でしかなかったと記憶している。
当時は「暗記科目」と割り切っていたが、その考え方が根本的に間違っていると30年以上経った今になって気が付くというのも情けないものだ。
「地理」と別で「世界史」という科目もあったが、これも歴史エピソード集であったりした。
地理と歴史は切り離せないものであり、「なぜ今の状況がこうなっているのか」という部分から掘り下げていくだけも、十分に勉強する意味がある学問である。
(私が偉そうに言える立場では当然ないのだが)
今は特に混沌としているように感じるが、よくよく考えればいつの時代も混沌としていたはずなのだ。
日本は第二次大戦で完膚なきまでに敗戦したことが影響して、戦後すぐは「軍備を持つこと」が出来なかった。
それ故に逆にアメリカの傘の下で、防衛や軍備に予算を割かずに、経済発展に資本を振り切れたという事情がある。
戦後ここ数十年が日本は平和だったにすぎない。
米ソ冷戦の時代だって、結局大国同士のにらみ合いの中で、日本が独自に何かの行動を出来るはずもなかった。
時代は変わって、米中が対立するようになった。
今は軍同士の直接的な睨み合いはないが、経済戦争はかなり激しくなっていると言えるだろう。
そんな米中の背景がある中で、ロシアはウクライナに軍事侵攻した。
まさか前近代的な戦争がこの21世紀に起こるとは誰も予想もしていなかった。
日本から見ればヨーロッパで起きている戦争とは言え、対岸の火事で済ましては絶対にいけない。
世界秩序が大きく揺らいでいるのは間違いないのだ。
経済の発展に伴って中国が力を付けてきたこともあるが、世界の国家ごとの人口構成だって今後は大きく変化していく。
アジア・アフリカ地域の人口が急激に伸びていき、先進国と言われるヨーロッパ・日本は人口が急激に減っていく。
そういう状況で、国際社会の中での日本の立ち位置は、確実に下がっていくはずなのだ。
逆にアジア・アフリカの発言力は今後より強まっていくだろう。
そういうバランスの中で、国際社会はどうなっていくのか。
どう考えても、中国共産党特に習近平は、アジア諸国を取り込み、自らが世界の中心に返り咲く野望を捨てないだろう。
そうなると絶対に台湾は取りに来る。それには日本という国がどうしても邪魔なのだ。
日本が無ければ、太平洋も中国が押さえられる。
日本は排他的経済水域のお陰で、眠っている海洋資源も保持している状況だ。
これは中国からしても他国からしても、のどから手が出るような利権であることは間違いない。
日本が戦争する気がないとしても、他国が欲を出し、日本に攻め込んで来ることは十分にあり得るのだ。
そして本書で書かれていた、イラン・イラク・アフガン・イスラエルなど中東の国々は宗教も石油利権も含め、ものすごく不安定な状況にある。
ここが一発触発となった場合、後ろ盾となっている米ロ中がどう動くかで世界大戦にもなり得るのだ。
かつて明治時代の日本の国防戦略は「対ロシア」であった。
ロシアはそれこそ喉から手が出るほど、日本が欲しい。
ロシアが日本を手に入れれば「不凍港」とさらに「海洋への出口」が手に入る。
戦後はソ連の脅威がそこまでなかったが、これからはどうなるのだろうか。
日本は確かに島国であるが、ロシア・中国・北朝鮮という独裁者の巣食う国家に囲まれている。
国防を考える意味でも、国際情勢を学ぶことは絶対に必要だと思うのだ。
私自身ももっと興味を持って学んでいきたいと思う。
(2022/4/24) -
Posted by ブクログ
世界史を経済の横軸で見ることができ、面白かった。時系列ですべての世界史を網羅しているわけではないが、現代にも通じる出来事を経済の観点から紹介している。
面白かった点
①FRBは民間資本
②日銀は政府と民間で半分ずつ出資
③日銀の設立背景は西南戦争後のインフレ
・西南戦争の戦費調達のために多額の国債を発行したことで、日本経済はインフレに見舞われる
・インフレ処理のためにデノミネーションとして、松方正義が日本銀行を設立し、日本銀行券を発行
④なぜアメリカはNo.1の経済大国になれた?
・2回の世界大戦で戦場とならず、戦争参加国である欧米諸国に対して、国債の引受け・武器輸出の拡大をしたから
・第一次世界大戦にアメリカが参戦した理由は、欧米諸国が敗北すれば、アメリカの債権価値が暴落する可能性があったので、価値を担保するために戦争に介入し、欧米諸国に加担した
⑤なぜ、日本はプラザ合意を受け入れた?
・バブル経済のきっかけとなったプラザ合意を日本が受け入れた背景にあったのは、冷戦構造
・日本の当時の仮想敵国はロシアで、在日米軍基地は非常に重要な役割を担っていた。そのため、プラザ合意が日本経済の足かせになるとしても、受入れざるを得なかった
⑥大陸封鎖令の失敗
・ナポレオンはイギリス打倒のために、イギリスと欧州諸国との貿易を止める「大陸封鎖令」を宣言
・欧米諸国はイギリスへの穀物輸出で利益を得ていたため、大陸封鎖令に従わなかった。この結果、イギリスは継続的に欧米諸国からの支援を受け、ナポレオンに勝利できた
・特定の国の貿易停止を他国へ強要しても、該当国が十分な経済力があれば、効果をなさない。
⑦穀物法の失敗
・大陸封鎖令でイギリス地主は利益を得ていた。なぜなら、安価なフランス穀物が輸入されず、英国の高い穀物が自国マーケットで売れてたからだ。
・大陸封鎖令が終わるときに、イギリス地主が議会へ働きかけ穀物法を制定させる。これにより、大陸封鎖令の終了後も英国外からの穀物輸入を停止した。つまり、事実上の保護貿易だ。
・しかし、ジャガイモ飢饉で十分な穀物を国内で生産できなくなってしまい、英国民は伝染病に苦しんでしまう。
⑧テンプル騎士団はATM
・エルサレムまでの道中で現金を輸送するのは危険なので、預り証を巡礼地で提示し、引き換えに現金を得ていた。
・今で言うところのキャッシュカード(預り証)
を持って、ATM(巡礼地)で必要な現金を引き出してる。 -
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全部マンガではありません。
最初に4ページほどのマンガで問題提起し、興味を持たせて、そのあと詳しく説明するという構成です。
人気がある「サクッとわかる ビジネス教養 地政学」は読みやすかったけれど情報量が少ないので、本書は情報を補完するのに良い内容でした。
第3章の「さまざまな国から見た世界」がおもしろい。
○○○から見た世界地図、という視点で○○○に当たる国は次の8か国。
フランス、ポーランド、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、インド、ベトナム、ブラジル。
ポーランドやトルコなど、地理的な条件(場所と地形)が悲惨な国の歴史を生んでいることがよく分かります。
ひととおり色々な国から世界を見て、世界の各国の事情が何となく分かったところで、最後に第4章で日本から見た世界を論じているのはいい構成だと思いました。
日本には「神風」が吹いていたのは本当だったこともよく理解できます。
日本は地政学的に優位性が高い国だと思いますが、ロシアと中国とアメリカに囲まれた超大国の緩衝地域でもあるんですね。 -
Posted by ブクログ
株を始めてから世界の動きというものに関心を持つようになりましたが、自分で考え判断をするための材料がなく、そういうことを学べる本を探していたところ、本書に辿り着きました。
恥ずかしながら、今まではマスメディアの報道を半ば鵜呑みにして一喜一憂しているような人間でした。
中学生の時の社会科の担当教師は生徒に人気があり自分も好きでしたが、振り返ってみると中国が大好きな方で、反日親中的な意見を刷り込まれていたように思います。
右か、左か、ということの以前に日本人として、日本に生き、生活する人間として、自分はどうするべきなのかと問うと、根底にはやはり日本という国が好きという思いがあり、そこが全ての出発点なのだと思います。
ただ、現代は日本だけを見て全てを判断することはできないため、日本を取り巻く世界各国の状況を知るために、本書はとても役に立ちました。
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Posted by ブクログ
近現代の各国の政治思想的の歴史的動きを、簡単な図解に落とし込むことで理解の促進している本である。
この本は多くの人に苦手な近現代の理解の助けとなろう。
しかも単にこういうものでしたというのでなく、これからの未来予測的なところもあり、例えば中国の封じ込めという点では、本書は「日・米・豪・印の軍事協力体制にイギリスが加われば、これは21世紀の日英同盟であり、太平洋版のNATOが誕生する可能性もあります」と記載されており、これはまさに最近取り出されているオーストラリア、イギリス、アメリカのAUKUS軍事同盟が、ファイブアイズや日米豪印戦略対話QUADと絡み、多国籍での大平洋の安全保障体制となるのではなかろうか。
この本はまさにそういった今の政治や世界を知ることができる。 -
Posted by ブクログ
今、世界中では大分断が進んでいる。しかも、様々な思想が入り乱れ、対立構造が非常に複雑に、わかりづらくなっている。本書は、各国の政治的・経済的スタンスがひと目でわかる「政治思想マトリックス」を使うことで、現在の複雑な世界情勢をシンプルに整理するもの。アメリカ、中国、ロシア、イギリス、EU諸国、中東、そして日本と、それぞれの地域の近代史と今が手に取るようにわかる。
非常に分かりやすくて、曖昧だった理解がかなり整理されました。さすが予備校講師なだけあって教えるのが上手い。「保守」が本来の意味から離れていった経緯なども含め歴史って面白いなあ。私はナショナリストかつ経済は自由主義者なのですが、どちらが良いとか悪いではなく考え方の違いを理解して歩み寄っていく、より良い社会を目指すことを忘れないようにしたい。